兵藤一誠のダークライダー戦記 【凍結】   作:ロボ戦極凌馬

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投稿が遅れて、大変申し訳ありませんでした!
夏休みが終わり、大学が始まったので遅くなりました。
ちょっと雑になってしまったかも。
それと、響鬼系のライダーは、変身解除すると服が消えますが、この作品では消えません!

では、第9話をどうぞ!


第9話 戦闘訓練2 黒歌VS目覚める戦鬼

 

 

 

「一誠くん、美猴。二人ともお疲れ様」

 

 

 美猴との戦闘訓練が終わって俺達を出迎えてくれたヴァーリ達。なんか、ルフェイちゃんが目をキラキラさせて俺を見てくるんだけど……。

 

 

「えっと、ルフェイちゃん?なんでそんなに目をキラキラさせてるの?」

 

「兵藤さん!サイン下さい!」

 

「えぇっ!?」

 

 

 えっ!?いきなり何!?そんなキラキラした目で俺を見ないで!

 

 

「ルフェイ、落ち着きなさい。彼が驚いてしまっていますよ」

 

「はっ!?ご、ごめんなさい!」

 

「申し訳ありません。実は、ルフェイは日本のサブカルチャーが好きでして。貴方の仮面ライダーの姿を見て興奮してしまったんです」

 

 

 あ~、なるほどね。そう言うことか。確かに、仮面ライダーの姿って特撮っぽいよね。俺も初めて変身した時はテンションが上がったよ。

 

 

 という訳で、サインは書いたことがないから無理だけど、ルフェイちゃんが握手でもいいと言うので握手した。握手した後、ルフェイちゃんが自分の手を満面の笑みを浮かべながら見つめていた。そんなに嬉しかったのか……。

 

 

「一誠くん。少し休憩してから黒歌との訓練を始めるけど、いいかな?」

 

「俺はこのまま始めてもいいけど」

 

「え?でも、美猴と戦ったばっかりだし。疲れてないの?」

 

「あぁ、大丈夫だぜ。なんせ、鍛えてますから」

 

 

 シュッと右手でポーズをとる。体力もまだまだ有り余っているから連戦しても問題はない。

 

 

「それじゃあ、始めようにゃん。兵藤一誠♪」

 

「おう。よろしく頼む!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 再び模擬戦ルームに入り、中央で俺と黒歌は相対している。

 

 

「ルールはさっきと一緒。制限時間は8分、アナウンスの合図で戦闘開始にゃ」

 

「わかった」

 

 

 俺は右手に『黒い音叉』を持って、左足に軽く打ち付ける。打ち付けた音叉から不思議な音色が響く。

 その音叉を額の前に構えると、額に鬼の紋章が浮かび上がり、俺を中心に桜の花びらが現れ桜吹雪のように身体を覆う。

 

 

「フゥゥゥゥゥゥ、ハァッ!」

 

 

 桜を勢いよく手で祓うと俺の姿が露になった。

 左が赤で右が緑という左右非対称の角が生えた頭部、刺々しい緑のボディに両肩には金色の肩当て。

 

 

 かつて人間の大人を憎み、子供を守り抜いた裏切りの鬼【仮面ライダー歌舞鬼】へと変身した。

 

 

「さっきとは別の姿。それも、まさか鬼?お姉さん驚いたにゃん♪」

 

「それはどうも」

 

『戦闘、開始!』

 

 

 アナウンスによる合図がルーム内に響き渡る。

 

 

「行くにゃ!」

 

「仮面ライダー歌舞鬼、参る!」

 

 

 

 △▼△▼△▼△▼

 

 

 

 

「美猴との戦いで貴方の実力が高いのは分かったわ。だから、遠慮はしないわ!」

 

 

 黒歌は両手に二種類の力を纏わせる。妖術と仙術の二つの力を波動にして歌舞鬼向けてに撃ち出す。

 歌舞鬼は両手をクロスさせて攻撃を受け止める。受け止めた部分から軽く煙が上がるが特にダメージは無いようだ。

 

 

「……今の攻撃、手を抜いた訳じゃないんだけど。一体どういう身体をしてるの?」

 

「鍛えているとしか言いようがないんだけどな」

 

「どんな鍛え方にゃ」

 

 

 ダメージが無かった歌舞鬼に対して若干引き気味の黒歌。

 歌舞鬼は再び音叉を取り出し告げる。

 

 

「音叉剣!」

 

 

 すると、音叉が片刃の刀である『鳴刀・音叉剣』に変化した。歌舞鬼が呪術を使って音叉を変化させたのだ。

 音叉剣を右手に握りながら黒歌の向かって駆け出す。

 

 

 黒歌は先程の妖術と仙術の波動を幾重にも撃ち出すが、歌舞鬼は音叉剣で攻撃を切り裂きながら距離を詰める。

 充分な距離を詰めた歌舞鬼は、音叉剣を斜め上から下に向けて黒歌に振るう。

 だが、当たる寸前に黒歌の体が霧のように消えて、攻撃は空振りになる。

 

 

 背後から気配を感じた歌舞鬼は瞬時に振り向くが、振り向くと同時に体に衝撃が走り、軽く吹き飛んだ。受け身をとって直ぐに立ち上がり先程の場所を向くと、黒歌が魔力纏わせた右手を突き出して佇んでいた。

 

 

「驚いた?貴方が攻撃したのは幻術で作り出した私の分身よ。それと、私も多少は近接戦闘は出来るの♪」

 

「なるほど、分身ね」

 

 

 歌舞鬼は納得したのか、小さく頷いた。仙術と妖術以外にも幻術まで操れる黒歌を「厄介だな」と内心呟く。

 

 

「まだまだ行くにゃ!」

 

 

 すると、黒い影が黒歌の周りに現れる。その影は次第に形を変え、黒い着物を着た女性、黒歌へと変化した。

 

 

「ふふっ♪どれが本物の私なのか分かるかにゃ♪」

 

 

 本体の黒歌が笑うと、分身体の黒歌達もクスクスと笑みを浮かべる。そして、黒歌達の右手に膨大な魔力を纏わせて歌舞鬼に向ける。

 

 

「一斉攻撃!」

 

 

 本体と分身体の黒歌達が一斉に歌舞鬼に攻撃を放つ。放った攻撃の影響で歌舞鬼の居た場所は煙に包まれる。

 本体の黒歌は、煙の中に居るであろう歌舞鬼に視線を注ぐ。仙術を使える彼女は相手の気の流れを読めるため、相手の状態を知ることができる。

 

 

「……嘘でしょ?」

 

 

 暫くして、煙が晴れる。煙が晴れて黒歌が最初に目にしたのは……

 

 

「傘?」

 

 

 そう、傘である。それもただの傘ではなく、日本の古くからある『和傘』と呼ばれる傘が開いた状態で黒歌達に向けられていた。

 

 

「ふぅ~、危なかった」

 

「まさか、その傘で攻撃を防いだの?」

 

「見ての通りそうだけど」

 

「……どんだけにゃ」

 

 

 歌舞鬼は黒歌達から放たれた攻撃が当たる寸前に『鬼傘術』と呼ばれる術で防いだのだ。

 流石の黒歌も、これにはかなり動揺している。

 

 

「さて、今度は俺の番だ」

 

「ッ!」

 

 

 音叉剣と和傘を仕舞った歌舞鬼は後ろ腰から二本の『音撃棒・烈翠』を取り出す。

 

 腰のバックルにある『音撃鼓』から緑色のエネルギーで作られた音撃鼓を目の前に浮かび上がらせ、音撃棒を握り締めて構える。

 

 

「音撃打・業火絢爛!」

 

 

 音撃棒・烈翠で目の前に浮かんだ音撃鼓を勢いよく叩く。叩かれた音撃鼓は黒歌達の元へ放たれた。

 本体の黒歌は分身体を壁にして防ぐが、業火絢爛の攻撃は黒歌の予想以上で、攻撃自体は防げたがその余波で吹き飛ばされてしまう。

 

 

「うぐっ、これ程の威力だなんて……!」

 

 

 予想以上のダメージを受けた黒歌はなんとか立ち上がる。

 

 

「そろそろ終わらせよう」

 

 

 歌舞鬼は音撃棒を仕舞い、『鬼鞭術』と呼ばれる術で特殊な鞭を黒歌の腕に絡めて引き寄せる。

 

 

 抵抗出来ずに歌舞鬼の元へ引き寄せられた黒歌の首に再び取り出した音叉剣を突き付ける。

 

 

「俺の勝ち、ってことで」

 

「ハァ、降参にゃ」

 

『戦闘、終了!』

 

 

 黒歌が負けを認めたと同時にアナウンスが鳴る。勝敗は決した。

 

 

 歌舞鬼の体が一瞬光ると、元の兵藤一誠の姿に戻る。

 

 

「貴女、本当に強いわね」

 

「まぁ、鍛えてますから。シュッ」

 

「そのシュッって何なのにゃ」

 

「挨拶みたいなものですよ」

 

 

 一誠と黒歌は他愛のない話をして模擬戦ルームを退出していた。

 

 

 

 




如何でしたか?歌舞鬼のシーンは難しかったです。
響鬼系ライダーは服が消えるのが不便ですよね。この作品では消えませんが。歌舞鬼って格好いいですよね!

次回 兵藤一誠のダークライダー戦記

第10話 戦闘訓練3 アーサーVS黄金の林檎騎士

次回もお楽しみに!

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