MH外伝(ハンター物語)   作:サクトン

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あらすじ「彼女の名前はマオ。今年で14歳となった新人の駆け出しモンスターハンターだ。集会所で野良ハンターのロウと出会い、下位のキークエストであるアオアシラを見事討伐する。」

あらすじ「無事クエストを終えて集会所へ帰ってきたロウとマオは集会所の食堂で、マクリナ村にホロラ村からやって来た獣人族の子供が迷い込んできたと聞き、興味本意で彼女達は村へと赴いたのだが……?」

???「ママー!」

マオ「一体全体、どういう経緯で私がママ……?」


♪OP♪


狩7 賢狼族 ホロの嘆き

     ~マクリナ村 中央広場~

 

???「ママー!会いたかったよー!」スリスリ

 

マオ「……。」

 

ロウ「そいつが例の獣人族のガキか……?にしてもマオ、お前獣人族の奴と子供を作ってたとはな……。」

 

マオ「断じてあ・り・ま・せ・ん!!!」

 

???「そんな……ママ僕の事嫌い?」(;_;)

 

ザクッ マオ「ぐっ!」(物凄いうるうる上目遣いっ……!)←可愛い物好き

 

マオ「き、嫌いも何も……私達さっき初めて会ったばかりじゃないですか?」

 

???「ママ!もしかして僕の事忘れちゃったの!?」

 

マオ「だ、だから……。」(汗)

 

ロウ「にしてもよ……何故こんな獣人族のガキが、マオの事をママって言うんだ?」

 

村長「ふぅむ……ひょっとすると、その子の母親とマオの容姿が似ているのかもしれんの。」

 

受付嬢「なるほどぉ!だからこの子は勘違いを起こして、マオさんの事をお母さんだと思ってるんですね!」

 

???「違うもん!この人は僕のママだもん!ママー!このおっさんとジジイとオバサンが虐めるよぉー!」

 

村長「ジジイじゃとっ!?ワシはまだ40代じゃぞ!それに白髪もまだ生えとらん!」

 

受付嬢「オバッ!?私はまだ10代だよっ!?こんな可愛い私をオバサン扱いしないでくださいぃ!」

 

ロウ「……まぁ俺はおっさんだから否定はしないが。」

 

マオ「あははは……。」

 

ロウ「おいガキ、名前は?」

 

???「言わない。」

 

ロウ「はぁ?お前ふざけてんじゃねーぞ!それとも名前がねぇのかよ!」

 

マオ「ロウさん!あんまり子供に怒鳴らないでください!可哀想じゃないですか!!」

 

受付嬢「そうですよっ!泣いちゃうでしょ!」

 

村長「ロウよ、今の言葉は控えるべきじゃぞ。」

 

ロウ「何で俺が悪者みたいになってんだよ……。」

 

ロウ「……君、名前は?」

 

???「言わない。」

 

イラッ ロウ「ぐぬぅぅ……!」

 

マオ「ねぇ、僕のお名前は何て言うのかな?」

 

ホロ「ホロ!賢狼族のホロだよママ!忘れちゃったの?」

 

マオ「えっとホロくんね?ちなみに賢狼族って……?」

 

村長「賢狼族……?はて、何処かで聞いたことがあるような……。」

 

ロウ「賢狼族って言えば、ホロラ村の長に当たる奴等の事だ。と言うことはお前、ホロラ村村長の息子か?」

 

ホロ「言わないよ。」

 

受付嬢「ダメだよホロ君、質問にはちゃんと答えようね?」

 

ホロ「黙れオバサン。」

 

受付嬢「……」

 

受付嬢「うえぇぇぇん……またオバサンって言われた……。」

 

マオ「ホロ君、あんまり悪口を言って困らせちゃ悪い子になりますよ?」

 

ホロ「うん!解ったよママ!!」スリスリ

 

ロウ「人によってコロコロ態度変えるのが上手いガキだな……。」

 

村長「ふうむ……それなら1度ホロラ村の村長に連絡を取って、もし必要であればこの子を迎えに来てもらった方が良いかもしれんの。」

 

受付嬢「その方が良さそうですねー。」

 

ロウ「じゃあその間、このガキはどうするんだ?俺的には村長が預かってくれたら色々楽だと思うがな。」

 

村長「そうした方が良いじゃろう。ホロラ村の長と連絡を取り合うにも都合が良いと思うしのう。じゃあホロ君や、ワシの家でゆっくりs」

 

ホロ「やだ!僕ママと一緒が良い!!」ガシッ

 

マオ「えっ……。」

 

ロウ「おいガキ、お前のワガママなんざ聞いてねぇんだよ……大人しく村長の家にいろ。」

 

ホロ「やだっ!!」ギュー

 

ロウ「チッ……世話の焼けるガキだ。いい加減にしとかねぇとコイツでたたっ斬るぞ?」チャキ

 

ホロ「っ!」ギュー

 

マオ「ロウさんっ!貴方がいい加減にしてください!この子怯えてるじゃないですか!」

 

ホロ「ぐすっ……。」

 

ロウ「……わあったよ。」スッ

 

マオ「ホロ君……もし村長さんの家が嫌なら、両親の方が来る間私の家に来ませんか?少し汚いですけど、もう一人ぐらいは十分空きが有りますんで。」

 

ホロ「ホントッ!?」

 

マオ「はい。」

 

村長「それじゃあホロラ村から何か連絡が来れば、ワシが直接伝えるようにしよう。マオの家はワシの家からも近いし、それにマオに偉く懐いておるようじゃからな……そっちの方がええじゃろう。」

 

受付嬢「また私の家にも遊びに来てね、ホロ君!」

 

ホロ「やだ。」

 

受付嬢「ガーン……。」

 

ロウ「おい……本気でそのガキ預かるつもりかよ?ホントに大丈夫か?」

 

マオ「大丈夫ですよ。預かってる間に、きっとこの子も落ち着くと思いますから。」

 

ロウ「俺が言ってるのはそういう事じゃないんだが……まぁ気を付けろよ。」

 

マオ「? どういう事ですか?」

 

ロウ「なんでもねぇよ。とりあえずマオがそのガキを預かるなら、しばらくクエストの方は無理そうだな。」

 

ホロ「ママー!早くお家案内して?」

 

マオ「あー……そうなりますね。」

 

ロウ「んじゃ、俺は集会所へ戻って適当に狩りでもして帰るわ……こんな面白くねぇとこに居たら時間の無駄だからよ。」スタスタ

 

村長「そうか……あまり無理はするでないぞ、ロウよ。」

 

ロウ「解ってるよ、村長。」スタスタ

 

村長「ではワシも騒動が治まった事じゃし、一旦うちに戻ることにしよう、もうこんな時間じゃしな。」

 

受付嬢「お気をつけて~。」ノシ

 

マオ「……じゃあ、私達も帰りましょうか?」

 

ホロ「うん!ママの家楽しみだなー!」

 

マオ「あの……そろそろ私の事、ママって言うの止めていただきたいんですが……。」

 

ホロ「えっ!そんなっ……ママはママだよ!何でやめてって言うの!?嫌だよ!ママはママだもん!!」ウルウル

 

グサッ マオ「あぐっ!」←可愛い物好き

 

マオ「あー……もう……解りましたよ。私の事はママで良いです、だからもう泣かないでください。」

 

ホロ「わーい!ママ大好きー!!」スリスリ

 

マオ「うー……。」

 

マオ(まぁ……少しの間だけなら良いですよね。)

 

受付嬢「お疲れさまでした~。」ノシ

 

 

     ~マクリナ村 マオの家~

 

 

スタスタ マオ「ふぅ……何か色々疲れました。あ、寝る前にアイテムポーチの整理をしないと……。」スッ

 

スタスタ ホロ「わー!ここがママの家かー!!」

 

マオ「はい。私一人で住んでますんで、適当にくつろいでもらって構いませんよ。えーと……今日アオアシラから剥ぎ取った素材はこっちにしまって……。」ガサゴソ

 

ホロ「ねーママ、お腹空いた。」

 

マオ「あ……じゃあ生肉を焼きますんで、少し待っててくれますか?」

 

ホロ「ありがとう!僕こんがり肉とか大好き!!」

 

マオ「フフッ、ではすぐに支度しますね。」

 

………………………………………………………………………………………

 

ホロ「はぁー美味しかったぁ!もうお腹一杯だよ!」

 

マオ「それなら良かったです、私も頑張って焼いた甲斐がありました。」

 

マオ(肉を焼いたのは初めてだったので、コゲ肉が何個か出来ちゃいましたけど……。)

 

ホロ「ママ……僕ね、何でこの村に来たと思う?」

 

マオ「さぁ……どうしてですか?」

 

ホロ「僕ね、このマクリナ村に英雄さんがいるって聞いたから、その英雄さんを探しに来たんだ。」

 

マオ「英雄さん……?もしかして、村の中央にあった銅像の人を探しに、この村まで来たんですか?」

 

ホロ「うん……最近僕の村の近辺にね、あるモンスターが徘徊するようになったんだ。」

 

マオ「モンスターがっ……!?」

 

ホロ「そうなんだ……だから村の皆は怖くて村を出たくないって。そのせいで大人の人が近くの街まで買い出しとかにも行けなくて、僕みたいな子供の遊び場も無くなって……。」

 

ホロ「だから僕は家にあった地図を持って夜中に村を抜け出して、今の今までずっと歩いて来たんだ。この村にいる英雄さんに、そのモンスターを討伐してもらおうと思って。」

 

マオ「そうでしたか……でもどうしてこの村に着いた時、ママを探してるって言ってたんですか?」

 

ホロ「僕ね、自分の村ではパパとママと3人で暮らしていたんだ。それでモンスターが徘徊するようになった時から、突然ママがいなくなって……パパに聞いても教えてくれなくて。村で大人の人達がコソコソ話してるのを聞いたんだ……僕のママはそのモンスターに食べられたって。」

 

マオ「そ、そんな……!」

 

ホロ「だから僕は、ママはホントは食べられたんじゃなくて、そのモンスターを倒して欲しいって他の村か町に助けを呼びに行ったんじゃないかなって思って……この英雄さんがいた村にいるんじゃないかって思って……ひぐっ……うぅ……。」

 

マオ「だからホロは、この村でママと呼んでたんですね……。ですが、どうして私の事をママと?」

 

ホロ「顔と雰囲気がとっても似てたから……だからお姉ちゃんを見たとき、ママだって思ったんだ。でも違ったけど……僕を助けてくれるって思って。」

 

マオ「ホロ君……。」

 

ホロ「でも……僕もう泣かないんだ!だってこの村には、あの銅像になってる英雄のハンターさんがいるって聞いたから!頑張ってここまで歩いたけど、これで村の周りで徘徊してるモンスターも退治してくれるし……これぐらい大丈夫だよ!ありがとね、お姉ちゃん!」(^-^)

 

マオ「い、いえ……。」

 

ホロ「あ、そう言えばお姉ちゃんもここのハンターなんだよね?だったら英雄さんの住んでる家って解る!?」

 

マオ「ホロ君……その事なんですが……。」




これで7話は終わりになります。

書き貯め分が少なくなってきちゃいました……更新スペースが落ちてしまう。待っていただいている皆様には大変申し訳ありません……ですが精一杯書かせていただきます!(駄文だけど……。)

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!

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