オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版) 作:ぐにょり
大型の昇降機に乗り、じっと待つ。
完全閉鎖型ではない為、最下層に到達するまでの間に、各階の様子を確認する事ができる。
機密と使いやすさを兼ね備えた半端な位置に配置された格納庫には、無数のヘキサギアが、そしてそれを統括する半機械アギト化したヘキサギアが犇めき合う。
ここに居るヘキサギアだけでも一国を制するには十分すぎるのではないか、と錯覚できるほどだ。
最も、それは仮面ライダーを始めとする秩序側の守護者をどうにかできればという話ではあるのだが。
それを抜きにしても、大型トラック程もある機械の獣がずらりと並ぶ光景は非常に壮観であると言える。
と、言っても、そう見栄えのするフロアばかりではない。
モーフィングパワーに頼らない現地資源を採集する為のブロックは、崩落防止の為に度々デッキの技術を応用したアーメタル製の枠が張り巡らされ、遠目にはまるで歪な蜂の巣のようにも見える。
ここいらの技術は俺もそれほど真面目に学ばなかったし、神崎士郎に研究させた訳でもないので手探りだ。
速度、という点で見れば、俺がモーフィングパワーでざっと周囲の分子を分解して加工しやすいインゴットにでもしてしまえばいいのだろうが、完全自動化を目指す実験場でもあるのでそれは無し。
だが、発展途上試行錯誤中ではあるものの、これはそれなりの成果を上げていると言っていいだろう。
ヘキサギア含む作業機械も、強度の必要な部分はアーメタル製にするのが今の主流だが、それ以外の細やかなパーツなどは現地調達した資源だけで製造が可能だ。
なんとなれば、スマートブレインが開発しているような戦闘補助可能な可変バイク、あれらよりはマシなものが、アーメタルを使わずとも作れる程度にはなっている。
現に、採掘場で稼働している機械は大半がそれだ。
破損したマシンは監視の為に配置した純正ヘキサギアが回収し、順次修復を行う。
多少のロスはあれども、基本的には殆ど手をかけずに着々と資源の貯蓄が進んでいる。
殆ど、という部分が問題なのだが……。
どちらにせよ、何者かに製造ラインや発掘現場、この基地自体を乗っ取られない為に定期的に見回りは必要になる。
昇降機が止まる。
最下層まで一直線、とは行かないのは防犯の為だ。
広めに作った通路には以前に作っていたパラポーン・センチネルをブラッシュアップし、拡張性と量産性を向上させた新型、ジェスターを試験的に警備として採用している。
無論、旧式と言えど再設計を繰り返したセンチネルも多い。
万一ジェスターに不具合が起きても警備に問題は無いだろう。
そして、廊下にはお決まりの防衛装置、無数のレーザー発振器が取り付けられている。
侵入者をサイコロステーキにしてくれる凄いやつだ。
通路の所々に設置してある強化ガラス製の覗き窓を見れば、実験中の幾つかの検体がずらりと並べられている。
ライダーバトルの中で技術が完全に確立したヘキサギアだが、相手取る種族や組織の多さ、強靭さを考えればまだまだ力不足と言っていい。
一部は俺が直々に水子の魂の欠片から育てた魂を用いて使徒再生アギト化したが、それにしたって限度はある。
戦力を増やす為の手段は幾つ考えても十分と言えるものではない。
例えば、最近では、襲いかかってきたオルフェノクも即座に抹殺する事は少なくなった。
オルフェノクも殺し慣れ、内部に何かしらの機械や他のオルフェノクの力により異物を組み込まれたものなどは見分けが付く。
そういったものを除外し、外部への情報発信、オルフェノクとしての戦闘に必要な肉体的部位を切除していく。
それを繰り返すと、最後に残るのはオルフェノクの因子になる。
オルフェノクに関わる要素で最小単位と言えば、人間をオルフェノクへと変化させるオルフェノクの因子だが、必要なのはそれではない。
これがあっても人間が確実にオルフェノクになる訳ではない。
そして、オルフェノクの因子自体にはアギトの力ほどの出力はない。
オルフェノクとしての異能、肉体変化、強化、武器生成能力、一種の超能力。
それらを行使する為の、オルフェノクとして成立する最小構造を残す。
無論、人格はこの時不要なものとなるのでまっさきに切除させてもらう。
作りたいのは戦力であって仮面ライダーではないのだ。
脳、というか、人格や理性がオルフェノクとしての力の行使に必ずしも必要ではない事は、人類が滅びかける世界線で既に証明する個体が存在していることから明らかだ。
脳味噌は自然界が作り上げたスーパーコンピューターだが、人類には未知の部分も多い。
完全制御が効かないというのであれば、はなっから全てこそぎ出して一から作り上げてやるべきなのである。
使い方がわからなければPCが漬物石と変わらない様に、脳味噌とてただのタンパク質の塊に過ぎないのだ。
自発的な意思決定、生物的本能まで全て切り落とし、最後に残るのは、オルフェノク特有の生体器官の塊だ。
ここまで来ると、逆に人間態に戻ってただの肉塊になるという事も無い。
恐らく警視庁でオルフェノクを研究している連中もここまでは到達している。
結局は完全に自由に制御できるAIを製造できないので人間の要素として頭脳は残しているだろうが。
この状態だと、明らかに人間の中にある筈のない幾つかの奇妙な臓器も見つかるのだが、肝はやっぱり心臓だろう。
使徒再生オルフェノクの場合は一度心臓を破壊される訳だが、オリジナルもまた、一度死んでいるという意味では心臓の停止から再生を経験していると言っていい。
人間からオルフェノクへの変化は常に心臓を起点として行われている、というわけだ。
そして、幾つかのオルフェノクの心臓を検分してみた結果なのだが。
これが実に、アギトの力とよく似た性質を備えている。
いや、より正確に言えば、テオスから生まれた天使に非常に近い。
まぁアギトもマラークも、というよりエルも近似種と言えばそうなのだが。
元となる力が近い為か、肉体を作り変える手順が非常に似通っている。
では、なぜアギトは寿命の問題が存在せず、オルフェノクは短命なのか。
これは比較対象を間違えているからとしか言えない。
オルフェノクの比較として並べるべきなのは、アギトではなくギルスなのだ。
難波さんや葦原さんのような大隔世遺伝でギルスになったレアケースは除外するとして、古来のギルスは本来、人間と光のテオス、火のエルの交雑種だ。
本来、ギリギリ子供ができる程度に遠い種族同士の交雑種には生物的欠陥が発現しやすい。
ヒョウとライオンの交雑種であるレオポンなどがその良い例だろう。
アギトの様に、いわゆる不思議パワーにより存在ごと作り変えられたのでなければ、この様に問題が有る生物になるのが自然なのである。
翻って、オルフェノクは如何なる起源を持つのか。
俺は所謂、眷属とも呼べる動物を媒介にした人類全体に対するマラーク達の大規模呪術の類なのではないか、と見ているが、そればかりとも限らない。
なんとなれば、将来的に人類を自然に滅亡させるため、自分たちの因子を紛れ込ませる目的で人類と交配したマラークが居るのではないか?
ギルスが数回の変身毎に全身から老化ガチャを引かされる即死くじ形式であるのに対し、オルフェノクの生物的欠陥が短命というのも、マラークによる意図的な改造であると見れば筋が通る。
部分的な老化による変死などが起きれば人類も即座に対応するだろうが、寿命の長短となると長期的に観測しなければそうそう発覚する事ではない。
この欠陥が見つかる前に、野心的なオルフェノクが、人類をより優れた種族であるオルフェノクにしてしまおう、と目論見、それが成功したとしたら?
人間へのマラークからの悪意による改造であるという根拠として、ギルスとオルフェノクの覚醒経緯の違いも上げられる。
ギルスは何らかの事故で覚醒するのでなければ、恐らくは生まれた時からそういう生命として生まれるだろう。
だが。
オルフェノクは必ず、人間として生まれてくる。
古代から脈々と受け継がれた因子、それに、マラークの眷属を食らう、殺し続ける事でマーキングが蓄積され、死をトリガーとしてオルフェノクへと作り変える。
或いは、わかりやすく、使徒再生により
わかるだろうか。
一つの生物として生まれてくるギルスと、外部からの力による変異のアギト、この二つを合わせた変化なのだ。
人間に潜ませ、確率で発現するオルフェノクの因子を、蓄積したマーキングか、オルフェノクとしての繁殖本能とも呼べるものを持つ、マラークのプログラミングした本能に従う生き物からの刺激により、発現させる。
類似した二段階肉体改造として、俺の知る、ベルトを追加しなかった世界線の葦原涼がこれに該当する。
ギルスの力によって死にかけていた葦原涼に、外部からアギトの力を投与して存在を作り変える事で、生来持っていた生物的欠陥を削除する事に成功したのがこれだ。
オルフェノクの発生は、この生存を目指して行われた外部からのアギトの力の投与の代わりに、悪意を持ってマラークの力が投与される、という形になる。
時限式か、外部からのスイッチ式かの違いでしかない。
時限式、オリジナルの方が力が強いのは、限界までマラークの呪い、因子を溜め込んでいるからではないか、というのが俺の仮説なのだが……。
ここで、一つの珍しい例を紹介しなければなるまい。
グロンギの戦士、ズ・グジル・ギ。
これは、前述の外部からのスイッチ式の覚醒を、マラークの力でなく、アギトの力で行った珍しい例である。
実際、精神の分裂というイレギュラーもあってか、本来オルフェノクが持つ短命という欠点はほぼ解消されていると見てよく、誕生したのは使徒再生オルフェノクではなく、使徒再生アギトとでも言うべきもの。
性能面で見ても、明らかにオルフェノクとは一線を画する力を持つ。
当然だ。
アギトの基本的な異能を備えている、という一点だけで見ても、そんじょそこらのオリジナルオルフェノクを上回っている。
外部改造が最終的に本人を殺す、或いは人間的要素を廃するためのものであるオルフェノクの使徒再生とは異なり、アギトの力による改変だ。
それは否応なく火のエル、光のテオスの意思による改変になる。
人間を活かすための力だ。
なるほど、アギトとしてみれば、ベルトの補助無しでは継戦能力に問題の有るアギトでしか無かったが、それは力が人格分に分割されていたからでしかなく、オルフェノクと比べれば遥かに卓越した能力を持つ。
ジルとグジルは使徒再生アギトであると同時に、エクシードオルフェノクでもあった、という訳だ。
話を戻そう。
現状、ヘキサギアを魂あり、半機械アギトにする為のベースには、病院で破棄されていた水子を即席で魔石の戦士化により蘇生して回収した魂を使用している。
が、これは供給に限界があり、無断で回収している以上、続けていけば必ず何処かで発覚して問題になる。
そこで、オルフェノクである。
無論、そこいらで平和に生活している人間の中に隠れ潜むオルフェノクを標的にするつもりは無い。
敵として人類に牙をむくオルフェノクを捕獲し、これから人格その他を剥奪、アギト化してヘキサギアに組み込む。
回収したゴミを燃料として稼働、再びゴミを集める掃除機と考えれば、これほどエコロジーな兵器は存在しないだろう。
実際、捕らえたオルフェノクをヘキサギア化する実験までは成功している。
制御の方も万全で、通常使用には問題ない。
現在は、これらアギト化ヘキサギアを、そのまま
アギトの力は時間経過と経験により強化、増幅される。
つまり、最低限アギトとして活動するのに必要なエネルギーの倍にまで膨れ上がったなら、その時点で更にそのアギトの力を分割する事で、元手無しで半機械アギト──ゾイドを増やす事が可能になってくるのだ。
増やす、という点で見ても、自己と同一の存在を増やそうとするオルフェノクの性質は都合が良い。
マラークの組み込んだ、人類を滅ぼす為に仲間を増やす、というプログラムをそのまま流用できるのだから、ありがたい話だ。
そして、マラークの力と比べてアギトの力は肥大化するまでの速度が段違いに高い。
仮に、オルフェノクの内部にあるマラークの因子が元で暴走を始めても、増幅されたアギトの力を俺が吸い上げてしまえば問題はない。
闇のテオスと異なり、俺はアギトの力をそのまま高めた、いわば火のエルに近い性質を持つ為、取り込んだ力で苦しむ事も無く、アギトの力を失った反逆ヘキサギアは即座に鎮圧が可能。
しかるのち、回収したアギトの力は他のヘキサギアに搭載すれば全て元通り。
なんならそのままアギトの力は自分のものにしてしまっても良い。
アギトの力の人工的な増殖、培養。
これが現在のテーマである。
限りなく成功例に近いものを挙げていこう。
実験室の一つを覗く。
オルフェノクの使徒再生アギトを組み込まれた、半機械アギト、ヘキサギアのコアブロックが拘束されている。
手足、武装、通信装置など全てを奪われたそれの周囲を、顔全体を金属製のマスクで覆った筋骨隆々の大男……に見える、パラポーン・エクスパンダーが取り囲む。
本来灰から薄い紫に見える肌色のエクスパンダーの体表はグランメイルに覆われ黒く、更に動作を阻害しない程度にアーメタル製の装甲で覆っている。
アギトの力が進化する過程で手足や武装が生えてきた時の鎮圧要員だ。
更にそこから少し離れて、金と茶の装甲に身を包んだミラーワールド製ライダーが、杖型デバイスに一枚のカードを装填。
『タイムベント』
独特な電子音声で告げられたのは、忌々しい思い出のカードの名前。
だが、名前こそ同一ではあるが、これはかつてのライダーバトルで使われたものとは異なる効果を発揮する。
世界自体の時を巻き戻すかつてのタイムベントと比べて、自然の摂理にそれほど反さず、なおかつ効果対象を限定したこのタイムベントの効果は時間の加速だ。
例えばこれを自分に掛ければ、擬似的にクロックアップシステムと同じ状態を再現できる。
だが、この実験棟での使い方は勿論異なる。
ばちばちばち、と、拘束されたヘキサギアのコアパーツが放電現象を見せる。
無論これはタイムベントの効果でもなければコアパーツ内部のアギトの独自能力でもない。
もともと、拘束するにあたって、一定時間ごとに死なない程度の高圧電流が流れ、コアパーツに負荷を与える構造にしてあるのだ。
一時間に一度の高圧電流、これが一日で24回。
実験用タイムベントを使用した場合、実に8760回の高圧電流が外部時間にして一分で流れる計算になる。
無論、人間的な要素である脳髄の類は無いので睡眠不足という概念は存在しないのだが、それでもコアパーツにとって、二十四時間休む間も無く電流を流され、それが一年続く訳だ。
適応する為に、生存の為に、アギトの力は加速度的に増幅する。
これまでの実験結果では、早いものでタイムベント一枚、遅くとも五枚も消費する頃にはアギトの力が分割可能なサイズになる。
無論、このタイムベントの時間加速を一年という短さに設定したのも訳がある。
ご存知、寿命問題だ。
アギト化した事で短命からは解放された訳だが、それにしたって限界はある。
もともと、アギトにもオルフェノクにも肉体的損傷を効果的に修復する機能は存在しない。
超能力という分野において、肉体を再生させる力、ヒーリングは極めて希少な力なのだ。
人間並みの寿命こそあるものの、再生能力は無いアギトに、二十四時間一時間ごとに高圧電流を流し続ける。
仮に旧時代の魔石の戦士だったとしたら、タイムベント一枚で制御可能かはともかく、タイムベント一枚で間違いなくアルティメットかその一歩手前までは到達するだろう。
幾ら人知を超えた頑強さを持つとしても、再生能力も持たない種族であれば、確実に寿命を縮める負担だ。
無限に進化する超越生命であるアギトではあるが、その反面、死ぬ時はあっさり死んでしまう。
これで、脳味噌なりなんなり、生きる意思があればそれに引きずられて生存率は上がるだろうが……。
暴走、脱走の危険を考えれば、生存率の低下は安い問題だ。
この形式の一番の問題点は、失敗した場合培養元すら失われてしまう点。
更に言えば、負荷をかける肉体が必要である為、培養元はアギト化したオルフェノクの最小単位を残した、半生体ユニット状態でなければならないという点。
分裂させたアギトの力は純粋なアギトの力である為、そこから新たに培養する事が現状では難しいという点だろうか。
株分けしたアギトの力を半ミラモン状態のヘキサギアに搭載して同様の負荷をかけても、進化するより先に消滅してしまうのは、人間ベースの肉体とミラモンベースの肉体の助長製の違いによるものだろう。
これは今後の研究で解消される可能性が無い訳ではない。
が、人類に敵対的なオルフェノクが存在する間は供給元に困る事も無いし、健康なオルフェノクであれば大事に使えば20回程度は株分けできる。
先延ばしにして良い課題では無いが、無理に急いで結果を求める必要がある訳でもないだろう。
現時点で最大の供給源は水子の霊を使用したものだが……。
これは元の量が多いからこそ、というのもあるし、今後は余程の事が無い限り取りに行く事も無いのでカウントしない。
今の所、バラバラになった死体をモーフィングパワーで質量を水増しして誤魔化しては居るが何時バレるかわからないし、バレたらバレたで怪事件として追われる可能性があるからだ。
もちろん此方の水子霊ベースでの培養も試みては居るが……。
オルフェノクの因子を覚醒させたものと異なり、純粋な人間ベースのアギトは覚醒までに必要なタイムベントの枚数が多い。
また、アギト化しているとはいえ、オルフェノクベースのものと比べて半生体ユニット化した時の耐久力にも問題があり、現状の培養環境では培養失敗し増える数よりも減る数の方が多くなってしまうという欠点もある。
最後に、これが将来的に一番期待が持てる研究。
魔化魍ベースのヘキサギアだ。
これは当然人間要素を持たない為にアギト化などはできない訳だが、純粋機械でなくする事ができ、なおかつ穢を溜め込む事でアギトほどではないが進化、強化が可能という点で良い。
なおかつ、自然界と人間が存在する以上は無限湧きする魔化魍ならば供給源には困らず、これまでのアギト培養よりは遥かに人道に反しない。
ショッキングな映像しか続かないここまでのアギト培養実験に比べると世間的にも公表しやすいというのは利点だろう。
これに成功すれば将来的に警察に半妖怪型ヘキサギアを卸す事も可能になるかもしれない。
そうすれば父さんやその同僚の身の安全は確固たるものになるし、それに守られる市民、俺の友人知人などの安全性も最終的には上がる、という訳だ。
最も、将来的に期待が持てる、というだけで、現状最も進んでいない研究の一つでもある。
アギトの力で焼き尽くす事こそできるが、穢を如何にして供給するか、制御するための方法、力の源の最小単位など、わからないことだらけで手探りも良いところだ。
洋館の男女、それを使役する謎の男女などの存在から考えて、ある程度制御する技術は存在する筈なのだが……。
陰陽術がこれらの鍵となる可能性がとても高いので、近い内にいつぞやのジルが失礼を働いた鬼の人を経由して猛士と接触を取りたいところではある。
また、単純に魔化魍や鬼の技術を採用するのであれば、何も猛士に執着する必要もそう無い。
それこそ呪術などを学ぶというのであれば、現在は猛士を追放された元鬼の人で所在がはっきりと割れている人も居る。
此方は未だもって鬼の力に固執しているところがあるので、肉体面での不備を取り除いて、鬼の力を取り戻すまでの代用品を用意すれば技術を学ぶ事も難しくはないのではないだろうか。
と、そんな実験棟を抜ければ、一応の最下層。
ここより下は、マントルに近い為に発生する熱を使用した発電施設だ。
将来的に半機械アギト化に成功した個体に魔石のベルトを搭載し、ここから供給される電力を用いてさらなる進化を促したりするのにも使う予定のものだ。
現状ではアギトの力を増す為の拷問装置と昇降機やその他採掘資源を加工する機械の動力にしか使われていないが。
ここは、とても単純に、頑丈さだけを追求した小さめの実験室になっている。
少し前は、現状持ちうる力を全て注ぎ込んだ最強の機獣軍団の秘密格納庫だったのだが……。
ミラーワールドでの実験の結果、デスザウラー級の機体は今の地球で扱うには少し危険度が高いという結果が出たので、ミラーワールドに放牧しているものを除いて全て解体してしまった。
これら技術はジルとグジル、難波さんの契約モンスターに流用する事で無駄にはならなかったが……。
やはり、この世界の戦闘規模はどこまで行っても人間サイズから飛び出る事は無い。
そして、周辺被害を考慮するのであれば、必要なのは純粋火力ではなく、各種敵性種族へのアンチシステムへと収束する。
渋谷地下から回収したゼクターの研究資料。
これの研究も、ゆっくりとだが進んでいる。
ネイティブに無条件で適合する、という問題点を解決するのに時間がかかるが、これさえ突破できればワームへの対策もネイティブへの対策もそう問題にはならなくなるだろう。
グロンギは滅び、テオスは姿を隠し、ミラーワールドは制圧した。
あと六年。
まずは、この六年を乗り切り、その後の破壊者に備えさせて貰う事にしよう。
アギトのAZITO
そんな回
☆良いことと悪いことのバランスを取り中立に居続ける怪しい男
師匠「最近、地下から何かが鳴動する音が聞こえる」
怪しい男「それは地下に建設した俺の秘密基地に何か問題があるとでも!? 心外です!」
師匠「なるほど」
怪しい男「都市破壊級の機体は全部実験を終えたので、もうそんなに音はしない筈です!嘘じゃありません!」
師匠「そうかそうか」
この後めちゃくちゃ鉄拳制裁を食らった
怪しい男も地下の秘密基地に関して話してなかった事を思い出したので鉄拳は甘んじて受け入れたが痛い
☆通常の人間では察知できないアギト達の魂の絶叫とも呼べるものを感じ取った師匠
物理的な振動はこいつのせいだが、そうか、ではこれは……魔化魍だな(ニアミス)
地下構造体のせいで地脈とか乱れてるのでたぶん赤心寺周辺で魔化魍が増えてる
師匠と言えど全ての事を見通せる訳ではないし、見通したとしても実験体が人殺しの怪物であると聴けば一旦は収まるんじゃないかなって
☆実験体の皆様
そのうち良い個体が見事覚醒して鼓動が雷鳴を繰り返した結果
二十二号―!って叫びながら巨大なアギトの力の変異体である龍に乗って
今宵はあの
でもこの役目に適合しそうなオルフェノクさんは存在しないからマハリもしなければガナシャりもできないのだ
リオみたいな心優しくてなおかつ種族としての本能を否定しない、みたいなのはオルフェノクだと成立しないしね、命を大事にできないから……
最初に脳味噌をえぐり出すとこから始まるからここからライダーが発生したりもしない悲しみ
☆ヒロイン三人の契約モンスター
最初はスニークサイトとかを使って鳥と戯れるヒロインを書いたりしようとも思ったんだけども
色々あって、というか
護衛としての要素を考えるなら強い個体にするのは当然だよね?
ヘキサギアがアギトの力で半生体になってゾイドになるから……
という点から色々と候補が増えた
二体は確定してるけど、どういう配分にするかは決まっていない
難波さんにデッドリーコングが相棒として与えられる展開も一瞬考えたけど流石にあれなので無し
ヒロインに相応しい相棒ゾイドを贈ろう!(未定)
/0が一番好きでした
考えれば考えるほど実戦とか戦争でない試合形式が好きなんだなって思う
師匠にもんくを言われて赤心寺地下の秘密施設で異音の正体を見つけるつもりがただの巡視になってしまい、最終的に地表近くに防音材を敷き詰める緊急措置がなされるだけの話し
筆に迷ってる間に一話完成しただけともいう
前の話しでただのただれたバレンタインと原作キャラ救済をしてしまったので打ち消し回
次回こそお姉さん回を書きたい
時期的にお姉さんをファンガイアから救う話しは済ませた後という時系列になると思う
同じ敵をもう一度倒す描写入れるのは二度手間だしね
まぁ当然予定は未定なので次回がどうなるかは次回をお待ちくだされば
そういう一つの次話に無限の未来しか無いSSですので、それでもよろしければ次回も気長にお待ち下さい