衛宮さんちのメイドラゴン。   作:ギルス

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猛竜注意!



この作品は、何番煎じかもわからない…小林さんちのメイドラゴン、及びFate/staynight の2次創作です。

キャラ崩壊、捏造、曖昧設定などがあります。

それでも良いよ!
と言う勇者な方はドラゴンスレイヤーは持たずに身体を清潔にして塩を擦り込み、オリーブオイルを塗ってお待ちください。←

…ジョークですよ?w

それでは、思いつきの駄文ですが、お楽しみいただけたら幸いです。



第2話 「門番?」

        

げぇときぃぱあ

 

昼中の衛宮邸。

二人の指名手配中の強盗殺人未遂犯が空き巣を狙い、玄関前にしゃがみ込んでいた。

 

「へっへっへ…今はこのうちの住人は出払っていて居ないはず、このうちは学生の小僧が一人暮らしなのは調査済みよ!」

 

「さすが兄貴…そこにニラレバ頑張れるぅ!」

 

「…なんか微妙に違わねぇか、それ?」

 

この時、注意して見ていたなら、あるいはサングラスなんかしていなければ引き戸の磨りガラスの向こうが薄暗い…いや、緑色の何かに埋め尽くされていることに気づけたかもしれない。

 

だが、二人は不幸にもそれに気づかず。

引き戸の鍵をピッキングで開けてしまう。

 

「へっへっ、俺様ほどになると手元を見ないでもこんなショボい…カ、ギ…?」

 

喋りながら、引き戸をガラリと開けた向こうには。

 

「「ひいっ!?!?」」

 

ドラゴン、の、顔、が。

 

巨大な顎門をパックリと開いて待っていた。

 

咆哮。

湧き上がるのは…

心凍てつかせる原初の感情──即ち、恐怖。

 

魔力を込めるでもなく付与 (エンチャント)されたソレは悪漢二人の心胆寒からしめるに十分に過ぎた。

 

まだしも逃げだせただけ二人は大した胆力だったと言えるかもしれない。

 

普通なら固まるか、腰を抜かしていただろう。

それは彼らには幸運だった。

何せ、逃げだせたことが彼らの命を救ったのだから。

もし、逃げだせていなければ。

 

「あら、逃げちゃいましたか…残念、殺せませんでした。」

 

さして残念そうにも聞こえない声で。

ドラゴン──トールは呟くのだった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

済し崩しに衛宮邸に棲みついたトールは悩んでいた。

 

「…門番…門番って何をすれば良いんでしょう?」

 

発端は士郎達の学校に自分もついて行こうとしたら言われた言葉である。

 

──ほ、ほらっドラゴンって言われたらやっぱり財宝とか護るもんだろ!な、な?

 

そうですねっ!

良妻は家を守れなければ!!

 

と。

 

…因みにその時後半のトールの台詞に桜の額には青筋が浮かび、強烈なオーラ(黒と赤が明滅)が発されていたのは完全に余談である。

 

というか、トールさんチョロすぎです。

そんなだから原作でちょろゴン言われるんですよあなた。

 

「ファフニールさんに聞いてみますか。」

 

と、黒いアンティークとも言えるデザインの電話機のダイヤルを回し始めた。

…使い方すら知らなかった電話を使いこなしているのも驚きだが、異世界の竜の住処に通じる時点で常識など無い。

 

「…殺セ、財ヲ 奪オウト スル者 全テヲ 殺セ。疑ワシキ ハ 殺セ。呪イ ヲ コメテ 殺セ。」

 

「──魔剣バルムンク ニ 気ヲツケ──」

 

──ガチャン。

 

「参考になるなー。」

 

…なんの参考なのかは悪漢二人への対応が物語る所であるが。

 

…と、言うのが時間軸は前後したが、本日日中の出来事である。

 

 

 

 

赤い光が明滅する。

パトライトだ。

 

桜を伴い帰宅する途中。

士郎はパトカーと警察官、二人の強面の男を見つけていた。

 

「なんだ、パトカー?」

 

「何でしょう…あれ、あの二人の顔どこかで…見たような?」

 

「あんな知り合い居ないだろ、気のせいじゃないか?」

 

道路の側では、二人の強面の男が泣きながら警察官に懇願していた。

携帯電話を片手に(どうやら自ら呼んだらしい)助けて、出た、殺される、保護、いや…逮捕して下さい!?

 

──と。

 

桜が記憶していたのは、商店街に貼られた指名手配のポスターが原因である。

 

「ただいまトール、何かあったか?」

 

「はい、門番は寂しかったです…殺せなかったし。」

 

「ははは、そっかー寂し…えっ、コロっ!?」

 

「…トールさん、何故先輩に抱きつこうとしてるんです?」

 

「スキン…いや、スケイルシップです!」

 

「ダメです、常識的に考えてアウトー!」

 

「リアルJKだからって!リアルJKだからって!シロウさんを独り占めにしていいと思ってるんですかっ、あまり強欲だと竜に攫われますよ!?」

 

「な、なんですかその聞いたことない諺みたいなのはっ、てそうじゃないです、常識を考えてって言ってるんです、トールさん!?」

 

「あー、二人とも穏便に──」

 

「「先輩(シロウさん)は黙ってて下さい!」」

 

「あ、はい…。」

 

ドラゴンはトールだろ、と内心ツッコミつつ口をバツの字にしておし黙る士郎。

 

すでに抱きついているトール。

引き剥がしにかかる桜。

 

昨日今日でこれが当たり前になりつつある。

 

「…なんでさ…?」

 

朴念仁は今日もマイペースであった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

       

優等生とどらごん

 

「…聖杯戦争の開始が近い、とは言え…」

 

魔術の名家、始まりの御三家と呼ばれる家の生まれである彼女、遠坂凛は困惑していた。

 

艶やかな黒髪のサイドを特徴的なツインテールに仕立て、後ろ髪は流している。

 

慎ましくもくびれたスタイル、健康的にスラリと伸びた健脚。

成績優秀、才色兼備。

校内でも有名な優等生、それが遠坂凛である。

 

しかし、それはあくまでも「常に余裕を持って優雅たれ」が家訓である彼女の拘りである。

本来ならば魔術師である彼女が態々一般社会で目立つ必要は無いのだから。

 

しかし、その「優等生」の凛をして今の事態は理解不能だった。

 

「……アレ、絶対人間じゃないわよね…」

 

体育館の床に座り、男女合同での球技大会の練習に駆り出された凛は男子が騒ぎ立てている中心にいる人物を注視していた。

 

最近、体育教師として赴任してきたルコアと言う外国人。

無意識にか、常に恐ろしいほど濃密な魔力を撒き散らしている。

しかも、フルネームはケツァル・コアトルときた。

 

「…南米の太陽神の名前じゃない…」

 

まさか、サーヴァント?

いや、確かに近いが何処か違う──

 

「はーい!みんなー!元気デスかー!」

 

「「「うぉおおーー!!!」」」

 

男子が完全に魅了されていた。

…そう、教師は女性。

しかも、とんでもないサイズ、ワールドクラスの爆乳であった。

 

バスケットボールを見本だ、とゴールのフープに投げ入れようと飛び上がる度にバルンバルンと揺れるボールより巨大な双丘。

まるでキングサイズのメロンが揺れているようだ。

 

男子生徒の視線はそこに集中し、女子生徒からは呪詛めいた声が聞こえてきた。

 

「…死ねばいいのに。」

 

女子生徒の一人が呟いた言葉に、内心深く同意

する凛であった。

 

 

 

 

そんな中。

凛が気にしているもう一人の人物にも変化があった。

 

穂群原学園の体育館は広く、偶々だが後輩のクラスも直ぐ隣で体育座りをしていた。

凛が気にしているその人物も、あれだけの魔力に気づかないはずはない、とは思うのだが。

 

「…桜、どうしたのよため息なんかついて。」

 

「え、あ…遠坂先輩?」

 

間桐 桜 (まとう さくら)

一年下の後輩。

 

──私がいることにも気づかないとかどんだけ落ち込んでるのよ、この娘…。

 

「あ、な、なんでもないんです、その。」

 

わたわたする桜をワザとイジワルな声を出して追い詰め、白状する様に誘導する。

 

「…どうせ、衛宮くんがらみでしょ、んん?」

 

にまにまとしながら言ってやれば、顔を赤くしながら、は、はい。と頷く桜。

…可愛いなあ、もう…桜を泣かしたらガンド撃ちの刑よ…衛宮くん。

 

暇な待ち時間の中で聞き出した内容はこう。

 

衛宮くん家に、おしかけメイドが住み着いた。

しかも、そのメイドは若くて可愛い。

何故かいつもコスプレ姿。

 

「あ、あんなのだめです、あんな格好で先輩の気を惹こうなんてずる、い、いえいつも同じ服なんて清潔じゃありません!」

 

…最後の言い訳、苦しいなー。

 

「あ、なら格好を変えてあげたら良いのよね?その娘に私のお古を何枚かあげるわ、今日あたり一緒に行きましょうよ桜。」

 

「え、あ、そう、ですけど多分サイズが…」

 

「フリーサイズだから大丈夫よ、身長がよほど違わなきゃ、袖とかの丈だけなら手直しもしてあげるし。」

 

「…あ、はい。」

 

歯切れの悪い返事ね?

ま、いいけど。

 

魔術師として。

桜とはあまり関わらない様にしてきたけど。

偶には、聖杯戦争が始まる前に一度くらいは、桜を助けても…かまわないわよね。

 

だって。桜は可愛い「後輩」なんだから。

 

ただ、この時私は気付くべきだった。

桜の視線がルコア先生のワールドサイズに向けられた後、私の慎ましくも美しいものに向けられていた事に。

 

──神様、その不公平に呪詛を吐いていいかしら?

 

神など信じない私だが、後にそんな感想を抱く羽目になったのだ、ガッデム!!←

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

       

トールと洗濯

 

暖かな日差しだ。

最近は家事をトールが分担してくれるから随分と楽をさせて貰っている。

土曜で授業も半ドンだったし、今日はお茶請けに鯛焼きを買ってきた。

…たまには家事をしてるトールを労いに行くか。

 

そう考えてお盆にお茶と鯛焼きを乗せて庭先に、草履をひっかけて足を伸ばした、その先に見えた光景は最早ツッコまずにはいられなかった。

 

「やはり人間は下等な生き物ですねえ、老廃物で衣服が汚れるなんて──…」

 

洗濯物を干すトールがなんかあたりをキョロキョロ見回したと思うと恍惚とした表情で俺の洗濯物を握りしめていた。

 

「こば…シロウさんの…老廃、物…。」

 

ヌロン。

と、卑猥な効果音がしそうな位にヤバイ構図。

トールが俺のトランクスを舐めた。

 

「…な、なにしてんだトールウウゥ!?」

 

「ぴゃっ!?」

 

あまりの俺の絶叫にトールが可愛らしい声で驚いてみせた。

騙されないからな!?

 

「な、何って洗濯物を干していたんですよぅ」

 

「舐める必要無いだろっ!?////」

 

「んふふ〜シロウさんはシャイですねぇ。」

 

「そうじゃないっ!?」

 

ハアハアと肩で息をしながらとりあえずお盆を置く。

 

「あ、あのなトール…家事を手伝ってくれるのは嬉しいんだがな…だけどなぁ…」

 

「直接舐めた方が良いと?どこを?」

 

「違うわっ!!」

 

突っ込むまで凡そ0.3sec。

 

「トールの性癖に疑問は感じるが…問題は洗濯の仕方であって…」

 

「ど、どこか間違ってましたか?間違っているのは何度滅亡しかけても戦争を繰り返す人間の愚かな習性だと思うんです!」

 

 

「過去を絡めるなっ…い、いや、まず洗濯をどんな手順でしていたか言ってみろっ!」

 

「えー?まずは、透視能力でポケットの中に小銭や小物が無いか確認しました。」

 

「あ、ああ…それから?」

 

透視能力かよ、とは突っ込むのは我慢した。

 

「はい、色物は分けて洗い、洗剤も種類を変えました。」

 

「そこまでは問題ないな、後は?」

 

「後は──痛みやすい生地は口洗いで。」

 

「お゛ーーーーい゛っ、なんだ口洗いって!?」

 

「え、だから、こう…」

 

はむ。

おもむろに取り出したシャツを咥えたトール。

竜頭になりむぐむぐと咀嚼する。

 

「まてまてまてまてーい!?」

 

「汚れのみを溶かす唾液を出せるんですよ?」

 

「引くわっ!ビジュアル考えてくれっ、見た目大事!?」

 

「…あ、このままでって事です?」

 

人の顔に戻──りやけに扇情的な表情でシャツを手に取って。

 

「このままじゃいけない!余計いけない!っていうか顔っ!?」

 

あーん、と人の姿のままシャツを再びはもうとするトールを慌てて止める。

 

「ちぇ。」

 

そこ、舌打ちしない。

 

「あのなぁ、トール、女の子がそんな──」

 

 

更にトールにお説教を始めようとした矢先、玄関先に人影が見えた。

それはこちらを見つけるとトコトコと歩いてきた。

 

「こんにちは衛宮くん、お邪魔するわね?」

 

「え?え?遠坂!?」

 

「先輩、お邪魔します。」

 

桜もおずおずと遠坂の後ろからついて来ている。

 

「へぇ〜その娘が噂のメイドさん?確かに変わっ──げ。」

 

遠坂が固まり、その視線は角、尻尾ときて最後はトールの顔より下で止まる。

 

「どなた様ですか?」

 

「えっ、あ、うん私は衛宮くんの同級生で遠坂凛よ、桜が貴女がいつもその服だから、っていうから着替えを…あ、私のお下がりで悪いけどいらないかな、って思って。」

 

「そりゃすまない、なんか気を遣わしちまったかなあ、ありがとう遠坂。」

 

「へ?あ、い、いいのよ桜──後輩のためでもあるんだし。」

 

「そうか、しかし桜と遠坂が面識があるとは知らなかったな。」

 

「先輩は知らないかもしれませんが遠坂先輩、とある方を見によくいらっしゃっていたんですよ?」

 

「な、桜余計な事言わないの!」

 

「ああ、そういや遠坂、美綴と仲良かったよな…それでか。」

 

「あ、うん、そうよ、そうなの!」

 

あわあわと慌てる遠坂凛。

 

「…あーうちのシロウさんは本当におもてになるんですねえ…そのあたりどうですか、こじゅ…桜さん。」

 

それを見て感づくトール。

 

「今なんて言おうとしたか後でたっぷり聴かせてくださいねトールさん。」

 

「ハッw」

 

「…まあ、悔しいですけどそれは認めますよ、ええ、先輩は密かにモテるんです。」

 

鼻で笑うトールをうぐぐっと睨みながら答える桜。

 

 

 

 

それから数分。

 

「わー!これ可愛いですね!」

 

と、トールがきているのは女の子らしいニットのワンピース。

嬉しいのかくるくると回っている。

 

「…遠坂、こんな服よく持ってたな?」

 

「どういう意味か問い詰めたいところだけど…生憎私の趣味じゃないわ、とある知り合いが毎年毎年誕生日になると私にまず似合わない服を贈りつけてくるの…絶対嫌がらせよ、アレは。」

 

「ありがとうございます、遠坂さん!」

 

にぱ、と笑ってトールが礼を言う。

 

「とっても気に入りました!…あ、でも胸がちょっと…キツ…」

 

そう呟くトールの胸は、ゆったり目のはずのニットワンピースの胸元をこれでもかと押し上げ、些か苦しげだった。

 

それを見た凛の脳裏に、ワンピースをプレゼントした人物の言葉が蘇る。

 

『なに、凛よ。おまえのサイズは調査済みだ…きちんとおさまり、また垂れないように適度に締めつけるように調整して編んである珠玉の一品だ、何礼はいらんぞ、私とおまえの仲ではないか、ん?」

 

と、いうセクハラまがいな発言が。

 

「あんの似非神父──」

 

いつか事故を装って殺してやる。

などと、物騒な事を考えながら。

 

トール、桜、自分の順に見比べて。

こうべを垂れて格差を恨むのであった──




【後書き的なモノリス】

はい、みなさまこんばんは、こんにちは、あるいはおはようございます、みなさまの心の清涼飲料水、になれたらいいな?…ライダーです。

今回、ルコアさんが登場しましたが彼女普段の見た目は小林さんちのメイドラゴン仕様ですが、性格や戦闘能力なんかはFGO寄りです。

もし、戦闘になれば姿もFGOのルコアさんに成ります。

後、ルコアは隠す気がありませんが、トールは一応魔力は押さえていたため凛も気づきませんでした。
桜からもコスプレメイドだと聞いていたのもありましたし、胸のサイズのインパクトに疑う頭がぶっ飛びました。

と、いうわけで衛宮さんちのメイドラゴン、第二話如何でしたか?

本当に不定期連載になりますが、またよろしくお願いします。

そ、れ、で、は、また!
しーゆー!

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