試作品集   作:ひきがやもとまち

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また試作品集の更新なってしまう点は微妙だったのですが、書き途中だった物が完成したので投稿させて頂きました。

【私、能力値は平均値でって言ったよね!】の、オリ主版二次創作の2話目です。
原作だと触れられなかった部分について、今作主人公故の視点で描き直したバカ話を笑い飛ばしながら楽しんで頂けたら光栄です。


私、能力値にバッドステータス付与はお許しを!って言ったのに・・・。2章

 前回までの、あらすじデス。手柄立てて模倣囚として神様から免罪してもらおうとレニーちゃんを探しに行ったらチンピラに絡まれて正義の女騎士お兄姉様に呪い発動現場を目撃されてしまいました。社会生命的に大ピンチです。

 お兄姉さま事件です。事件だったんです。事件解決のため多少の違法捜査は容認されるべきであると、私は平和を愛する日本国民として声を大にして言いたい。って言うか何でもいいからタステケーッ!?

 

「そうか。キミも事件を追ってくれてた一人だったんだね・・・だから情報を聞き出すために、あんな演技を――」

「はい、そうです!そうなんですよ! 誤解が解けてホント良かったです! お姉兄様もそうなんですよね!? それなら私もお手伝いします! だから先ほど見たことは他言無用でよしなに!!」  

「その呼び方は辞めようねって言ったよね!? って、やっぱり君はあの時の子かい!? あと参加希望が食い気味すぎる!!」

 

 ――前回までのあらすじの続き。・・・どうやら騙くらかせたみたいですねぇ・・・ふぅ~、危なかったー。危うく目撃者の口を封じるかどうかの選択肢が出るところでしたよHAHAHA。

 いやー、本当に・・・道の隅っこの方でガタガタ震えながら土下座して命乞いし続けてるチンピラがいる状況だと、無理やりにでもそっち持ってかないと絵図的にマジやばい所でしたよ・・・。

 最近多いからなぁ~、『被害者の心情に配慮しての裁判所が許しても厳罰処置』とかする展開って。

 ああいう法律よりも感情優先の処罰ってホントどうかと思いますよ、無罪を勝ち取りたい犯罪容疑者の心情として本当に(ガチ)

 

「・・・でも、たしかに君の演技力は役立つことが分かったし、魔法も使えるみたいだし、私には腹芸も魔法も使えない騎士だからね。君がいてくれると心強そうだ」

 

 そういう理由で、私は『チンピラたちを演技で脅して誰も傷つけることなく悪党のアジトを聞き出した尋問術の使い手』として正義の女騎士お兄姉様ひきいる誘拐犯討伐パーティーに加わることが出来たのでありましたとさ。めでたしめでたし。

 

 いや~、目撃者のお兄姉様が脳き――もとい、単純おバ――もとい、正義の熱血主人公タイプのアh――じゃなかった、お人好しな人で良かった~♪

 

「私はメイビス、よろしく頼む」

「え、えとハイ! マールです! よろしくお願いしまっス!」

「うん、力を合わせて一緒に子供たちを助け出すため全力を尽くそう。子供たちや、その家族を苦しめるなんて騎士として許せない連中だからね!!」

 

 そう言って、拳を握りしめながら夜空に向かって誓いを立てるお兄姉様ことメイビスさん。

 うん、まぁ異存はないんですけどね。ただ、さっきのピンチといいセリフといい、この人ってつくづく実力も経験もないのに正義感だけに燃えてる熱血新人女刑事タイプの人だなぁ―と。そう感じた私でしたわ。

 あの手の人たちって、腕っ節だけと大きな声さえ出せれば偉そうに見える鬼軍曹タイプなのに正義だから、ちょっと心配なんだよなぁー・・・。

 できれば、世のため人のための人助け違法捜査で、私を巻き込まないで解決してくれると嬉しいです。自分が違法捜査したときには容認させて、他人がやった時には法律違反は理由に関係なく犯罪説を説く。刑事ドラマ主人公の基本です。ご都合主義こそ正義の真実。

 

 

 まっ、とりあえずそんな感じで聞き出した情報を元に、悪党たちのアジトへGO!

 ・・・決して、犯行現場から一歩でも遠ざかりたい犯罪者心理じゃないですよ・・・?

 

 

 

 

「ここが連中のアジトか・・・・・・町外れにある倉庫を使っていたんだな」

 

 というメイビスさんが語ったセリフ通りに、悪党たちの定番アジトである、町外れにある森の中に立てられた倉庫が敵のアジトでファイナルアンサーでした。

 どこの世界でも、誘拐事件とか起こす犯罪者悪党たちのアジトって、たいがい倉庫なんですよね。不思議なことに。

 それこそ犯罪摘発側主人公にとって一番都合がいい補正なんですけど、都合いいのでオールOKです。 

 

 本格的に隠れて犯罪やるんだったら、都心の中心部とか国有地に建てられた公共施設の地下施設の方が向いてますもんね。

 サツにしろ軍隊にせよ、無制限に攻撃かけて一般市民巻き込む市街戦に発展しちゃったら困りますし、ン万人単位の一般市民を敵に気づかれずに全員避難とか無理ですし。

 なるべく多くの人を巻き込める場所にアジトを建てて、何も知らない一般市民を盾にするため、国費横領してン十億円使って施設を建てさせる。

 

 ホントの政治大物汚職事件の犯人だったら、そこまでやるんでしょうきっと。でもそれだと主人公勝てないから、負けちゃうから、強行突入しても大丈夫な倉庫がアジト。それが悪党の犯罪行為を正義が暴くストーリーの大前提。

 

 世の中は正義が勝てるように創ってもらえてる―――

 

「そほで何してやばる~?」

「・・・・・・え?」

 

 なんか背後から、妙に聞き取りづらいくぐもった声に話しかけられて、振り返った先に立っていたのが、

 

「ブァキどもがふぁんのようだァ?」

「よく分からねぇが怪しい奴らだぜェ」

 

 ドォォォォッン!!

 と、効果音が聞こえてきそうなほど強面ファンキーファッションのモヒカン肩アーマーのゴツいオジサンたちが斧持ってキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 こっちの世界にも『マッド・マックス』の下っ端そうな悪人いたーッ!!

 (世紀末覇者より先にソッチが思いつく女主人公)

 

 見た目のインパクトで初見が超強そうなのに、いざ戦う段になるショッカーの戦闘員に成り下がる小物っぽさもサイズで再現されていい感じですよね!イイネ!(グッ!)

 

「よく分からねぇが・・・・・・怪しい奴らだぜッ!」

「どっちがだ!!」

 

 メイビスさんから悪党二人への挑発返し・・・・・・でも、たしかに!!

 夜中に倉庫の前で鎧甲冑姿の凜々しい美少女と、元貴族令嬢の夜逃げ容疑者も怪しいと言えば怪しいんだけど、それに輪をかけて怪しすぎてる等の発言者当人たちの二人組の格好!

 

 モヒカンはまだ分かるんですけど、もう一人の髪型は何!? 何ヘアーって言うんですかそれって!?

 しかも股間を局部強調したようなデザインの、ブリーフ型装甲と肩アーマーだけを装備って・・・・・・ソッチの人と思われても文句を言う資格ないのではないかと・・・。

 

 この格好で斧持って夜中に女の子に声かけて許されるのは、ドラクエ世界のエリミネーターぐらいしか――いや、やっぱり殺しそうだなエリミネーターだったとしても。どうせ敵だし。

 

「・・・・・・って言うか、そもそも何で後ろからの声かけ? 門番だったら普通は前からだし、襲撃者への罠だったら声かけないで襲いかかるでしょうし・・・ひょっとしなくても、用足し・・・?」

『ギクリ』

 

 ・・・・・・オイ。当たってたっぽいですよオイ。さっきよりもいかがわしさと気持ち悪さと近づいて欲しくなささが別の意味でパワーアップしまくっちゃってるんですけどオイ。

 

「え、えぇーッい! とにかく怪しい奴らなら殺っちまっていいんだ! 殺るかァッ!?」

「オウ! 殺ふぜィッ!!」

 

 そして、聞き取りづらい声の方の人が、この状況下に至っても斧ペロペロ続行! ある意味で貫いてますけど、そんなの貫いてどうすんの!? 逆に気になるッ!!

 

『行くぜェッ!! ヒャッハァァァァァァァァァァッ!!!!』

 

 生ヒャッハー、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━のはいいんですけど、股間が!! 身長の低さ的に相手の背丈で私たちの方へ飛びかかりながら斬りかかられると、色々と汚いモノが詰まったパンツ型アーマーの中の股間がァァァァァッ!? ギャァァァァァァッ!!!???

 

『ヒィヤッ熱チャチャチャチャチャチャぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!??』

 

 ボォォォォォォッン!!!

 

 ・・・って、アレ? なんか汚い汚物が迫ってきてたと思ったら、炎の球が飛んできて炎上してくれた? 汚物を焼却してくれた? 汚いモノは消毒、腐ったモノは焼き払え―――って、ヤバ。

 

 色々あったせいで意識が混乱してしまって、呪い・・・が・・・炎、が・・・・・・燃え・・・て・・・・・・・グ~~~~ZZZZ

 

 

「こ、これは火の魔法・・・? もしかして死んじゃ―――」

「殺してないわよ。アンタたちを巻き込まないよう手加減してあげたしね」

「っ!? 誰だっ!!」

 

 かろうじて残っていた正気の向こう側から、杖を持ってローブをまとった魔道師らしき人物が歩み寄ってくる姿が見えていました。

 

 炎のように赤い髪、漆黒のドレスのようなローブ姿。・・・うん、これはダメですね。止めにしかなりません。私の中のナニカが目覚めてナニカするのを、今の私は止めることがもうできなガガガガいい・・・・・・

 

「まぁ、子供を浚うような悪党、死んでも問題ないと思うけど―――」

 

 

 

「――やっぱ火はええのう、火は・・・・・・伊勢長島を思い出すわい、ふははははッ!

 国をかっぱらうには一番の手よ!!」

 

 

「!!! 殺すべき大悪党っ!?」

「え? あ! いや、違っ!? 演技! 演技です! 悪党たちが隠れてるかもしれないから見せつけるための大悪党エーンギです!? 私は無実です! 私はまだ何もやってなーいっ!?」

「!!!! “まだ”何もやっていないッ!?」

「ああぁッ!? またしても、しまったぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

 や、ヤバい! ヤバすぎです!? 呪いに油断しすぎました! 第三者に目撃されている可能性を考えて、もっと慎重に事を運ぶべきでしたー!? 刑事ドラマの犯人によるお約束墓穴掘り真相が異世界の現場で私の手で犯されてーっ!?

 

「い、いえだからそのあのえ~~~~~とぉぉぉ・・・・・・っ、そ、そう言えばあなたは昼間会ったチッコイお子様ロリっ子魔術師さん! 奇遇ですね夜のお散歩ですか私もデス!!」

「アンタの方がチッコイって言ったわよね私は絶対に!? って言うか、その挙動不審っぷりはやっぱりアンタかい!!」

 

 失礼な言いようをされてしまいましたが・・・誤魔化すことには成功しました! やった! 結果オーライだけど結果良ければ全てよしでオールOK! 助かった~♪

 やっぱり秘密を知られたくないときには理屈じみた言い訳よりも、怒鳴り声か大声出して相手の気にしてること言って感情的にさせて話ウヤムヤが一番ですよね!! 刑事ドラマで問い詰められてる汚職政治家の大物犯人さんアリガト~♪

 私はあなたたちから受けた恩を忘れません! 自分が被害受ける側にたたない限りは絶対に! それが刑事ドラマにおけるご恩と奉公!!

 

「あ~、すまない。この子はちょっと演技力がありすぎてしまって誤解してしまったかもしれないけど、私と一緒に子供たちを助け出すため協力してくれてる良い子なんだ。

 君も子供たちを探して、この倉庫まできたと考えても良いんだよね?」

「ええ、一応ね。ソッチの奴のことも、少し認識が違ってるみたいだけど良い子だって部分は了解したわ」

 

 白っぽい目付きで睨まれながらでしたけども、摘発側から信頼得られたみたいで良かったです。事件捜査する側から個人的に人格信頼されること大事。超重要。大抵の刑事キャラは自分の好き嫌いで怪しい怪しくない決めがちなので好かれておくに超したことはないのですマジで。

 

「私の名は、レーナ。人呼んで『赤のレーナ』よ」

 

 “人呼んで”なのに自分で言ってる!?・・・ってまぁ、当然か。

 自己紹介するときに二つ名を『他人呼んで赤のレーナよ』なんて言う方がよっぽど怪しいし信憑性ないし嘘っぽいし、たぶん自称っていうか詐称だし。重箱ツッコミはやめとこーっと。

 

 

 

 

 まぁ、とりあえずそんな感じで三人目のパーティーメンバー加入。

 ドラクエ的基準だと、あと一人ぐらい入りそうですね。Ⅱだと3人だけど、Ⅴでも三人戦闘だったけど馬車あるから大丈夫。イケる。シリーズ全体で四人パーティーの方が多いからこっち基準で大丈夫。多数決は正義。

 いつの時代も自分一人より数の暴力で敵を殲滅できる方が殴り合い以外だと強い。殴り合い有りだとレッドリボン相手に一人で勝っちゃったお子様の方が強いですけれども!!

 

 

「誰もいない・・・・・・どうやら見張りは、外のバカ共だけだったみたいね」

 

 レーナさんが呟いて、たぶん違うんだろうなーとか思いつつも何も反論することなく無言で追従する私。容疑者候補は肩身が狭いのです。

 

「ドアがある。如何にも誰かを閉じ込めてるような感じだが・・・」

 

 アイビスさんが倉庫の奥にあった鉄製の扉を発見し、とりあえず近くに見張りもいなかったので私たち三人は壁に沿って忍者走りで接近。

 扉に顔を近づけながら、漏れ聞こえてくる声に向かってアイビスさんが確認のための質問を発します。

 

「そこに皆いるかい? 助けに来たよ」

『・・・怖いよぉ~・・・・・・怖いよぉ~』

 

 要救助者の意思確認は大事です。

 誘拐事件だと思って乗り込んで暴れまくった後で、「あの人が勝手にやっただけです。私たちは何も知りません」とか言い出されても私たちの身は大丈夫なように「求められたから応じた証拠」として言質取っとくのは非常に重要。

 アイビスさんだけじゃなく、身内以外の私たち二人も聞いているので証言能力は認めてもらえるはず。それでもダメな国で相手だったら夜逃げ一択ですけれども。

 

『――はい、皆います』

「よし、今から開けるから扉から離れ・・・・・・って、あれ?」

 

 助けを求める返事が返ってきたのを確かめてからアイビスさんが扉を開けようと手を伸ばしたところで意外そうな声を上げて、レーナさんからも不思議そうに「どうしたの?」と声をかけられながら。

 

「この扉、ドアノブも鍵穴もないんだ。

 これじゃあ、どうやって開けたらいいのか・・・」

 

 困ったように呟くのを耳にした瞬間。

 私の瞳がキラーン☆と光り輝くのを、私自身が自覚しました。もしくは脳裏に「キュピーンッ!」と閃光が走るのを知覚したのです。

 

 これは――贖罪のチャンスだと!!

 

 人助けの途中で困っているヒーローを手助けするのが世の情け! 世間様に大人気の人情的で人道的な人助け手伝うよう貢献すれば、神様も私の反省の意思を認めてくれて懲役が短くなって恩赦も得られやすくなり、仮釈放とか仮出所とか、ソッチ系の温情処置を与えてあげようじゃないかという気分になるに違いありません!

 きっとそうなります! そうならなければいけません! 他の誰より私自身がそうなってくれる方が嬉しいから!

 

「魔法の扉ね。今、解錠の魔法を―――」

「ハイ! 開きましたのでどうぞ!」

「え? 早ッ!?」

 

 そうと決まれば善は急げです! 私はレーナさんが呪文を唱えだしたのを目にした瞬間に横から割って入って扉に右手を掲げ、相手が唱え終わるより早く効果が出るよう無詠唱での解錠魔法を使って扉を封印解除して詠唱途中だったレーナさんを驚かせることに成功しました!

 

 フッフッフ・・・・・・こういう時は早い者勝ちで、一刻も早く助けた方が勝ち。

 他の人でも時間さえかければ解決できた問題を、通常の手順で助けてあげたところで大した恩は売れず、貢献したと評価される度合いも小さい。

 恩を売るからには他の助けようとしてた人より先に、その人には出来ないレベルの絶対確実な方法使って違いをアピール!

 既成事実化することが重要なのですよ! 重要なのは「私だからこそ出来たのだ」と強調しながらも、表面的には謙虚さを装って押し付けがましくならないよう意識することで、好意を拒絶したときには拒絶した相手だけが悪いという風に持って行かなければいけないのです。

 

 フフフ・・・これで私の社会復帰ポイント結構な数プラスαは確実でしょう・・・このまま行けば、いずれ呪いからの完全解放も夢ではない・・・ふふふ、ハーハハハハハハッ!!!!

 

「無詠唱で魔法を使うなんて・・・あんた今いったい何を―――」

「凄いんだな君は! それじゃあ開けるよ、みんな油断しないでついて来てくれっ」

 

 アイビスさんからも絶賛してもらって、これで恩赦も確実かと有頂天になりかけてた私はホイホイと正義の女騎士様の後に続いて、犯人たちのアジトである部屋の中へと強行突入!

 ・・・なんかレーナさんが後ろの方で何か言ってた気がしましたけど・・・たぶん大したことは言ってないでしょうから多分大丈夫ですよ多分。そうでなければいけません。

 私の人助けによる恩赦を得るための戦いは、もはや誰にも止められないぃぃ―――

 

 

「おうちに帰りたいよぉ~・・・」

「君たち、大丈夫だったかい!? もう安心だからね、すぐに帰してあげるから」

 

 部屋の中に乱入した私たちは、予想外に小綺麗な内装にちょっとだけ驚かされながらも内部に突入。十数人ばかりの子供たち(全員幼女)を無事確保することに成功しました・・・・・・ってアレ? 子供たちと一緒にいた人ってもしかして・・・・・・

 

「ありがとうございます。おかげで助かりました」

「あれ? やっぱり市場で見たオッパ・・・いやさ、お姉さん?」

「――今なにか言いかけてから言い直しましたよね? 昼間に会ったときにも言いかけてた言葉と関連したことを何か言いかけてましたよね今?(メラッ・・・)」

「ヒィッ!?」

 

 こ、怖い!? このプレッシャーは間違いなく奴です! 奴が来てたのです!

 新しい環境に適応して進化した、旧人類より優れた高性能な新たな人の体の形を持つ存在!

 乳タイプは、やっぱり伊達じゃなかったー!?

 

 

 

 

 まぁ、それはそれとして敵に捕らわれながら雇われてもいたらしい、オッパイお姉さんでプリーストでもあるっぽいポーリンさんも仲間に加えた私たちパーティー(考えてみたら定番の設定の人ですよね・・・)

 

 ですが私にとっては肝心のレニーちゃんだけが、この部屋の中にいなかったことを知り、オマケに彼女一人だけボスの部屋に直接連れて行かされた可能性があることまで教えられた私的には大人しく座して待つわけにはいかず、全速力でレニーちゃんがいるであろうボス部屋目指して走り出さずにはいられなかったのでありました!

 

 だって! ここまで来て幼女見捨てちゃったら私、前世の最期と同じことした扱いになっちゃうかもしれないんですもん! 罰則として同じ呪い二つ目とか重ねがけられちゃったらイヤすぎるんですもん!?

 

 まだレニーちゃんが誘拐されたと決まった訳じゃないですけれども! 単に夜歩きが趣味でお父さんに怒られそうな今時女子高生風の幼女なだけの可能性も多分にあるんですけれども! それでも!!

 

 私は自分にかけられた呪いが、ダブル呪いに進化させられちゃう可能性があると知らされて落ち着いていられるほど今の状態を楽しめている転生者じゃありません!?

 早く元に戻りたいの! 普通の女の子に戻りたいの! 私は普通の女の子だ!女子高生だ! 水を被ったわけでもないのに人格だけ変身しちゃう呪いの身体を元に戻したくて仕方がなーい!!!

 

 

 

「レニーちゃぁぁぁぁぁぁぁッて、うえあァァァッ!?」

 

 

 ガコンッ!!!

 走って扉の外に飛び出してきたと思ったら、スポットライト――いえ、サーチライト!?

 私いま照らされちゃってません!? サーチライトに! 逃げようとしてる泥棒さんを捕まえるために夜空に姿を曝け出させる犯罪者逮捕用のピカッて光るタイーホライトにぃっ!?

 

 ち、違う! 違います! 私はなにもやっていません! ふっじこちゃ~んって叫びながら強姦目的のダイビングなんかやってません! 貴方たちの心も盗んでません! ただトラックに轢き殺される子供を見捨てただけです!!

 それだけしか、私はやってない!!

 

 

「あらあら、騒がしいと思ったら・・・・・・随分と可愛らしいお客様だこと」

 

 

 ・・・・・・あれ? 違った? むしろ言い草からして、私よりも相手の方が犯罪者っぽいような気がしなくなくもないような・・・・・・。

 

「アンタが誘拐犯のボスなわけッ!?」

「だとしたら?」

 

 おおっ!? ナイス質問ですレーナさん! これで言質が取れました! 犯人からの自白が得られたんです! これで私がこの件で罪を問われることだけはない!!

 

 ふぅ~、よかった。これで安心して事情聴取ができます。

 まだレニーちゃんが誘拐事件確定してない段階なので、この時点での見込み捜査開始は性急すぎるというもの。

 まずは誘拐犯を名乗る犯人グループから、人質の中にレニーちゃんらしき女の子がいるかどうか身柄の安否を確認するところから始めるのが、誘拐事件のセオリーというもの。

 

 コホンと。―――では改めまして

 

「貴女が誘拐グループのボスというなら、聞きたいことがあります。正直に答えて下さい。

 あなたたちが浚ってきた子供の中に、レニーちゃんという名前の女の子がいま―――」

「悪党相手は問答無用よ!」

「――え? あの、ちょ、レーナさんそれ、世間で言うところの主観的正義の断罪犯罪sy・・・・・・」

「“猛れ炎、火球と成りて”―――【ファイヤーボール】!!!!」

 

 私が犯人グループと交渉始めようとした矢先、いきなりレーナさんが前に出てきて誘拐犯たちに対して先制攻撃の火球魔法を発射してしまいました。―――って、ちょっと!?

 これマズくないですか!? ひょっとしなくても、これマズい事になったりしないですよね!?

 

 たとえ誘拐犯相手であっても、警察官でもない一般市民が逮捕権どころか処刑までやっちゃって本当に合法なんですよねコレって―――ッ!?

 巻き込まれて犯人グループの一員にされるのはヤなんですけどォォォォォッ!?

 

 

 

【刑法第60条。

 二人以上共同して犯罪を実行した者は、全て正犯とする】

 

 

 

「ふむ・・・【ファイヤーボール】じゃ」

「なっ!? きゃあぁぁぁッ!!!」

 

 ズバァァァッン!!と。相手からも同じ魔法放たれちゃって、力押しして押し負けちゃったらしいレーナさんが吹っ飛ばされて、ポーリンさんが慌てて駆け寄ってきて回復魔法で治療を開始。

 

「うぅぅ・・・。詠唱省略した魔法に、負けるなんて・・・・・・」

「カッカッカ。まだまだじゃのう、小娘よ」

 

 そして登場してきたときに、上の位置にいた敵さんたちも降りてきてレーナさんも無事。・・・よかった。

 取り敢えず敵さんも味方も、五体満足で生きててくれたら大丈夫です。回復魔法で治癒できる程度の傷なら尚更よし。証拠はなにも残らない。回復魔法は最高の証拠隠滅魔法だと私は思う。

 しかも、

 

「もう、倉庫にある大切な爆薬に引火したら、どうすんのよォ?」

 

 敵の中にもう一人いた魔術師らしい女の人が言うところによると、今レーナさんが火球の魔法をぶっ放した時には知らないまま使ってた、火で引火する爆薬まで置いてあったみたいで。

 

 ・・・やべぇ・・・本気でヤバいところでしたね・・・危うく放火罪まで追加されてしまうところでしたよ・・・。

 って言うか、この人たちと一緒に行動してると私の輝かしい経歴(自称)に、デッカい傷が自動的に追加され続けていくような気がして怖いんですけど、逃げ出していいですかね? 今度は見殺しにしちゃっても罰則転生の対象になったりしませんよね神様!?ね?ね!?

 

「魔法がダメなら! てぇりゃぁぁぁぁッ!!」

 

 そして今度は、お姉兄様が剣を振りかぶって突撃していきました。

 夜に刃物を持って、相手の家に押し入って襲いかかる人は現代日本だと通報ものですけど、中世ファンタジーなら合法です。

 

「おっと、惜しかったねぇ?」

「くっ! てやっ!! はぁぁッ!!!」

「ほぉ? 怖い怖い♪」

 

 キンキンキーン!!

 刃と刃がぶつかり合って火花を散らせながらも、明らかに弄ばれてるのが丸分かりなお姉兄様。

 敵である、寝不足っぽい目の下にクマがあるお坊ちゃまっぽい髪型の剣士さんの方は、余裕綽々って感じで捌き続けてます。・・・よし、コレなら怪我人が出なくて傷害罪は避けられるかも。

 

「何をしている! 子供相手に遊びすぎだっ」

「へいへい。それじゃ――それやぁぁぁぁぁッ!!!」

「ぐわぁっ!? つ、強い・・・」

 

 そしてアッサリ弾き飛ばされて敗退するメイビスお姉兄様。・・・よし、ここまでコテンパンにやられた後だったなら、多少の高火力魔法とか使って倒しちゃっても過剰防衛にはならないはず。

 

 まず相手に一発殴られてから倒して、『正当防衛』ってことにする。

 わかり易い悪役に警告だけして去って行って、報復で被害出させられてから徹底的に悪を殲滅するヒーローたちの常套手段を実行するためにこそ、私はレーナさんやお姉兄様が破れる姿を歯がみしながら必死に我慢して手を出すのを控えていたのですからね!

 必要な犠牲であり、無駄ではない犠牲でした!! この仇は取らせてもらいます! だからお二人は安心して私に手柄を譲っ―――もとい、傷ついた身体を癒やすための療養生活をお願いします!!

 

 そういう・・・・・・つもりでした。そうするつもりだったんですよ私は・・・。

 この後の話を聞くときまでは、私は本当にそんなつもりしかなかったんです―――。

 

 

「筋は良いが、所詮は子供だな」

「Aランク入り目前の私たちには、到底及ばないねェ」

「Bランクのハンターだって・・・!? それ程のハンターを雇って幼女たちを浚い、いったい何をする気だッ!?」

「フフ・・・・・・知りたい? 誰にも邪魔させない我が野望。それは―――」

 

 勿体ぶったような大仰な言い回しを下後。

 敵ボスさんから放たれた、恐ろしくもおぞましい、驚くべき事件の真相。

 それこそが―――

 

 

 

 

「美少女ハーレムを築く事よォォォ~~~~♡♡♡」

 

 

 

 

 

 

 ―――という、あまりにも意外性がありすぎる幼女誘拐の目的・・・・・・。

 

『『・・・・・・え?』』

「ああ勿論、愛でるだけで不埒な事なんて一切しないわよ?

 美少女同士の無邪気な、くんずほぐれずを見せてくれたりィ~♡

 膝枕して頭を撫でて、甘やかせてくれればァァ~~♡♡

 私はそれだけでイイの~~~ッ♡♡♡

 ―――そう!! 貴女のように汚れを知らない幼い少女にねッ☆☆」

 

 

 

 ズビシィッ!!と、敵の女ボスさんから指差されながら指名されていた時。

 私はもう既に、彼女の話を聞いていませんでした。聞くことができない精神状態になっていたからです。

 女ボスが語ってきた話の内容は。私の精神をそこまで追い詰めるのに十分すぎる程の効果と意味を持っていたのです・・・・・・何故ならば。

 

 もし、彼女の言った内容が全て本当だった場合。

 女ボスが率いている敵の一団は、ほぼ確実に間違いなく。

 

 

 

 

 ――――――無・罪――――――――

 

 

 

 ノット・ギルティーほぼ確実な犯罪未満か未遂か、やってたとしても軽犯罪ぐらいしか適用されない範囲のことしか犯していないという、正しきYESロリコンノータッチを守っている模範的なヘンタイ淑女さんに過ぎなかったという事実のみ・・・・・・。

 

 

 翻って今の私たちは―――。

 

 夜間に個人所有の倉庫に押し入り、不法侵入して負傷者多数。

 器物破損、器物損壊、騒乱罪、放火未遂と、数え上げたら間違いなく敵さんたちより多くの罪を犯してしまったことが確実すぎる、少年犯罪者グループに今の私たちはなってしまった後になっている訳で・・・・・・・・・

 

 

 

「・・・・・・ふふ・・・・・・ふふふふふ・・・・・・あははははは」

「くっ! どうすれば――って、ま、マール・・・?」

「な、何故なんでしょう・・・? マールさんを見てると震えて止まらなくなってしまってる・・・?」

「な、なんなの!? この急に漂いだした凄まじい程の魔力は―――って、ええぇッ!? ちょ、嘘でしょ!? コレってまさか可視化できる程の魔力なんじゃないのッ!?」

 

 お姉兄様が、ポーリンさんが、レーナさんが。

 口々に何か言ってきているのが聞こえましたけど、私には何も聞こえません。なにも聞きたくありません。

 ただ0からやり直したいです。もしくは0になるまで何もかも綺麗サッパリ無くしてしまいたいです。

 

 ―――そうですよ。そうすればいいんですよ。犯罪現場なんか残しておくから、証拠探しなんていう犯罪捜査で足がついちゃうんです。

 証拠なんて、何一つ残さないためにも現場ごと吹き飛ばすのが一番です。現場ごと消えてなくなれば、事件なんて在ってもなかったのと同じ事。殺された死体が見つからない限り、幾ら人が殺されても殺人事件が起きることは決してない・・・・・・それこそが合・法――。

 

 

 

「ふふふ・・・・・・フフ・・・・・・・・・ほーっほっほっほっほ!!

 まさか、こんな結果になろうとは思いませんでした。初めてですよ、この私をここまで追い詰めたおバカさんたちは。――許さん。

 絶対に許さんぞ虫ケラ共ッ!! 一人たりとも逃がさんぞ覚悟しろォォォォォッ!!!」

 

 

 

 純粋な悪の怒りによって、普段は押さえ込んでいる私の本当の力を一部だけ開放して、呪いの暴走に身を委ねることを覚悟するッ!!

 

 

「なっ!? なんだこの異様な気配は! コイツ、本当に子供なのか!?」

「や、ヤベぇ・・・コイツ絶対にヤバイ―――ヤバすぎる!? Bランクの俺たちが、こんなっ」

 

 

「Aランク寸前? まぁ、この国のハンターなら、こんなもんでしょう。

 私にとってはゴミみたいなものですがねェ。ほーッほッほッほッ!!」

 

 

 ――私は腰の後ろに腕を回して組みながら、小っこい背丈で見た感じあんまり強そうに見えないけど、最強の力と傲慢さを生まれ持ったチート転生者という存在を体現したようなキャラクターの人格を模倣した呪いを体現。

 

 後から考えたら絶対に後悔しまくること確実な人選だったのに、今の私は気づきませんし、気づけません。綺麗サッパリ全部無くして厄介事の種を消し飛ばしてしまえるなら、それでいいやーって気持ちに身を委ねてしまってる今の私には、このトンデモナイ御方を否定できる程の倫理観はなーんも残っている訳もなし。

 

 序盤のよくある子悪党レベルの敵相手に出てきていい存在じゃない悪の帝王様を、こんな場面で使っちゃっていいのかとかさえ頭には沸かず・・・・・・ただ煩わしい存在を消してしまいたい。それだけ。

 

 

「なるほど。確かにコチラの仲間達とは、まるで違う実力を持っているようで驚きました。素晴らしい戦闘力です。

 さすがはAランク寸前というだけのことはありますねぇ、部下に欲しいくらいです・・・・・・が。

 参考までに、これから貴方たちが戦おうとしている私の魔力数を教えておきましょうか。

 私の戦闘魔力数は、平均的な魔術師たちの―――約53万倍です」

 

 

 余裕な態度と偉そうな仕草で挑発しながら宣言をする、呪い開放レベル第二段階ぐらいな状態にある私自身。

 

 もともとチート転生者って、現地人基準では似たようなモンですしね。

 チート生まれ持たされて別人に生まれ変わった元凡人主人公って、意外と傲慢で見下すこと多くなるヤツ多いですもんね。

 

 露骨に正直に暴露し過ぎちゃってもいいって事に―――普段だったらならないって事ぐらい分かってたはずなのに~~~~~~~ッッ!!!????

 

 

 

「く・・・っ!? おい、ワシに合わせるのじゃ! 攻撃される前に先手を取って押さえつける!」

「い、言われなくても分かってるわよ!! 行くわッ!!」

 

 

『“猛れ炎、火球と成りて”―――【ファイヤーボール】!!!!』

 

 

 二人のBランクハンターたちが、詠唱を省略して放てる魔法を、わざわざ詠唱して威力を上げてまで攻撃してきた二つの火球。・・・・・・ですが。

 

「・・・・・・」

 

 私が、スゥゥ・・・っとゆっくり持ち上げた右手の人差し指に作り出した、小さな小さな火球が現れた途端に軌道を曲げて吸い寄せられるように二つの火球は一つの火球に当たって消滅させられ、空しく弾き返されて。

 

 

『ば、バカな・・・・・・こんな事がある訳がな―――――』

 

「カ――――――ッッ!!!!!」

 

 

 そして奇声を一声。

 人差し指を、クイッと曲げて誕生させた火球を放ち。

 悪党たち(っぽい人たち)に向かって、ゆっくりゆっくり近づいていきながら全てを飲み込んでいき、悲鳴と雄叫びと命乞いの叫び声を途切れることなく延々と夜空に向かって轟かせ続けながら。

 

 私もまた笑います。笑い声を上げます。嗤い続けました。

 ああ、これでやっと怖さから解放されることができる。恐れ続けた存在を、この世から消滅させる事ができるのです。

 

 ・・・・・・普通に考えれば出来るはずないんですけど、増えるだけだと分かりそうなもんだったんですけれども。

 この時の私は気づきませんでした。ただ酔ってました。酔い痴れてました。

 ―――別名を、現実逃避と言うのかも知れませんでしたけれども。

 

 

 

「ホーッホッホッホ!!

 ご覧なさいポーリンさんレーナさん! 綺麗な花火ですよ!!

 ほーっほっほっほッ!!!!」

 

 

『『『・・・・・・・・・う、うわぁぁ・・・・・・』』』

 

 

 

 

 こうして色々あった末に倉庫の壁ぶち破って、犯人たちが悲鳴上げ続けてたって事は殺すことなく生かし続けるため手加減してたっていう証拠として認めてもらえる可能性を激減させてしまいながら。

 

 

 私はその日が最後の時間に、その日出会ったばかりの仲間たちに向かって、この言葉だけを継げ、正義の味方の如く風のように去って行ったのでありましたとさ――――

 

 

「・・・・・・こ」

『こ?』

 

 

「こ――――これで勝ったと思うなよぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!??」

 

『なにがッ!? そして逃げたァァァァァァァァァァァッ!!??』

 

 

 

 ダダダダダダダダダダダダダダダダダ―――――――ッ!!!っと、全力ダッシュでその場を走り去る日本人らしい選択肢!!

 日本人だから逃げますとも! 義務や責任からは全力逃走して自己正当化に走りますとも!!

 日本人とは逃げてナンボ! 逃げたことからも逃げ続ける!! それこそ現代日本人の生き様よォォッ!! 

 逃げるは恥だが役に立つ!! 私は日本人として過ごした時間で学んだ全てを、この異世界で生かすため決して忘れることはない!!

 

 

 

「悪を倒した正義の味方は、必ず素顔と名前を知られる前に逃げ去って、正体隠して日常生活に潜伏して凡人を装い擬態する!! それこそが悪を倒す正義の味方! 私はそれをやっているだけ! 決して決して犯罪者だから現場から遠くに逃げたいだけじゃないもん!!」

【――まぁ色々とツッコミどころはありますけど、今更だから置いておくとしまして。

 それより逃げ去った後の犯行現場に、あの方々を放置したままで良かったんですか? マール様】

「大丈夫だよ! 問題ないわ!! 根拠はないけれども!!」

【今、なんか立ちませんでした? フラグ的ななにかみたいなものが。もしくはボキリと折れる感じで】

「ハッキリ言わないでよ!? 誤魔化してよ!取り繕ってよ!? 正直者はバカを見せられるから嫌いなのよ―――ッ!!! うわぁぁぁぁぁッん!!!!(ToT)」

 

 

 

 こうして夜の森へと泣きながら走り出す、勝利を得たはずのチート罰則転生者が一匹。

 そこ! 人生負け犬ルート1直線とか言わない! 現代日本人の正直者は救われぬ!!

 

 

 

つづく


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