兵藤一誠のダークライダー戦記 【凍結】   作:ロボ戦極凌馬

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前回、早く投稿するとか言っておいて結局時間が掛かってしまった。申し訳ありません!
今回は、聖剣使いとの邂逅と駒王町に迫る新たな脅威を一誠くんが知る話です。
急いで書き上げたので、雑になってるかもしれないのでご注意を。

では、どうぞ!


月光校庭のヤベー奴
第14話 聖剣使いとの邂逅、町に迫る新たな脅威!


 

 

 

 

 ━━精神世界━━

 

 

 

 ここは、俺の精神世界。

 景色はお世辞にも良いとは言えない。辺りを見渡しても灰色の空間がどこまでも続いている。

 

 

 そんな中、俺はその空間で武神鎧武に変身した状態で右膝を地に付けていた。

 ブラッドオレンジアームズのあちこちに傷が付き、ライドウェアも所々斬られており、無双セイバーに至っては刀身が折れて使い物にならなくなっている。

 

 

 持っていた無双セイバーを投げ捨て、ブラッドオレンジの断面を模した武器である大橙丸を構えて、ある一点を見つめる。

 

 

 視線の先には、漆黒のマントを身に纏い、純白のボディに装備されたコンバットベルト、三本の角と∞を表した黄金の複眼の持ち主、仮面ライダーエターナルが専用武器であるエターナルエッジを右手で弄びながら佇んでいる。

 

 

 そのエターナルからは、圧倒的な威圧感と殺気を放っている。

 正直、今からでも逃げたくなる程だ。でも、それは許されない。

 

 

「どうした?もう終わりか?」

 

「いや、まだやれますよ!」

 

 

 俺は駆け出し、エターナルとの距離を詰める。大橙丸を降り下ろすがエターナルエッジで攻撃を弾かれる。大橙丸とエターナルエッジが打ち合う度に火花が散り、何度か打ち合うとエターナルエッジによって大橙丸が弾かれ、俺の手から離れてしまう。

 

 

 エターナルはその一瞬を付き、強烈なラッシュを俺に叩き込む。その攻撃の一発一発が意識を一瞬で持っていきそうな程だが、俺はなんとか意識を保つ。

 

 

 だが、意識は保てても体は限界だ。体にダメージが蓄積されて立っているのが精一杯の状態。

 エターナルは、エターナルエッジをしまい、代わりに『U』と刻まれたT2ガイアメモリを一本取り出し、ガイアウィスパーを鳴らした。

 

 

 《UNICORN!》

 

 《UNICORN!Maximum Drive!》

 

 

 エターナルは『ユニコーンメモリ』を腰のマキシマムスロットに装填し、スロットのスイッチを叩く。エターナルの右拳に緑の螺旋を描くエネルギーが纏い、俺のアームズに強力なコークスクリューパンチを叩き込んだ。

 

 

 直撃した俺は吹き飛ばされ、アームズのあちこちから火花を散らす。立ち上がろうとするが、体に力が入らずそのまま倒れ伏す。

 すると、纏っていたライドウェアとアームズが粒子となって消える。許容範囲を超えたダメージを負ったことにより、変身が強制解除された。

 

 

 てか、本当に痛い。立ち上がることが全く出来ない。ボロボロの体で力を振り絞って上半身だけを起こして、そのまま座る。

 

 

 視線の先には、エターナルがロストドライバーのスロットを起こしてエターナルメモリを引き抜く。変身が解除され、変身者の姿が露になる。

 

 

 歳は二十代後半で、茶髪の所々に青いメッシュが入っており、黒のズボンと赤いラインが入った革製の黒ジャケット、ジャケットの左胸と背中には林檎に突き刺したナイフ、それを取り巻く四匹の蛇が刺繍されている。

 

 

 ナイフのような鋭い目付きで俺を見て、言葉を掛ける。

 

 

「ジャスト三十分。前回より二分は延びたな」

 

 

 三十分。それは彼━━初代エターナルの変身者である『大道克己』との戦闘時間。どうやら、前回より二分は延びたらしい。

 

 

「三十分かぁ~、持った方ですかね?克己さん」

 

「まぁ、四年前よりはマシになった方だろう。まだ甘いがな」

 

「厳しいですね」

 

「当たり前だ。お前はエターナルの力を使っているんだぞ?無様な戦いは認めん」

 

 

 四年前、俺が仮面ライダー(ダークライダー)の力に目覚めた日から、精神世界で鍛えて貰っている。

 

 

 今回のように克己さん直々に鍛えて貰うこともあれば、歴代怪人達と戦ったり、量産型ライダーという数の暴力と戦ったり、凄いスパルタだけど、その分着実に力は付いてる。

 

 

 ここは精神世界である故に、怪人や量産型ライダー等を好きなだけ出現させることができる万能空間なんだ。

 

 

「おい、そろそろ時間だ」

 

「あっ、もうそんな時間ですか?じゃあ、また来ますね。今度は克己さんから一本とって見せますよ!」

 

「ふん、期待しないでおく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピピピピピピピッ!

 

 

 枕元に置いてある目覚まし時計が鳴る。

 時計を止めて、俺は布団から上半身だけを起こす。

 

 

「そこは嘘でも期待しておくって言って欲しいなぁ~」

 

 

 俺は先程の精神世界での出来事を思い返す。今回も、克己さんに一撃も攻撃を与えられなかった。あの人強さが別次元なんだよなぁ。克己さんに勝てる日が来るのだろうか?

 

 

 布団から完全に起き上がり、窓のカーテンを開けて空を見上げる。雲が一つもなく、青空が広がっている。快晴だ。

 

 

「よし、今日も頑張りますか!」

 

 

 

 

 

 

 俺はいつも通り学校に登校し、授業を受けた。

 

 

 そう言えば、アザゼルさんから聞いた話だけど、グレモリー先輩がライザー・フェニックスっていう上級悪魔と結婚したらしい。なんでも、非公式のレーティングゲームでグレモリー先輩が勝てたら結婚の話は取り消し、フェニックスさんが勝てば結婚という条件だったとか。

 

 

 結果は、グレモリー先輩が投了したことによってフェニックスさんの勝ちになったらしい。

 アザゼルさんが言うには、グレモリー先輩達は圧倒的に実力不足で、フェニックスさんは公式のレーティングゲームで何度も勝利を勝ち取っているプロなので、結果は納得だとか。

 

 

 それと、赤羽健次がグレモリー眷属になってた。

 しかも、赤羽が今代の『赤龍帝』なのが驚いた。つまり赤羽はヴァーリのライバルということになる。赤龍帝と白龍皇は昔から戦い続けていて、赤と白が戦うのは宿命と言っても過言ではない。

 

 

 まぁ、ヴァーリは別に戦いたいと思ってないし、そもそも今の赤羽ではヴァーリには勝てない。禁手化に至っていないのでは無理だろう。実力も月とスッポンレベルの差がある。

 

 

「おっ、ファイナルステージだ!」

 

 

 俺は手元のゲーム機で遊んでいる。ゲームのタイトルは『MIGHTY ACTION X』。主人公のマイティがお菓子を食べてパワーアップして攻略するゲーム。

 

 ちなみに、今は放課後になっていて松田は部活の助っ人、元浜は『洋菓子店シャルモン』でバイトに行っている。

 

 

 俺は暇だったので、誰も居ない屋上で一人ゲームを楽しんでいる。

 

 

「いよっしゃあ!ノーミスクリア!ふぅー!」

 

 

 ゲーム機の画面には『GAME CLEAR!』が表示されている。

 

 

「やっぱり、あの人が作ったゲームは面白いなぁ。心が躍る!」

 

 

 ゲームに関して、あの人はマジで天才だと思う。いや、ゲームマスターだったな。

 あの人と言うのは、俺の精神世界に居る人物のことだ。克己さん以外にも数人存在するんだが、この話はまた今度にしよう。

 

 

 ゲームを再開しようと思った時、誰も居ない屋上にスマホの着信音が鳴り響く。

 

 

「はい、もしもし」

 

『あっ、一誠くん。今いいかな?』

 

「あぁ、ヴァーリか。どうした?」

 

『実は━━━━━━━』

 

 

 

 

 青かった空は茜色に染まり、俺は自宅の帰路に着いているが、俺の表情は今の空のように明るくはない。

 理由は、先程のヴァーリから電話の内容だ。

 

 

 なんでも、グレゴリ所属の幹部堕天使である『コカビエル』が天使勢力である教会から聖剣『エクスカリバー』を強奪したらしい。

 アザゼルさんは、その件で対応に追われているらしく、代わりにヴァーリが俺に連絡してくれたのだ。

 

 

 さらに最悪なことに、そのコカビエルがこの駒王町に潜んでいる可能性が高いということ。それを聞いた俺は、直ぐ様にカンドロイドを大量に駒王町全域に放った。そう簡単に見付かるとは思ってはいないが、何もしないよりはマシだろう。

 

 

 後、天使勢力が教会から二人のエクソシストを駒王町に派遣したそうだ。それも聖剣持ちの。

 やれやれ、何故この町はこうも厄介事に巻き込まれるのだろうか。勘弁して欲しい。

 

 

 頭の中で色々考えていると、アパートが見えてきた。アパートの敷地内に入ると、俺の部屋の玄関前にローブを着た二人の人物が居た。

 俺は相手には気付かれないように警戒体勢に入り、いつでも反撃できるようにする。

 

 

「あの、そこ俺の部屋なんですけど。何かご用ですか?」

 

 

 俺は二人に話し掛ける。

 すると、一人がフードを取り顔を見せた。茶髪のツインテールで、美少女に分類されるであろう程の少女だった。

 だが、俺はその顔に見覚えがあった。

 

 

「もしかして、イリナ?」

 

「覚えててくれたんだ!紫藤イリナだよ!久し振りだね、一誠くん!」

 

 

 これが、幼少期の幼馴染との再会で、教会から派遣されたエクソシストとの邂逅であった。

 

 

 

 

 




今回明かされた一誠くんの特訓方法。万全の克己さんと三十分戦えるなら、良い方じゃないですかね?
怪人や量産型ライダーとかの戦いは、ゲームのバトライドウォーとかをイメージしてくれればOKです!
感想をお待ちしてます!

次回 兵藤一誠のダークライダー戦記

第15話 降臨!チャリのヤベー奴!

次回もお楽しみに!

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