古城くんは基本けだるげ   作:トマボ

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誤字報告ありがとうございます!
そして投稿遅くて申し訳有りません。

相変わらず勢いだけの癖に駄文で申し訳ないですが、ぼちぼち投下していきたいなーとふざけ倒しております作者です。
どうぞよろしくお願いシマス


新しく出たコーヒー牛乳美味しい……



なんでもない話 1

◯パート1 打ち切り風

 

 

「おーい、古城。昼飯どうするよ?学食行くか?」

 

「んー…あんまり(お腹が)減ってない。購買で済ませる。」

 

いつもどうりにいつの間にか午前授業が終わっていたところで、矢瀬が心なしか良い表情で誘ってきた。

 

今日は寝坊したせいで矢瀬に抱えられて登校したので、ほぼ動いていない。

当然あんまり食欲も湧かないので軽食で済ませて寝るに限る。皆のように活動的でないので俺は低燃費なのだ。

 

まったく……時代はエコだというのに一般的な高校生というのは消費が激しくて大変だn「今日はシチューだぜ?」

 

 

「何してるんだ矢瀬!急ぐぞ!」

 

「おお。目まで輝いて、別人に見えるな。」

 

「当たり前だろ!?あのクリームシチューは逃せない!」

 

「誘っといてあれだがそんなにか。」

 

 

ここ、彩海学園では不定期に普段には買えないメニューが追加される。今日のシチューには絃神島周辺の海域である時期にしか獲れない海産物が使われており、その時期に丁度重なるようにして本土からこの島に渡ってきては、魔族にも人間にも合う料理を研究している料理人達が各々の持ち込んだレアな食材とこの島の特産物とを組み合わせて、それぞれが自由に調理した料理を振る舞っている。

 

公共の施設や会社の食堂、学園、レストラン、果てに至っては個人の屋台等も気まぐれな料理人達が飛び入りで来ても文句なく受け入れており、名物とかしているとか。

 

 

海産物たっぷりの濃厚クリームシチューを振舞ってくれるのは、素顔を仮面で隠した謎の料理人D・B・タイガー。

 

貴族のようなオーラを纏い、コック帽から僅かに見える金髪。凄まじい速度で人で溢れる食堂を捌ききり、調理を終えた後爽やかな様子で女子生徒に礼を贈り、高笑いとともに去って行く。

 

 

そんな謎の人物ではあるが、料理の腕は本物だ。

濃厚な牛乳と海の幸から取れるダシがお互いを消し合うことなく見事にマッチし合い、彩り豊かな野菜はじっくりと煮込まれており、口の中に入れた瞬間にスープとともに蕩けだす。

 

本当に見事なものなのだ。

 

 

こればかりは逃せない。逃すわけには行かない!

 

例えどれだけ人が多くとも、ごった返しの人混みにもまれようとも、俺は今日絶対にシチューを食してみせる!

 

 

「さあ、行くぞ矢瀬。準備はいいか?俺はできている。」

 

 

俺たちの戦いはこれからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◯パート2 いつもの

 

 

 

「おーい、古城。昼飯どうするよ?偶には学食でもどうだ?まあ、そんな元気なさそうだが。どしたよ。気だるさ2倍デーか?(笑)」

 

 

「行きたくない……ここから一歩も動きたくない。」

 

 

「冗談で言ったんだが、割とマジで死んでんな……。」

 

 

「俺は動かない…絶対に動かないぞ。」

 

 

 

 

さて、古城がくたばりかかっているので、ここからは俺が引き継ごう。

 

今朝は相変わらず寝坊して、俺が抱えて学校まで連れて来た訳だが、遅刻ギリギリの時間に駅に着いちまったせいで、当然満員で潰された訳だ。

 

いつもはそうならんように時間をずらしたり別手段で登校したりする訳だが、今日は本当にギリギリだったし、貴族の道楽なのかは知らんが、島に料理を振る舞いに来る料理人に混ざって厄介な金髪吸血鬼やらグルメな麺好きな王子やらが素顔を隠して来たせいで、交通網が限られちまった。

 

災難なことだが、流石にあの狭い空間で古城の周りにだけ能力で空間を作る訳にも行かなかったんで、人混み嫌いなもやしである古城にとっては相当な負荷になったらしく、ご覧の有様という訳だ。

 

そして、いつも垂れている?というか溶けている顔が明らかに不機嫌を放ち、負のオーラで満ちている。

 

吸血鬼的には間違いじゃないんだが、いささか普段とのギャップが大きすぎるせいか誰も朝から近寄って来ず、教師陣もまた同様に、あの那月ちゃんですら、ハイライトの消えたまま半目で食いしばった口元に般若を背負ったまま机に突っ伏すというその方が疲れるんじゃねえか?と思う様子で授業をボイコットする古城に何も言わなかった。

 

 

 

「まあ、そんな邪険にすんなよ。今日はシチューらしいぜ?」

 

 

「……ふーん。」

 

 

「うーわ、今日この話題で食いつかねーやつお前ぐらいだわ。」

 

 

「おれさ、思うんだよ。」

 

 

「何をだ?」

 

 

「ほら、よく変わったキャラクターとかにいるだろ?あんまり動かなければ消費カロリーも少ないから食費が浮くって言ってる奴。実際動いてない日はお腹空かないし。俺は毎日そうなんだけどさ。」

 

 

「確かに活動的な人間とそうでない奴を比べたらその差は分かりやすいかもしれないけどな。古城。お前の腹はひたすら空腹を訴えてるからな?」

 

 

「身体は正直って奴か……ふっ…人間というものは不便だな…」

 

 

「引っかかる言い方するなよ…また奴らが湧くぞ?そして、ご先祖が獲得してきた人体の仕組みにケチをつけてないで、何か腹に入れてやらないと午後から辛いと思うぜ?主に周りの席が。」

 

 

「そこをだしにするのはズルい……。」

 

 

 

ふぅ…と、2分近くかかってやっとめんどくさがる古城を食堂に連れてきたのにはほんの少しだけ狙いがあったりする。食堂でありえないスピードで調理している仮面吸血鬼はそのうちこの島と第四真祖にちょっかいをかけにくるのは想像に難くない。

 

その時に少しでも悪い関係にならんようにお互いに顔見せ程度しておいた方が……いや、古城は気付かないだろうから相手側から一方的に毒気を抜かせてもらおう!

 

クックック。わーはっはっはー!戦闘狂がなんぼのもんじゃい!ってやつだ。この小動物にすら警戒心を抱かれない存在を前にして呆気にとられるがよいわ!

 

 

「…なんか楽しそうだな。まぁいいや。とりあえず予想以上に混んでるから帰っていい?」

 

 

「待て待て。せっかくだから食っていこうぜ。ほら、食券買っといたから。少し並ぶだけだ。幸いにも席は無駄に有るからな。」

 

 

「……仕方ない。この良い匂いに免じて並んでやろう。」

 

 

「そこはかとなく偉そうだなオイ。」

 

 

 

そんなこんなで行列に並ぶこと5分。改めて見ると顔を完全に隠した仮面で料理してるとかマジ不審者だな。

 

 

「Aランチ2人…パンで。矢瀬は?」

 

 

「俺も同じで。」

 

 

「かしこまりました。少々お待ちください。愛しの…おっと、今ばかりは私は別人でした。忘れてください。」

 

 

 

顔隠してるあたりだいたい予想ついたけどやっぱお忍び的なやつなんだな。

 

 

そんでまた、食い始めてからずっとこっちを見られてる訳なんだが。こいつは俺の腹筋を破壊しにきてるのか?

 

 

 

「ぐぬぬ…( *`ω´)」←フランスパンを噛みきれてない

 

 

 

子供か!見ろ、珍しく調理の腕止まっちゃってるぞ。

 

 

 

「ズズッ……美味い。(*´ω`*)でも、熱い……。」

 

 

「そうだな。おれも良いもん見してもらったわ。」

 

 

「(´∀`)?」

 

 

「何でもねーよ。てか、それどうやってんだよ」

 

 

 

さーて、どうなることやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ディミトリエ バ トラー

D.B.タイガー

なんちゃって。


つまらなくてすんません。


〜〜謎の料理人


「なんてことだ!愛しの第四真祖がさらにキュートになっているじゃないか!」



なんてことになってないと良いですよね。(腐



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