桃水晶の六尾姫   作:ココスケ

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五影会談編
五影会談


五大国間の和平条約が霧隠れ完全勝利の形で結ばれ、第3次忍界大戦が終わった。

小競り合いはあるかもしれないが、時とともに収束していくだろう。

 

終戦と同時に上忍になった私達は、忙しい日々を過ごしていた。

いつの間にか2年が経ち、私達は水影の執務室に呼ばれた。

 

「五影会談ですか…」

「うむ。

終戦後2年が経って初めて五影会談を開催する事となった。

五影会談の際は、人柱力も付いていく事が多い。初代火影千手柱間の方針でな。

メイ班は全員名が知れ渡っておる事もあり、護衛としてメイ班が選ばれた。」

 

まぁ、確かに全員中二風の異名持ちだ。

一人一人が五影を玩具に出来る程の実力を持つ。

水影より強い上にネームバリューもある。…その上移動時間がゼロになるのだから、私達以外の名前を挙げろと言われても挙げる事が出来ない。

 

出発は明日、私の瞬間移動(テレポート)で木ノ葉へと向かう。

 

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「やぐらさん、どこか行きたいところある?」

「可愛いトウカちゃんがいれば、どこでも…っ!

あ、その…あっ!あそこに団子屋があるから行ってみたい!」

 

自然に私を口説こうとしていた事を誤魔化すかのように、繋いでいた手を引っ張って団子屋の方へと向かう。

 

五影会談に同伴できる護衛は2名。

メイさんと君麻呂が会談の護衛に立ち、私達は午後から開催される人柱力の集まりまで暇になったため、木ノ葉を観光(デート)していた。

 

〝好きって伝わってトウカちゃんに嫌われないだろうか〟〝嫌だ〟〝トウカちゃんに他の男を見て欲しくない〟〝俺だけの事しか考えられないように〟

 

ごめんなさい、もう伝わってます。

まぁ、やぐらさんを嫌う事は出来ないだろう。何だかんだでやぐらさんの事が大好きだし。…監禁√だけはゴメンだが。

 

閑話休題

 

当たり前のように隣に座り、お団子を食べながら雑談していると、店にある集団が入ってきた。

 

2mを越す大柄な身体に、赤鎧と笠、マスクなどで肌の九割が隠された男性─穆王の人柱力、ハン。

小柄な身体に赤髪、ヒゲが特徴的な30〜40代のおじさん─孫悟空の人柱力、老紫。

背が高く、金色に輝く長い髪を後ろで纏めている女性─又旅の人柱力、二位ユギト。

クリーム色の髪を後ろに流し、鍛え上げられた身体を持つ暑苦しい男─牛鬼の人柱力、キラービー。

 

…この店は人柱力ホイホイなのだろうか。

恐らく、五影会談の度に人柱力も集まっていたのだろう。4人に面識があってもおかしくはない。

 

「トウカとやぐら?

何でここに…」

「「お団子食べたかったから。」」

 

やぐらさんの前に座りながら当然の事を聞くユギトに、声を揃えて答える。

やぐらさんはちらりと4人を見遣ると、視線を私に固定する。

 

「…それもそうね。」

「やぐらさん、どうかした?」

「え、あ…いや、何でもない…。」

 

しどろもどろになりながら目線を逸らすが、チラチラとこちらを見る事は辞めない。

 

〝好き好きオーラ振り撒きすぎでしょう…〟〝やぐらはトウカに夢中♪俺達(外野)には興味を示さずアウトオブ眼中♪〟〝…儂にもこんな初々しい時期があったな〟〝完全に恋する男の目だで〟

 

4人の視線が生暖かい物に変わっている。

 

その後、時間が迫っていた為全員で指定の場所へと飛び、私達を待っていた案内役の忍を驚かせる事となった。

 

 


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