古城くんは基本けだるげ   作:トマボ

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設定?なにそれ食えんの?


もう、どうにでもなーれ。

のAAを頭に思い浮かべながら読んで頂けたら幸いです。
作者が酔った時に勢いのまま書いたりしております。誠に申し訳ございません。

若干キャラ崩壊してますが、ご勘弁ください。






古城さんの主な1日

高校生、暁古城にとって朝はとても辛いものである。

 

魘されながら陽の光を遮るように布団を被ろうとした古城の手は、既にたたまれてしまっていた掛け布団の合った位置をそのまま通過する。

2台の鳴り響く目覚ましと開け放たれたカーテンを見る限り、妹は既に起こしに来た後のようである。

 

 

「朝…………なんて…………滅びればいいのに………」

 

 

ある事情で吸血鬼となってしまった彼にとって、太陽の光と朝という時間はとても眠気が増している時間である。そのため、5割ほど本気で呪詛の言葉を吐き出した。

 

 

 

「アホな事言ってないで早く起きろー。遅刻すんぞ古城。」

 

 

 

そこで、友人である矢瀬 基樹が呆れたように言う。何故朝から古城の部屋に彼がいるのかといえば、彼のクラスでの役職だからとも言える。

 

古城が朝起きられず、妹の凪沙からも相談を受けたことでいつからだったか、肩を貸し、徐々にもたれかかり、やがては引き摺る形で古城をクラスまで運搬し始めた。

 

古城がダラけているのは、というよりほぼ寝ているのは朝だけではなく、日中はもちろん、本来活発になるはずの夜もである。つまり、一日中であるわけだが、そんなことをしていれば勿論のこと、教師陣からは目をつけられ、クラスメイトも困惑する。

 

遅刻と居眠り、早退(これは違う理由)を繰り返せば、当然成績も危うく、

それを見かねた彼、矢瀬ともう一人のクラスメイト兼友人 藍羽 浅葱が何かと世話を焼くようになった。

 

それは、なんやかんやで吸血鬼の体質となってしまう前からのことであるが、担任や他のクラスメイト達はこれ幸いとほぼ土下座に近い形で古城の世話係を頼み込んだ。担任にまで頭を下げられた二人は苦笑いのまま引き受けた。

 

 

 

「おはよう、矢瀬。いつもごめんな……迷惑かけt…zzz…」

 

「だから、寝るなっつの!ほら、凪沙ちゃん待ってっから早く行くぞ。」

 

「うー…」

 

話しながら寝かける古城を引きずったまま部屋を出てリビングへ行くと、古城の妹 暁 凪沙が料理を作り終えたところだった。

 

 

「あ、矢瀬さん!古城くんのこと連れてきてくれてありがとうございます。ほら、古城くんしっかりして!早く食べて行かないとまた遅刻しちゃうよ!そうそう!今日は目玉焼き焼こうと思って卵を割ったら双子だったんだよ!思わず写真撮って◯イッターに挙げちゃったよ〜。そうだ!矢瀬さんもコーヒーを飲んでいってもらえませんか?一昨日買ったドリップが結構美味しいんですよ。古城くんは甘党だからガムシロップ3個入れるんですけど矢瀬さんはブラックで飲む派ですか?それともミルクだけ?ちなみち、私は両方1つずつ入れる派です!」

 

 

「お、おう。相変わらずのマシンガントークだな…、有り難く貰うよ。何もいれなくていいぜ。」

 

「了解です!ちょっと待っててください!古城くんは顔洗って来てね!」

 

 

「朝から…元気だな……凪沙。」

 

 

若干、圧倒されて引き気味に答える矢瀬と寝ぼけ眼でノソノソと行動する古城。顔を洗ってもフラフラとしている古城に対して、矢瀬はまるで執事のようにタオルを渡し、自然な流れで寝間着のままの古城の着替えを手伝う。

 

普段古城は、制服に日差しよけのパーカーという格好をしている。万歳の格好の古城から上着を剥ぎ取り制服とパーカーを着せ、紐を緩めたことで落ちたズボンを回収し上着と共にカゴへ。そして、履きかけで止まりかけているズボンを引き上げてベルトを締めてやったところで、矢瀬はふと思う。

 

(嫌な慣れだなぁ…(泣)何やってんだ俺……何で朝から野郎の着替え手伝ってんだろ…)

 

 

第三者からしたら割と本気で出来ているのかと疑われることすらなくそっと引かれるレベルの光景である。

 

 

「お待たせしました!さあさあ、古城くんは早く食べて!矢瀬さんもどうぞ!着替えまで手伝ってもらってどうすんの!全く古城くんは…」

 

(凪沙ちゃんマジ天使)

 

疎遠気味の彼女ならば、無言で写真を撮られ、ウス=異本のネタにされるであろうし、天才ハッカーの友人ならば恐らく戦車がトレードマークの同僚の餌として動画を撮ろうとするであろう。彼のクラスメイトの手遅れな一部ならば、その場で鼻血を出している。その為、ノーマルな目の前の少女はとても眩しく見えた。

 

 

ロリっ子な英語教師?彼女の趣味に触れてはいけない。

 

 

「どう?今日はうまく出来た?」

 

「…美味い。」

 

「ちょっと!古城くんそれラップ剥がしてから食べなよ」

 

 

「はは……これが最強の第4真祖ねぇ………。信じらんねえよなぁ。」

 

 

目の前で未だに寝ぼけている古城を見て呆れたように矢瀬はつぶやく。

 

 

 

 

「?何か言いました?矢瀬さん」

 

「いんや、何でもないさ。確かにこのコーヒー美味いな。」

 

 

 

 

明るく元気な凪沙と寝ぼけたままの古城。矢瀬か浅葱のどちらか、または二人ともがそこに加わり登校のサポートをする。

 

もはや見慣れた朝の光景となった食卓から古城の1日はスタートする。

 

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

ーーーー電車内

 

 

 

(キャー!やっぱりあの2人!)ヒソヒソ

 

(世話焼き系×銀髪誘い受けよ!)ヒソヒソ

 

 

(勘弁してくれよ…)

 

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

 

 

引きずられながら運ばれる古城と矢瀬が教室に着くと、浅葱や遠巻きに見るクラスメイト以外の稀有な人物達が話し掛けてくる。

 

 

「おはよ、古城。今日も眠そうね。基樹もお疲れ様。」

 

「矢瀬くんいつもありがとうね。」

 

「おう。おはようさん、浅葱と委員長。まぁ、慣れたもんだしな。」

 

「おはよぅ……」

 

「だから委員長じゃないっての。もう、2人して。」

 

「確かに委員長っぽいわよねー。委員長よりも。」

 

「浅葱まで!」

 

 

委員長よりも委員長然とした見た目と態度から委員長と呼ばれている彼女は委員長ではないが、委員長と呼ばれていたりする。それをこのクラスの委員長は気にしていたりするが、委員長の独白は割愛する。

 

「おーい、早く席につけー。矢瀬、暁を席まで頼むぞー。」

 

「「「はーい。」」」

 

「うぃーす。」

 

 

朝のじゃれ合いもそこそこにHRが始まり、古城のクラスの1日が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

ーー1限目 国語

 

 

「じゃあ、次のページを…暁。音読してくれー。」

 

 

「はい……トムは、彼の……クラスメイトに対して………zzz」

 

 

「読みながら寝るな!!!」

 

 

 

 

 

ーー二限目 数学

 

 

 

「次の問題、おい、暁。寝てるからには解けてるんだろうなー?見せてみろ」

 

 

「zzz…(( _ _ ))..zzzZZすぴー」

 

 

「お、正解。頭は良いんだけどなぁ…」

 

 

(((今、謎の中等部制服のの女子が窓から出て行かなかったか!?)))

 

 

(おい、何で筆跡まで一緒なんだよ……そしてどっから入ってきた…)

 

 

 

ーー三限目 体育 ドッヂボール

 

 

「くらえ暁ィ!」

 

「( ˘ω˘ )スヤァ…」サッ

 

「寝たまま避けるな!」

 

 

 

 

(*体操服への着替え等は矢瀬さんが頑張りました。)

 

 

 

 

ーー四限目 英語

 

 

スパァァァァァァァァァァァン!!!!!

 

 

「おい、起きろ暁古城。」

 

 

「痛いっす…(T ^ T)那月先生」

 

 

「私の授業で寝とるからだ馬鹿者」

 

 

「うわっ、痛そ。鉄製の扇子のフレーム曲がってるし。」

 

 

 

 

 

 

ーー昼休み

 

 

 

「はい、あーん」

 

 

「……うまひ。(_ _).。o」mgmg

 

 

「ンフフ〜。」

 

 

 

「「頼む、矢瀬……どうにかしてくれ。口の中から砂糖が止まらん。」」

 

 

「無理」

 

 

 

 

 

 

ーー五、六限目 家庭科 調理実習

 

 

「…もう食べられない。」

 

 

「おい!浅葱!なんでクレープ焼くのにフランベみてーに炎あがってんだ!?!?ストップ!ストップ!!今だけはマジで止まれ!見ろ、古城に餌付けし過ぎたせいで材料ほぼなくなってんじゃねーか!?」

 

 

 

((((''あの班にだけは近づきたくない''))))

 

 

 

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

「んで、放課後になった訳だが、おい、古城。今日は流石に寝すぎだろ。どうした?」

 

 

「…あー、最近ストーカーっぽい子に……追いかけられる夢ばっかり見たせいで眠りが浅いんだ」

 

 

「ストーカー?…それ、もしかして中等部の制服着てる短髪の子の夢だったりしねーか?」

 

 

「あー…そうかもしれん。まぁ、でもただの夢だしな。部屋の中にいても偶に視線とかも感じたりするんだけど気のせいなんだろうな。俺のことなんて見たってつまんないだけだろうし。これじゃ、ただの、自意識過剰じゃん。気をつけよぅ。ちょっと神経質なんかなー。」

 

 

「oh…マジか。お前も大変だなぁ…(泣)」

 

 

 

 

悲しいことに、裏事情で第4真祖の真の監視者という立場にいる矢瀬は、自分の能力で貼った結界内に、しかも教室にかなり近い位置に複数人居る人物達に思い当たる節があった。

 

 

 

(俺の音響結界内に居るのに集中しないと気配を逃しそうになるとかほんと何なんだよ……こえーよ。えーと、中等部の2人と那月ちゃんか?仕事しろよ………。それに、浅葱の端末にチラッと見えたのが古城の部屋でないことを祈りつつ、よく見ると古城の制服に…盗聴器かこれ。)

 

 

 

____触らぬ神に祟り無し。

 

 

 

(すまん、古城。)

 

 

 

内心泣きたくなったところで、常識人なAIから矢瀬の携帯にメールが届く。

 

 

 

#######################

 

ーーーーfrom モグワイ

 

 

助けてくれ。嬢ちゃんの暴走がとまらn

 

眠そうな小僧、すまねぇ……すまねぇ………

 

 

#######################

 

 

 

 

 

(すまねえ……すまねぇ……。モグワイ、古城…!)

 

 

 

 

信用ならない筈のAIは矢瀬と共に貴重な常識枠であり、進んでプライベートを暴くような存在ではなかった筈であったが、古城の顔を眺めながらも後ろ手に隠した端末を凄まじい指さばきで操作する金髪の悪魔には逆らえないようだった。

 

 

 

 

 

 

 

「と、とりあえず帰ろうぜ古城。どっか寄ってくか?少しは気分転換すれば夜も眠れるかもしれねーしよ。」

 

 

「そうするか…いや、やっぱいいや。食べ過ぎだし…歩いて真っ直ぐ帰ろう。」

 

 

気温も下がり、十分眠ったおかげか、朝よりもクマのとれた古城は朝に比べるといささか活発に動く。

 

本来彼は日中寝ている分、夜は活発な筈なのだが、この友人は何故か夜はかなり早く眠りにつく。

 

つまり、日が沈む夕方にしかほぼ行動して居ないことになるのだが、眠りすぎのせいで病気になったりするような気配も見られないため謎は深まる。

 

 

「放課後なら多少は動けるんだよなぁ。浅葱は?帰るか?」

 

 

「私はこのままバイト行くわ。じゃあね。古城、基樹」

 

 

「了解っと。気をつけてなー。」

 

「またな〜。」

 

 

 

そして、帰路につく為歩き始める2人は、更に増えた追跡者を引き連れて校舎を後にする。

 

 

((何故?帰ったのは2人の筈なのに気配がたくさん減った気が))

 

 

 

そんな放課後のクラスの風景もまたいつもの一日であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________

 

 

 

 

 

 

その後、特に寄り道もせず談笑しながら真っ直ぐに帰った2人は古城の自宅前で別れた。

 

 

 

「そんじゃ、またな古城。あんだけ寝といて寝れるかは分からんが、早めに寝ろよー。明日起きれるようにな。」

 

 

「おー。送ってくれてあんがとなー。いくらでも寝れるから大丈夫だー。」

 

 

 

矢瀬を見送った後、古城はマンションを登り自室へと戻る。

 

 

 

「あー…階段長い……疲れた。ただいまー。」

 

 

「おかえりー。我が息子」

 

 

 

自宅であるマンションの一室へと戻り、くつろぎ始めたところで職場から戻ってきたのであろう母 暁 深森が抱きついてくる。

 

 

「あちぃから離れてくれ…」

 

「触診してるからちょいと待ってなさい。」

 

 

持ち前の接触感応能力により、古城を診る深森。本来彼女の能力は、触れることで対象の身体情報や性質などを読み解くものだが、彼女が現在触れることで確認しているのは別のもの。近日中に古城の体表に触れてきた人物達の情報を読み解く。

 

 

(あー…また増えてんのねー、うちの子大変だわー。)

 

「ま、寝不足くらいかな。気をつけなさい。」

 

 

「あんがとなーお袋。気をつけるわ。でも、今日はなんか疲れたからもう寝るわ。凪沙によろしく。」

 

 

「シャワーぐらい浴びときなさいな。(疲れた…か。)」

 

 

「あいよー。」

 

 

その後シャワー浴びて自室に戻り直ぐに眠りについた古城。

 

 

 

そんな風に朝から大抵眠っているのが大概のまま彼の一日は過ぎていき、終わる……。夜中に彼の部屋の大量のセキュリティに何故か引っかからずに侵入者がいたりするが、知らないものは知らない。古城の意識あるうちの1日はこうして過ぎていく。

 

母と友人の心配も虚しく、彼の周りには常に多くの異常者が付いて回っている。

 

しかし、この島においてはある意味ではそんな非日常もまた、通常の日常の一ページなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「おやすみなさい。古城(先輩)(お兄さん)♪」」」」」

 

 




なんでこうなるの?

まずはまともな文章を書け!みたいなツッコミは自分自身でしてますが、酔っ払いには意味が無い。素面でもなんですけどね。


追記 ご指摘いただきましたので矢瀬さんの名前を直しました。ありがとうございます!




没ネタも何も無いけれど、書いてる途中で思いついたもの。



放課後の別バージョン


「(略)ストーカーっぽい子の夢で最近眠りが浅いんだ。」

「ストーカーですって!?大丈夫なの古城!いいえ、大丈夫よ。待ってなさい、古城に寄り付くストーカーなんて直ぐに見つけ出して取っ捕まえてあげるわ!」


(いや、お前もだよ…自覚ねえのか全員?)


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