オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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73 それぞれの道へ

「あー」

 

そう、そうそうそう。

そういう感じで、ライダーバトルには決着が付いたんだっけ。

思い出した思い出した。

何しろ、決着は付いたけど、その後の神崎士郎からの技術収集でそれなりに長々と時間を使ってしまったからなぁ。

幾ら処理速度が上がったとはいえ、記憶に混乱が出るのも仕方がない事だろう。

 

紆余曲折を経て完成したデッキ。

以前より格段に定着したテオスの力の断片。

鏡の中でテーブルに顎を乗せて鏡越しにこちらを凝視するロードインパルス。

 

これらの存在こそがあのライダーバトルの日々が未来視でも偽記憶でも無いなによりの証だ。

だが、一つ疑問がある。

最終的に時間を巻き戻し、ライダーバトルは無くなった。

だがこうしてロードインパルスが待機しているとおり、ミラーワールドは健在と言っていい。

では、未だにミラーワールドには人を襲うミラーモンスターが存在しているのではないだろうか。

 

流石に、それを確認せずに、疑似ライダー陽炎から何処にでも居る一般受験生に戻るわけにもいくまい。

少し出かけよう。

まずは、先方にお渡しするお土産を買いに行かなければ。

 

―――――――――――――――――――

 

2月の初頭。

未確認生命体関連事件合同捜査本部。

昨年のアンノウンによる大規模襲撃の後処理を終え、散発的に起こる白い未確認との戦いを終えて報告書を書きに戻ってきた一条薫。

装甲服部隊の復旧と共に未確認生命体関連の専門部署が設立されるのではないか、という話とは裏腹に、未だ解散されない捜査本部の設置された会議室の扉を開けると。

 

「うぉっ」

 

扉のすぐ横で壁に凭れ掛かる二十二号の姿に、普段は出ない様な声と共に一歩退いた。

先の大規模襲撃における貢献、いや、巨大化を含む幾つもの現象を思い出し、言葉を紡ぎあぐねていると、二十二号が口元に手を当ててクスクスと笑う。

 

「地味なリアクション、ありがとうございます。そういうとこ、良いモテポイントだと思いますよ」

 

あいも変わらない、少年から大人になる半ばの声。

しかし、以前にまともに話した時よりも幾分か軽くなった口調に戸惑いつつも、咳払いと共に、最初に言うべき言葉を捻り出す。

 

「……生きていたのか」

 

「それは勿論。こうして日常生活にも不便無い形に戻れましたしね」

 

最後に公的に確認された姿は、あのアンノウンの支配者と思しき青年の変化した巨人とぶつかり合う姿だ。

その後も、神話もかくやという戦いの後にその姿が確認される事が無かったため、一部では死亡説すら囁かれていた。

それがこうして堂々と姿を表したのだから、一条ならずとも驚きもするだろう。

まして、仮にも協力関係にあるとは言えない警察の中でとなればなおさらだ。

 

「それにしても」

 

声を上げたのは、会議室にある椅子の一つに座りふんぞり返っていた、対策班の一つでもあるG3ユニットの主任である小沢澄子だ。

 

「一体どういう風の吹き回しかしら、いきなり現れて、あんな事を聞いてきて」

 

「あんな事とは?」

 

一条の問いに、生え際の後退が進んだ中年の刑事、杉田が答えた。

 

「ほら、前に言ってたろう。お前が調べてたこいつの話」

 

「窓ガラスや鏡を新聞で覆った部屋を残して消えた行方不明者の話ですよ」

 

隣に座る痩躯の刑事、桜井が続く。

 

「ああ、あの話ですか……」

 

昨年の、自衛隊基地の襲撃事件。

去り際に二十二号が告げた、未確認やアンノウンに並ぶ驚異と思われる事件の痕跡。

確かに一条も印象に残っていた。

何故ならば。

 

「一つだけ、()()()()()()()()()()()()()()()件ですね」

 

確認する様につぶやく一条。

あの時に告げられた言葉をヒントに、過去の行方不明事件などを調査して、該当する事件は幾つも見受けられ、白い怪物に至っては幾度か戦った事すらある。

また、昨年の大規模襲撃で奇跡的に助かった装甲服部隊の一部を集結して作られた特殊刑事課においては、山間部で謎の巨大生物と遭遇したが、楽器を振るう新たな未確認生物と遭遇し共闘、その後に上層部から緘口令が出された、などと実しやかに噂になっていた。

結果的に、言及された中で唯一類似する事例の存在しない一件だけが強く印象に残っていたのだ。

 

「なるほど、ではやはり、そういった行方不明事件は発生していない、と」

 

「そうですね、警察の調べられる範囲では……」

 

無論、守秘義務もあるので軽々しく口にするべき事ではない。

しかし、突如として沈黙を保って姿を消していた二十二号が現れたショックでやや混乱している氷川は、それを黙っている事ができるほど器用にはできていなかった。

そんな氷川を肘で突きながら、小沢が二十二号を指差す。

 

「さっきから来る人全員に同じことを聞いてるのよ」

 

「いい加減、何が目的でそんな事を知りたがっているのか、白状してはくれませんかね」

 

やや二十二号から距離を取って身構えている北条徹が、尊大な口調で問う。

 

「なるほど、では、そうですね……一条さん、少しこう、腕を上げて頂いて」

 

「何? ……こうか」

 

軽く両腕を上げる二十二号に対し、戸惑いながら腕を上げる一条。

そのまま、上げた両腕の先で、手のひらが勢いよく合わせられた。

 

「イエーイ!」

 

ぱしーんっ、と、合わせられた手の鳴る音と共に、二十二号が嬉しそうに声を上げた。

楽しげな二十二号の声とは対象的に、室内に集まっていた警察関係者は呆然。

その内の一人である一条をそのまま放置し、二十二号は次々と別の刑事へと近付き手を合わせていく。

 

「ほら北条さんも! イエーイですよイエーイ!」

 

「や、やめなさい。気安い……う、腕が、あ、足も!」

 

二十二号が近付いてくるとゆっくりと後ずさりし距離を取ろうとしていた北条すら、自らの意思に反して動く手足に抵抗できず、二十二号とのハイタッチを果たす。

二十二号とのハイタッチを果たした刑事達は自分の手のひらを見ながら頭に激しく疑問符を浮かべ、唯一と言っていい、困惑する事無くすまし顔でハイタッチを受けた小沢が口を開いた。

 

「で? 説明はしてもらえるのかしら」

 

それに対し、二十二号はやはり嬉しげな声で。

 

「説明をする必要が無くなったのですよ。悪が一種類滅びました!」

 

「ゲゲル成功、って事」

 

「成功したのは俺ではありませんけどね! 新たなムセギジャジャのお手柄です!」

 

小沢と二十二号の何気ないやり取り。

一瞬遅れて室内がざわつく。

ゲゲルと言えば、一昨年に未確認が口にしていた言葉であり、意味としては殺人ゲームを表す。

張り詰め始める室内の空気を無視するように、いや、意図的にそれを振り切るように、二十二号は両手を天に向け広げ、高らかに宣言する。

 

「人類の敵対種族その他を根絶したり根切にしたりする、()()()()()()()()()()()()()!」

 

その場でくるりと身体を回し、お辞儀をする。

 

「旧グロンギは滅ぼしましたし、基本的に()()()()()()()()()()人間を殺す事は無いクリーンなものにしていくつもりなので、どうぞこれからもお目溢しください、という事で。あ! そちらのお土産は皆様でお食べくださいな! では、リコ!」

 

放電と共に現れた赤い煙に包まれ、二十二号の姿が消える。

後には、衝撃の新情報を叩きつけられた刑事たちだけが残された。

 

―――――――――――――――――――

 

・警察関係者一同

数ヶ月ぶりに遭遇した二十二号より齎された幾つもの新情報にしばしの間上層部含む組織全体で混乱が起きるも、その場に居た人数が少なかった為に箝口令を敷く事で事なきを得た。

……が、当然ながら直接話を聞かされた刑事達の心境は穏やかなものであるわけも無く。

二十二号の退出後は右へ左への大混乱が起きたという。

混乱の中、唯一つまらなそうに鼻を鳴らしながらふてぶてしく土産の包み紙を開けた小沢澄子のみ、土産物の金満の箱に隠されたUSBメモリの存在に気付く。

 

―――――――――――――――――――

 

手塚海之にもまた、元の日常が帰ってきていた。

終わってしまえば泡沫の夢の如し。

 

手塚の占い、未来視を持ってしても、知れない事は幾つもある。

無数の未来、無数の分岐を見れたとしても、手塚が見る事の決してない場面を知る事は出来ず、そして、力に目覚める前に起きた出来事となれば、なおのことだ。

 

去っていく、()()()()()()()()()()()()()()の背を振り返る事もなく歩く。

ライダーバトルは何処から始まったのだろうか。

神崎士郎が妹の命を救うために計画した、十二人を生贄にして一人を救う殺人ゲーム。

このゲームの基本ルールを作るまでにどれほどの試行錯誤があったのか。

あれがベストメンバーとして、それが揃うまでにどれほどの人間が犠牲にされたのか。

そして、どれほどの人間の人生が歪められたのか。

 

だが、それももう無い。

どの様な形であれ、戦いは終わった。

そして、破滅の未来もまた……。

 

手塚の占いもまた、元通りと言って差し支えないものに戻っているように思う。

全能とも思える程、はるか先まで、そして無数の分岐を把握できる恐ろしく高い視点を、今は感じられない。

それが失われたのか、或いは、今は不必要だから使えないだけなのか。

それを占うつもりはない。

先んじて何もかもがわかる必要も無いのだ。

 

ポケットからコインを一枚取り出し、弾く。

簡単な占いだ。

落ち方、落ちた面などを見て未来を見通す。

何を占うとも決めていない、気まぐれの未来視。

 

が。

空高く弾かれたコインを、急に横切ったカラスが咥えて飛んでいく。

 

「この未来は視えなかったな」

 

苦笑。

だが、何処か晴れ晴れしい笑顔にも見える。

占い師としては失格かもしれないが、先がわからないからこそ、人生は面白いのかもしれない。

そんな事を考えながら、帰路を歩き、家に着く。

 

玄関を開けると、巨大な段ボール箱が鎮座していた。

 

「? …………?」

 

小さめの冷蔵庫でも入っていそうなサイズのダンボールには、ファクトリーアドバンス社という聞いたこともない社名らしきロゴ。

上には『準優勝記念・超豪華粗品・高級・時価・無料進呈・実際安心・科学的』と達筆なポップ体で書かれた、熨斗らしきものが載せられている。

 

「怪しい」

 

思わず誰も居ない室内で口に出してしまう手塚の目の前で、ダンボールの表面がスライドし、床にスモークを広げつつ組木細工の様に変形しながら展開していく。

都市ガスで良かった、と、ガス警報器の位置を視線だけで確認しながらも冷静にダンボールから距離を取りつつ、入り口のドアを閉める手塚の目の前。

展開した箱の中には、奇妙な額当てを付けた美しい少女が、ぴつたりと、収まっていた。

 

「……君は?」

 

手塚の声に、きゅいん、と、僅かに駆動音を立てながら、少女が顔を上げ、瞼を開いた。

 

「アーキテクト。よろしく、バディ」

 

―――――――――――――――――――

 

・手塚海之/仮面ライダーライア/仮面ライダーオーディン/アギトタイムフォーム/時のエル

ライダーバトルの乱入者によって体よく利用される立場から、アギトの力の覚醒と共に解き放たれ、運命を乗り越えた。

ライダーバトルが起きないという歴史に切り替わった為、覚醒の切っ掛けである親友の死という出来事が無くなり、連鎖的にアギトの力は休眠状態にまで巻き戻しがされている。

しかし進化の方向性から記憶の操作を受けつつも一部経験を引き継ぎ、何かしらの切っ掛けがあれば直ぐにも人の限界を乗り越える事になるだろう。

ピアノ奏者を目指す友人を見守る穏やかな日々の中、彼の隣には謎の少女がついてまわることとなり……。

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優衣が死んだ。

悲しい程に痩せ細った体は軽く、まるで人形でも持ち上げているかと錯覚する程だ。

だが、それは人形ではない。

優衣の身体、優衣の死体だ。

 

優衣が何をしたというのだろうか。

不思議な出来事がおこったとして、それの原因が優衣だとして、優衣がここまでされる謂れはない。

何故優衣は死ななければならなかったのか。

 

「悲しいか?」

 

―――――――――――――――――――

 

妹、神崎優衣の死体を抱え、声を殺し涙を流す少年──神崎士郎の耳に、聞いたことのない声が響いた。

低くくぐもった、しかし、奇妙に聞き取りやすい()()()

 

「誰……?」

 

ここには士郎と優衣しかいない。

同じ家に住んでいる筈の両親ですらそう入ってくる事のない、外からしか鍵を開け締めできない子供部屋。

ここ最近の優衣の不調、それを訴える士郎の声を聞かない為に、ドアとそれに面する壁は防音になっており、天井裏に近い部屋は外から人が声をかける事もできない。

 

いや、声が何処から聞こえているのかは、直ぐにわかった。

鏡だ。

部屋の中にぽつりと置かれた姿見に、真っ黒い人影が写り込んでいる。

無論、部屋の中にそんな人物は居ない。

 

「まずは、その娘を起こそう」

 

「優衣は……もう……」

 

「諦めるのは早い」

 

鏡の中の黒い人影、その眼に当たる部分がぼう、と、輝く。

するとどうだろう、やせ細り骨と皮だけになっていた優衣の身体が浮かび上がり、見る間に血色を良くしていくではないか。

ぱち、と、優衣の眼が開く。

 

「……おにいちゃん?」

 

「優衣!」

 

宙に浮かぶ優衣の身体を抱きしめる士郎。

その腕の中にあるのは、確かに生きた妹の感触だ。

これは奇跡か、いや、今まで一度たりとも信じることの出来なかった神の思し召しか。

思わぬ出来事に喜びながらも錯乱する士郎に対し、鏡の中の人影が口を開く。

 

「その娘に仮初の命を与えた」

 

「仮初?」

 

士郎の反駁に、影がうなずく。

 

「その娘の命は20を数えると共に尽きる定めにある」

 

「如何な理由があろうと、死者の蘇りは許されるべきではない」

 

「そんな……」

 

「だが」

 

影が鏡の中から士郎を指差す。

 

「君には、この運命を覆す力がある」

 

「死者が蘇らないのであれば」

 

「死ななかった事にしてしまえばいい」

 

「時を超えろ」

 

「……大丈夫、君ならできる」

 

「他ならぬ私が知っている」

 

「君にはそれができる素質がある」

 

「君が、君だけが」

 

「その哀れな娘を、君の妹を」

 

「救うことができる」

 

「それができて初めて」

 

「君たちは幸せに生きる事ができる」

 

「人並みの人生を生きることが」

 

「君だけが」

 

「神崎優衣の命を救えるのだ」

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

なるほど、なるほど。

確かに、君は間に合わなかった。

しかし、神崎優衣が幸せで無かったと誰が言える。

愛する家族である君と共に、この家で暮らし、二十歳になるまでの時間を、人並みの人生を送ることができたじゃあないか。

 

……なるほど、君は、これでもまだ足りないと言うのだね。

もっと頑張っていれば、神崎優衣の命を救えたと。

 

君のここまでの努力は素晴らしいものだ。

しかし、君の言う通り!

君の努力が最善であったとはとてもではないが言えるものではない。

この年になるまでに、約束の期日までのこの時間。

君は神崎優衣の命を救うために努力する傍ら、兄として、両親を失った妹を支えて生きてきた。

親切な親戚に見守られながらではあるが、生活の為に働く為に時間を取られもした。

 

だが。

それは、君の目的を達成するのに必要な事だっただろうか。

いいや、それは、最終的には不必要になるものだ。

 

妹一人であれば、力を使えない今の妹であれば、親切な事情を知らない親戚に預けて育ててもらえるだろう。

そばにいて支えるのだって、妹くんが人並みに同年代の子どもたちと交流する中で、友人を作っていけば事足りるだろう。

 

君は妹を、神崎優衣を支えるつもりだったのかもしれない。

しかし。

君が神崎優衣を支えにしていたのだ。

二十歳には死んでしまう妹を。

父にも母にも見捨てられ、仮初の命で生きるしか無い哀れな妹を。

自らが努力を続ける為に、よりかかり、負担を分け与えていた。

押し付けていた。

 

()()()()()()()()()()()()()()と。

 

……そう嘆く事はない。

まだ間に合う。

そうとも、君の努力は無駄にはならない。

君の打ち立てたその時間制御の基礎概念。

これを用いれば、私の力で過去に情報を送ることができる。

無論、これほどの情報量だ。

人間の頭で受け取れば正常ではいられないだろう。

だが、私は違う。

過去の私がこの情報を受信し、過去の君に提供する。

そうすれば、またこの続きから研究を重ねる事ができるだろう。

 

安心したまえ。

この時間の君は失敗した。

だが、別の時間の、過去の君が再び努力を重ねる事ができる。

未来は君の手の中にあるのだ。

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

ああ、なんと悲しい事だろう。

また失敗だ。

 

そうとも、君の努力は最善に近い。

だが、それでもなお、君の妹を助けるには及ばなかった。

君の妹はそれなりには幸せに生きてきたと思われるが……。

 

だが、そうだな。

着眼点は良かった。

だが、結果は見ての通りだ。

サブプランである命の移植、蘇生ではない転生。

その結果がどうなるか、というのは、その哀れな肉塊を見ればわかるだろう。

とうてい人の手に負える技術ではないのだ。

 

ああ、そうとも。

()()()()()

聡明な君の素晴らしいプランが、少なくとも二十歳まではあった筈のきみの妹の命を摘み取ってしまった。

悲しい話だ。

だが、提示されたプランを目指すだけでない、君の意欲は素晴らしいものだ。

 

……泣いているのかい?

大丈夫、この犠牲も無意味なものではない。

君は失敗したのではない。

無意味に妹を手に掛けた訳でもない。

この方法では失敗するという情報を蓄積するのに成功したのだ。

 

この失敗を教えよう。

それを知った過去の君は、君よりも更に妹を愛し、より密度の高い努力を積み重ねる事ができる。

そして、その果てに。

君の妹は未来を得る。

ここまでに、何人の神崎優衣が死を迎えたか、など、最善の結果へ辿り着いてしまえば些細なことさ。

未来は依然、君の手の中にあるよ。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

なるほど、なるほど。

素晴らしい努力だ。

そして素晴らしい忍耐だ。

多くの君は、妹が死んだ時点で絶望し、過去の自分へと未来を託した。

それまでに得た知識を、組み上げた理論を、作り上げた技術を。

 

だが、君はそれを乗り越えた!

妹の二度目の死を目の当たりにしながら、それを飲み込み、研究を重ねた!

こうして無理が祟って病に倒れ伏すまで、君は次の君へと託すための研究を続ける事ができた!

この努力を誰が侮辱する事ができるだろうか!

 

安心してくれ。

この知識を、この理論を、この技術を、必ずや次の君に託そう!

 

安心して眠ってくれ。

次に目覚めた時、世界の全ては君が望む世界へと変貌を遂げているだろう。

未来は君の手から離れる事はないのだから。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

うぅぅむ、これは革新的な事ではないだろうか。

研究のために、正常な健康状態が必要であるのなら。

確かに生身の肉体は足を引っ張る事になるだろう。

 

私をして恐れを抱かずには居られない。

君はとうとう、人類の脳の稼働限界まで研究を重ねるに至った。

それが研究の完成に繋がるかはともかくとして、君の研究がこの百五十年で大きな飛躍を遂げたのは間違いない。

 

無数の過去の君を文字通り過去にする成果だ。

研究の完成に大きく近付いたのは間違いない。

過去の君は今の君に畏敬の念すら抱くのではないだろうか。

いや、その感情すら君には余分なものか。

無意味ですらあるか。

侮辱と感じすらするか。

君は、自分に与えられた時間を確かに使い切った。

 

しかし、それでも君は神崎優衣を救えていない。

君のその努力は偉業と言っていい。

だが、君の出した結果は神崎優衣の死を見送るというものでしかない。

過去の君とまったく変わらない。

 

……ああ、わかるよ。

悔しいだろう。

ここで君は終わる。

 

しかし安心してくれ。

次の君は、今の君を引き継いで更に先に進む事ができる。

この時間の君の限界は、これから始まる過去の君の限界を大きく引き伸ばすだろう。

君は未だ希望を手放してはいないのだ。

 

 

―――――――――――――――――――

 

やはり、人間は素晴らしい。

これこそが団結の力だ。

 

健康状態を最大限維持した研究に限界があるのなら、死してなお研究を続ける事ができればいい。

限界を越えて死を迎えても、次に託すのではなく今の自分に引き継げばいい。

自分だけでの研究が先細りであるならば、自分たちで努力を重ねればいい。

誰も信じる事ができないのなら、自分を増やせばいい。

肉体を動かすのが時間の無駄ならば、全てを脳の中だけで完結させればいい。

言葉でのやり取りが時間の無駄なのだから、思考を連結させればいい。

 

いいね。

やはり無線より有線だ。

君の研究を行う為の君はついに究極的な進化を遂げたのかもしれない。

 

しかし、死んだ先から複製を追加していくにしても限度がある。

君の天才的頭脳は電子脳では代替できない。

故に、生体であるが故の限界を嘆いてはいけないよ。

 

安心してくれ。

君の脳内活動は全て記録している。

君の積み重ねた知識、理論、技術は過去に確実に持ち帰ろう。

だが、その絶望、それはいけない。

 

君はまだ神崎優衣を救えてはいない。

君は無数の神崎優衣に無数の死を齎しただけだ。

一度たりとも君は神崎優衣を救えていない。

君は妹を見殺しにし続けただけの男だ。

 

神崎士郎は神崎優衣を助けられず、いたずらにその死を見送るだけの人間だろうか。

 

……そうとも、そうとも。

大丈夫、君の抱いた絶望は君だけのものだ。

たとえ今の君が諦めてしまったとして、過去の君は絶望するまでは絶望しないだろう。

 

未来は君の手を逃さない。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

もしもし、もしもーし。

(衝撃、痛みを伴わない確認するような殴打、幾度かの繰り返し)

………………そろそろ限界かな?

 

諦めずに努力を重ねるには、諦める心を捨てればいい。

素晴らしい発想だね。

完璧とは足すことではない。

無駄を削ぎ落とした先にこそ存在するのだろう。

君が私の言葉に反応する事はもう無いかもしれないけれど、ここに行き着く事ができた事は尊敬に値するよ。

 

そしておめでとう。

君の理論はついに完成した。

これこそが君たち兄妹の不幸な過去を否定する、完全な理論だ。

この装置を物理的に完成させてしまえば、これまでの全てをチャラにできる。

 

そこで確認したい。

君はこの装置を作り、何をしたい?

 

…………うん、そうだね。

君には既に答える機能が無い。

何かを願う心も無い。

今度こそ、君は純粋に妹の命を救うための装置と化した。

 

素晴らしいことだ。

並大抵の人間にできる事ではない。

そのように誘導したからといって、すべての人間がこの成果を上げる事ができる訳でもない。

 

 

種明かしをすれば簡単な話さ。

君は私に……俺に、ミラーワールドで捕らえられた時の事を覚えているかい?

実際問題、君の身に起こった時間的秩序の崩壊というのは厄介なものでね。

タイムベントによる時間の巻き戻しは、その主軸となって繰り返す事で正常な時間軸での存在を揺らがせるという欠点がある。

肉体を失ったのはそのためだろうね。

 

だから、君の意識だけをこうして何度もループさせたのさ。

精神的な時間を引き伸ばすだけならそう難しい事じゃあない。

無論、常人であれば話は別だけれども。

 

おかげで、こうして、目当てのもの以上のお宝が手に入った。

貴方のおかげだ。

あの時、貴方が妹さんの蘇生に関する話を世迷い言と切り捨ててくれなければ、ここまでしようとは思わなかったかもしれない。

しかし、結果的に、少しの思考誘導はあれども貴方は俺の想定した形状になるまで頑張ってくれた。

いや、本当に、感謝しているんですよ?

 

ええ、もちろん、あなたの作り上げた理論は正真正銘、本当に時を超える為の理論だ。

それに嘘偽りは無い。

理論的に可能なだけで、現実的にこの理論による時間移動装置を作る事が物理的に不可能だという点も、何一つ変わりはない。

 

だけど、うん。

当面はこれで十分だ。

つなぎとしては足りるでしょう。

 

お礼と言ってはなんですが、妹さんの延命はしておきました。

表の世界で生きていける訳ではありませんが、なに、貴方が共に居るとなれば、そう悪い余生ではないでしょう。

 

ついでに、貴方の肉体も用意させていただきましたが……。

ここまでの記憶が一つの脳に詰め込まれる事になりますので、精神的なショックが伴うかと思われます。

また、努力を続けるにあたってこちらで軽減させて頂いた精神的負荷も元通りになってしまいますので。

妹さんの為に、早めに立ち直ってくださいね。

 

―――――――――――――――――――

 

「では、お兄さんと達者で暮らしてくださいな!」

 

しゅ、と、こめかみに当てた指を離すジェスチャと共に、黒い人影が姿を消した。

神崎優衣は事の次第の多くを知らない。

だが、今の神崎優衣は自らが幼少期に死んだこと、そして仮初の命を鏡の世界の自分から受け取った事、兄がそんな自分を助ける為に努力していた事を、確かに理解していた。

 

神崎優衣は死んだ。

それが覆る事はない。

少なくとも表の世界において、神崎優衣という少女は何年も前に死んだという事実がある。

 

だが。

この世界でならば、生きていく事が許されるという。

鏡写しの世界。

いや、鏡写しの、更に鏡写しの、そのまた鏡写しの……。

おそらく、もう二度と、誰も辿り着くことのできない、現実世界の写しの写しの世界。

ただ、インフラだけが整備された、生きていくだけならば不自由する事の無い世界。

 

不安はある。

この神崎優衣には、二十歳になる前年までの記憶がある。

それが如何なる経緯で生まれた記憶なのかはわからないが。

その、人間社会で真っ当に生きてきた記憶があればこそ、この無人の世界での生活は苦痛になるかもしれない。

 

でも。

それでも、兄はここに居る。

未だ眠り、魘されながら、それでも、生きていけたかもしれない兄は、自分と同じ世界に居てくれるのだ。

 

なら、生きよう。

今度こそ、二人で、手を取り合って。

たった二人の家族なのだから。

 

―――――――――――――――――――

 

・神崎士郎、神崎優衣

鏡の世界の中の鏡の世界、とでも言える、鏡面ですらない現実世界の写しの世界に放逐される。

兄の神崎士郎もまた生身の肉体を取り戻したが、生身の脳が耐えきれない無数の人生の記録を脳に収められ昏睡中。

目覚める事があるのか、あるのならそれは何時の事なのか。

それは誰にもわからない。

が、幼き日の彼が妹にそうした様に、彼を見守る妹は、決して側を離れる事はないだろう。

 

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スマートブレイン、本社。

高層建築の最上階。

その一室にて、一つの映像がスクリーンに投影されている。

黒い青年の腹を裂きながら現れる、純白の装甲を身に纏う戦士。

 

その姿を見る男の口元が、ニヤリと不敵な笑みの形を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




くうつか(三年目突破)
なんやかんややってる間に長々と伸びてしまった龍騎編も、これにて完結!
だいたい三分の一くらいをクリアしたと考えると感慨深いものがありますね!
話数だけでいくともうそろそろ処女作に並びそうな具合ですが、今後も続くかどうかは未知数なので、そこらへんのとこ、お手柔らかにお願いします


☆命をかけたホモの行いで反省を促されたので邪魔される体制でタスクをこなす事をせず邪魔の入らない獲物の精神世界内部のみで必要な技術を全て手に入れたりする為にある種の無限螺旋を回したりした白かったり黒かったりするけど燃えるような赤い眼が3つあったりはしない次回から疑似ライダーから何の変哲もない受験生に早変わりするちょっと燥いでる久しぶりの未確認生命体二十二号
どれくらい燥いでるかと言うと、都内で偶にやんちゃするオルフェノクを部分的に間引きしてちょっと会ってみたい一方的に知ってるだけの対策班のメンバーを集めたりする場所に意気揚々と現れてミラモンが居たという歴史の消滅を確認しに行ってそのままハイタッチしたりするくらい燥いでる
金満に入れたUSBにはちょっとした装甲服縮小技術のデータが含まれてるぞ!
今更ながらに思うのは龍騎編でさんざんやらかしといて555編からは人類の守護者面したりするのだろうかってことなんだけど
活動報告にも書いたとおり王をぶっ殺してオルフェノクの未来を閉ざす安全ルートを通る場合は555編が短めに纏まらない可能性が出てきたのでどういう面して動くかは不明
なお二十二号の姿で警察行って燥いだのはこれから二十二号の姿で戦う必要性がユナイトベントのおかげで殆ど無くなったから、悪目立ちしてるそちらで衝撃発言をかまして警察の眼を撹乱する目的もあるのだ
陽炎状態で大体の敵はどうにかなるし、陽炎ユナイト状態の方がアーメタルと融合した諸々のカード分強化されてるからね
白くなった二十二号を知っていれば知っているほど黒い陽炎との関連付けが難しいという寸法なのだ
なお戦い方
今更だが陽炎という疑似ライダーとしての名前は武者に信仰されたりしていた摩利支天から取った縁起の良い名前
摩利支天は陽炎現象の神格化なのだ
陽炎は実体が無いので捉えられず、傷つかず濡れず燃えない
転じて正体バレせずなおかつ死なない為の形態という験担ぎでもある
摩利支天は太陽を神格化した日天の眷属であり、摩利支天の語源は太陽や月から出る光線だったりといいことづくめだね
太陽と月なら最高になれるからね
シャイニー☆

☆歴史改変で一見して力を失ってるけどそういうやつに限って新シリーズ始まって新主人公がピンチの時に何の前触れもなく謎の戦士として助っ人に現れるんだけどそうなるとホモとしての標的はたっくんになるのだろうかという疑問を、でも今のこいつにはピアニストの親友というおホモだち率の高い親友が居るのでご安心にできるなんか前触れ無く美少女を送りつけられた占い師のアギト(満たされてるホモ)
ライダーバトルが起きなかったという歴史改変で浅倉の罪状が軟化して親友のピアニストが手を怪我する事無くどうにかなったので覚醒しなかった事になった
でも元から素質はあるしアギトに覚醒するという未来が発生したおかげで巻き戻し耐性もできてるから記憶一部引き継ぎ
なんか思いついた時に便利なゲストとして使われたりするぞ!
最後にアーキテクトを送られたのはぶっちゃけ監視のためだ

☆なんか唐突に送られてきた箱詰め美少女アンドロイドアーキテクトさん
アンドロイドではありません、ガ・イ・ノ・イ・ド、です
ええいやかましい貴様などロボットで十分だ!
この時代ではオーバーテクノロジー?
2千年前の蓮の種が花を咲かせたという事例もあるじゃあないですか
まぁそうでなくても二期以降の存在の種が存在しているという話はしたと思うので、割りと近い時代で完全に人間に擬態したアンドロイドとかが居るのでまぁべつにいいかなって
手塚の監視兼護衛
解析したデッキの機能を搭載しているので、カードドローと使用の動作無く武器を召喚したり分身したり加速したりする
インパクトエッジやインパクトナックルダブルで装備しつつ分身して高速戦闘をこなすため、仮にファイズのメインストーリーに関わっても割りと生き抜ける戦闘力
ぶっちゃけこいつが護衛に居る限りアギトに目覚める可能性は低く保てる
でも運命的に覚醒したらしょうがないからそういう時は報告してねとインプットされてる
技術的な問題からまだ純粋な機械ではなく、ミラーモンスター的な要素も組み込まれているので半機械半生物の様な感じかもしれない
エッチな機能が付いてるかどうかは手塚さんが確認すればわかりますよ猿渡さん!

☆神崎士郎ユニット
とっ捕まって交渉失敗して思考に必要な部分以外霧散させられて水槽の脳状態で延々ライダーバトル以外の方法で妹を助けるための技術開発をさせられていたけどぶっちゃけ新たな生命を与えると肉塊になるとか当然嘘だし必要な技術を手に入れる為の思考誘導が施されたママなのでどうにも
脳みそパンクする様な状態で蘇生されたのでもし意識が戻っても何かしらの障害が残るんではないかなと思うけどそこまでは主人公の管轄ではない
理論上タイムマシンが作れるレベルまで行った
下手をすれば電王関連の人たちにスカウトされる案件だけど生き返った妹と共になんかよくわからん場所に押し込められたので接触が難しい

☆なんか生き返った神崎優衣
私は命を2つ、3つ、4つ、たくさんもってきた
めっちゃ軽いノリで助けられたけど自分のために兄貴が罪を犯していたという事で罪悪感とかもある
でも閉じ込められた世界でもテレビとか見れなくても現実世界の写しだから本とか読めるしCDとかも聞けるしなんなら定期的に現実世界が反映されるから困る事は無いんじゃないかな
今後接触するにはミラーワールドから鏡を通じて表の世界ではなくミラーワールドのミラーワールドに行くというよくわからない技術が必要になる
なお延命に使った命は普通の人間くらいの命であるため、元のミラーワールドを作るような力は無い

☆警察の方々
やっぱり未確認事件続いてるじゃねーか!
という感じで色々強化されるかもしれない
ミラーワールドへの行き来機能の無いデッキの変身技術が提供されて装備も更新されるかもしれない
なおここまで書いておいて何も利用法が思いつかない場合は出番も無い
555編で出番……の予定だったが、即落ちニコマすると王殺しにいろいろ問題が出るので確定での出番が消えてしまったので悲しい

☆生まれたての新生二十二号を見てニヤついてる謎の男
誰?
明日以降の俺が知っているのだ
何時だってそうなのだ

☆めっきり出番の無いヒロイン達及びお姉さん
お姉さんはたしか下の名前だけ出したのは覚えてる
上の名前とか必要ですか?
あ、一年分の余暇の間に丸腰お姉さん襲われイベントがあるからそこをとっかかりに書けるかもですね
あとエッチな話とかイチャイチャとか書きたい
うおおおおおおお!
準備!
ヨシッ!
ここからオアシスだ!
蜃気楼じゃないぞ!
めざせガンダーラ!
どれだけインドに近付いても町並みは中国なんだなこれが!
道程を示す地図を見ると紆余曲折しすぎ感ある
でもFGO三蔵の授乳シーンなら見てみたいかも……



ついに始まりましたねアニメ版異種族レビュアーズ
当然SS増えるものと想定して一つ提案
★スピーシーズドメイン×異種族レビュアーズ★
え、度胸が無くて意中の相手に告白出来ない?
自分を大事に思ってくれるかわからない?
恋心ってなんですか?
ええい面倒だとりあえずおごるから纏めてサキュ街に叩き込め!
童貞捨ててしまえばなんか勢いつくだろ!
という、思春期の繊細なあれこれを一切合切纏めて叩き潰す許されざるクロスオーバー
やべーな風森さんエルフ的には信じられないレベルのロリだぞこれ……
サキュバスの娘とかショックで引きこもるんでなかろうか
倫理的に許されざるけど書かれたらたぶんお気に入りに登録するだろうなって思います!
俺は怖くて書けません
虚構推理は推理ものだから難しいけど妖怪ものSSとかは増えそうかなって思いました
原作(小説でなく漫画版の方)中々面白かったのでみんな見よう!
いいくるめと捏造とすり合わせの楽しみが得られる素晴らしい作品だったぞ!
小説版も欲しいけどDMMの電子書籍で見つけられなくて……なんでだろう
あ、オーフェンが同時にアニメ化だからって我は放つ(地上波では)光(で隠されたりする)白刃(意味深)!みたいな使い古されたネタは禁止ですよ!
飲み込んで僕の魔剣オーロラサークル……
なおシモネタ具合では虚構推理も中々のものなので、マグロ(男側)、ご期待ください

そういうわけで龍騎編もここまで!
あんまり神崎士郎がひどい目にあわなかった気もするけど精神だけ無限螺旋というか脳みそパンクネタを思いついてしまったのでこれでいいかなって
ループ内部でお姉さん仕留めちゃうと後々使えなくなっちゃうからね
ループの外であれこれしてこそ次に繋がるのだ

そんなわけで次回からライダーあんま関係なかったりひっそり関係あったりする幕間になるのでそこらへんはご了承ください
そんなSSでもよろしければ、次回も気長にお待ち下さい

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