今回でプロローグは終わりになり、次話から普通にRPGな部分が始まります。
つまりは次話からミリルちゃんがヒロインとして!(願望成就)
…いやまぁ、本音を言うと今話で出すつもりが長くなりすぎましたのでね。別けないと更に増えるのだなと思ったら別けざるをえませんでした。
アルディア空港を襲った深夜の立てこもり事件。
複数の死傷者を出した凶悪事件は、今ようやくささやかな幸福を迎えようとしていた。
――終結という名の幕が下ろされ、犠牲と成果がまったく釣り合わない悲劇的な喜劇はようやく終わりという小さな小さな幸福のエンディングを迎えようとしていたのだ・・・。
「助けてくれ・・・」
弱々しい声で犯人、アルフレッドが命乞いをする。
・・・召喚したモンスターを一匹残らず屠られて、敵は一人も倒すことが出来ぬまま、武器は折れ、術は打ち止め、オオカミ型のモンスター・キラードッグに睨まれながらエルククゥに槍を突きつけられた惨めな敗残者らしく傷だらけの格好で哀れみを乞えるよう懸命に。
「大人しくしていれば命まで取る気はありません。ハンターズギルドにあなたを引き渡せば、私の仕事は終わった事になりますからね」
エルククゥは覚めた瞳と口調で職務規定に従い、ハンターとしての義務としての言葉を発しはしたものの。
(まぁ、普通に考えて無理なんでしょうけどねぇー・・・)
内心では自分が言った言葉を他の誰より信じておらず、肩をすくめていたりした。
――今や世界の半分以上を支配下に置く軍事大国ロマリアから送られた女神像の完成を祝うため、各国要人が完成披露式典に招かれて集まりつつあったアルディア空港において、普通の人間には使えない奇妙な術を使う人質立てこもり事件が発生し、その犯人が逃げ込んだ先で待っていたのはモンスターと心を通わせられる不思議な少女との出会いだった。
・・・これら全てを単独犯の個人的事情に端を発した事件とぐうぜん結びついた結果だと思うには、エルククゥは社会の矛盾や悪弊を突きすぎてしまっている。
矛盾を突けるということは、矛盾のシステムを理解していることだ。
彼女にとって『孤児二人』が社会で食っていけるようになるためには必要な知識だったとは言え、いささか深くまで学びすぎてしまったかもと思わなくもない程に。
エルククゥは誰かがなにかを成すときには、必ず誰かの思惑と複数の利権が結果的に関わってきてしまうのが人の作った社会であることを理解していた。
自分たちハンターが誰かを苦しめる犯人を牢屋にぶち込むことで生活の糧を得るのと同じだ。誰かの不幸が誰かの幸福につながっていて、誰も不幸にならなければ社会全体が不幸になるしか道はない。
そういう風に人は社会を作ってきた。それを知るから彼女エルククゥは、ハンターなどと言う汚れ仕事に身を置き続けているのだから当然のことだ。
・・・自分は決して社会に適応できない。その自信と確信がある。
周りに合わせられない不適合者は、社会の裏側でヒッソリと幸福を手に入れられればそれでいい・・・。それが彼女の考え方だった。
「違うんだ!! 奴等は、失敗を許さない・・・俺は奴等に殺される・・・殺されてしまうんだよぉっ!!」
「その、奴等というのは?」
だから死を目前にしたアルフレッドの言葉にも、なにも感じない。感じることなど出来はしない。死が確定した者が誰にどのような手段で殺されるかなど、興味を持ったところでどうにもならないし出来ない、些事に過ぎぬものなのだから・・・。
「恐ろしい力を持った組織だ」
相手が交渉に応じてくれて、助かる見込みが出てきたとでも思ったのかアルフレッドは少しだけ声に張りと勢いを取り戻し、
「俺も奴等にか―――ぐはっ!?」
・・・そして、案の定と言うべきなのか。
出入り口用のハッチしかないエルククゥたちの背後から銃声が轟き渡り、アルフレッドを一発で射殺してしまったのである。
「死に損ないが。いらぬ事をベラベラとしゃべりやがって」
「・・・・・・」
背後から聞こえてきた男の声と複数の足音に驚くこともなく、むしろ予期していたように静かな態度でソッと後ろを振り返るエルククゥ。
そこにいたのは黒服に黒帽子、サングラス。そして右手に拳銃という、如何にもなマフィアファッションで身を包んだ男達の姿。
リーザも怯えたように後ろへ下がり、キラードッグのパンティットでさえ全身の毛を逆立てて威嚇の意思を露わにしている。
「さて・・・先ほどの死に損ないと同じ場所に送られたくなかったら、娘を渡してもらおう。そうすれば貴様如きの命など見逃してやって構わん。些事だ」
男達がリーザのことを銃口で指し示し、エルククゥは礼儀的に彼女を見つめ、視線で説明を要求する。
―――これは、どういう事なのか?・・・と。
リーザは無言の質問に対して、どこか悲壮さを漂わせた決意の表情と共に小さく静かな声で答えようと口を開く。
「この人達が私を―――」
「黙れっ!!」
男が唐突に大声をあげ、リーザの説明を遮断させる。
なにか聞かれたくない事情でもあるのだろうが、そんなことは彼女の連れてるパンディットを見れば誰もが判ること。
自分にはない、誰かだけが持つ特殊な力に憧れと恐怖を持つ者は人類の歴史上絶えたことは一度もない。今回だけが例外である理由も特にはないなら、まぁそういう事なのだろう。
「小娘、この件にはあまり深く関わらないことだ。命が惜しければな」
その言葉を皮切りとして、一斉に銃を抜いて狙いを定めてくる黒服達。
銃口の向かう先は、もちろん少女達。
彼女たちは男達と相対しながらジリジリと後退していき、リーザはエルククゥと共に男達を睨み付け、男達はリーザを逃さぬよう見つめながらもエルククゥに余計なちょっかいを出させぬため油断による目逸らしはしていない。
場に、一触即発の緊張が漲っていた。
「ふふふ・・・どこに逃げようと、いうのかね? そちらは行き止まりだぞ?」
笑いを含んだ男の声が追ってきながら、二人を飛行船の甲板端まで追い詰めていく。
「いい加減、諦めたらどうだ?」
「・・・・・・」
男が最後通告を発し、リーザが表情から決意を消し、変わって諦めを纏わせ出した今その時。
――ただ一人、エルククゥだけは彼ら彼女らと認識を共有していなかった。
彼女は確かに男達を見てはいたものの、男達一人一人のことなど見てはいなかった。
彼女が見ていたのは、男達の背後にいるであろう『誰かさん』。
立てこもり事件が発生し、警戒態勢が敷かれていてアリの子一匹入る隙間のないアルディア空港に、これだけの武装集団を送り込めて騒ぎ立てる者もいないという状況を作り出せる人物について思いを巡らせていただけのことである。
(先ほどの犯人が使っていた空間転移の術を使用した可能性もあるにはありますが、この人数だとちょっとねぇー。
それよりかは、見えているのに見られていない『事実上の透明人間になれる魔法の言葉』でも使って潜入させた方が早いですし第一楽だ)
そう結論づけていく。
幸いというべきなのかは知らないが、この空港には自分たちの都合で『何を見ても見なかったことにしてくれる』責任者達には事欠かない。
所長、側近、警備員の隊長。どいつもこいつも自分たちの死刑執行書と安全保証書の見分けもつかない馬鹿ばかり。
そんな連中に対して、存在を匂わせただけで何も聞かずに見て見ぬフリをしたくなる名前と言えば誰が候補として最有力だろう?
この、『マフィアに睨まれないのが生きていくためのコツ』と言われるアルディア王国において、もっとも上の人たちに覚えめでたく恐れられてる偉大な御方のお名前は・・・・・・。
「――なるほどね。ガルアーノさんところの飼い犬さんたちでしたか。どうにでスーツに犬の匂いが染みついているわけだ」
「!? 貴様っ! 何故それを!!!」
小さく漏らしたエルククゥのつぶやきに、男達の一人が激高して銃口を向ける。
それを見ながらエルククゥは心の中で小さく罵る。『阿呆が』と。
(確証もない憶測を聞いただけで、ベラベラといらぬ事をしゃべりたがる馬鹿犬さんたちですねぇ。そんなにまでして死にたがらなくてもよいでしょうに、バカが)
悪意の呟きを心の中だけで押さえ込み、静かな瞳でただ男達を見つめてくるエルククゥの瞳から目をそらし、「・・・ちッ」と舌打ちした男は、銃を向けてきていた部下の一人を目で制して銃口を降ろさせる。
「ガキ・・・忠告しといてやる。小賢しすぎると寿命を縮めるだけだぞ、場と状況を弁えて発言しやがれ」
「・・・ご親切にどうも」
軽く肩をすくめて見せる少女の生意気な態度に、男達は再び激高しかけるが、これもリーダー格の男が鋭く睨み付けて押さえ込む。
彼らとしては第一目標であるリーザを確保するのが最優先なのだ。彼女さえ戻ってきてくれた後なら、こんな奴いくらでも殺して構わない。拷問してから殺すのだってありだろう。
だが、彼女が近くにいる今だけはダメだ。危険度が高すぎる。
確実に勝てる状況の中で焦るべき理由はどこにも存在しないのだから。
「いいか? よく聞け。これが最後のチャンスだ。娘を大人しくこっちへ渡せ。
そして、今日ここであったことは一生涯口にするな。そうしたら貴様だけは見逃してやってもいい。たかがハンターの一人や二人、邪魔になった瞬間に関係者もろとも全員殺れば、それで済むのだからな」
酷薄に笑って男が言う。
自分たちの状況を相手に教えぬまま、『自分が見逃してもらえる理由』について説明してやることで説得力を持たせ、交渉を受け入れやすくしようとする男の策略だ。
そしてこれに、モンスターと心を通わせられるほどに心優しき少女リーザは、思わず乗ってしまいそうになる。
「わかり・・・ました・・・。
私・・・そっちに行きます」
そう言って男達の前へ出ようとする彼女の横顔をエルククゥが見つめ、その無言の問いかけにリーザは疲れたような寂しい笑顔と披露に満ちた声で応じることしか出来ない。
「・・・もういいの。だってこのままじゃ2人とも助からないから・・・。だからせめてエルククゥ、あなただけでも助かって。私はもう、さっきまで希望を見終わっちゃったみたいだから・・・」
諦めたような、それでいて諦めたくないような半端で矛盾した笑顔。
それを見ながらエルククゥはボンヤリと思い出す。
(・・・あの時も“似たようなこと言ったんでしたよねぇ”、私って・・・)
そして、記憶は遡り始める。
かすれた記憶、ところどころ抜け落ちた記憶。その断片の中で数少ないハッキリと思い出すことが出来る1シーン。
『子供が2人逃げ出したぞ!!』
『追え! 絶対に逃がすな!』
『そっちにいったぞ!!』
『早く捕まえろ!』
『・・・わたしはもうダメ・・・お願いエルククゥ、あなただけでも逃げて。このままじゃ2人とも捕まっちゃう』
『逃げて。そしていつか必ず助けにきて。
わたしが奴等のちゅういをひくから、あなただけでもここから逃げて! いつか私たちを助けてくれるためにも、あなた一人だけでも・・・!』
『エルククゥ・・・私、待ってるからね・・・?』
「何をしている? さっさとこっちへ来い! 小娘がどうなってもいいのか!?」
「・・・・・・」
「ふふふ・・・命拾いしたな、小娘。
その娘に、礼を言っておけよ?」
――なにしろお前の死を、後数秒間だけ遠ざけてくた恩人なんだからな・・・。
悪意の呟きを心の中で吐き捨ててから、男は慎重にリーザとエルククゥの距離を測る。
後、5歩だ。5歩分だけこちらに近づいてきたら小娘の方は撃ち殺してしまって問題はなくなる。
一歩、二歩、三歩。そして、四歩目。
さぁ、次でお前の死と娘の改造は決定的にな――――。
「止めときなさいって。
社会のゴミには約束を守るなんて上等な感情が理解できるはずないんですからね」
「!? エルククゥっ!?」
彼女をかばって前に出ようとしたリーザの進路を、あろうことかエルククゥは槍の穂先を伸ばして妨害してしまった。
「どうして!? 私はあなたのために・・・っ」
「だからこそです。彼らがあなたを要求していると言うことは、あなたが側にいる間までは私も安全。あなたがいなくなった私に生かしておく価値はなし。・・・違いますか? ガルアーノさんところのバカで三下の飼い犬な皆様方?」
「小僧! 貴様っ!!」
先ほどまでの余裕めいた態度をかなぐり捨てて男が罵り声で叫ぶ。
隠せていたと思い込んでいた本音を、格下だと決めつけて見下していた相手に平然と暴露されたことによる屈辱感と怒りからゲスな本性が曝け出されてしまい、表情も声も口調も図星を言い当てられた小物と大差ないほど見窄らしいものに成り下がってしまっていた。
「『青い炎使いエルククゥ』を見損なわないでいただきたいですねぇ。これでも一応、社会人ですから。
人間社会の寄生虫でしかないマフィアのボスとか言う、皮だけ厚くて脳味噌クリームなカスタードさんとは頭の出来が違うんですよ。
ましてや、豚から餌をもらって尻尾を振ってる飼い犬さん達とでは比べものになりません。出直してきなさい、家畜以下の害虫な皆さん」
「き、き、貴様! 貴様! 貴様貴様貴様ァァァァァァァァッ!!!!」
男は激高した。これほどの辱は初めてだ。
今まで人間達に罵倒されたことは幾度もあったし、憎しみの目を向けられたことも、許されざる敵として悪と罵られたことも掃いて捨てるほど経験してきている。
もちろん、その度に発言者達には相応の報いを与えてきたし、相応しい末路を遂げさせてやってきた。それは男にとって誇りであり自信ではあっても、責められてプライドが傷つくようなことでは全くない。
――だが、これは違う。こんなの全然『ニンゲンラシイタイドジャナイ』。
下等で愚かな人間から、虫ケラを見下す目で見つめられたのは初めての経験だ。初めての屈辱。
単なる実験動物としてキメラ化するぐらいしか価値を与えてやれない人間どもから、家畜よりも価値の低い害虫呼ばわりされるだなんて想像すらしていなかった。
あまつさえ、あの恐ろしくて偉大なガルアーノ様を『カスタード』呼ばわりするのを大人しく聞かされるだと・・・? ――許さない!
許さない!許さない!許さない! 殺してやる殺してやる殺してやる!
コイツ絶対俺がコロシテヤルゥゥゥゥゥゥゥッッ!!!!!!
「!! パンディット! 今!」
アォォォォォッン!!!
好機と見たのか、リーザも便乗して黒服達の一人にキラードッグを嗾けた!
形勢は逆転とまでは行かないが、それでも部分的に優位なスペースは確保できた!
「こちらへどうぞ! 急ぎなさい!」
「ありがとう! ・・・でも、どうしてここまでしてくれるの・・・? 私とあなたはさっき会ったばかりなのに――」
「話はこれをやった後でゆっくりと!」
そう言ってエルククゥは、あの時と同じように『同じこと』をやる。
暗い森の中を大切な少女連れて逃げる途中で、少女が足をくじいて倒れ、追っ手がすぐそこまで近づいてきていたとき、自分は何をした? 彼女に対してなにを言った?
――答えはこれだ。
『やめときなさい。一度逃げ出した実験サンプルを助けが来るまで人間でい続けさせてくれるほど、彼らは甘くないでしょうからね。
そういう甘えは求める対象を選ばないと悲劇を生むだけですよ』
―――そして、こうやった。
『暗い森の中を子供が2人逃げていて、追っ手たちは私たちを探すために森の中で分散中。
そういう時にはね――――』
「『こうやるのが一番楽でいい!!!』」
『《エクスプロージョン》!!!』
ゴォォッ!!!
エルククゥの手のひらから生み出された火球が、再度接近しようとしていた黒服たちと彼女たちとの中間辺りに炸裂して炎の壁となる!
目標を一時的に見失い、頭に血が上っていたリーダー格でさえ一瞬冷静さが蘇らせられる。
「なんだ!? この青白い炎は!」
「《青い炎使い》の力か! 噂には聞いていたが、これほどとは!」
「狼狽えるな! 所詮、術で生み出された炎に過ぎん! すぐにも消えて見えるようにな――しまった!?」
リーダー格が部下たちに指示を出している途中で、あることに気づいて驚愕に変わる。
《青い炎使い》が炎を操る力を持っていることは、来る前に軽く調べて判っていたことだ。驚くには値しない。
――だが、問題なのは《青い炎使い》が使う炎の色は青いはずなのに、今燃えさかっている炎の色は真紅の紅蓮色をしている。
しかも、炎に限らず術で作り出された自然現象は時間の経過と共に威力と効果を弱めていくはずなのに、どういう訳だかこの炎は先ほどから勢いを増していくばかりだ。
青い炎の能力を使ったのではなかったのだろうか?
・・・いや、最初に放たれた炎は間違いなく青色をしていた。こんな赤い赤い血の色みたいな炎の色はしていな―――そうか!しまった!
「退け! 退け! 奴め、飛行船に引火して逃げて行きやがった! このままだといつ爆発するか判らん! 巻き込まれたら俺たちでさえただでは済まんぞ! 退け! 退け! 爆発に巻き込まれて殺される前に!!」
リーダー格の男の言葉に、黒服たちは一斉に顔色を青ざめさせて慌てて逃げ出していく。
うち1人が、傷つけられたプライドをどうしても放置できなかったのか、
「ちくしょう! あの野郎! 逃がしてたまるか!」
叫んで、敵が逃げ出していったとおぼしき方向に銃を向けて一発発砲したところ、
「ぐわっ!?」
逆に、発砲音目掛けて手斧を投げつけられて負傷させられる始末だ。
拳銃弾は辺り判定が小さすぎる上に、まっすぐしか飛ばない。
逆に手斧は無駄に辺り判定が広く、発破音が聞こえてきた方角に投げるだけなら簡単にできてしまう。
部下に命中させられたのは偶然でしかないのだろうが、これでは余計に追撃をかけるわけにはいかなくなってしまったではないか!
リーザに当ててしまう可能性だけでなく、反撃まで警戒しなければならない状況下で持ってる武器が拳銃だけとかハンディキャップにも程がある!
「クソッ! クソッ! あいつイカレてやがる! 絶対に頭がおかしい! イカレてるとしか思えない! こんな退却の仕方があるか!
こんな脱出の仕方一度だって聞いたことも・・・聞いたことさえも・・・ハッ!?」
逃げる途中でリーダーが思い出す。
それは自分たちのトップ、ガルアーノ様につけられた只一つの汚点の話。
あの方が任されていたキメラ研究所の一つ『白の家』から、2人の実験サンプルに逃げ出され、そのうえ施設内にある適当な可燃物にあらかた火をつけられまくった結果として、サンプルだけでなく研究者たちと警備兵まで含めた死傷者多数の大惨事を引き起こされてしまったという大失態。
未だにアンデル大臣などからは皮肉や嫌味の種に使われつづけている、その元凶となったガキの名前が確か・・・・・・
「エルルゥ・・・あの時のガキが青い炎使いエルククゥだったのか! ちくしょう!!
ルガータ! ガルアーノ様に連絡しろ! 大至急だ! あの時のガキが! 俺たちにとって絶対に殺さなくちゃならない糞ガキがついに見つかりましたってなぁぁっ!!」
つづく
設定説明:
今作の主人公エルルクゥは、『礼には礼を、無礼には無礼を、差別感情にはより一層の差別感情を』というハンムラビ法典みたいなところのある女の子です。
ですのでDQNに対しては、より過激なDQNで攻撃することしか対応法を知りません。人間に対して強い差別意識をもつモンスター達ほど、言う言葉が辛辣で過激になっていく危険人物でもあります。
…剣士アルガスとかと噛み合わせたら面白い子かもしれませんね。トラウマにピンポイント爆撃しかしそうにないので主人公っぽさ0以下ですけれども。
追記:
説明し忘れてましたが、主人公とガルアーノとの間に面識はありません。決めつけてるだけです。一方的に見下してくる相手には決めつけるぐらいで丁度いいと考えるタイプなんです。