桃水晶の六尾姫   作:ココスケ

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チートを通り越してしまったが、取り敢えず犀犬は天使

「水紋晶翠眼、ね…そのまんまだね。」

 

修行の最中、水晶分身が解かれた事により情報が入ってきた。

 

休憩するために、遊び疲れて身を寄せてウトウトとしている尾獣達の横に座る。

 

家系図の一番上─晶獅一族の初代当主が大筒木ハムラの次男である大筒木トウリだった。

水紋晶翠眼を最初に開眼したのもこの人である。もっとも、私のように片目ではなく両目共開眼していたようだが。

 

「創造チートktkrってやつ…?」

『トウカ、落ち着くんやよ。』

 

肩に乗った相棒の言葉に深呼吸をして落ち着いて再確認する。

 

うちの犀犬マジ天使、と。

 

閑話休題

 

水紋晶翠眼とは、輪廻眼が〝創造と破壊〟、転生眼が〝生と死〟を司るのに対し、〝世界線調律と新世界創造〟を司る…らしい。

 

なんだか話が大きくなってきたが、「我は神である!」ということだ。

いや、例えではなく本当になる事は可能である。

 

世界線調律(・・・・・)新世界創造(・・・・・)だからね。

 

輪廻眼を持つ者が創造主であり破壊神であるなら、転生眼を持つ者は世界の復元者。

そして、水紋晶翠眼を持つ者は数多ある世界線が近付きすぎて両方共壊れてしまう事を防ぎ、壊れてしまった世界がドミノ式にバランスを破壊するのを防ぐための世界を創り出す。

 

世界線の中で順番に魔眼の類を持つ家系に現れるらしい。

 

つまり、世界線AのB一族の開眼者Cさんが亡くなった後、世界線BのC一族のDさんが、Dさんが亡くなれば世界線CのD一族のFさんが新しく開眼するといった感じだ。

 

蘭寿の中にある大筒木一族のチャクラは切っ掛けである。

まぁ、確かにそんな重要な眼を途切れさせてはならないのだろう。

晶獅一族の巻物部屋の最奥に厳重に封印されていた巻物に載っていた─恐らく、トウリが水紋晶翠眼を開眼した者のみに残した資料なのだろう。

 

それにしても、上位種だから強いんだろうなとは思ってたけど…強いどころか、人間辞めてきました♡である。

 

たかが眼一つで世界創るとかNARUTO世界に生きる者として不安になる。

 

あれだけ大規模な戦争を何度もして地球は壊れないのかとは思っていたが、こんな裏事情があったとは…。

尾獣玉とか全尾獣が頑張れば地球ごとドッカン出来そうだし、原作知識がお釈迦になっているのは世界線が違うからかもしれない。

 

閑話休題

 

水紋晶翠眼を発動し、目の前に現れたゲーム画面のようなウィンドウで世界線をみる。

…この画面のお陰で凄い事をしているとはイマイチ実感出来そうもない。

 

「やっぱり…この世界って、原作で出てきた地図の先は繋がってないんだ…。」

 

皆、気になった事はないだろうか。

風の国の、火の国の反対側はどこに繋がっていて、水の国の大陸とは逆方向はどこへと繋がっているのだろうか、と。

 

実は何らかの結界が敷かれているらしく、いつの間にか地図の上へと戻されてしまうとの事だ。

 

世界の向こう側、異世界へと落ちて仕舞わぬように設定されているようだ。

あらゆるゲーム、アニメ、マンガ、小説なども似たようなものであろう。

 

ごく希に世界線を超えて転生してしまった私みたいな存在もいるが。

 

〝世界線・474 危険度数97%〟

 

世界線・474…つまり、私達のいる世界は、かなりやばい状態だ。…まぁ、あれだけ忍やサムライ、尾獣達が地上や海上で大暴れしているのだから、当たり前と言えば当たり前である。

この状態であれば、転生眼を使おうにも使えないレベルである。

 

「ねぇ、犀犬…木ノ葉に行った時の事、覚えてる?」

『〝桃水晶を持つ者が、危機を救うことになる〟…やったね。』

「…いつの間にか巻き込まれてた。」

 

世界線調律とは言っても、この世界線は…無理ゲーである。

なら、似た世界を作ってそこに人間を転移させれば誰にも気付かれずに危機を脱する事が出来る。

 

「と言うことで、世界線475作成っと。」

 

…ゲーム感覚になってしまうのは、やっぱりこのウィンドウのせいである。


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