「ねぇ、お兄さんお姉さん。ちょっと聞いていい?」
名探偵がテレビでよくやってる聞き方をしてくる。
正直なところ、あざと過ぎて気持ち悪い。僕が彼の中身が高校生の男子だって知っているからもあるんだろうけど、まるで、「小学生なんてニッコニコ笑って甘ったるい声を出して年上には媚びておけばいいだろ」とでも言わんばかりのひどい演技だ。よく今まで誰にも指摘されなかったな、こいつ。母親の演技力どこいった
「君、誰」
うわっ英士も眉間にしわを寄せて引いてるし、僕程じゃないだろうけど似たようなこと考えたな。完全に外面を剥がしてるし。返した言葉がめんどくさいどっか行けって気持ちがこもって疑問形ですらない
「僕は江戸川 コナン、小五郎のおじさんのお手伝いをしてるんだ!Aさんが倒れた時のことを教えて欲しいんだけど」
「え、断る」
返答早い、あまりの早さに名探偵も目を白黒させてるよ。僕だってそうするけど
「な、なんで?」
当然教えて貰えると思ってたのか驚きながら問いかける
「むしろなんで君に話さないと行けないわけ?警察の方にはもう話したし、聞きたいことがあるなら子どもを使いに出さず自分で聞きにくるのが筋でしょ」
名探偵くんはこんな事言われた事なかったのか少し狼狽えて、その間に英士がボクの腕を引いてその場から離れる
子どもに対して厳しいが正論で返していたが、ま、しょうがないよね!相手が本当に子どもなら少しくらいフォローしても良いけど、彼は正真正銘の17歳なんだから自分への言葉はちゃんと受け止めないと。
だいたい、ボクは名探偵のことが好きじゃない。どちらかといえば嫌いな方だ。出来がいいから甘やかされるのはしょうがないし、天狗になるのも周りの大人が頼り過ぎたのが悪いんだから仕方ない。けど自分の悪いところを自覚しないで調子に乗って今に至るのに、全く反省がないどころか新聞に載っちゃうんだから
現状の危険さを自覚しろよ
「探偵の名前、やっぱりこものじゃなくって小五郎って言うんだって。それにしてもなんなのあの子、あざと可愛くない」
『確かにこものじゃなくって小五郎だったなー、あそこでそんなこと気にするのはお前ぐらいだわ。そこに痺れる憧れない。しかし最後には合意だな。あの子どもはキッドキラーつって新聞にも載った有名な子なんだけど、個人的にはあのぐらいの塩対応で十分よ。小さい内からチヤホヤされるのはいい思い出になるけど、行動を批判されないとろくな大人にならないって言うし』
あんまり関わる気は無いけど優しくなんて絶対しない。ほとんどの人が名探偵のことを非難しないんだから、たまにはそう言う人も必要だろう。あと、単純にムカつくから
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事件は解決したらしい。犯人は老害の不倫の末に産まれ認知されなかった娘、動機は老害に捨てられ女手一つで自分のことを育てていたが過労で死んだ母親の復讐らしい
事件解決時はアニメよろしく名探偵に麻酔を打たれた迷惑探偵が解決した
今回は巻き込まれたとはいえ容疑者にはならなかったけど今後は注意していこう。さっきから名探偵がこっそりこちらを観察してるし、調べられた時に備え手を打っておこう
パーティー会場から自宅に帰宅した後に知り合いに電話する
『もしもし、千尋。ちょっと頼みがあるんだけど、何だったら依頼にしてもいい』
千尋は榊原探偵事務所で働いている事務員のネット犯罪者で、凄腕で証拠を一切残さない。ついでに言うと、極振りのピーキーなPCで
『もしもし、山口さん?取り敢えず教えて下さい。依頼にするかは内容次第ッスね』
『ボクの経歴とかの情報を警視庁公安部とかFBIとかが調べても清廉潔白でごく普通の一般人としか言えないようにしてくれ』
『それなら一括200万とかどうスか』
『この前の件、榊原さんに誤魔化しておいた貸しなんだか『50減らして150万ッス』オッケー!にしても値切りしたボクがいうのもなんだが本当にこんな安くていいのか?相場なんて知らないがこれが少ないことはわかる』
『いいんスよ別に。ほとんど趣味みたいなものっスし、オレも楽しんでやってんスから』
『そうか、ありがとな。おやすみ』
『おやすみなさいっス』
名探偵
初めてそんな風に断られてついチラ見(バレてる)してしまった
主人公
用心深い。事件解決のために黒か白かグレーな事も結構してる
事件の推理パートは無しです。
次回はPC紹介です