桃水晶の六尾姫   作:ココスケ

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ツンデレ狐と混浴

やぐらさんがナルトに修行をつけるのを見つつ、具現化した九喇嘛の前に2つの水晶像を置く。

 

「うん…中々似てる。」

『ふ…ふんっ…まあまあだな。』

 

目を逸らしつつ言う九喇嘛の九本の尻尾は左右に揺れている。

このモフモフ感も忠実に再現するために、毛の一本一本までこだわった。

 

2つの内1つは家に送り、もう1つの九喇嘛像は九喇嘛の人柱力であるナルトにプレゼントする事にした。

 

『…手を合わせろ。特別に(・・・)俺様のチャクラをくれてやる。お前の為じゃない、俺様が(・・・)霧隠れの幸を食べる為にお前を利用しているだけだ。』

「ふふっ、ありがとう。」

 

…ツンデレ狐は正義だ。

 

これで友達になれていないのは、1、2、7、8である。

 

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目の前に迫っていた棍棒を水晶の槍で逸らす。

やぐらさんは棍棒を一回転させて右脇腹を狙うものの、間一髪で避ける。

 

一進一退の攻防戦は引き分けに終わり、ギャラリーと化していた五影や人柱力達の息を吐く音が聴こえてきた。

 

晶翠眼無し、晶遁無し、尾獣化無しの武器による組み手が終わり、息を整えたやぐらさんは私の頭を撫でる。

なぜ撫でられたのかは分からないが、とても幸せそうな顔をしていたので問い詰めないようにした。

 

「目で追うので精一杯だった…影ってなんだっけ…まだ10になったばかりの子供の動きも目で追うのでギリギリなんて…」

「ミナトよ、俺もだから気にするな。

あの子達が規格外(バケモノ)なんだ。」

 

羅砂とミナトが地面にのの字を書きながらいじけている。

確かに、子供に手も足も出ないまま負けて捕虜となる影なんぞ前代未聞だ。

 

修行はそのままお開きとなり、メイさん達と共に宿へと飛んだ。

 

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「トウカちゃん、混浴の露天風呂に行くわよ!」

「…へ?え、まって…」

 

20歳になっても恋人のこの字も見当らないメイさんは、秘かに処女である事を気にしているらしい。

英雄と言われるようになり、美人でスタイルが良くて稼ぎも下手な上忍よりも良い為、霧隠れでは高嶺の花なのだ。

 

…なんでも筒抜けって怖いよね。

 

閑話休題

 

身体にタオルがしっかりと巻かれている事を確かめて露天風呂へと繋がる扉をあけ、混浴のゾーンへと向かった。

 

「あ、トウカちゃん、メイさん!」

 

声が聞こえる方を向くと、君麻呂とやぐらさんがお湯に浸かっている。

声がちょっと嬉しそうなのは気にしない。気にしたら負けである。

 

近くに置いてある桶にはお湯が張られ、磯撫が気持ち良さそうに浸かっている。可愛い過ぎる…どうしよう、お持ち帰りしたい。…もれなく飼い主(やぐらさん)が付いてきそうだが。

 

私も大きめの桶にお湯を移し、犀犬、穆王、孫を出してやる。

 

「2人ともやっぱり来てたのね。やぐらがトウカちゃんのバスタオル姿を眺む機会を逃す筈は無いもの。」

「な…ち、違いますよ!ただトウカちゃんが可愛い…いや、そうじゃなくて…その、俺が変態みたいに言わないで下さいよ!」

 

顔を赤くして慌てながら否定しているやぐらさんは可愛い。

 

〝トウカちゃん…色白いな…〟〝色気がやばい〟

 

やぐらさんは露出している肩や首筋、タオルを撒いている胸、尻などにもちらりと目線を向ける。

…まだ8歳でツルペタに近いのに目線を向けて、色気(笑)がどうのこうの言っている時点でアウトな気がしないでもない。

 

そして、やぐらさんに気を使った君麻呂とメイさんが少し離れ始めた。

そりゃそうだ。2人にはやぐらさんが初心な恋する男の子にしか見えないのだから。

 

「やぐらさん?」

「…はっ!

ぁ…ご、ごめん。」

 

色気(笑)にあてられてどこかへ飛び立とうとしていたやぐらさんを呼び戻す。

幸せそうな顔で私の頭を撫でるやぐらさんは可愛いのに…中身がアレ(ヤンデレ)なのが残念でならない。


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