一誠君の親友が二人登場します。原作で有名なあの二人です。性格は変わっていますが。
戦闘はありません。
翌日、俺はいつも通りの時間に学校へ登校した。
あの後、風呂から出て直ぐに数学の課題に取り組んだ。課題は思いの外早く終わった。ちゃんと日頃から予習復習をしている成果だろう。
「頼む一誠!数学の課題を見せて欲しい!」
「またかよ松田。お前、前回も課題を忘れてたよな?」
俺が教室の席で本を読んでいたら一人の男子生徒が頼み込んできた。
この坊主頭の男子は松田。俺の数少ない『親友』と呼べる者の一人だ。
どうやら、松田は数学の課題が出来てないらしい。
「半分は出来てるんだが、昨日の夜に寝落ちしてしまって」
「自業自得じゃねえか」
「頼む!今日の数学で俺当てられるんだ!」
「……たくっ、次はやってこいよ?」
そう言って、俺は鞄から数学の課題を取り出して松田に渡す。松田は表情を一気に明るくしてそれを受け取る。
「ありがとう一誠!後でなんか奢るよ!」
「いいから早く写せ」
「おう!」
別に松田は成績が悪い訳ではない。この駒王学園に一般入試で合格している時点でそれなりに学力は高いのだ。
ただ、松田は見た目通り体育会系の人間で持ち前の高い身体能力と運動好きということから、学園の運動部に助っ人として参加していることが多い。
それ故に、授業中に寝ていることが多々ある。
実際に松田の身体能力と運動能力は高い。この前、バスケットボール部の試合に助っ人として参加した時は、奇跡の世代張りの活躍をした。あれはヤバかった。ボールを受け取った瞬間、瞬く間に相手選手を華麗なドリブル捌きで抜き、ダンクシュートを決めていた。
運動に関してはアイツの右に出る奴は居ないと思う。その実力をもう少し勉学に向けてくれたら何も言うことはないんだが。
「松田の奴、また課題を忘れたのか?」
「おっ、元浜か。おはよう」
「あぁ、おはよう一誠」
俺の所にまた一人の男子が近付いてきた。眼鏡を掛けた知的そうな雰囲気を醸し出しているこの男は元浜。松田と同じ『親友』と呼べる者の一人だ。
「全く、部活の助っ人もいいが、勉学を疎かにしては駄目だろうに」
「松田もそれは分かっていると思うけどな。眠気に勝てないだけで」
「その時点でアウトだ。眠気程度、助っ人で発揮している根性とかで打ち勝てばいいだけだ」
「俺じゃなくて、アイツに直接言ってやれ。その方が為になるぞ」
元浜は俺達三人中では一番学力が高い。中学の頃も常にテストで学年トップをキープしていたからな。高校に入学してからも学年トップだ。
えっ?俺はどうだったかって?十位以内には入ってたよ。よく三人でテスト順位を競い合ったりしたな。元浜が全勝だったけどね。
その後、授業が始まった。数学の授業で松田が当てられたがちゃんと答えていた。俺の課題が役に立ったようだ。
授業は進み、午前の授業が終了し、俺達は屋上で昼飯を食っている。
「そう言えば、二人はあの話を知っているか?」
「あの話?」
「どんな話だよ?」
「隣のクラスの
昼飯を食べている時、元浜はそんな話をしてきた。
赤羽健次、隣のクラスに所属している男子生徒だ。容姿端麗、勉強も運動も出来ることで女子生徒から人気がある。
まぁ、人気があると言っても赤羽の容姿に関してのみだが。
本人が知ってるかどうかは分からないが、女子生徒は赤羽健次のことをあまり好きではない。なんでも、体を舐め回すように見てくることもあったり、どこか見下したような視線を向けてくるとか色々。
さっき、勉強も運動も出来ると言ったが元浜と松田には劣る。
顔は確かに格好いいと思う。だがそれも、中身が駄目な性で台無しだ。
男子も女子も表面上は仲良くしてるらしい。
後、何故か俺と目が合うと敵意の眼差しで見てくるんだよな。アイツと関わったことはないんだけど。
「あっ、その話聞いたぜ。部活の助っ人で参加して時に他のクラスの男子が話してた」
「ふーん、あの赤羽がねぇ」
「ちなみに、コレがその他校の女子生徒だ。」
元浜は懐から数枚の写真を俺達に渡す。写真には赤羽と女子生徒が仲良く登校しているのが写っている。
女子生徒は、腰まである黒髪に制服越しからでも分かる程のスタイルの良さ。
成る程、美少女だな。
「お前、こんな写真を何処から入手したんだ?」
「ふっ、それは秘密だ」
「余計に怖いわ」
元浜が眼鏡をクイッと上げてニヤリと笑う。元浜、気持ち悪いからその笑い方止めて。
その後も三人でワイワイ盛り上がっていると昼休みが終了した。
午後の授業、昼飯を食べて腹が満たされたのか松田が爆睡してた。
松田、そうやって寝てるから授業中に当てられるんだぞ?
今回は短かったので、次話は早めに投稿します。
次回 兵藤一誠のダークライダー戦記
第5話 堕天使VS暗黒龍を従えし者
次回もお楽しみに!