試作品集   作:ひきがやもとまち

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昨日(今朝早朝?)になんとなく書いて他の方に送った自己満作品ですが、諸事情あって今日は予定してたほど書けなかったですし寝る前に一作だけでも出しときたいと思いださせて頂きました。

ガンダムOO×「紺碧の艦隊マイントイフェル」コラボ作品です。
イノベイター側に彼が混じっていたらのお話。即席なので会話だけの作品です。


機動戦士ガンダムOO「誰かが変革をもたらさなくてはならないとしたら…」

リジェネ「ソレスタル・ビーイングの復活を予言し、それを逆手にアロウズの権限拡大を図る、か。これは君の考え? それともヴェーダ?」

リボンズ「さぁ? どっちかな…」

リヴァイブ「ともあれ、そろそろ僕たちの出番となりそうですね」

リジェネ「…リヴァイブ・リバイバル…」

リヴァイブ「すでにガデッサもロールアウトしています。出撃命令をくだされば、すぐにでも」

リボンズ「それには及ばないよ、リバイバル。例の作戦は“ある者”に頼んであるからね」

リジェネ「ある者?」

リヴァイブ「デヴァインですか? それとも、ブリング?」

リボンズ「人間だよ。ある意味、その枠を超えてるけどね・・・」

 

 

コツコツコツ……

 

?「それはそれとしまして、我らも覚悟を決めておくべきかと存じますが?」

 

リジェネ・リヴァイブ「!?」

リボンズ「…君か。呼んだ覚えはないが、何か御用かな? 雇われ作戦参謀顧問殿?」

 

?「無論、職務を遂行しにまいりました。小官は軍人であり、一軍人に過ぎぬ身であります。それ故に細やかとは言え、与えられた職務を疎かにする訳にはいきませんので」

 

リボンズ「…よろしい、わかった。話を聞こう。―――要件の内容は?」

 

?「大したことではありません。事を始めるに当たり、世界人類の上に君臨する者として皆様方にも覚悟を決めておいていただきたい。そう申し上げに来ただけであります」

 

リジェネ「覚悟?」

リヴァイブ「はっ。何を言いだすかと思えば今さら…世界が犯した罪を背負い清算する覚悟なら、とっくの昔に済ませてある。その程度のことキミも承知済みのことだろう?」

 

?「無論です。その程度の通過儀礼を今更蒸し返すつもりは毛頭御座いませんので、ご安心ください、お二方」

 

リジェネ・リヴァイブ「っ!!」

リボンズ「・・・・・・」

 

?「小官が皆様方に求めているのは他者を切る覚悟ではなく、身内を切る覚悟です。

すなわち軍事介入においては一罰百戒を以て当たり、任務失敗には地位身分所属を問うことなく厳罰を以て遇する事。

また、これは当然イノベイター勢力の最高責任者であらせられるリボンズ・アルマーク閣下にも該当し、例外はないと言うこと。この二点です。

世界を次のステージへと誘う聖戦において指導者が身を切る痛みを恐れていたのでは、過去に実在した独裁者どもの醜悪なカリカチュアを演じるだけになりかねませんのでね」

 

リボンズ「…君の言い分は、人間の学生たちが学校の授業で習わされる初歩的なマキャベリズムとやらの講義のようだね。人間らしく実に野蛮だ、美しくないよ。僕の美学にも反している…」

 

?「初歩なればこそ、永遠の真理です。人類の歴史が始まってよりこの方、覇者の覇道は敵以上に身内の犠牲をこそ生贄として求めてくるもの。敵の穢れた血に塗れながら、味方の生鮮な血では穢されていない白い手の覇者など実在しません。何卒ご承知おき頂ければ幸いに存じます」

 

リボンズ「…中々に卓見だが、君自身にもそれは当てはまる覚悟をした上での発言なのかな? 僕たちイノベイターが君たち人間を管理するための戦いで君が敗れた場合、君自身が僕たちのために自らの血を捧げる覚悟をしてあるとでも?」

 

?「作戦失敗は責任者が責任を負うべきものです。――が、より多くの責任が現場にあるのもまた事実。どうかその際に於きましては、ご存分に…」

 

リボンズ「――ちっ。もういい、話はわかった。下がってくれ。これから僕たちは作戦会議を開く必要がある。失敗しないで勝つための作戦を考えるのに必要な会議がね」

 

?「まさに御慧眼であります。では、小官はこれにて。(サッと、右手を掲げてUターン)

 

コツコツコツ・・・・・・。

 

リジェネ「…リボンズ、以前から思っていたことだけれど彼は一体なんなんだい? どうにも得体が知れない不吉さを感じて仕方がないのだけれど・・・」

 

リヴァイブ「それに、我々イノベイターさえ見下したようなあの目付き…気に入りませんね。まるで、自分以上の能力の主はこの世界にいないと信じ切ってるような傲慢さだ」

リボンズ「人間だよ。不要な人間同士を噛み合わせて処分するには最も適した人間…いや。――ある意味、人間の枠にも収まらない人以下のクズと呼ぶべきなのかもしれないけれど…」

 

コツコツコツ……

 

?(自らを新人類と称し、世界と人類に犠牲を強要しながら、愛する者の血を革命に捧げる覚悟すらできず…か。私の生きた時代と異なる大戦を経た後の世界でさえ、あのような者が世界を我が手にせんと過ぎた野心に身を焦がす。いつまで経っても人は変われぬ生き物だな。――やはり誰かが変革をもたらしてやらなくてはならんか…)

 

 

ワルター・G・F・マイントイフェル「人類が次へと至る階梯を昇るのに戦いと犠牲が必要不可欠だとおっしゃるなら、まず自分たちで範を示すべきでしたなイノベイター。殺すばかりで殺される覚悟が無いのでは、今までの戦争と何ら変わり映えしないと言うのに…。

所詮、彼方がた“優秀に作られただけの人形”に変革戦争は荷が克ち過ぎるのだ。せいぜい劣等人種らしく、ソレスタルビーイングとやらいう同族相手に潰し合い戦争でも挑んでおられなさい。同族嫌悪しかできないバカどもへの目暗ましには丁度いい遊び相手となるでしょうからな…クックック」

 


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