MH外伝(ハンター物語)   作:サクトン

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あらすじ「彼女の名前はマオ。今年で14歳となったマクリナ村出身の駆け出しモンスターハンターだ。マクリナ村に突如やって来たホロラ村の獣人族のホロは、マオに連れられて彼女の家に赴く。」

あらすじ「マオは獣人族のホロから、なぜマクリナ村へ来たのか事情を聞くと、今ホロラ村周辺で大型モンスターのティガレックスが徘徊し、村の皆は村を出ることすら出来ない状況との事。そしてマクリナ村に居る英雄のハンターにモンスターを狩ってもらうため、わざわざここまで来たと話す。」

あらすじ「マオは居ても立ってもいられなくなり、英雄ハンター代わりに自分がティガレックスを討伐するとホロと約束を交わし、野良ハンターのロウと共に、集会所にて特訓を始めるのだった。」



狩9 轟竜 ティガレックス

       =火山 地下エリア=

 

 

マオ「あ……暑いです……モンスターを狩る前に、こっちが暑さで力尽きそうです……。」

 

ロウ「マオ……お前クーラードリンクは持ってきてないのか?もし持ってきてなかったとしても、ちゃんと支給品ボックスに入ってあっただろ?」

 

マオ「いえ……飲んだのは飲んだんですが……暑いものは暑いんです!!」

 

ロウ「叫ぶぐらいの元気があるなら我慢しろ。ほら、とっとと行くからな。」スタスタ

 

マオ「あっ!ちょっと待ってくださいよー!」タッタッタ

 

 

      =地底火山 地下エリア1=

 

 

マオ「暑い……火山って何でこんなに暑いんですかぁ……?」フラフラ

 

ロウ「火山に聞け。それよりマオ、ちゃんとその辺りに採取できるポイントがあるから、少しでも採取しとけよ?装備の強化で使ったりするものがあるから、しといて損は無い。」スタスタ

 

キョロキョロ マオ「んー……?あ、これですか?何かここだけ青色に光ってる石がありますよ?」

 

ロウ「それだ。ちなみにそいつはピッケルが無いと掘れねぇから、もし採取目的でこの火山へ来る時は忘れずに持ってこい。」

 

マオ「大丈夫です、ここへ来るときは寒くて凍え死にそうな時だけですから。」スタスタ

 

ロウ「やれやれ……で、ちゃんと持ってるか?ピッケル。」

 

ゴソゴソ マオ「ありますよっと……!」スッ

 

ロウ「ふむ……それは支給品にあった普通のボロピッケルか。マオは普段持ち歩いていないのか?ピッケル。」

 

マオ「だって私ハンターですからね、こういう採掘や採取は割に合わないと思ってますんで。」スッ

 

ロウ「ふぅ……そのハンターの先輩として言うが、お前……後で絶対に後悔するタイプだな。今は俺がいるから構わんが、後々防具や武器を強化するのに、最終的に鉱石や素材が足りないってなるぞ?」

 

マオ「ま……まぁその時はその時って事で!よっと!!」カ ン ッ

 

 

   テロリン 石ころ を 入手しました

 

 

マオ「なんだ石ころですか……これは使うこと無さそうですし、捨てても大丈夫そうですね。」スッ

 

バッ ロウ「待て待て待て待て!石ころを捨てるだとぉ!?お前は馬鹿か!!」

 

マオ「え?」

 

ロウ「石ころはこう見えてもな、俺が持ってるペイントボールや素材玉を作るのに滅茶苦茶貴重なんだぞっ!?捨てるなど邪道だ!」

 

マオ「あ……そうなんですね。レア度も1ですしてっきりハズレ素材なのかと思っちゃいましたから……じゃあ取り敢えず持っておくことにします。」ゴソゴソ

 

ロウ「素材や鉱石は基本的にハズレなんかねーよ。ハズレ素材やゴミ素材ってのは、お前が家で焼いたコゲ肉みてぇな使い物にならんものを言うんだ。」

 

マオ「もー!それはもう言わないでください……よっ!」カンッ

 

 

  テロリン マカライト鉱石 を 入手しました

 

 

マオ「あっ、何かレアそうなのをゲットしました!」

 

ロウ「マカライト鉱石だな……武器強化や防具作成で使うことが多いから持ってて損はねぇ。マオが一人でクエストへ行くときは、モンスター討伐だろうがただの納品だろうが、必ず採取ポイントは回っとけ。良いな?」

 

マオ「りょーかい……しましたぁ!」カンッ

 

 

     テロリン 鎧玉 を 入手しました

 

 

     =地底火山 地下エリア2=

 

 

スタスタ ロウ「さて……そろそろティガレックスの場所まで近いだろうし、念のために千里眼を飲んでおくか。このクエストだけに時間かける訳にはいかんからな。」ゴクッ ガッツポーズ

 

スタスタ マオ「え?どうしてですか?」

 

スタスタ ロウ「マオも言ってただろ、朝になったらあのガキをホロラ村まで護衛するってな。今は真夜中にこのクエストを受けてんだ、時間の許す限りこのクエストで素材を出来るだけ集めて、マオの装備強化と俺の装備も強化しねぇと厳しいんだよ。」

 

マオ「えぇっ!このクエスト何回もやるんですかぁ!?」

 

スタスタ ロウ「ティガレックスの事を知りたいって言ったのはマオだろうが。それにマオもずっと初期装備のままじゃあ、いつまで経っても他のハンターにヒヨッ子扱いされるぞ?まぁ最近、俺もティガレックスの素材が欲しいと思ってたから丁度良かったがな。」

 

スタスタ マオ「うー……解りました。」

 

スタスタ ロウ「で、ここのエリアの採取はもう済んだのか?」

 

スタスタ マオ「はい、無事に何とか終わりましたぁ……コロコロ転がってくる小型モンスターに、何度か体当たりされましたけど。」

 

スタスタ ロウ「なるほど……だから体力が削られていたのか。しかしマオ……ティガレックスは基本俺が相手をするが同じエリアにいる以上、いつお前にも攻撃が飛んでくるか解らん。一応応急薬を飲んで体力を満タンにしておけ。あとスタミナやクーラードリンクの残にも気を付けろよ?」

 

スタスタ マオ「了解です。……そろそろティガレックスの居る場所に着きますか?」

 

スタスタ ロウ「あぁ……このエリアを抜けたすぐ先に奴が居る。前のアオアシラのように不意討ちできるとは限らんから、いつでも良いように準備しとくんだぞ?」

 

スタスタ マオ「はい!」

 

ロウ「良い目だ……じゃあ行くぞ!」バッ

 

 

    =地底火山 大型モンスターエリア=

 

 

ピクッ ティガ「!!」

 

ビクッ マオ「ひっ!?」

 

 

ティガレックスのいるエリアに入った瞬間、マオ達とティガレックスはお互い正面を見合わせていた。ロウは慌てる様子がなかったが、間近でティガレックスを見たマオは、アオアシラとは違う荒々しいモンスターの獲物を見つけた眼光に、一瞬だけ怯んでしまった。

 

 

ロウ「チッ……よりにもよって真っ正面で鉢合わせか!とりあえずペイント玉だっ!」ブンッ

 

 

ロウはすかさずアイテムポーチからペイント玉を投げつけ、ティガレックスの顔に見事命中させる。ペイントボールが当たった衝撃により、ティガレックスも2人を獲物と判断したようで、食す為に弱らせようと2本の前足を地面にガッチリと固定し戦闘体勢へと入った。

 

 

ティガ「グルルル……!」

 

ロウ「奴の咆哮が来る……!マオ!急いで離れろ!!」ダッ

 

マオ「大丈夫です!私には盾がありますから!」バッ

 

タッタッタ ロウ「バカ野郎!奴の咆哮は他のモンスターとは違っ……!!」

 

ティガ「「ガァァァァァァァァァ!!」」

 

 

大きな体から発せられたティガレックスの咆哮が、火山エリア全体に大きく轟いた。ロウは咆哮の衝撃に備え緊急回避でかわしたが、ティガレックスのすぐ傍に居たマオはしっかり盾を構えていたにも関わらず、体力ゲージをごっそり削られつつ一気に吹き飛ばされてしまった。

 

 

マオ「キャァ!!」ズザザザ

 

ロウ「マオッ!!くそっ……マオの奴1発もらっちまったか。」ダンッ

 

スッ マオ「いったぁ……盾でガードしたのに、何でまともに……!」チャキ

 

ティガ「グァァァ!」ガッガッガッガ

 

マオ「くっ!」(避ける隙間が無い!)バッ

 

 

ティガレックスの咆哮により吹き飛ばされたマオは壁端に追い詰められており、ティガレックスは攻撃を仕掛けにいくロウをよそに、2本の前足を巧みに使い瞬く間にマオとの距離を詰めていった。素早いスピードで迫ってくるティガレックスを見て避けられないと判断したマオは、瞬時に右手の盾を構え防御体勢に入る。

 

 

ティガ「ガァァ!!」グワッ

 

ガキィィン マオ「うぐっ!!」(何て力っ……!)

 

ロウ「ぬぉらぁ!」ズバババ

 

 

背後から迫ったロウが愛用の太刀を用い、ティガレックスの尻尾を切り裂いた。マオは盾で攻撃を防いだ反動でまだ体勢を整える事が出来ず、ティガレックスはマオから自身を攻撃するロウにターゲットを変え、振り向き様に彼を睨み付けた。それを見ていたロウも眼光に気づき、挑発するかのような気迫で睨み返す。

 

 

ティガ「グァァァン!」ガッガッガッガ

 

バッ ロウ「へっ……!やっとこっちに注目してくれたかっ!」ブンッ

 

 

ロウは先読みしてティガレックスの突進を回避すると、すれ違い様に太刀の連撃を綺麗に当てていく。一方ティガレックスはロウの斬撃をものともせず、そのままエリアの端から端まで突進していった。その頃ようやく体勢を整えたマオが彼の元へ近づき、ロウと同じくティガレックスを見据え片手剣を構える。

 

 

ロウ「マオ、今の内に回復しておけ……奴は見かけより素早く攻撃範囲もかなり広いからな。」

 

マオ「はい……あのティガレックスが最初にした咆哮ですが、私が盾を構えたのに何故か無効化されました……あれは一体どうしてですか!?」

 

ロウ「奴は通称轟竜……他のモンスターと違い、奴の咆哮には衝撃波が生じる。近くにいれば普通の盾では防ぐことは出来ん……ある程度離れていたならガードは可能だがな。」

 

マオ「そういう事でしたか……ガード判定無視されたのかと思ってビックリしちゃいました……。」

 

ロウ「奴は俺の獲物だ、マオがやる事はとにかく逃げ回って奴のタゲ取りだけに専念しろ。その間に俺が始末する……!」チャキン

 

マオ「…………嫌です!」チャキ

 

ロウ「はぁ!?」




これで9話は終わりになります。

ティガの判定あってたかな……間違ってたらその仕様と言う事で(汗)

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!

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