『びーまいべいべー びーまいべいべー びーまい…』
目覚ましを止める。カーテンの隙間から朝日が覗かれ、薄らとした思考はだんだんと意識を覚えはじめる。身体は重くてだるい、こんな理由で会社に休んでは社会人の名が腐る…大学ライフは終わったのだとしみじみ思う今日この頃。
身体をベットから這い上がらせて、顔を洗う。朝食を作り食べると、ふと昨日の事を思い出し、飲んでいた味噌汁を咳き込んでしまう
「俺、昨日お酒飲んで告白したんだ…」
そんな記憶はよりいっそう会社への足を重くした。
────────会社到着なう────────────
「はよございまーす」
酔いを覚ます為にコンビニで買ったコーラを片手にオフィスに入る、すると模部先輩と葉月さん丁度話しているところに出会した。
「お、おはよう」
最初に口を開いたのは模部先輩の方で葉月さんは顔を赤くして俯かせた。そんなに葉月さんの態度を見て俺は少し気まづくなる。
「昨日の件なんだけどぉ…とりあえずごめんね煽ったりして」
反省はしてる言葉では言っているが人態度を見るかぎり怪しいすぎる
「模部くん。その話しは置いとこう、今は仕事中だよ」
「おっと失礼、では仕事が終わってから2人でゆっくり話し合ってください。」
フフフッ…笑いながらその場から離れていく模部先輩の背に無言の空間が産まれる。言葉が出ない、こういう時限ってコミュ障が発動するのは本当に辛い。
「えっ…と、今日一緒に帰りませんか?」
精一杯だした声がこれである…もっと頑張れ俺氏
「うん」
葉月さんは少し俯いてそう呟く。少し笑っている口元がチラリと見えて、俺は安心したのと同時に、これは話を先延ばしにして、逃げただけだと言う事を自覚し恥ずかしくっなった。
──────────仕事終わり───────────
「すまない、待たせたね」
「いえ、自分もさっききたところです」
さっき(30分前)
「そういうところはしっかりしてるんだね」
見栄をはってみたが、どうやら彼女には効かないようだ。
「葉月さん…どうして俺の告白受け入れたんですか?」
常識的に考えて、今日会ったばかりの人の酔った勢いでの告白なんて受け入れるものではない。最悪、絶交するレベルだと自覚している。
「それはねぇ…昔私は君と会ってるんだよ。」
「へぇ…えっ!?」
あれか!昔実は幼なじみでなんか約束してたけど忘れた的なアレなのか!?
「と言っても2年前の夏頃だったかな」
わりと最近ですやん!だったら尚更覚えているのでは!?
「あの時も加佐登くんは酔っていたよ」
…もうやだ俺、とてつもなく恥ずかしいんだけど、どんだけお酒飲んでんの?馬鹿なの?死ぬの?
「ほんとすいません」
「いやいや、謝る様な事はしてないよ。むしろ、私は感謝してるくらいなんだから」
気恥しそうに葉月さんは言葉をはっしていく…自分の憶えていないところで俺はなにをしたんだろう。
「あれは、会社からの帰り道の途中でね。不良に絡まれたんだよ」
「えぇ!?大丈夫だったんですか!」
つい声をだしておろどいてしまった。
「大丈夫だったよ。なにせ君が助けてくれたんだからね。最初の一言目は『ヒーロー見参!!』だったかね、顔真っ赤の状態で狼牙風風拳とか言って無双してたんだよ」
めっちゃ恥ずかし、なにヒーロー見参って、ピンポン!かよマジで黒歴史じゃん。もうちょいなんかあっただろ過去の俺…!!
「確かに…二年前の夏頃に東京に来た記憶はあります。展覧会かなんかに出すために来ました」
まぁ落ちたけど、やけくそになってその夜居酒屋巡りしたんだ俺…その時かァ気づいたら朝だったし…そんな感じしてきたわぁ
「もし…それが理由で告白をOKしたんでしたら、葉月さんきっと後悔しますよ。だってそれはお酒飲んだ俺であって、普段の俺じゃあなんいんですよ。」
話しを聞いていたら、きっと誰もが思う事だろう。
「俺は葉月さんが思ってる程、僕は格好良い人間でもないですし、良く出来た人間でもありません。」
自分で言ってて悲しくなる
「だったら、付き合っていくうちに君の恰好良くないところや、良く出来てないところや、メンタルが弱い部分も好きになればいい…いや、絶対私は君が好きになるよ」
最後なんかふえてませんか?人から言われて悲しくなった
「いや、でも…えっと好きになる保証はないんじゃ」
「酔った勢いで告白した人が今更なにを言っているんだい」
そこをつかれたら、なにも言えなくなるお。
「だから今度はありのままの君に言って欲しいな。」
今なら言える。お酒でもなく、勢いでもなく、心の底から言葉で言える。
「葉月さんが好きです。俺とお付き合いしてください。」
「喜んで」
何度か見たはずの彼女の笑顔はいつも以上に輝いてみえた。
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