一般人の自称おっさん、アイドル助けたら生活が変わった?   作:Aりーす

6 / 20
カワイイ子のワガママは聞かないとダメですよ?

朝、起きたら飛鳥はいなくなってた。まぁいつもの事だ。普通に学校も通ってる女の子だし、アイドルとしての仕事もある。朝はかなり早いらしい。

 

…だが、しっかりとご飯を作っていくあたりが将来いいお嫁さんになりそうだなぁって思う。本人に言ったら顔真っ赤にしそうだけどねぇ

 

…ん?手紙がある。なになに…『おはよう。ボクは今日も仕事があるから先に出るよ。パパも頑張って。…後、文香さんや幸子には家の場所を教えておくから。ボクがいない時にご飯を食べてない、とかあったら正座とかじゃ済まなくなるからね』だと。

 

あ、ごめんなさいもう遅いや…すでに飯抜き生活やってしまってる。…あれ?これって結構詰みだったりする?

ちなみにとりあえずだけどバイト始める事になりました。おっさんのバイト姿とか悲しすぎ…ひもじい生活になるぜっ!

 

ちなみにバイトだが配達業だ。結構給料が高くて電話したらすぐ受かった。どうやら配達先は問題児が多い…というより話が通じなかったり家にいない時が多かったり…

 

というよりアレだ。どうやら346プロの事務所に運んだり女子寮に運んだりとするのが多いらしい。受かってから知った。会う可能性も無くはないらしい。

 

今日は珍しくLINEが鳴らない。多分朝が早いか本当に2人とも休みで疲れ果ててるかのどちらかだとは思う。文香ちゃんは見た感じ体力がありそうには見えなかったしね。

 

「…うわ、すごい家庭的な朝食。料理スキルまた上げたなぁ飛鳥は」

 

決して俺が料理ができないと言うわけではないが…作るのが面倒になって弁当を買ったりしてたのだ。見事に飛鳥にバレた。

 

…あ、今日は新聞が来る日だ。てか来てるよな多分。部屋から出てポストに向かおうとする為、部屋の扉を開ける。

 

「おはようございます、お兄さん♪」

 

とりあえず高速で閉めて鍵をかけた。どうやら俺は疲れているらしい。幸子ちゃんの幻覚と幻聴が…あれ、LINEが

 

Sathi♡:開けないと大声で有る事無い事、カワイイボクが叫んじゃいますよー?

 

社会的地位が殺されてしまうっ!?高速で閉めた鍵を開ける。すると頬を膨らませた幸子ちゃんが見えてきた。

 

「カワイイボクがせっかく来たのに!この対応はないじゃないですかぁ!!」

 

「…いや、なんでいるか分からなくなったからさ。少し自分を顧みてた」

 

「飛鳥さんは手紙を書いたって言ってましたよ?教えてもらいましたし来たんです!カワイイボクがねっ♪」

 

そう言いながら新聞を手渡して来る。…いつか飛鳥みたいに俺の周りについて把握されそうだ。文香ちゃんが来ることもあるかもだし…いや、それは自意識過剰ってやつだよきっと。

 

「教えるとは書いてあったけどねぇ…書いた当日来るとは思ってなかったんだよねぇ…」

 

「いいじゃないですか!飛鳥さんの次にカワイイボクが見れたんですからね!」

 

「…そう思えば良いか、な?とりあえず上がる?何もないけど」

 

「はい!あ、お昼過ぎには帰らせていただきますので!」

 

「ふーん、お仕事?」

 

「お友達と出掛けるんです!」

 

「良いことだね、今のうちに楽しんでおかなきゃ損だよ?仕事詰めすぎたら可愛さ半減なんてものじゃ済まないかもよ?」

 

「ボクの可愛さはとどまることを知らないんですよ♪」

 

自信があってよろしいことで。…まぁ、こういう子をスカウト出来るって言うんだからすごい会社だよねぇ。

 

 

 

 

 

とりあえず幸子ちゃんを家に上げ、今は一緒に飛鳥が作った料理を食べながらテレビを見つつ談笑している。さっき聞いたが文香ちゃんも来る予定だったそうだ。

 

すると突然家の用事が入ったらしく今日は来れない、とLINEで言ってたらしい。…まぁそこまで面倒みなくても良いんだけどねぇ…年下にどれだけ甘やかされてるんだろうね、おじさんは

 

「…あ、そうそう幸子ちゃん。俺来週…と言っても明日からかな。あんまりLINE返せないかも」

 

「…え???ど、どういう事ですか!?」

 

なんですぐ詰め寄ってくるんだい君達は、アイドルの自覚と年頃の美少女の自覚を持とうよ、ね?心の中でしか言えないからヘタレなんだよねぇ…

 

「俺ね、バイトする事になったんだ。週に…3回か4回程度だけどね。ほら、ずっと働かないままは流石にね…」

 

「あ、あぁ、そういう事ですか…てっきり何か出来たりとかしたのかと…」

 

「できた?何が?」

 

「いやっ!な、何でもないですよ?…どんなバイトなんですか?」

 

「配達業。荷物運びとかどこかに荷物届けたりとかそういう感じ。…まぁ、それなりにお金も良いから」

 

「そうなんですね…そう言えばウチの事務所にたまに配達の人来ますね。事務所の直属みたいなもので、アイドル個人にも運んだりしてるらしいですけど」

 

「へぇ…幸子ちゃんはしてもらったことはないの?」

 

「まだないですね…でも配達の人ってすぐ辞めるらしいんですよね。言葉が分からないとか、冷たいとか…」

 

「年頃の女子が相手だからねぇ…厳しい子は厳しく言うだろうし」

 

「でも事務所の直属みたいなものなのでたまにですけど、寮の掃除をしてるのを見た事もありますね!大変そうだなぁって思ってました…」

 

まぁ多分それ、これから俺がやる事なんだろうけどねぇ…意外に仕事内容がわかってしまった。多分仕事の種類が多いから給金も高いんだろうなぁ…

あとは辞める人が多いってのもかな?女子の子が来たりすればアイドルに引き抜かれてもおかしくはないよねぇ…

 

 

 

 

「…ん、ご馳走様でした。飛鳥さんすごい料理上手いんですね!」

 

「わざわざ覚えたらしくてね…頭が上がらないよねぇ」

 

「ふふん♪それでは皿洗いはボクがしますね!お兄さんはゆっくりしててください!」

 

「…流石にそれくらいは出来るよ?いくらおじさんだからって…」

 

「カワイイボクが、やってあげるんですからっ!早々ない事なんですから受け取ってください♪」

 

「…どうも敵いそうにないねぇ…わかったよ、それじゃあ頼んでも良いかな?」

 

「はいっ♪」

 

幸子ちゃんは台所に立ち皿洗いを始めた。…ひと回り近く離れた子に皿洗いさせるって、大人って何だろうねぇ。

やってくれるのに不満がある訳ではないよ?そんな傲慢な男になりたくはないし。

 

「んーっ…もう少しで届きそうなんですけどねぇ…」

 

とりあえず目をそらす事にした。あの子気づいてない、自分がスカートだって忘れてる。見えかけてるから。

 

「お兄さん、少し手伝ってくれませんか?届かなくて」

 

「別に良いけど…皿を入れればいいの?」

 

「いえ、肩車でボクを上に運んでください!」

 

「いや、普通に俺がやるからさ、自分の格好をちゃんと見てから言ってね」

 

幸子ちゃんは言われて初めて気づいたようだ。昨日の飛鳥程ではないけど顔を赤くしている。

 

「…おにいさんはえっちですね」

 

「やめてくれ…それを引き受けないだけ良い…とは言い難いけどさ。えっちはやめてほしいなぁ」

 

幸子ちゃんの隣に立ち上の棚に皿を入れる。その間も顔を赤くした幸子ちゃんに、何とも言えない目線で見られている。

 

「…むー…」

 

「…悪かったって。見てたら土下座ものだけどさ…これで許してくれって」

 

幸子ちゃんの頭を撫でる。すごい撫でやすい位置に頭があった。…すごいサラサラの髪だよな、女子ってみんなそうなのかな?飛鳥もそうだし…

 

「…し、仕方ないですね!許してあげます!」

 

「…ふふ、ありがと」

 

皿を全部片付け終わった俺と幸子ちゃんは、またテレビの所に座り直した。…が、幸子ちゃんはさっきまでと座る場所を変えていた。

 

「…なんで俺の膝の上に座るんだい?」

 

「全部許したとは言ってませんからね!しばらくはこうして撫でてもらいますよっ♪拒否権は無しです!」

 

…まるで猫みたいに座り込んで来たねぇ…飛鳥もこうして来るときはあるけど、幸子ちゃんにもされるとは…

 

「…ほんと、撫でるの上手いですね。文香さんも言ってました」

 

「それは…喜びたいような、撫でる機会は別にそこまでないから喜んで良いものか…」

 

「飛鳥さんや文香さんは撫でてるじゃないですか?まぁ、ボクも撫でてもらいますけどね!」

 

「…まぁ、時間が来るまでね?」

 

時間が来るまでは、撫でる事を続けないといけないようだ。カワイイ子のワガママってのは、聞くのもやるのも大変なんだねぇ…

 

 

 




(欲しいSSRが)当たらない?なら出るまで回せば良いじゃない!そんな甘い世の中ではないんですよね、今のご時世とか確率って(´・ω・)


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。