あらすじ「だがそこへ、シナト村からやって来たハンターのロウと出会い、ロウの元、マオが集会所クエストに挑戦する許可を得に、全てのクエストを管理しているギルドマスターの元へ赴くのだった。」
♪OP♪
~マクリナ村 集会所 GMの屋敷~
スタスタ ロウ「なるほどな……マオはその憧れの人とやらに会う為、ハンターになったのか。」
スタスタ マオ「はい……もう一度あの人に直接会って、昔言えなかったありがとうを言いたいんです。」
スタスタ ロウ「と言うかさっきも聞いたが、そいつの顔も名前も解らないんだろ?せめて出身の村とか解れば何とかなったかも知れんが、それは流石にどうしようもないんじゃないのか?」
スタスタ マオ「そっ、そんな事ありません!!後ろ姿はちゃんと見てました!あ、でも逆光になってたので良く見えなかったですけど……それにもう10年以上も前になりますし……そうだ!声はちゃんと覚えてますよっ!声を聞けば絶対に解る自信はあります!」
スタスタ ロウ「声は覚えてるって言われてもなぁ……第一どこにいるかも解らんだろ。それにハンターと言ってもこの地方だけじゃない、全世界に何千何万といるんだ、その中から一人だけを探すってのは……さすがに無理があるぞ。」
スタスタ マオ「でも私は会ってお礼を言いたいんです、絶対に!私はあの人に命を救われて、その命で今はあの人と同じハンターの道を歩いていますから!それで今度は私がその人の立場になって、世界から悪いモンスターを倒したいんですっ!」グッ
スタスタ ロウ「……なるほどな。だからその為に、今は少しでも早く強くなりたいって訳か。」
スタスタ マオ「はい!」
スタスタ ロウ「ふっ……マオみたいな奴、俺は嫌いじゃないぜ?」
スタスタ マオ「あ、ありがとうございます。///」
スッ ロウ「さぁ着いたぞ……ここがGMの居る大部屋だ。」
マオ「ゴクリ……とても大きな扉ですね、高さは私の身長の3倍ぐらいでしょうか……。」
ロウ「何だ怖じ気づいたのか?この扉でそんなになってたら、GMを見たときはその場で気絶しちまうぞ?まっ、とにかく入んな。」ガチャリ
マオ「はい……。」スッ
ギィィィィィィィィ……
GM「……ん。」
ロウ「ようマスター、久しぶりだな。」スタスタ
マオ「お、お邪魔します……」スッ
GM「…………ロウか。」スッ
マオ(こ、この人がギルドマスター……?何でしょうこの感じ……なんだかとっても……。)
マオ(背小っさ!!私の膝ぐらいまでしかないですよっ!?)
ロウ「あぁ。悪かったな……近頃色んな村から依頼があったもんでよ。こっちの村に来たのは2日ほど前だ。」
GM「…………そっちの者は?」チラッ
ロウ「こいつは昨日、マクリナ村で新しくハンターになったばかりのマオだ。今日からこっちの集会所で世話になるから、とりあえず登録だけ頼む。」
マオ「お、お願いしますっ!」ペコッ
GM「ん…………こっちこっち。」ヒョイヒョイ
ロウ「ほら。登録してくれるからってマスターが呼んでんぞ?」
マオ「あ……はい。」スタスタ
GM「……。」ジー
マオ「……。」(汗)
マオ「あ、あの……さっきからじっと見てますけど……何か付いてますでしょうか?」
GM「名前。」
マオ「え……?」
GM「名前。」
マオ「あ、はいっ!マオ……です。」
GM「性別。」
マオ「女です……。」
GM「趣味、特技。」
マオ「え、えっと……趣味はハンター教本を読むことと、特技は特にありません。」
GM「……おっけ。」スタスタ
マオ「おっけ……?」
ロウ「良かったなマオ。これでお前も集会所のクエストを受注出来るようになったぞ!」
マオ「えっ!あれだけで終わりですかっ!?てっきり私は精密な審査とか色々すると思ってたんですけど……!」
ロウ「はっは、そんな事やってたら時間がいくらあっても足りねぇよ。ハンターはいくらでも湧いて出てくるもんだからな。」
マオ「虫みたいに言わないでくださいよ……私もロウさんもその中に入ってるんですから。」
ロウ「悪い悪い。 それによ?ギルドマスターに認められたその証拠に、マオの真上に出てる名前の横にちゃんと数字が付いただろ?」スッ
チラッ マオ「……あっ、本当に数字の1と付いてます。」
ロウ「ランクが付いたことによってこれからクエストをクリアする度に、クエスト報酬とはまた別にハンターランクポイントってのが入るようになっから、まぁ精々頑張れや。」
マオ「はい!」
ロウ「それじゃあマスターからの許可も下りたことだし、早速集会所に戻ってクエストに行ってみたらどうだ?」
マオ「はい。ちなみに……ロウさんはこれからどうするんですか?」
ロウ「俺か?そうだな……まぁ適当にモンスターを狩って素材集めでもするさ。」
マオ「素材……?素材ってなんですか?」
ロウ「はぁ!?マオ……お前素材も知らんのか!?趣味でハンター教本を読んでるって言ってたじゃねぇか!」
マオ「書いてたのは書いてたんですけど……当たり前のように文面に載ってましたから。素材とはどういったものかまでは書いてなかったので……。」
ロウ「やれやれ……仕方ねぇな、ここを出たらまた色々教えてやるよ。」
マオ「ありがとうございます!」パァ
ロウ「はぁーあ……俺の世話好きも少し考えなきゃいけねぇなぁ。」スタスタ
マオ「あ。そう言えばロウさんのハンターランクって4なんですね?」スタスタ
ロウ「気にしてるから言うな……。」スタスタ
GM「……。」
ボソッ GM「……英雄の子か、大きくなったな……。」
~マクリナ村 集会所 食堂~
ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ
ファンゴ装備ハンター「盆踊り盆踊りぃー!」フラフラ
コンガ装備ハンター「俺も俺も!!」フラフラ
ハンター達「お前ら自重しろwwww」
ガハハハハ ワハハハハ モットヤレー イイカゲンニシロッ!
フムフム マオ「なるほど……素材とはモンスターの体から剥ぎ取った物の事なんですね……。」
ロウ「あぁそうだ。それを使って身に付ける防具やモンスターを狩る武器を作り上げるのさ。武具屋で買い揃えても良いが、性能の差が月とスッポンレベルで違うからやめた方が良い。この肉まんお前も食うか?バルバレって街の名物みたいだぞ。」スッ
マオ「あ、ありがとうございます。」スッ パクリ
マオ「んっ……美味しい……!」
ロウ「だろ?俺のお勧めだからな。こっちのタンジアビールも飲め……って、マオはまだ20歳未満だったか。」
マオ「はい……ここってジュースとか無いんですかね……?」キョロキョロ
ロウ「基本的に俺みたいなおっさん連中が出入りしてるからな、マオみたいな若い奴は珍しいぐらいだぞ?」
モグモグ マオ「そうですか?あまり気になりませんでしたけど……。」
ロウ「そうか……ところでマオ、お前さんどのクエストに行くかもう決めてるのか?」
モグモグ マオ「特には決めていませんが、とにかく大型モンスターを狩って早く強くなりたいです!」
ロウ「マオ、言って悪いが物事には順序ってもんがある。まず最初は採取などをしてアイテムポーチを万全に整えてからだn」
ダ ン ッ マオ「嫌ですっ!私は早く強くなりたいんですっ!!!」
ザワザワ ナンダドーシタァ? ザワザワ アノコガテーブルタタイタミタイヨ? ザワザワ ウルセェナァ… ザワザワ ナンノサワギダヨ? ザワザワ
ロウ「おっおいっ……!解ったから!解ったから騒ぐなよっ……!」(汗)
マオ「むー……!」
ロウ「はぁ……しゃあねぇな……。」ポリポリ
ロウ「解った。じゃあこれ食ったらマオを大型モンスタークエに連れてってやるよ。」
マオ「ありがとうございますっ!」キラキラ
ロウ(何か俺、妙にこの子に振り回されてるような気がするんだが……気のせいか?)
~マクリナ村 集会所 受付前~
ロウ「で……来たのは良いが、とりあえず大型モンスターなら何でも良いのか?」
マオ「お願いします!!」
ロウ「はいよ、んー……じゃあとりあえず軽くコイツでも狩るか。」ビリッ
マオ「これは……アオアシラ?」
ロウ「青熊獣アオアシラだ。マオ、お前コイツと1回やりあってみろ。」
マオ「えぇ!わ、私がやるんですか!?」
ロウ「当たり前だろ。俺が討伐してやっても良いが、それじゃあお前さんの為にならないからな。早く強くなってあの人に会いたいんだろ?」
マオ「うぅ……でもこのモンスター図鑑を見たら、アオアシラってかなり凶暴そうですよ?ほ、他のにしませんか?」
ロウ「は?大型モンスターを狩りたいって言ったのはマオだろうが。」
マオ「い、いざとなったら……ちょっと緊張してしまうと言いますか……。」ガクガク
ハァ ロウ「やれやれ……狩り人である俺達ハンターが怯えてどうすんだ。そんじゃ辞めるか?」
マオ「う……。」ガクガク
ロウ「まっ、マオが行かないって言うなら別に止めないがな。俺は俺で、適当に他のクエストに行くだけだし。それじゃーなー。」スタスタ
マオ「ま、待ってください!!」
ロウ「……?」チラッ
マオ「行きます……行かせてくださいっ……!」
ニッ ロウ「そうこなくちゃな……。」
これで3話は終わりになります。
ある程度は書き溜めしてるので、更新は早いです……それもあんまりですけど。こんな感じでよろしければ、随時更新していきますので、暖かい目で見守ってくだされば幸いです。
ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!