指パッチィィン(満面のドヤ顔で)
話をしよう。あれは今から1ヶ月…いや、2か月ほど前だったか…まあいい(適当)
あれは私にとってはついこないだの出来事だが、君たちにとっては多分、「いや知らねーよカス」と言った感じの出来事だろう。え?ニュースで見た?あそう。
まあともかく、俺と友達の織斑は藍越学園の入試を受けるべく、試験会場に向かった。試験会場には72個の部屋があったから、(場所を忘れたので)どこに行けばいいのか…
たしか…最初に訪れた部屋は…IS学園。
あの時、場所を間違えてなければな…
(以下回想)
「なあ織斑、ここなんか違う臭くね?」
「ああ、何か誰もいないな。てかIS学園て思いっきり書いてたしな…」
「え?じゃあなんで入ったの?」
「名前似てない?」
「え?バカなの?」
「うるさいな…ん?これ、ISか…?」
「こっちにも…あ、織斑、あんま触んない方がいいんじゃねえか?変なスイッチ押しちまうかもだぜ?」
「まあ男には反応しないから、大丈夫じゃないか」ピトッ
「ハハハ、まあな…」ピトッ
キュイイイイイ
『認証を確認、起動シーケンスを開始します』
「「え、ウソやん?」」
(回想終了)
あの時ISに触りさえしなければな…まあ、織斑はいい奴だったよ
「ゲエー!?関羽!」
「誰が三国志の英雄だバカモン!」スパアァァン
「ファゴットッ!?」
…と、私は織斑教諭に出席簿でぶっ叩かれてる友人を見ながら、そう思うのでした。
ホント、どうしてこうなったんだろ…
--さて
話の本筋に行こう。ここはIS学園、みなさん知っての通り、今や世界規模でアレなことになってるISのことをお勉強する学校だ。説明がざっくばらんすぎるのは作者の知識のせいで俺のせいではないのであしからず。
なんでここに俺と織斑がいるのか…まあ簡単に説明するとさっきの回想の通り、織斑も俺もISを起動しちゃって何やかんやでこうなったのである。ISとはみなさん知っての通り女性にしか使えないSDガンダムみてーなやつのことである。似てない?そう…
まあそれを俺たち男子が動かしちゃったもんだから、世間は大騒然。MIBみたいな黒服が家に押し掛けてくるわ、俺たちは女の園に放り込まれるわ、友人は自己紹介で失敗し、ジェダイの騎士じみた姉にはたかれるわと散々だ。最後は関係ない?あそう。どうでもいいけどフォースまとってそうだよね、あの出席簿…
「まったく…またひと悶着あると面倒だ…佐丈、お前も先に自己紹介をやっておけ。まとめて殴るほうが効率がいいからな」
殴るの前提なんすね…だがその態度がいつまで続くかな?
「へい、わかりましたよ…」
織斑のときほどでないにしろ、女子の皆さんが期待を込めた目で俺を見てくる。織斑もまた、心配そうな目で俺を見てくる。フ…見ておけ織斑、角が立たず、丁寧な自己紹介というものを!
まず音楽プレーヤを置きます
スピーカ状態にします
録音したのを再生します
『
再生したのを確認したら、あとは寝るだけ
そう言って俺は再び机で寝た。そこかしこから「えぇ…」ていう声が聞こえてきたけど多分大丈夫だろう。フハハハハどうだ?この方法は丁寧に自己紹介することができ、かつその後すぐに堂々と寝ても誰にも文句を言われない画期的な…
「お前は会うたびに私を怒らせないと気が済まんのか!」スパアァァン
「ゲェーッ!?ヴェイダー卿!」
「私はフォースと共になどおらん!」ズッパァアン
「フィヨルドッ!?」
ば、バカな…今の自己紹介は完ぺきだったはず…
「佐丈、お前やっぱバカだろ?」
「うう…いやお前にだけは言われたくねーわ…なあフォースと共にあらんことをって言ったのヴェイダーさんだっけ?」
「あれハンソロじゃね?」
「えーいやハンソロじゃねーべ…」
「ヨーダだ!と言うかいい加減にしろ貴様らぁ!」
結局俺たちはその後も出席簿という名のフォースで殴られた
--視点変更
「いやあ、何もあんな怒ることねえよなあ…」
「いや、あれは千冬姉怒るのも無理ないって。流石にふざけすぎだろ」
「うーん…そうか、じゃあ次はゆ○くりで…」
「生声だから気に障ったとかじゃないからな?」
「え?そうなの?」
「ハア…」
ため息をつきながら、きょとんとした顔の晴明を見る。コイツは初めて会った時からこんな感じだ。
少しコイツとの話を俺こと、織斑一夏が話そうと思う。コイツに会ったのは確か中学の頃、クラス替えで隣の席になったのが初めてだ。でもその頃は話すことはなかった。なんだか、のらりくらりとしてよくわからないやつだし、何考えてるかわからないしで、正直近寄りがたかったしな。じゃあなんで仲良くなったのかって?別になんてことはない。話してみたら、馬が合ったっていうだけだ。
その日、そいつはいつになく真剣な表情で思い悩んでいるようだった。今まで見たことがないくらい険しい顔つきでいたんだ。俺は何か困っているんじゃないかと思って、何か相談に乗ろうと話しかけてみたんだ。そしたら…
(回想開始)
「…カマドウマって、いるだろ?」
「あ、ああ、いるな…」
「あれ、昔は釜戸にでてきたからカマドウマっていうらしいんだよ」
「なるほど、それで?」
「でも今、あいつらって便所に出るだろ?便所に出るなら"カマドウマ"じゃなくて"カワヤウマ"になるんじゃないか…?」
「お、おう…そうか…」
「……うん」
「……え?何?お前それをそんな真剣に悩んでたの?」
「え?いやそうだけど?織斑はどう思う?」
「いや知らねーよ!」
(回想終了)
てなことがあって、それ以来コイツ…晴明とはなんだかんだでよく話すようになった。何かどっかずれたやつなんだが、基本的にぼんやりとしていて、小さいことはあまり気にしない、おおらかな奴だ。今では晴明は、腹を割って話せる大事な友達なのだ。正直、コイツが俺と一緒にIS学園に来てくれたのは嬉しかった。女子の中に男子1人とか考えただけで凄くキツイ…
「でも今でも十分目立ってるけどな…」
そう言いながら、廊下の方を見る。そこにいるのは、
「女子、女子、女子…」
「騎士として恥ずかしくないのか!」
「騎士以外の発言は認めない。ていうか唐突にネタを振るなよ、びっくりするから…」
いきなり晴明に言われて、そんなお決まりのセリフを吐いてしまう。コイツのせいで俺も随分ネットスラングやらゲームネタやらに詳しくなってしまったもんだ
「でも確かにすごいよな…珍しいとは言われてたけど、ここまでとは…」
「ウーパールーパーになった気分だよな…」
「古いもん知ってんなお前も…ウーパールーパーて食えんのかな?」
「え…いや~爬虫類って軒並み鶏肉みたいっていうけどなあ」
「でも両生類だろアイツ」
「う~ん」
「ちょっといいか?」
死ぬほどどうでもいいことを考えていると、1人の女子が、俺に話しかけてきた。でも、その子は俺が良く知ってる人で…
「箒…?」
「え?いや箒じゃなくて両生類だって…」
「は?」
「いやその話はもういいから…ああそっか、晴明は初めてか。俺の小学校のときの幼馴染の箒だよ」
「…篠ノ之箒だ」
「…あーなるほど、佐丈っす、よろしく」
箒は相変わらず仏頂面だなあ…かわいいのにもったいないぞ?まあ晴明は全く気にしてないみたいだけど…
「…それで、その、私は一夏と話がしたいんだが、ここでは少しな…借りていいか?」
「え?ここじゃダメなのか?俺たち今話してるんだけど…」
「話…?」
「ウーパールーパーは食用になり得るか否かを…」
「それはどうしても今話さなくてはいけないことなのか!?」
「織斑、こういう時はとりあえず言う通りにしてもいいと思うぜ?」
「ん?そうか?」
「ああ、いってら」
そう言われ、俺は箒と一緒に教室を出たのだった。
--視点変更
(織斑も罪だねえ…)
幼馴染…とは言うものの、何だかあれはフラグが立ってる気配がするんだけどねえ…あいつ朴念仁に唐変木をブレンドしたような奴だしなあ…
あいつはモテる。それはもう下手なラブコメの主人公なんぞ嘲笑えるくらいにモテる。廊下で見ていた女の子たちだって、目的はほとんど織斑だ。現に織斑が教室を出てった途端、半分くらいの女子が自分の教室へと戻っていった。残っているのは織斑が戻ってくるのを待ってる人か、はたまたハナから俺が目的の物好きか…まあ、前者だろう。言ってて悲しくなるけど
「はあ~あ…たくリア充リア充…俺にも春は来ないもんかねえ」
そう思いながら、バッグからお菓子を取り出す。最後までチョコたっぷりのあれだ。あんな甘いものを見せられては、こちらも甘いものを食べなきゃやってられん
「……」ジィ~
「…あん?」
…しかし何やら女の子が見つめている。それもよだれを超たらしながら…ちょ、垂れてる!机にべったり垂れてきてる!
「…食べる?」
「食べる!!」
そう言うと同時に、その子は俺の差し出したお菓子をすごい勢いでかじりついた。俺の腕ごと持っていきそうな勢いである。
(ビーバーってこんな感じじゃなかったか?)
そう思いながら2本目を差し出すと、彼女はまだ1本目を口に入れたままで、2本目にかじりついてきた。何だか餌付けしているようである。
「…プリ○ツもあるけど食う?」
「わ~い!ありがとう、さーたん!!」
「そりゃまた、憤怒を司ってそうな名前だなー…」
「フン…?よくわからないけど、佐丈だからさーたんだよ!」
「ああそうなんだ…お前さんは?」
「本音だよ~よろしくね~」
「そっか~…ところで本音さん、プ○ッツはあげるんだけど…」
「ん~?」
「食べる前に一言ピカチューって言ってみてくんない?」
髪留め見てからもう気になって仕方なかった。何かそう言わせなきゃという使命感があった。自分で何を言ってるのかよくわからない
「ぴ~かちゅ~」
「よ~しありがとう。ご褒美だ」
「わーいわーい!」
その後も俺は本音さんにお菓子を与え続けた。段々俺も面白くなって
「3個か?3個欲しいのか?このいやしんぼめ」
「わーい!」
と最終的にはチョコラータごっこをする始末。結局それはチャイムが鳴るまで続いた。戻ってきた織斑がその光景を見るなり、「何、その…何?」と言ってきたのが印象的だった。
刺身にしてしょうゆ付ければいいのかな…?