本当は切嗣との別れの夜まで描きたかったのですが、作者の好きな思想系の原作の為に書き過ぎました。続きを書くかは反応を見てからという事で。
基本的にトチ狂った主人公です。イカレてるので思想も価値観も死生観も壊れたキャラを参考にしまくってます。
読む際には士郎ファンの方は御遠慮ください。反吐が出るでしょうからね。
追記:ごめんなさい、書き忘れてましたので書き足します。
本来であれば行くはずだった縁側までの話を予想外に長くなってしまったからバッサリ切った回ですので、はじめから縁側で切嗣見送るまでは書きつもりでいました。
なので続きは確実に存在してます。縁側までは確実に。
近日中にでき次第投稿しますね。
ーー気が付けば、焼け野原の中にいた。
大きな火事が起きたのだろう。
見慣れた町は一面の廃墟に変わっていて、映画で見る戦場跡のようだった。
ーーそれも、長くは続かない。
夜が明けた頃、火の勢いは弱くなった。
あれほど高かった炎の壁は低くなって、建物はほとんどが崩れ落ちた。
・・・・・・その中で、原型を留めているのが自分だけ、とういうのは“おかしな”気分だった。
この周辺で、生きているのは自分だけ。
二年前にリフォームして親が自宅を耐熱加工にしてくれてたから死なずに済み、年齢相応に背が低かったから火に巻かれることなく崩落前に脱出できた。
地を這うように進んでいたため吸った火煙の量が少なく、喉を焼かれなかったのも幸運を手助けした要素の一つだろう。
今もハンカチを口に当てながら進んでいるのでギリギリ呼吸することが可能な状態だ。
生き延びられたのか、皆が死に行くなかで自分だけが生き延びてしまったのか。
この先この選択がどちらの未来を招くのかは判らないが、とにもかくにも、今はまだ自分は死んでいない。
死んでない者には死ぬまで生き続けられる様、努力し続ける義務がある。
いつまでも死体という物になってしまった両親を眺めていたって仕方がない。あてはないが、死にたくないなら歩き出すしかないだろう。
まわりに転がっている、さっきまで生きていたのだろう人たちのように、黒こげになって野犬に腸を貪り食われるのもゾッとしない。
『ああいう風』にならなかった者には、『ああなる』のを少しでも先延ばしする義務がある。
そんな強い気持ちで心がくくられていくのを自覚したが、今は流しておくしかないだろう。
どのみち、生き延びられるという希望はドコにもない。
ここまで死なずに済んでいたのは複数の偶然と僅かな幸運、それから全知全能の神様とやら言う悪意持つ存在によって玩弄されていたお陰だ。人事を尽くしたから死ななかったわけでは決してない。
そして何より重要なのは、『助からない命に手を差し伸べなかった』こと。これこそが今自分の生きていられている、死なずにいられている絶対の理由であり真理でもあるのだろう。
当然だ。子供でもわかる至極自然の道理。現に子供の自分が理解しているのだから間違いなど有るわけがない。
子供の小さくて幼い手を伸ばしたくらいで助かる程度の窮地なら、自分ごときの手助けなど必要なくとも助かる命だったのだろう。
燃え落ちる家から子供を助け出そうとして潰れた父親に、非力な自分に何ができる?
喉が渇いて水を欲しがる半死人を救うのに、一体どれほどの量の水が必要だ?
自分が持っている物を与えたくらいで助かる命は放っておいても助かっている。なぜなら自分の手元にあるのはハンカチ一枚だけしかないからだ。
こんな物で人が救える地獄で死ぬ奴がいたとしたら、そいつは既に死んでいる。死が確定している輩を救うことなど誰にも出来はしない。
それが、彼女が地獄の中を歩み続ける内に抱いた信念だった。
幼い子供ごときが何をしたって、この赤い世界からは出られまい。確実に神様の垂らした救いの糸を掴むよりも、死神の鎌が己のか細い首を掻き取る方が早かろう。
考えることしか取り柄がない、何も持たない無力な人間の小娘でしかない自分でさえそう確信できるほど、それは絶対的な被災地だったのだ。
そうして倒れた。
ハンカチで守っていたから酸素を取り入れる機能は、まだ失われていない。ならば吸い取るための酸素自体が周囲から消失しかかっているのだろう。所謂二酸化炭素中毒と呼ばれる現象だ。遠からず脳から酸素が無くなって意識が遠のき、気絶してから息を引き取ることになるだろう。
そう考えながら、とにかく倒れて曇り始めた空を見つめる。
まわりには、これから自分も辿ることになる遠からぬ未来の姿として、黒こげになった人たちの姿がある。
空を覆い始めた暗い雲は雨雲だったらしく、微かに雨の降るとき特有の匂いを鼻で感じ取れた。
死臭と焦げ付いた肉の臭いに満たされた限定空間の中にあって恵みをもたらす雨の香りは逆に悪目立ちしており、醜悪な地獄絵図を滑稽なカリカチュアであるかの様に錯覚させてくれる。
・・・・・・実際に、それなってくれればいい。
雨が降れば体は燃えない。火が燃え移ったとしても降雨で消火できる温度にまで勢いを弱めている。
まだ、望みはある。
千に一つ、万に一つ、億に一つ、兆に一つか京に一つか、あるいは那由他の彼方のそのまた先にしか可能性がなかったとしても、生き延びられる可能性があるのであれば自分一人が信じるのに充分過ぎる。
息もできないほど苦しいが、それが却って自分の生存を雄弁に語っているかのようで、むしろ心地が良い。
痛みは生きていられていると言う証だ。自分はまだ死んでいないぞと言う、世界に向けて放つ宣戦布告だ。
地獄の中でこそ大声を出して叫ぶべき命の雄叫び。
声を出せない自分に代わり、痛みを以て雄弁に叫び声を上げ続けてくれる自分の身体に深い感謝と尊崇の念さえ沸いてくる。
世界に向けて“生”を叫ぶ権利さえ奪われた、意志無き物へと堕ちた人々に代わって心からの希求を自分のためにも痛みを伴い声に出す。
「・・・今はまだ、死にたくないかな・・・・・・」
心の底から素直にそう思う。そう願う。まだ今は死にたくない、他人の命を吸って生きた自分が地獄如きに殺されるのは認めてやらない、と。
ここでは死ねない、まだ死ねない。地獄なんかに自分の命を呉れてやる気など、欠片ほどもない。
私の命は私の物だ。私の人生は私の物で、私の心も未来も生も死もすべて、私の物だ。私だけの物だ。他の誰にだって呉れてやったりはしない。
だって、自分の物だと世界に向かって断言できるからこそ自分の命と人生と、自分が助かるために見捨ててきた赤の他人の命とに向き合えるんじゃないか。
お前たちを死なせて生き残った自分を誇れるんじゃないか。
命を吸って死を免れた自分が自責の念など、犠牲にしてきた死者たちにたいする侮辱以外の何だというのか?
人を殺して生き残った人間が殉教者になどなるなよ人殺し。
ヒトデナシ風情が今更人の倫理になど囚われるな。
もとより人命を吸って生きている今、自らは半ば人を辞めている。
人に憧れているだけのナニカが人の猿真似など吐き気がする。
ーーああ、その通りだと、どこからか黒いものと共に心に入り込んだナニカによって汚染されていく。
罪が、この世の悪性が、逆転し増幅し連鎖し変転し渦を巻き始める。
暴食色欲強欲憂鬱憤怒怠惰虚飾傲慢嫉妬が巡り巡り犯し冒して渦を巻く。
反乱罪牙保罪恐喝罪淫蕩罪枢要罪脅迫窃盗罪逃亡罪放火罪侮辱罪不敬罪余桃罪誘拐罪買収罪堕胎罪自殺関与罪賭博罪死体遺棄罪凶徒娶衆罪遺棄罪偽証罪略取誘拐罪暴行罪皆々全て悉く須く死罪極刑につき恨め憎め拒絶否定し殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
「ーーずいぶんと平凡なことを気にされますね、あなたも。
その程度のことを深く気に病む必要は、ないのではありませんか?」
“ーー!?”
呪いの声の渦が蟠る。そこに、またしても有りえないはずのモノを認識したからだ。
呪いは男に飲み込まれた際に飛び散った、謂わば本体の搾り滓。その濃度は本体と比べものにならないほど薄い。
だが、それでも。すべてを押し潰す否定の中で穏やかに優しく、そして若干の呆れを含んで『拒絶と受容』を唱える。
その程度はよくある事だ、と。
それでも、あなたの叫びは確かに聞こえたと、静かに母親が子供をあやすように、女教師が生徒の間違いを訂正するかのように、優しく穏やかに、厳しく容赦もせずに、もとより戦場とは斯くの如き状況で在ると。
「軍隊同士がぶつかり合った戦場跡で本来の正しさが逆転するのは自然なことだ。だって、国が人を数として捉えて大量に殺し合わせる行為なのですから。
誰も死にたくなんて無かったでしょうし、殺すことを生来悦しむ性質を持って生まれた者などそうはいません。狂気に堕ちねば生きて家族の元へ帰れないと言うのであれば、生き残るために狂うことは必要なことだ。恥入る必要なんてモノが、どこにあると言われるのです?」
“ーー?”
呪いの残滓は問う。
何を以て是とするや?
誰が認める? 誰が許す? 誰がこの悪に責を負う?
そんな、残り少ない闇の残照が最後の余光全てを賭けた糾弾にーー鈴を鳴らすようで耳に心地がよい声で“問い返される”。
「むしろ、私が問いたい。
誰かに認められねばならない理由があるのか? 誰かに許してもらわなければ、自分の悪を許してはいけないのか? 誰かに背負わされたかの様な言い方からして自分から買って出た訳でもないモノを、なぜ許してやると認められるまで背負い続けなければならないのか?
なぜ、そうまでして自分を悪だと決めつけたがる? 自分は許されてはいけないと思いこみたがる? 自らを悪しきものだと、許されざるモノだと、裁かれねばならぬ絶対悪だと定義したがるのかが私にはわからない。私には自己の所行を悪だと認識し、断罪してくれと叫ぶ貴方が、母を求めて泣き叫ぶ幼い赤子としか思えないのですが?」
“ーーーー”
「戦争しか知らないで育った子供は、大人になっても罪を罪だと思わない。
平和しか知らないで育った子供は、戦争の作法など理解したくもないでしょう。
今は戦時下ではありませんが、人が無惨に理不尽に殺されていく災害だって立派な戦場である以上は通じて当然の理屈の筈だ。戦争は人が行う災害なのですから当たり前の常識だと断言できます。
人災と自然災害は対処法こそ違えども、人が大量に死にいく現場であることには一切の変化など有りはしません」
“ーーーー”
「貴方がどこの誰かなど知らない。興味もない。ただ、これだけは言っておきましょう。
先ほど貴方が述べていた悪行の数々。あれら全てに貴方は“罪”の名詞を付け加えていました。それは貴方が、生きるため死なないためなら悪を是とする私よりも余程善人であることの証。
ですから素直に胸を張って叫びなさい。自分の声で自分の思いを言葉にして。きっと誰か一人くらいは聞いてくれる物好きがいるでしょうからね。蓼食う虫も好き好きですよ?」
“ーー・・・・・・?”
泥は戸惑い気味に問う。
問うてしまった矛盾に気づく余裕すらなく、縋り付くようにして問いかける。
“ーー自分を、連れて行ってくれるのか?”
ーーと。
最後の余光として誰か適当な奴を呪ってやろうと入り込んだら抱え込まれてしまったガン細胞に汚染されていきながら。
母に捨てられた子供が手を伸ばすように、置いていかないでと、連れて行ってほしいとお願いするかのように弱々しく縋る黒い手に掴まれて、反射的に握り返してしまった。
悪について語りながら幼い子供の手を冷たく振り払えるほど、自分は悪に成れ切れないらしいと自嘲しながら。
「仕方ありませんね。連れて行って上げますから、誰か助けを呼んできてください。
このままだと私、もうすぐ死んでしまいそうなので」
あわてて泥が飛沫となって飛び散ると、誰かを呼ぶように何処かへ向かって何かをし始めた。
何をしているかなど素人の自分に分かるはずもないので黙ってみていると、瓦礫の山を潜り抜けてきたと思しき黒一色の格好をした中年の日本人男性がやってきて、泥に導かれてきたと知る由もないのだろう幸せそうな泣き笑いで自分を抱き上げて何度も何度も、
「生きてる・・・生きてる!生きてる!」
譫言のように繰り返される「生きてる」と言う、感謝を込めた生還の言葉。
助けた側が言うには矛盾を感じるし、涙ながらに言う彼の言葉に嘘は感じない。ひどくあべこべな印象を与えられながらも、男が次に選んだ言葉は「ありがとう」だった。
「・・・ありがとう、ありがとう。見つけられて良かった。一人でも助けられて・・・救われた」
薄れゆく意識の中で抱いていた彼女の疑惑は、最後の一言で確定事項となる。
自分の右手を握りしめて男は自身の頬に何度も何度も擦り付けている。
そのとき手の感触に混じるのは、血の粘つき。それも焼け焦げて対した量の出ない火傷による物とは異なり、感触の傷口からジクジクと染みでている血。
間違いなくそれは、この火災現場で土を素手で掘り返した時にできたものだろう。
人命救助のためと言えば聞こえは良いが、町の一角を飲み込んだ大火災の現場付近にコート姿で単身乗り込み、素手で救助活動するボランティアなど実在しているはずがない。
そしてなにより彼女が確信にたると信じきれる決定的な証拠は、その『あまりにも幸せそうな』嬉し涙にまみれた泣き顔。
誰かを助けたいと言う願いに満ちた綺麗な笑顔。
憧れに足る、理想として追いたくなるほど満ち足りていて地獄の中には相応しくない事この上ない美しさ。
羨ましくて羨ましくて、追いかけたくて追いかけたくてーーひどく絶望させられる。
心の底から自分の醜さが浮き彫りにされて抗い難い願望に突き動かされ、抉り出した自らの心臓を握り潰したいと言う欲求に従いたくなってしまう。
この綺麗な顔を見てしまった以上、自分は一生忘れることが出来なくなるだろう。この嬉しそうな泣き顔に、自分は永遠に呪われ続ける。
それが判ったところで今更遅すぎるのだろうけれども・・・・・・
「・・・わ・・・つぐこと・・・は・・・な、い・・・・・・・・・」
「・・・ん? どうした? 苦しいのかい?
ーーおかしいな、きちんと埋め込んだはずの聖剣の鞘が半分しか機能していない・・・。なにかがどこかでエラーを起こしてでもいるのか? だとしたら大問題だが・・・」
半ばではなく、ほとんど意識が途切れてなにも耳には届いていない状態にあった彼女に男のつぶやきは聞こえていない。
それと同じく男の耳にも彼女の決意は聞こえなかった。
彼女は最後の力を振り絞り、こう宣言していたのだ。
「私には、あなたの夢を継ぐことが出来ません」
ーーと。
こうして、切嗣の所業を予測した有り得ない少女の衛宮による、有り得てはいけない泥を纏った聖杯戦争の土台と下地が築かれてしまった。
十年後、本来の時空とは懸け離れた歪な戦いが幕を開けることになる。
運命を『信じない』現実主義者の少女ーー『衛宮詩哀』が運命の夜を狂わせるまで残り時間十年と少しーー。
オリジナル主人公設定
衛宮 詩哀(えみや しあ)
幼い頃から『考えることしかできない』自分にコンプレックスを抱いてきた少女。
空っぽの状態で大火災に巻き込まれて『泥』と『聖剣の鞘』の二つの矛盾を内包させられてしまい、それ以降性質が完全に反転してしまった。
論理と知性の牙城で精神がガチガチに凝り固まった堅物思考だが、民主主義者故に自主性と相手の価値観は尊重する。
ただし、あくまで一般人側の論理で物事を考えるために魔術師たちの論理に付き合ってくれることは限定的。
ルール違反も魔術師ではなく『魔術師もどき』でしかない自分には関係ないと割り切って平然と行う。
存在自体がルールブレイカーな少女。場合によってはワールドブレイカーにも成りかねないが、どこまで行っても本人に意図や自覚が生まれることは決してない。
現在の属性は『悪・善』
一見矛盾しているこれは、彼女にとって正義と悪の定義が、立ち位置だけで決まってしまう安っぽい商品にすぎないから。
使えれば使い、要らなくなれば捨てて再度必要になったら取りに戻ってくる程度の感覚。
なにかひとつに偏重するなどバカバカしい限りだと言い切る性格ではあるが、自分の価値観が周囲と隔絶していることは余り自覚していない。
容姿:
セミロングの銀髪と、やや眠そうな紫紺の双眸を持つ。
眼鏡をかけているが魔眼殺しの類ではなく、度の入った普通の眼鏡。大火災で炎を直視していたから視力が落ち、聖剣の鞘が泥で満足に機能しなかったせいもあって必要になっている。
中背だが胸は大きめ。垂れ目がちで無表情。
外国の血が混じってはいるが両親よりも祖父母のどちらかに近いと言う、ちょっとした先祖返り。
特徴:
十年後の高校二年生の時点では穂群原三大美少女の一角となっており、マニアック担当として変人たちの人気を独占している。成績は良くもなく悪くもない、中の上程度。
リハビリ以外で運動しないから体力は無い。
家事は万能とまではいかずとも、結構うまい。
得意魔術:精神感応系魔術
相手と自分の精神を同調させて一定の方向へ誘導したり、思想の歪みを『彼女なり』に訂正し直すことが出来る。
ただし、相手の心と向き合う必要があるため魔術の行使中は完全に無防備な精神状態に成らざるをえず、最悪の場合はフィードバックして精神崩壊に陥ってしまう。
自分を拒絶すること前提の相手に使うには、まず敵の精神を撹乱させて隙を作ることが絶対に必要。
魔術特性:
聖剣の鞘の加護が泥で掻き消されているため『剣』の特性を得られていない。
逆に泥の悪意を聖剣の鞘で相殺されたので、呪いは完全に影響していない。
一応、本来の持ち主がいなくなっているので泥の方が加護として残っているが、泥の正体が『この世全ての悪の搾り滓』であるため加護の力が悪の方向にのみ作用する。
結果として悪事を成すときだけ補正を得られる。その際には、動機や目的は一切関係しない。行動内容だけが判定基準となっている。
余りにも危なっかしい性格を心配した養父の切嗣が教えてくれた基礎魔術を自分なりに使いやすい方法を構築していった結果たどり着いた人でなし魔術。
催眠や洗脳とは違って効果も持続時間も極めて限定的すぎるものだが、そのぶん抵抗が難しいは、掛かってしまえば影響下にあることを自覚できないは、自覚しないと抜け出せない話で結構やっかい。
時間が経てば消えるが、それまでに目的達成を目指すためだけに使うので全く問題になっていない。
友人関係:
意外にも間桐慎二と仲が良く、彼が示す分かりにくいツンデレな優しさを言葉にせずとも理解できる希有な人材。
柳洞一成とも堅物同士なので仲はいいが、時折一成から見ても行き過ぎなルールの護りすぎには呆れられている。
普通に拾われて普通に育てられた江宮士郎とも友人関係ではある。
間桐桜とは、過去に精神面で叩きのめしてしまってから仲が良くなった。一応の弁明として、彼女に悪意はなかった。言うべきと判断して言ったら言い過ぎただけである。
遠坂凜とは比較的疎遠。
遠くから眺めて時折「こう在らねばならないと思い込みすぎて空回りしてるなぁ~」と感想を抱いているが、声には出さない。面倒くさそうな相手だと判断しているから。
魔術属性は『生』と『死』の二重属性。
ただし別段特別な効果や彼女だけが使える魔術の類は一切なく、ただ自分の在り方に影響しまくっているだけである。
無論、それが一番悪いと言われてしまえば反論の余地すらないのだが。