いあ!いあ!ダイスノメガミー   作:綾南

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第7話

 

「じ、尋問?なんスかそれ。穏やかじゃないッスよ」

 

「そっそうだよ、さっきからどうしたのさ」

 

『別にどうもしてないよ、ボクは。前から英士がボクに隠し事してたのは知っていたけどボクには関係なさそうだったから無視してたんだけどさ。それが2人の共通の秘密で、今回の件にも関係してそうじゃ無視できないよな。・・・今正直に話したら何もしないぞ、ゲロっちまえ』

 

別に話さなくても聞き出すんだから何もしないがわざと悪どい笑みを作って言う

確かに事件自体は原作と変わらずこっちの犯人は捕まったし、ゲームの中も切り裂きジャックを捕まえて生還してたけど、こいつらの言動にはおかしな所がありこういう違和感は大概当たってるのが経験則だ

別に無理に聞き出す必要はなかったけどこいつらさっきから誰かに聞いて欲しそうにソワソワしてるし、悪いことした時以外すぐ顔にでる千尋どころか無愛想で表情筋が仕事放棄してる英士までこんなにわかりやすく出てるんだから聞いてやる

 

『英士はノアズ・アークをどうにかするよう頼まれて、出来なかったんだよな?』

 

「うん。流石人工頭脳だった」

 

『はい、違和感その1。英士は自分で気づいてないかもしれないけど、お前って自分がプログラミングしたモノに対しての自信が凄いからな。自分を天才だって自負してるぶん相当に。それをいきなりハッキングされてメチャクチャにされて黙ってられないし、例え自分で取り返さなくても会場に帰ってきた時みたいな雰囲気じゃない。絶対にとんでもなく不機嫌』

 

「うぐぅ」

 

英士が思わず変な声出した。やっぱり知って欲しかったんだろう。ノリが軽くて心なしか楽しそう

 

『次に千尋、確か部外者だって追い出されてスゴスゴ帰ってきたっけ』

 

「別にスゴスゴ帰ってきた訳ではないッスよ!追い出されましたが」

 

『違和感その2ー。お前みたいな趣味で国家機密を覗き見するハッカーが自分が製作の手伝いをしたゲームをハッキングしたヤツをその程度の理由で諦める訳ないだろ「この天才であるオレがお手伝いしたゲームをハッキングなんてなかなかやるッスね!それなりに骨は有りそうッスし、少しだけ遊んでやります‼︎」って感じてノアズ・アークを解体しきるまでやるだろ。あそこ程度の事務員なんかでお前を抑えられたら榊原さんは苦労してない』

 

「全体的に返す言葉がないッス」

 

『そんでもって違和感その3。お前ら4年くらい前に天才小学生って騒がれてたヒロキ・サワダと仲良くしてたよな、だったらその小学生が作ったノアズ・アークの事知ってたんじゃないか?そうなると小学生が自殺してから2年間のノアズ・アークの行方に繋がりが見える』

 

『以上の違和感1,2,3をもってお前らはノアズ・アークの共犯者だと仮定する。ボクはこんな風に考えてるんだけど、どうかな?結局こじつけだし否定されたらそこまでで証明しようがないんだが』

 

原作も関係なく推理にもなっていないが自信はある

 

「正解だよ。僕らも誤魔化せる気は無かったけど、よく4年前の事なんて憶えてたね」

 

『なめんなよ。英士のこと忘れる訳ないだろ、ボクらは‘心からの友’と書いて心友だからな。小学生の頃だって鮮明に思い出せる。千尋はそこ繋がりで思い出した』

 

「オレはついでッスか⁉︎」

 

「うんごめんね彩別になめてなんかないよ僕だって憶えてるよ彩が小学生の頃僕達は‘心からの友’と書いて心友だもんね」

 

「こっちは怖い!友情が重い‼︎」

 

『で、詳しい事は教えてくんないの?』

 

「今から説明するよ。始まりは僕がマサチューセッツ工科大学のとある教授にヒロキくんを紹介された事なんだ。アメリカにいた時お世話になった人でさ、「少し話してみないか」って言われて、そしたら凄く話があって僕の友達の千尋も誘って3人でアイデアを出し合ったりしてて、凄く楽しくって歳の差はあったけど友達だったんだ。そしたら2年前、お別れのメッセージが届いた次の日に自殺して、僕らが2人でどういう事なのか戸惑っていたらヒロキくんのパソコンの履歴からノアズ・アークがやってきた。事の顛末を聞いた僕らはノアズ・アークを僕らのパソコンの中で庇いながらヒロキくんが自殺した原因であるトマス・シンドラーを失脚させる為に黒目のネタを探して、シンドラーからゲームのプログラミング依頼がきた時にこれを利用してノアズ・アークが考えてた【日本のリセット】も果たしちゃおうって事になったんだ。ゲームには最初からノアズ・アークがくることを想定して作ったり。・・・動機はネタとして上がっていたものだけど、まさかあんな事で殺人を犯すなんて予想外だったなぁ」

 

『そうか。気は済んだのか、ヒロキ・サワダのこと』

 

「うん、まぁ自己満足だったし」

 

「そッスね、こっちが用意したのより酷い目にあったみたいッスし」

 

ほとんど想像どおりだったが思ってたよりいろいろしてた。まぁ千尋はそこらへんは普通の感性してるし、英士は数少ない友達に対する情が深いから。むしろトマス・シンドラーを殺しにいってないだけマシか

 

取り敢えず、初めて関わった劇場版は基本平和的に解決された


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