一般人の自称おっさん、アイドル助けたら生活が変わった? 作:Aりーす
ここで少し二宮飛鳥という少女について説明しようと思う。関係としては親同士が同じ企業で働いているのだ。で、俺の方が歳上だから小さい頃は世話をした事もあった。
そして俺は離れたが…上京するという事になったらしく俺の家でしばらく面倒を見ていた。…と言っても金銭面での世話だ。飛鳥に飯を作ってもらっていた時はヒモ、という言葉がよぎった。
まぁ年頃…三十路手前になってからよく年頃って言葉を使い始めてるなぁ…歳は取りたくないってよく聞いたけど、こういう事なんだよねぇ…
アイドルになるのは知ってたがどこに所属する、とかは聞いたことはなくそのままだった。…が、最近知ったが鷺沢ちゃん達と同じだった。テレビに出てた。たしか…神崎蘭子って子と一緒に。
俗にいう厨二病という奴なのだろう。だが俺の前ではあまりそういう発言はしない。何故かと聞いたら「ちゃんと言葉にしないと甘えさせてくれない」と言ってた。…恥ずかしかった。
ちなみに飛鳥には仕事を辞めた事を言っている。しばらくご飯を作り置きしてくれるらしい。…通い妻みたいだな、とぼそっと言うと「別にボクはそれでも良いよ?」と言われた。お断りした。
あれから時間は結構経った。その間も鷺沢ちゃんと輿水ちゃんとのLINEは途切れ途切れだが返事はしている。2人とも仕事らしい。
「パパ、お風呂入っても良い?」
「着替えとかは…あるわな。…布団は流石に別な」
「お断りするよ。ボクはパパと一緒の布団で寝るからね」
「…俺の話を少しくらい聞いてくれって。…せめて隣り合わせの布団にしてくれ。それなら何も言わない」
「…………妥協、しよう。……苦渋の決断だけどね…」
「普通なら喜んでもおかしくないけどな…離れる方が普通なんだが…?」
おじさんと寝る事を進んでやろうとするんだよねぇ…いったい何処に良い要素があるのかなぁ…?
「ボクは普通とは離れた存在だからね。…でも、嫉妬とかはする」
そう言って飛鳥は風呂に入った。…一年前は一緒に入ろう、と誘われた時よりかはまだ離れている…気がする。その代わり来る頻度は多くなったりしてた。
飛鳥曰く、成分を補給しないとやっていけないらしい。…だが恥じらいはあるらしく、流石に風呂はやめたようだ。間違いがあれば大変だからな…
っと、またLINEがかなりの頻度で鳴り出した。2人とも仕事は終わったっぽいな。…それも分かるって凄い話だよなぁ。
Fumifumi:お仕事完了致しました。本日もお勤めご苦労様でした。
REN:お疲れ様。俺は何もしてないけどねぇ…
Sathi♡:お兄さんはカワイイボクの相手をするっていう、重大な仕事がありますからねぇ!!
Fumifumi:今日は蘭子さんに不思議な事を聞かれました。我が同胞が近頃、同胞の眷属のサイオンを欲している…って言ってました…
Sathi♡:同胞…ってことは飛鳥さんですよね?眷属ってのは…なんでしょう?
REN:あ、それ俺だと思う。現時点で飛鳥が家にいるし
Fumifumi:え?
Sathi♡:は?
Sathi♡:ちょ、え、な、何言ってるんですか?お兄さん。夢だったりしませんかそれ!
REN:夢じゃない…てか朝LINEで言ったろ?神崎ちゃんに似てる知り合い、それが飛鳥なんだよ
Fumifumi:……どういうことです…?
REN:鷺沢ちゃんとかと会うより前に飛鳥は知り合ってた。偶に家に来たりする。今日はその日だった、現状です。
Sathi♡:…びっくりですよ、それでアイドルを知らないってことが
REN:ブラック企業に勤めてた俺に、アイドルを見る暇すらなかったんだよねぇ…今は完全にファンだけど。
Fumifumi:そう、なんですか……ずるいです…
REN:え、なにが?ずるい要素あったの?
Sathi♡:名前ですよ!な、ま、え!!飛鳥さんだけ飛鳥って呼んでるじゃないですかぁ!LINEまで交換して沢山話してるのにボクらはまだ苗字ですもん!
Fumifumi:そうです…
REN:俺ってこう、女子と話す機会無いからさ…下の名前で呼んで良いかわからないんだよねぇ…呼んで良いなら呼ぶけど。…少し恥ずかしい気持ちはあるけどね
Sathi♡:カワイイボクの名前は呼んで欲しいんです!ボクは名前で呼んでください!
Fumifumi:…私も、距離感を掴むのは苦手ですが…下で呼ばれるのは…嫌じゃないです、蓮二さんには…呼ばれても大丈夫…です…
REN:…そっちから呼ぶのズルいなぁ…分かったよ。文香ちゃん、幸子ちゃん。…呼び捨ては流石に勘弁してね、飛鳥は1年とかそういうレベルじゃないほど世話してたからさ
Sathi♡:そこまで強要しませんよぉ!…でも飛鳥さんって寮生活じゃないですか?
REN:アイドルになるときにしばらく世話してた。寮に入るまで、かな?そこからは1ヶ月とかそれくらいの頻度だったね
Fumifumi:そうなんですか…今はどうしてるんですか?
REN:飛鳥は風呂入ってる。…わざわざボロアパートで入らなくても良いとは思うんだけどねぇ…
Sathi♡:ちなみに呼び方とかは普通とは違うんじゃないですか?
REN:非常に不本意なんだけど、パパと呼ばれている
Sathi♡:ぱぱ…?お兄さんはおじさんだったんですねぇ!
REN:やめて!俺はまだ三十路手前だから!お兄さん呼び地味に嬉しいんだから!
Fumifumi:……あ、そう言えば飛鳥さん。誰かに会いたいって言ってた気がします。蓮二さんだったんですね…
Sathi♡:お兄さん呼び嬉しいんですか(にやにや)…おにーさん♡
REN:♡がついた!?くっ…つい本音が…
Fumifumi:蓮二…おにいさん…
REN:なんか一気に体操のおにいさんみたいになった。文香ちゃんはなんか、俺をおにいさんって呼ぶの合わないねぇ…
Fumifumi:…蓮二お父さん
REN:ぐはっ!!!?
Sathi♡:最早NGワードみたいになってますね…安心してください!カワイイボクはずっとお兄さんって呼びますから!
「………ぱぱ…さっきボクが言ったこと、忘れた?」
いつの間にか俺の後ろからスマホを覗き込んでいる飛鳥がいた。…どこか怒っているような雰囲気を醸し出している。
「…正座」
すぐさま正座しました。大人の威厳?そんなの数年前から捨てたよ、帰らぬ者となったんだ。プライド?働けばそんなのなくなるよ。
「…これ、文香さんや幸子だよね?なんでLINEをしてるの?何かあったんでしょ?」
こういう時は隠すと逆効果だ。何故か怒るとき、飛鳥は俺の嘘を一瞬で見破るからな…分かりやすいらしい。ひとまず洗いざらい話すことにした。
「リストラされた日に文香ちゃんが不良…うん、不良に絡まれてて。助けてから幸子ちゃんと知り合ったって感じ」
「…嘘、ついてないね」
「つく必要ないしねぇ…飛鳥の事も話してるんだけど」
俺のスマホの履歴を見て、しばらくすると飛鳥は顔を真っ赤にしていた。今まで見た事ないくらい顔を真っ赤にしてる。甘える時もクールなんだけどな、この子。
「ぼ、ぼ、ぼ…っ、ぼ、ボクはパパの事言ったことないのに!?き、きかれて…!?」
「神崎ちゃん、だっけ?テレビで一緒に出てたの。その子から聞いたって文香ちゃん言ってたよ?」
「…い、言ってない…!!…成分が、たりな…っ!?……うぁぁ…!?」
なんか悶えてる、はっきり言って可愛い。幸子ちゃん並みにカワイイ。
「こ、こ、この子らがっ、き、聞き違えただけだから!!ぼ、ぼくは、言ってないからねっ!!」
「え、文香ちゃんも誰かに会いたいって言ってたの聞いたらしいけど、本人から」
「ぅぁぁぁぁぁ…!!!ぅぅぅぅぅ!!」
ゴロゴロ顔を真っ赤にしながら転がってる。そのまま俺が寝る予定だった方の布団に隠れ始めてしまった。
「も、も、もう寝るからっ!!おやすみっ!」
「そこ俺のなんだけど…」
「し、し、しらないっ!!パパの布団はボクのと同じだからっ!!!」
「…別に気にしないなら良いけどさぁ。…おやすみ、飛鳥」
「……おや、すみ…」
帰ってきたときは頭を撫でながら寝させるのが基本になった。…だから文香ちゃんとか撫でちゃったんだよな…飛鳥が原因というか要因というか。
「……パパ、アイドルの事、結構知ったの?」
「まぁ、な。飛鳥がステージに立ってる姿もちゃんと見た。…これからはファンとしても応援できそうだよ」
「……そう…じゃあ、ちゃんと応援してね。…後、基本は認めるから…文香さんとか幸子なら、さ…」
「認める……?認めるって何を…?」
「……何でもないよ、気づかないなら気づかないままでいれば良い。……今度こそおやすみ」
そのまましばらく撫で続けていると、可愛らしい寝息が聞こえ始めてきた。その間もLINEは鳴っていた。…まだ少し撫でておくか。返事はしたいけど…飛鳥がここまで甘えてくるのも久しぶりだし、な。
(彼女とか、結婚とか……ボクが認めない限りはさせないからね?パパには幸せになって、欲しい…し)
そんなことを心の中で少女が思っていた事に、一般人が気づくよしもなかった。
デレステのmasterの27とか28はフルコンできないの多いのに、master+の28とかはフルコンできるのは何故だろう(´・ω・)?