衛宮さんちのメイドラゴン。   作:ギルス

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ファフニールさんと、嗤うルコアさん、FGOと性格、設定入り混じりつつ呼ばれて飛び出ます。


第5話「邪龍降臨」

猛竜注意!

 

 

この作品は、何番煎じかもわからない…小林さんちのメイドラゴン、及びFate/staynight の2次創作です。

 

キャラ崩壊、捏造、曖昧設定などがあります。

 

それでも良いよ!

と言う勇者な方はドラゴンスレイヤーは持たずに身体を清潔にして塩を擦り込み、オリーブオイルを塗ってお待ちください。←

 

…ジョークですよ?w

 

それでは、思いつきの駄文ですが、お楽しみいただけたら幸いです。

 

 

 

 

邪龍降臨

 

 

「ふむ…これが人間どもの世界か…」

 

長髪に黒服、どこか周りを睨みつけるように半眼で呟く男。

 

「──どうにもゴミゴミと狭苦しい所だ。」

 

冬木市、新都の歓楽街を歩きながら、男は人々を見下すような視線を辺りに向けている。

 

「やめ…、止めて下さい…」

 

「は!止めろだぁ?そいつはこの馬鹿に言うんだな、和解の機会はあったろうがよ、それをふんぞり返って俺らに楯突いたのはこのワカメ野郎だろうがっ!!」

 

「きひひ、そうそう、生意気な口聞いたのもさあ、10万置いてきゃ許してやる、ってんだよ、わかるだろ〜なあ、学生君ヨォ?」

 

「おいおい、あんまり虐めるなよ、ぶるっちゃって…彼女ちゃんなんかおもらししちゃいそうじゃねえか、ぎゃはははは!」

 

複数の男達が癖毛の少年を袋叩きにしようというのだろう、中でもひときわ体格の良い男が少年の胸ぐらを掴んでいる。

 

饐えた匂いのする裏路地に連れ込まれた、少年の身体つきを見れば勝ち目など無いのが一目でわかった。

 

「は!おまえらみたいな腕力に物を言わせるだけの粗野な猿に払う金があると思うか、えぇ?そういうの、カッコ悪いぜあぁ?」

 

明らかに形勢不利な状況でよくもまあ口が滑らかに回るものだ。

 

「や、止めてぇ…間桐君に乱暴しないで!」

 

涙目で訴える少女は特に目立たない、地味目な娘だ。

 

「…な、んでこんなワカメ頭がモテるのかさっぱりだが…とりあえず腹立たしいから一発いっとくか、なあ!」

 

バグン!…ドシャア!!

 

「っ、うぐ!」

 

中々に派手に吹き飛んだ少年は、地面に叩きつけられ、呻き声を上げる。

 

「クソ、クソ…なんでお前みたいなクズに…僕に魔術の才があれば──こん、な…っ」

 

ギリ、と歯をくいしばる少年は悔しげに、それでも立ち上がる。

 

「…ふん、掃き溜めの様な場所ではあるが…中々に面白そうなモノもいるものだな。」

 

小さく、とても小さく呟いた言葉。

確かに少年は口にした。

魔術、と。

 

「…喜べ少年、助けてやろう…それとな、呪術で良ければ指南してもいいぞ?」

 

「は?あんた、何言っ──」

 

「んだこら、邪魔すんなよヒョロ男が!」

 

「あ゛?」

 

一瞬だった。

ほんのひと瞬きの間に。

長髪の眼が殺気を帯びたかと思えば。

男は吹き飛び、周りの取り巻きを巻き添えにしてボーリングのピンみたいに諸共弾け、転がった。

 

「な、な、なあ!?」

 

「ひ、いやあああ!!」

 

少年は口を半開きにし、少女は慌てて逃げていく。

 

「少年。」

 

「な、なんだよ?」

 

「…俺は今、諸事情あって住処を探していてな…貴様が住処を提供するなら、お前に力を貸してやろう、呪い、呪い返しを教えるでも…或いは呪いたい相手がいるなら呪ってやってもいい。」

 

「…普通なら、あんたおかしな奴にしか聞こえない、んだけどよ…なあ、もしかしてあんた…サーヴァント、なのか?」

 

そう、普通の人間であればこの状況については行けず、先の少女の様に逃げ出すのがあたりまえだ、理解などできはしないだろう。

 

しかし。

彼の名は間桐。

間桐慎二──始まりの御三家。

 

「聖杯戦争」を始めた魔術の大家の一つ。

マキリの直系、だったのだ。

 

「サーヴァント…ああ、世界と契約した亡霊どもの話か…違うな、我が名はファフニール、誇り高き邪龍…サーヴァントなどでは断じて無い!」

 

ファフニールは呪術にも長けた古き龍。

世界の理にも、サーヴァントにもある程度の知識を持っているのもあたりまえではあった。

 

「…邪龍!?ファフニールぅ!?」

 

まあ少年、間桐慎二には驚きしかなかったが。

 

 

「ふん、さあ案内しろ少年。」

 

「はあぁーーーー!?」

 

 

 

 

 

ょぅι゙ょ充電

 

 

「おっと、充電しとかないとな…」

 

「…こばやし、それ何?」

 

「ん、ああ…携帯電話だよ、と言っても俺ほとんど使わないからたまに充電忘れて携帯してる意味がないって言われるんだけどな〜ってカンナ、だから俺は衛宮だって。」

 

「けい、たい…でん、わ??」

 

「ああ、遠く離れた人と話ができる道具ですね、正確には電子的な音声でその人の声に近い音域の音を再生してるだけだそうですけど。」

 

「…詳しいな、トール…俺初めて聞いたぞそんな話、あれって機械で音を届けてるわけじゃないんだ?」

 

「ちょっとこちらの文明にも慣れなければと思いまして知り合いにいろいろ教えてもらいましたから…魔法でならばそれも可能ですが…科学とやらではそれをするには効率が悪すぎるのでしょうね。」

 

「…これは?」

 

と、カンナは興味深気に見ているのはコンセントの方だった。

 

「ああ、電気を蓄えるために挿してあるんだ、コンセントだな。」

 

「……。」

 

と、唐突にカンナがコンセントの差し込み口の一つに自分の尻尾を挿し入れた。

 

しばばばばば!

 

当然ながら感電する。

 

「ちょ!カンナ、何してんだ馬鹿!?」

 

「……あ〜〜、マナが、入って、くる。」

 

「は??」

 

一瞬だけ感電したカンナだったが、しかしながらすぐにそれは収まり、収束した電気が尻尾と差し込み口の周りで僅かな火花を散らすのみ。

 

「ああ、なるほど…電気を魔力に変換しているんですね…カンナの根本的な魔力不足はこれで解決するかも?」

 

「もうなんでもありだよな、お前ら。」

 

段々と、順応し始めている士郎であった。

 

 

 

 

すりー うぃーく ぁごー。

 

 

時は遡り、三週間ほど前。

暗い地下室で一人の少年がローブ姿で呪文を唱えていた。

 

「…抑止の輪より来たれ──天秤の護り…うぐっ!!」

 

地面に描かれた魔術による洗礼を施された霊銀の魔法陣。

 

魔道書片手に呪文を唱える、少年。

まだ幼さの残る顔立ち、見ようによっては少女にも見える少年は、今一世一代の大魔術を行使している最中だった。

 

「英霊召喚」──人類の護り手たる七騎の英霊を呼び寄せる、魔法に等しい大魔術を基盤とし、人にも扱い得る形に落とし込んだモノ。

この地に眠る聖杯を用いて初めて可能になる英霊の使役。

 

「く、なん、で──安定しない…最高の状況で行使している筈なのに、僕には無理だった、のか…嫌だ、僕は誇り高い魔法使いの家系なんだ…かの魔道元帥…宝石翁の、血筋なんだからぁ〜〜!!」

 

カッ!

魔方陣が輝きを増す。

 

力が荒波のように押し寄せ、術式が崩れかける。

 

(…あ、マズイ…僕の魔術回路に、魔力が…逆流して──)

 

《……力を抜いて、ダメよ…そんなに力んではダメ、魔力をねじ伏せるんじゃない、流れを緩やかに掌握するの。》

 

「──え?」

 

優しい声。

何処か慈しむような、心配する様なその声。

 

《さあ、魔力に意思を、貴方の心を──》

 

「…心、を?」

 

《ええ、そうよ…そして私を呼びなさい。》

 

ふ、と。

その声の主が笑ったような気がした。

 

バシィ!

魔力が弾け、光が満ちる。

 

今一度、召喚の句を詠む。

 

「抑止の輪より来たれ──天秤の護り手よ!」

 

ガカッ!

 

輝きが増し、光が奔流となる。

魔方陣から…顕われるヒトガタ。

 

「──サーヴァント、ライダー…呼び声に応え、ここに…さぁ、お前の望みを教えるがいい!!」

 

「…ヒィッ!?」

 

緩やかにウェーブのかかった金糸の様な長く美しい髪、放射状に飾られた羽根飾り。

豊かな胸に絹であろう光沢のある面積のやたらに狭い胸と、腰回りだけを隠したパレオの様な衣服。

 

何よりも、召喚主たる少年が恐怖に怯え、尻餅をついたのはその、顔にあった。

 

「ん〜、ク、ふふっ…どうしマシタカ〜?」

 

ニヤリ、と嗤うその顔は。

ズラリと生えた牙を剥き出し、目は笑う、いや…嗤うと言う方がしっくり来るだろう。

目は細められ、今さっき大量虐殺をしてきた後の至福の笑みデース!とか言われても違和感が無い。

 

「あ、あ、あ、ひ、あころ、殺されるぅ!」

 

「…失礼な子ですねぇ…ふふふ…」

 

さらに笑みが深められ、視線が少年を射抜く。

 

「さ、去れ悪魔よぉっ、僕が、魔法使いの末裔たるこのっ、真ヶ土翔太が呼んだのはお前みたいな奴じゃない、チェンジだ、クーリングオッフ!だあああ!?」

 

手に十字架を持って振り回し、慌てる子供を見ながら。

 

サーヴァント、ライダーとして顕現した彼女は思った。

 

(──子供が危ない召喚をしようとしていたから強引に召喚式に割り込んだのデスが…ちょっとお灸を据えようと怖い顔してみましたら…薬、効きすぎマシタかね〜?)

 

「残念、君はワタシヲ召喚しま〜シタ、もう変更はきかないのデス☆」

 

ニイイ、と牙をむき出し、顔を寄せてやる。

 

「───あ、あわわっ%×¥€々*──!?」

 

すると。

声にならない声をあげると少年はそのまま気絶してしまう。

 

「あら可愛い♡」

 

何故か、その姿に嗜虐心を煽られる。

 

「ちょっと怖い思いをさせてしまいましたから…フォロー、してあげなくちゃいけない、かな?」

 

口調も幾分か穏やかに、見開かれていた目は糸の様に細められ…その姿が光と共に変じてゆく。

 

黒いタンクトップに、ジーンズ生地のハーフパンツと言ったラフすぎる格好に変わると、倒れた少年、真ヶ土翔太を抱きしめるように抱えて、寝室を探す。

 

そのまま、ベッドルームを見つけるや翔太を抱きしめたままにダイブした。

 

「ふふ…可愛い寝顔デスねぇ…僕、新しい扉を開いてしまいそうデス☆」

 

ぎゅむう、と。

その豊満すぎる胸に翔太少年を抱きしめたまま、サーヴァント…ケツアルコァトルは眠りにかかる。

 

「あふ…そういえばこちらに来てからお昼寝してませんでしたネ…おやすみなさあい。」

 

胸の中で、少年が苦しげに呻いているが、気にも止めず。

 

ケツアルコァトル──ルコアの意識は眠りに落ちてゆく。

 

本来サーヴァントには眠りは要らず、食事もいらない。

しかし、彼女は生きた神。

故に、そのどちらもしないでもよいが、好んで行なっていたりするのだった。

 

──目覚めた翔太少年が、再び大騒ぎしたのは言うまでも、ない。

 

 




【あとがき的なモノリス】

たくさんの感想、評価ありがとうございます。
FGO要素も僅かながら混じったりしていて、キャラが、入り混じり始めております。
まあ、あまり出しすぎは良くないので抑え気味にはするつもりです。

なんにせよ、意外なほど評価をいただいて感謝です。

それでは。また次回の更新で!

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