桃水晶の六尾姫   作:ココスケ

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14の誕生日

意識を飛ばした私を心配そうに覗き込む10体の尾獣。

 

意識を飛ばす前と景色が変わらない為、

寝転んだままウィンドウを開いて確かめると、ちゃんと移動は出来ていた。

 

「みんな、ありがとう。私だけだったら…こんなにスムーズに行かなかったかも。」

 

誰にも気付かれる事無く(・・・・・・・・・・・・)、危機を脱する事が出来たのは、間違いなく尾獣達がチャクラをくれたお陰だ。

恐らく、あの2人(・・・・)をこの世に留めたのは、チャクラを借りろって事だったのだろうが…救世主が他国の人柱力で自前で何とか出来てしまった為、完全に無駄足だったようだ。

 

『トウカのお陰でハゴロモと会えたんだから、力を貸すのは当然だ。

それに…俺ら友達だろ、ウキキーッ!』

『そうですよ、トウカのお陰でハンとも良い関係を築く事が出来たんですから。みんな、トウカに感謝してるんですよ。』

 

体を起こし、みんなの優しさに思わず笑みが零れた。

 

 

 

 

尾獣達全員のチャクラを宿した事により、擬似的な(・・・・)十尾の人柱力となった。

まぁ、全てのチャクラを集めた訳でも無いし、十尾となる事は無いだろう。

 

だが、十尾にならないとはいえ全尾獣のチャクラを宿した為、求道玉などは使えるし全ての性質変化が使える。

 

私に危害を加えようとしても、指一本触れる所か近づく事さえ出来ないだろう。

 

目の前が真っ暗になりかけたため、傍らにいた犀犬をむきゅむきゅと揉む。

柔らかくてほんのり冷たく、癒し系だ。

 

「犀犬、モチモチだね〜…」

(尾獣)を現実逃避に使うとは…大した奴やよ。』

「犀犬は現実逃避にて最適だからね。」

 

周りにいた尾獣達が笑う。

…忍を引退したら山奥でのんびり暮らそう。

 

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「トウカちゃん、誕生日おめでとう。」

「ありがとう、やぐらさん。」

「これは俺達からだ。…メイさんも長期任務でなければ直接祝ってたんだろうが…」

 

私の14(・・)歳の誕生日を迎え、やぐらさんと君麻呂が祝に来てくれた。

時間が飛びすぎ?…キノセイデスヨ。

 

「トウカちゃんが14…つまり、再来年には結婚出来る歳…他の男が触れる前にトウカちゃん用の檻を…」

「やぐら?…おーい。」

 

…返事がない、ただのしかばねのようだ。

 

「…はっ!

ご、ごめん…トウカちゃんの事になると…どうしても、ね。」

「……。」

 

君麻呂は面倒くさそうにしている。

…メイさんが長期任務に出ているから、恋人…いや、新婚である君麻呂はイチャイチャ出来ていないのだ。

 

やぐらさんのヤンデレ思考に慣れて─毒されたとも言える─少しキュンとする場面が増えた。…私も末期かな。

どうしよう、もうすぐで崖下に落とされそうなんだけど。

 

 

『よく14まで持ち堪えたやよ。そろそろ諦めたら?』

 

…度々送られてくるピンクな映像に当てられてるだけだ…よ?

(好きになってないとは言ってない)

 

「やぐら、トウカ…俺そろそろ帰る。

メイさんは明日には帰ってくるはずだから、家も綺麗にしてあげたいし…。」

「君麻呂、それはトウカちゃんに10年間片思いしている俺に対しての宣戦布告か?

最近中々ムラムラが治まらない俺に対して嫌がらせか?」

「…トウカ、やぐらの事好きだよな?

そうだと言え…言ってくれないと、俺の肩の骨がイカれそうだ。」

「君麻呂の骨が、イカれる…?」

 

はて、今まで君麻呂の骨がイカれる事があっただろうか?

というより、仮にイカれても君麻呂なら何とかなるのではなかろうか。

 

「君麻呂の骨はともかく…やぐらさんの事、好きだよ?」

「…トウカちゃん、俺にキスされても嫌じゃない?」

 

やぐらさん可愛すぎ警報が頭の中に鳴り響いている。

顔を赤くして、不安そうに言うやぐらさんを見て落ちない女性はいるのか?

居ない。目の前で見た私が断言する。

 

「嫌じゃないよ?」

「トウカちゃん…!」

 

「…俺の事忘れてないか?」

「「…。」」

 

…君麻呂を送ってからめちゃくちゃイチャイチャした。

 




Q.なんでかなり時間が飛んだのか。
A.作者に成長過程を書く文章力と根性が無かったから。

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