この素晴らしい世界に捻くれを!   作:八住白露

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温かい目で見てください。
一応今回ハチマンの特典について乗せときました。


この中二病少女にもカエルの捕食を!

「アレね。私たちじゃ無理だわ。仲間を募集しましょう!」

 

街に帰還した俺達は、真っ先に大衆浴場に行って汚れを落とし、冒険者ギルドにてカエルもも肉の唐揚げを食い、作戦会議をしていた。

ここ冒険者ギルドは、冒険者達の待ち合わせや溜まり場としても使われていていて、討伐したモンスターの買い取りと、モンスター料理が売りの大きな酒場が併設されている。

今日はカエル二匹の肉が手に入ったので、ギルドへカエル肉を売り、そこそこの小遣いになった。

あんな巨大なカエルは、俺らでは運べないので、ギルドにに頼むことによって、倒したモンスターの移送サービスを行ってくれるそうだ。

カエル一匹の引き取り価格は、移送サービス込みで五千エリス。

 

「でもなあ…。仲間ってったって駆け出しでロクな装備もない俺達と、パーティー組んでくれる奴なんか要ると思うか?」

 

「この私がいるんだから、仲間なんて募集をかければすぐよ。なにせ、私は最上級職のアークプリーストよ?あらゆる回復魔法が使えるし、補助魔法に毒や麻痺なんかの治癒、蘇生だってお手の物。どこのパーティーも喉から手が出るくらいほしいに決まってるじゃない」

 

なんだろう、ここだけ聞くととてもすごいように聞こえるんだが、今日のあれを見るとなー

……不安だ。

 

翌日、冒険者ギルドにて。

 

「…………来ないわね…」

アクアが寂しそうに呟いた。

仲間募集の張り紙を出した俺達は、冒険者ギルドの片隅にあるテーブルで、すでに半日以上も未来の英雄候補を待ち続けている。

 

「……なあ、ハードル下げようぜ。目的は魔王討伐だから、仕方ないっちゃ仕方ないんだが。

流石に、上級職のみ募集してますってのは厳しいだろ」

 

「この駆け出しの街に上級職でパーティー組んでないやつが、いるとは思えないしな」

 

もしいたら、間違いなく、スペック、もしくは性格に難ありだろうな。

 

「うう……。だってだって…」

 

「このままじゃあ、また三人でジャイアントトード討伐クエストに行く羽目になるぞ」

 

と、アクアに言おうとした時だった。

 

「上級職の冒険者募集を見て来てきたのですが、ここで良いのでしょうか?」

 

紅い瞳に黒くしっとりとした質感の、片口まで届かないかの長さの髪。

俺達に声をかけてきたのは、黒マントに黒いローブ、黒いブーツに杖を持ち、トンガリ帽子まで被った、点綴的な魔法使いの少女だった。

そして、まるで人形の様に整った顔をした…ロリっ子である。

 

どう見ても、中学生ぐらいにしか見えない、容姿に片目を眼帯で隠した小柄で細身な少女は、突然バサッとマントを翻しす。

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者…!」

 

「…冷やかしに来たのか?」

 

「ち、ちがわい」

 

カズマ、冷やかしに来たはさすがにないだろう。ここはあれだ。

 

「あー、あそこのお姉さんに、名前と自分の特徴と親の名前を言えば、後はお姉さんが何とかしてくれるぞ」

 

ギルドの受付のお姉さんの方を指さし、誘導する。

 

「迷子でもないです!」

 

女の子の自己紹介に思わず俺とカズマは突っ込みを入れてしまう。

 

「…その赤い瞳。もしかして、あなた紅魔族?」

 

アクアの問いにその子はこくりと頷くと、アクアにに自分の冒険者カードを手渡した。

 

「いかにも!我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん!我が必殺の魔法は山も崩し、岩をも砕く……!という訳で、優秀な魔法使いはりませんか?…そして図々しいお願いなのですが、もう三日も何も食べていないんです。出来れば、面接の前に何か食べさせてはいただけませんか……」

 

めぐみんは、そう言って悲しげな瞳でじっと見てきた。

その瞬間、俺、カズマ、アクアでのアイコンタクトでの戦いが始まる。

『私は、嫌だからね、ジャイアントトード如き簡単に倒せると思って、昨日、有り金、全部

酒代に告げこんじゃったから、もうお金ないもの』

 

『仲間を募集したりするから、随分,真面目にクエストをこなそうと思っているのかと思えば、そんな事情があったのかよ!』

 

『ということは、必然的に俺かカズマが奢ることになるな』

 

すると突然、カズマが両手をクロスさせた状態で両手の拳をそのまま頭の上まで上げた。

…これは、じゃんけんの構え。

いいだろう。受けてやるこの勝負、舐めるなよ、俺は今まで常に多数対一でじゃんけんをしてきた男だぞ、毎回じゃんけんが始まる前に俺以外の奴らが集合して、作戦会議が始まるんだぞ、マジでほんとあれ何なの?いじめなの?勝てる可能性ほぼ皆無なんですけど。

そんな、過去のトラウマを振り返りつつも、今は勝つために思考を走らせる。

 

「「じゃんけん…ポン」」

行け!必殺のグー!!

じゃんけんということで、俺は某ゴ〇さんの技の様に構えてグーを繰り出したのだが、途中、ある情報を思い出す。

……あれ?カズマって幸運ってすごく高くなかったか?

 

結果、俺は無様に惨敗した。

カッコつけて、グーを出した俺にカズマは非情にもパーを繰り出してきた。

その瞬間、俺の有り金が、尽きる未来が確定した。

 

 

アクア曰く、紅魔族とは、生まれつき高い知力と強い魔力を持ち、大抵は魔法使いのエキスパートになる素質を秘めており、名前の由来となっている、特徴的な瞳とそれぞれが変な名前を持っているそうだ。

……なんだ、この痛い種族は……。

 

「…とりあえず、この子の種族は質のいい魔法使いが多いんだよな?仲間にしてもいいのか?」

 

「いーんじゃない?冒険者カードは偽装できないし、彼女は上級職の強力な攻撃魔法を操る魔法使い、アークウィザードで間違いないわ。カードにも、高い魔力値が記されているし、これは期待できると思うわ」

 

「おい、彼女ではなく、私の事はちゃんと名前で呼んで欲しい」

 

「とりあえず、…あれだ、好きなもの頼んでいいぞ。俺はハチマンでこっちがカズマでこいつがアクアだ」

 

何か言いたそうなめぐみんに、店のメニューを手渡した。

 

そして再び、街の外の平原地帯。

 

「爆裂魔法は最強魔法。その分、魔法を使うのに準備時間が結構かかります。準備が整うまで、あのカエルの足止めをお願いします」

 

俺の有り金によって、満腹になっためぐみんを連れ、ジャイアントトードにリベンジしに来ていた。

平原の、遠く離れた場所には一匹のカエルの姿。

そのカエルは、こちらの存在に気づいて向かって来ていた。

だが、更に逆方向からも別のカエルがこちらに向かってくる姿が確認される。

 

「遠い方のカエルを魔法の標的にしてくれ。近い方は……。行くぞアクア。ハチマン。

今度こそリベンジだ」

 

「分かったわ。今度こそあのカエルに女神の力を見せてやるわよ!」

 

そう叫んで、見事カエルの体内に侵入することに成功したアクア。

流石は女神、身を艇しての時間稼ぎをしてるようだ。

カエルに特攻したアクアの直前の言葉に疑問を持つめぐみん。

 

「……女神?」

 

「…を、自称している可哀想な子だよ。たまにこういった事を口走ることがあるんだけど、できるだけ、そっとしておいてやって欲しい」

 

ごまかすためとは言え、アクアの知らないところで、とても可哀想な子扱いをされているアクア……哀れだ。

 

…突然、めぐみんの周囲に漂う空気がビリビリと震え出しだす。

 

「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒の時来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰燼に帰し、深海より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン!」

 

平原に一筋の閃光が走り抜ける。

めぐみんにより放たれた一撃は遠く、こちらに接近してくるカエルに吸い込まれるように直撃すると……。

眼を眩むほどの強烈な光に辺りの空気を震わせるほどの轟音と共に、カエルは爆裂四散した。

爆煙が晴れると、カエルの場所には二十メートル以上のクレーターができており、その爆発のすさまじさを物語っていた。

 

「すっげー。これが魔法か…」

 

あまりの魔法の威力にカズマが思わず感動の声をげていた、その時。

魔法による轟音と衝撃で、目覚めたのか一匹のカエルが地中からのそりと這い出た。

 

 

「めぐみん!一旦離れて、距離を取ってから攻撃を……」

 

カズマはそこまで言いかけて、言葉を止めた。

 

「ふ……。我が奥義である爆裂魔法は、その絶大な威力ゆえ、消費魔力もまた絶大。…要約すると、限界を超える魔力を使ったので、身動き一つ取れません。あっ、近くからカエルが湧き出すとか予想外です。……やばいです。食われます。すいません、ちょ、助け…ひゃ…!?」

 

めぐみんを捕食したカエルの方に二歩分近かった俺は、めぐみんの救出に向かい、カズマはアクアを助けに向かった。

 

「「食われてるじゃねーよ!」」

 

特典である刀を出し走り出す。

ついでに俺の特典について説明しよう。

俺の特典は刀では無い、正確には職業である。刀はその職業に必要だからついてきたのであろうと思われる。

そして、俺の選んだ職業は…死神だ。

決して、黒いローブを纏った鎌を持った、髑髏の方ではなく、ブリーチの世界で出てくる死神だ。

能力は、モンスターを倒すことによって、もらえるソウルポイント(冒険者カードのスキルポイントとは別物です)を特典でもらった死神カードにためていくことにより。

ブリーチで使われている技や刀を解禁できるとのことだ。

そして、現在のポイントが一で、死神カードで覚えられる一番ポイントの低い技は二ポインとかかるので、何も覚えられませんでした。

ちなみに一番低い技は、破道の一 衝である。縛道、破道は番号×二のポイントが必要だ、

例えば破道の九十黒棺ならばポイント百八十。

瞬歩は十五で、月牙天衝は五十ポイントといった所だ、斬魄刀ごとにポイントが分けられているわけではなく、技ごとにポイント分けられている。

レベルが足りないのか、卍解は今の所、死神カードには記されていなかった。

以上俺の特典の説明は終了です。

そして俺は今の俺の武器である刀…浅打でカエルにとどめを刺し。

何とか、三日以内にジャイアントトード五匹討伐のクエストを完了させた。

 

俺一匹、カズマ一匹、俺とカズマで二匹、めぐみん一匹。

こうして結果だけ見るとあれだが、このうち三匹はアクアが身を挺して足止めしてくれたので、アクアもまあ、それなりに頑張ったと告げておこう。

 

 

 

 




ハチマンの特典の詳細は後々説明していきます。
今回も読んでいただいた方ありがとうございました。

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