やって来た警察はD.Cでよく見る小太り警部とその部下sだ。迷惑探偵と鑑識さんの話を聞いていて、その足元でこっそり名探偵が聞き耳たてたりウロチョロしている・・・・・あっ見つかって追い出されて空手娘に捕まった
「ねぇ、彩。あの人誰?さっきから警察と話してるちょび髭の人、あと子ども」
『あれは巷で有名な探偵の、えっと三本の矢の毛利にえーあーっと・こ・こ・・こもの?とその居候』
「絶対にこものではないだろうけど彩が覚えてないならどうでもいい人って事だよね。それにしても最近の探偵は事件が起きたらその場で調査を始めるんだ。榊原さん達もあんな事してるのかな?」
榊原さん・・・僕の友人が作った真面目に探索する探偵探索者だ。徹夜のテンションやオールのノリや酒の勢いで作られた数々の「お前、生還する気ねーだろ」と言いたくなる技能値極振りなどのピーキーなPCがほとんどをしめる探偵が集まっている事務所《榊原探偵事務所》の社長で最年長かつ常識人な人
榊原探偵事務所に所属している探偵は、何故か受ける依頼が猫探しでもオカルト関係(クトゥルフ関係有り無し含め)に繋がっており一部界隈で霊能者だと勘違いされている霊能探偵,座右の銘は“筋肉は正義”で筋肉こそが至高であると本気で思っている筋肉至上主義者の脳筋武闘派探偵,基本的に陰が薄い上に某バスケ漫画の主人公や新型ばりに隠れるのが得意でそれを活用して情報を仕入れる隠密探偵,読心術()で心を読んだりその機敏で犯人を見つける心理学探偵,ありとあらゆる人物に二代目怪盗やハリウッド女優レベルに変装し潜入する探偵二十面相etcその上、事務員としてネット犯罪者が働いている
全員が全員、違う方向にキャラが濃いし譲らないし妥協しないし必然的に全しわ寄せが榊原さんのところにいっているから常に胃痛を抱えた苦労人で僕はいつも頭が上がらない
『ないだろ、絶対あいつらにそんな事出来ないって。まず現場に入れてもらえないから。唯一入れそうな榊原さんだって素行調査なんかが専門だし。
でも英士、あそこの探偵どもの行動は世間一般で思われてる探偵の行動ではないから』
この世界では
「へぇ、あれも普通じゃないんだ。探偵っていうのは9割5分は変わり者なのかな」
そういうわけでもねぇよ
「そちらの方々、少しよろしいですか?」
小太り警部が話しかけてきた。まぁ応急処置したんだから話を聞かれるのは分かっていたし事前に対応は英士に任せておいた。コミュ症でも立場は分かってるからバカなことは言わないし、このパーティーの招待客は英士だったんだから
「ええ、どうぞ」
「私は警視庁捜査一課の目暮です。あなた方がA氏の応急処置を行った方ですね。あなた方のおかげでA氏は助かったと先程連絡が入りました」
「そうですか、それは良かったです」
助かったのか、老害。まぁボクが応急処置したんだから助かって貰わないと困る
「それはそうと、あなた方の名前を伺いたいのですが」
「事情聴取と言うやつですか。あぁ、分かってますよ、必要なことなんですよね。僕は霜出 英士と言います、プログラマーをしており本日はそのつてで招待されました。こちらは僕の友人の山口 彩さんです」
『どうも、山口 彩です。作家をしています』
「霜出さんに山口さんですね。A氏が倒れた時のご様子と応急処置をした際について教えてください」
「えっと、僕はパーティー中は彩さんと行動していたのですが近くでワインを飲んでいたA氏が突然呻きながら倒れて、慌てて駆け寄ったんです。専門家では有りませんが僕は少々医学の心得があり、彼が倒れだのは毒、それも青酸カリを呑んでしまったのかと思ったんです。その後、僕の発言を聞いた彩さんが従業員の女性に大量の牛乳を取ってくるよう頼みそれを飲ませることで胃の中まで青酸カリを吐き出させました。これくらいですかね」
「なるほど、ご協力感謝します」
英士の当たり障りない説明に納得し最後に軽く会釈して小太り警部は離れていった。
相変わらず英士の外面はすごい。無表情で淡々と答えるから若干怖いが、育ちの良さと見た目でプラマイプラスになっている。それにしても、やっぱり英士にさん付けされるの気持ち悪いな、鳥肌立った
そして、やっぱりヤツがやってきた
「ねぇ、お兄さんお姉さん。ちょっと聞いていい?」
《榊原探偵事務所》
優秀だがキャラが濃く、その才能も一方向に片寄っている探偵が多い
それを利用しあらゆるエキスパートを兼ね揃えておりどんな依頼も達成率100%であることをうりにしているが、解決するまでの道のりで依頼人を疲労困憊の頭痛,胃痛でやつれさせることが多々ある
なお事務所のマスコットキャラクターとして対人,対猫が得意な血統書と荒事ならドンとこいな元野良のダブルスニャンコ探偵(非公認)が飼われている