桃水晶の六尾姫   作:ココスケ

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世界を救う桃水晶編
新種の尾獣(仮)


木ノ葉から帰ってきて2ヶ月。

やっと任務地獄も落ち着き、皆で遊びに行く余裕も出来た。

 

『ヒャッハー!ラッキーな気分だぜ!』

「こら、一応任務中なんだからね〜!」

『分かってるって!

滝隠れではフウが1人になれる所なんか家位だからな、こうやって飛び回れるなんて久しぶりなんだ!』

 

外で自由に飛び回る重明を仕方ないなと見守る私達。

 

平和な空気だが、一応任務中だ。

 

任務の内容は、うずまき隠れの跡地へと向かい、大暴れしている謎の生物─尾獣程大きな姿で、木ノ葉の調査団が手も足も出ないまま全滅してしまったらしい─を調査、捕獲又は討伐。

 

霧隠れが出張るのは、その生物Xが暴れた余波で津波が起き、火の国側の港町が壊滅してしまったから、水の国も他人事じゃないということと、謎の生物Xに対応出来そうなのは人柱力のみだが、木ノ葉の人柱力は3歳のナルトしか居ない。

 

子供ではあるが、実力がある人柱力の私達2人が最適だと判断され、やぐらさんと2人での任務だ。

 

瞬間移動(テレポート)で移動すれば、いきなり生物Xとエンカウントする可能性もあるため、空からの移動だ。

 

「見えてきたな。…あれか。」

「あれ…尾獣じゃない?」

『…尾獣やけど尾獣じゃないやよ。』

「なぞなぞか?」

 

私も思わずそう言いたくなる。

今では頼りにならなくなっている原作では、尾獣は10体─守鶴から九喇嘛と、十尾だ。

今は落ち着いているらしい尾獣(仮)は、尻尾が11本─十一尾だ。

 

垂れ耳白うさぎの尻尾を少し長くして、額には綺麗な桃水晶が収まっている素晴らしいモフり具合の尾獣だ。

九喇嘛並にモフモフ…いや、九喇嘛よりもモフモフっぽい。触りたい毛玉だ。

大きさは、犀犬の1.5倍位。

 

『俺達尾獣はな、元は十尾っていう六道仙人が己の中に封印した尾獣がルーツで、その六道仙人が9体に分けたのが始まりだ。

アイツは十一尾、名前は蘭寿(らんじゅ)

俺達とは違って、十尾がルーツじゃあない。』

『十一尾から十五尾までは、六道仙人の弟、ハムラが月に現れた尾獣を分割したんやよ。

多分…月に人柱力のなり手が居なくなって放置されたのがなんらかの理由でここに来たんやね。』

 

「取り敢えずモフりに…いや、事情聴取しにいこう。」

「うん、身体調査はしっかりしないとね。」

『…下心丸出しだねぇ〜。』

 

磯撫が呆れたように言っているが、モフモフは人類の使命なのだ。

蘭寿の目の前に降り立ち、話しかけた。

 

「「モフらせてください!」」

『…触りたい…の?』

 

その後めちゃくちゃモフモフした。

 

~24話 完~

 

 

 

『おい、満足して勝手に終わらせるな!』

「はっ…!

素晴らしいモフモフ具合だったな。」

「うん…うっかり昇天しかけちゃった…。」

 

孫の呼び掛けによりようやく自我を取り戻した私達は、困惑している様子の蘭寿と向き合う。

 

『人柱力、なの?』

「私は犀犬の人柱力、霧隠れから来たトウカ。」

「俺は磯撫の人柱力、やぐらだ。」

 

『突然現れた尾獣(仮)が大暴れして火の国側の街が壊滅しちゃったから、人柱力の2人が来たんだよ〜。』

 

磯撫が説明すると、申し訳ない気持ちや罪悪感が伝わってきた。半泣きになっており、少し震えている。

 

『どうしよう…僕、そんなつもりじゃ無かったのに…突然景色が変わったから驚いちゃって…遠くまで見ようと月と同じように思いっきり飛び跳ねたら水がばしゃんってなって…そしたらいっぱい人が来て怖くなっちゃったの…うぅ…ふえぇえん!!!ごめんなしゃいなの〜!』

 

何この可愛い生き物(天使)…!

 

思いっきり泣いて落ち着いたのは10分後。

 

蘭寿が言うには、人柱力のなり手が居なくなった為に月にいた尾獣全員が放し飼いにされているらしい。

眠りについて起きたらここにいて驚いた、と。

 

取り敢えず野放しにしても他国に無理矢理封印される事が目に見えて分かるため、霧隠れへと連れて行くことになった。

 


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