一般人の自称おっさん、アイドル助けたら生活が変わった?   作:Aりーす

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カワイイ子と助けた子とファミレスなう、的な

ファミレスなう…なんて呟くアプリすら入れてないのが俺なんだよなぁ…うん、どうでも良いよね。俺です。現在ファミレスです。

 

助けた子、鷺沢ちゃんと輿水ちゃんと話した。普通にそれくらいしか内容が無いのである。…まぁそれでもすごい事だけど。

 

あれからすぐ鷺沢ちゃんは戻ってきた。輿水ちゃんの様子を見て少しびっくりしてた。うん、そうだろうね。だって…

 

「ふふん♪カワイイボクの事を知らないなんて後悔しますよ、絶対に!」

 

「んー…でも元々知らなかったから後悔も何も無いというか…」

 

「こ、後悔しますからね!?あ、後から泣いたって簡単には教えませんよ!?」

 

普通に話してるからね、2人で。元々話しやすいタイプなのか、普通に意気投合できた。結構歳離れてるんだけどねぇ、面白い子ってどれだけ話しても飽きない感じがあるっていうか…

 

「むー!…あ、お帰りなさい文香さん!聞いてくださいよ!お兄さんがボクを知らない、というより知ろうとしてくれないんです!カワイイボクの事を!」

 

「…あの……よ、よく、分からないというか…」

 

「あー…まぁ気にしないでよ。お礼とか…うん、なんかそんな感じかな?」

 

「ふふん♪まぁボクとお兄さんの秘密ですよ!」

 

「ひみつ…むぅ……」

 

どこか納得していないようだが、とりあえず鷺沢ちゃんは席に座った。…並ぶとやっぱりどっちも美少女だよなぁ。

 

「そう言えば、さ。アイドルって言ってたけど、どういう事してるの?俺ほとんどアイドル知らなくてさ」

 

「それなりにボクも人気だと思ったんですけど…本当に知らないんですねぇ…まぁ知ってもらうだけですけどね♪」

 

「ライブとか写真撮影とか……そういう感じです……」

 

「へぇ…会社くらいなら聞いた事はあったけどねぇ…」

 

「お兄さんは何してたりするんです?」

 

うっ…とても言いづらい事を言われた…

 

「……そう言えば……あの時……」

 

「…言いづらいけどねぇ、鷺沢ちゃん助けた時は色々あってね…ま、隠さずに言うと会社を辞めさせられてね…フラフラしてたらってだけなんだよね」

 

「……そう、なんですか……」

 

「…き、聞いちゃ…ダメでしたよね…」

 

「はは、良いよ。もう終わった事だし、引きずっても仕方ないからねぇ。…とは言え生活とか色々…っと、若い子らにこんな話は合わないね」

 

どこか神妙そうな顔してるし、女の子にそういう顔させる男子ってどう思う?って聞いたら有罪判決が出るよね。ほぼ確実に。

 

「まぁ、また頑張るだけだし…その時は応援してくれると嬉しいな。俺も君らを応援するし」

 

「…ふふん、任せてください!カワイイボクがお兄さんを応援し続けてあげますよ!」

 

「……私も同じ、です。…応援、してくれたら……私も、嬉しいです…」

 

…底無しってほどに優しい子達だ。こんな子らに苦い人生ってのは似合わないよねぇ。まぁ、俺がアイドルの姿のこの2人を知らないから、そう言えるだけ。

きっと、輝いてるだろうしね。おじさんも頑張る気になれる…なんて、青春みたいに言うけどその頃には戻れないねぇ…

 

 

 

 

「ありがと。…2人はこれから何かあったりしないの?」

 

「…私は…何もないです……」

 

「ボクは明日が早いってだけです!今日はないですよ!」

 

「そっか。でも休みって事だよねぇ、休みなのにおじさんなんかと一緒にいるのは残念じゃない?」

 

「……私は…そう思いません……相沢さんと…居て…嫌とか思いません…」

 

「嫌なんて思う事はないですよ!お兄さんと話すのも楽しいですしね!簡単に帰すと思わないでくださいね?」

 

「…おじさんに優しくしてほしいねぇ。…まぁ、君達が飽きるまでは付き合うよ。アイドルといれるなんて、早々ない事だからね」

 

「…優しく、ですか…?こういうことです……?」

 

…なんで俺は鷺沢ちゃんに撫でられているんだろうか?しかもわざわざ隣に座ってきて…おじさんのメンタルはゼロになるよ?

 

「…こ、こういう事ではなくて…というより近くない?」

 

「…?…別に、普通じゃないですか…?」

 

「…文香さん、そういう所は鈍いんです。いつもはすごい鋭いというか…でもおっとりマイペースという感じなんですよね…」

 

「…不用心と言うのかな、そういうのって…」

 

年頃の女子が三十路手前のおっさんに近づくとか…お父さんという歳でもないのにねぇ…まぁ気にしないようにはするけど。

 

「…あの時、撫でてくれたじゃないですか…なら、普通ですよ…?」

 

「それを言われると痛いというか…実際ほぼ無意識だったしね。…そ、そろそろやめてくれるかな?」

 

「……まだ、全然良いんですよ?」

 

「文香さん!?ボクを置いてけぼりにするパターンはいらないんですよ!?お兄さんもです!」

 

「…?幸子さんも…撫でられたいんですか…?」

 

「なんか違いますよねぇ!?そういう置いてけぼりじゃなくて!…な、なんか言い表しづらいんですけど!」

 

「…とりあえずストップだよ鷺沢ちゃん。輿水ちゃんが構って欲しそうだからね」

 

ちょっと意地悪だけど…対象を変えようかなって思っちゃったんだよね。というより歳下に撫でられるのは少し恥ずかしいし…

 

「そうですか……じゃあ…」

 

輿水ちゃんは抵抗しながらも普通に撫でられている。なんだかんだ合ってる感じはするよねぇ…まぁアイドルの彼女らを知らないと…おじさんが知るって歳考えろって言われそうだね?

 

 

 

 

この後も談笑しながらファミレスで時間を過ごした。…ちなみに昨日ご飯食べてないことがバレて食べさせられました。歳下に奢られる歳上とか…ヒモ?

 

だって仕方ない、あの2人急に目つき変わったし。事情があるとは言え奢られるのは…って言ってたけど強制的でした。…女子の笑顔って怖いんだねぇ…おじさん初めて知ったや。

 

初めて?うん、そりゃ彼女とか出来たことないし。灰色の時代に生まれてそのまま育ったしねぇ。

 

「…今日は…ありがとうございました……ワガママで…着いてきてもらって…」

 

「別に気にしなくていいよ。奢られちゃったしねぇ…むしろ感謝するのはこっちだし…」

 

「お兄さんが気にしなくていいんです!大人しく奢られて下さい!何たってカワイイボクの言うことなんですからねぇ!」

 

「…カワイイ子がおじさんに奢られて下さい、なんて言うのはフィクションでも早々ないのにねぇ、まぁ野垂れ死ぬのは嫌だけど」

 

「…助けてもらったのに……そんなのは嫌です。…後、これからも……会ったり…できます…?」

 

「アイドル…というより年頃の女子がそういう事言っていいものなのかい?おじさんはそう思わないんだけど…」

 

「ウチの事務所、男子とかと居ても特に何も言いませんよ?恋愛とかも自由らしいですしね!…まぁ無縁なんですけど」

 

「俺も恋愛は無縁だけどねぇ…まぁ頻繁には無理だけど連絡くらいなら良いよ?」

 

恋愛公認するアイドル事務所ってのも存在するんだねぇ…まぁ自由を縛るってのも良くはないけど。

 

「…じゃあ…交換しましょう?」

 

「ボクとも交換して下さい!お兄さんと連絡したりしたいですし!」

 

「ん、まぁ面白い反応はできないかもしれないけど…はい」

 

 

 

 

 

この日、会社を辞めたことにより大量に人が消えたLINEに、たった2人だが新しい名前が追加された。

 

その後、2人とは別れた。2時間程度だったが、かなり濃い時間だったと思う。入社したてを思い出すくらい濃い時間だったねぇ…

 

見慣れた普通のアパートに着く。部屋に入り、着替えようとする。瞬間、俺のスマホが震える。

 

着信は『Fumifumi』『Sathi♡』という名前が2つ。…これなら間違いようがないねぇ。あの2人だってすぐに分かる。…まぁ、俺に送って来る人なんてそうそう居ないけど。

 

…不思議と笑みが溢れる。ほんの少しだけ過ごしただけの子らの顔や声、性格、姿が鮮明に映る。文字を見るだけで、笑顔になっていくのがわかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fumifumi:本日はありがとうございました。…また、楽しくいれたら良いですね。いつか、お互いが暇な時に会いましょう。後、ご飯は食べて下さい。食べてなかったら…分かってますよね?

 

Sathi♡:今日はありがとうございました!ボクのLINEの着信を見て、いつでもカワイイボクのことを思い出して下さい!見なくても思い出してくれても構いませんよ!いつだってカワイイボクは心の中に居ますからね!ふふん♪

 

…これからは少し、返事の返し方とか学んでみたいねぇ…柄にもないかな?

 

 

 




まだ2話しか投稿していないのにお気に入り100件いっててびっくりです…Σ\(\´ω`)ウソォ!? ありがとうございます〜!


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