オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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184 よろしくゼクー!

東京という街は広いものの、その中から天道総司を探し出すのは難しい事ではない。

彼の行動はワームの殲滅というよりも二人の妹の保護に軸を置いている為、長期間二人の傍を離れる事はない。

日下部ひよりが行方不明になっていないこの世界においてはZECTにも入っておらず、行動範囲は非常に限られていると言っても良い。

なんなら、同居してる天道家の方の妹の為に朝飯を作っているので、朝早くなら間違い無く家に居るものと思われる。

 

だがあんまり朝早くに家に行くのは迷惑なので、少し日が昇ってからの方が良いだろう。

だが、そもそもの話として、見知らぬ他人が家に訪れるのは不躾な話だとも思う。

仮面ライダーカブト、という物語を知っている側の人間から言わせてもらうと、この物語には秘密主義者と無礼者と馬鹿しか居ない。

そういった人間は画面越しに見る分には良いが、相対するとなると嫌な気分になるものだ。

 

それは当の本人達も例外ではなく、秘密主義者であろうと無礼者であろうと馬鹿であろうと、秘密主義者や無礼者や馬鹿は嫌いなのだ。

彼等の人格面について文句を言う俺だって秘密主義だし、時に礼儀や知恵を投げ捨てる時はある。

そもそも、生き残るための道として戦いを選ぶのは馬鹿のやること。

しかしチェストとは知恵捨てと心得る。

古の仮面の戦士達も頭脳明晰な人物は沢山居るが、人の幸せを捨ててのライダー活動は必ずしも賢い選択ではない。

ライダーとはチェストなのだ。

ライダーならずともそれに準ずる行為を続けている以上はチェストなのだ。

人から好意的に見られたいのであれば、年がら殺怪人戦法の事ばかり考えず、人間らしい文化的な生活をしなければならない。

 

基本的に、苛つかせて冷静な思考能力を奪うというのでなければ、相手を怒らせる行為にメリットなど無い。

親しい友人や配送業者でも無いのに朝早くにアポ無しで家に訪ねてくる人間というのはクズだ。

なんなら配送業者ですら配達の直前には電話を掛けてきて今家に居るかを確認してきたりする。

アポイントメントを取らなければならない。

電話で、というのが一番手っ取り早いが、知らぬ番号からの電話が不快なタイミングもあるかもしれない。

 

未確認生命体二十二号はもう公的には地球に居ない。

俺は一人の人間、大学生にして社会人の小春交路なのであるからして、社会的常識の範囲内での人付き合いを心掛けねばならない。

俺は久々に筆を執り、一筆認める事にした。

だが、礼儀を欠くとはいえ、俺の住所を手紙に書くのは憚られる。

 

ブレインスクラッチ名義で便箋を送ることにした。

企業ロゴが印刷された公式の封筒を使う。

赤で重要の判子も押しておく。

だが、これでちゃんと中身を確認して貰えると思ったら大間違いだ。

人間という生き物は直ぐに怠ける。

それはかの天道総司でも変わることはない。

他人にいくら重要だと言われても、自分自身が重要だと思わなければ重要なものとして扱いはしないだろう。

 

天道総司様へ

◯月◯日までにご返送下さい

ブレインスクラッチよりカブトゼクターの追加アタッチメント、及び、ご家族をお守りする警備システムの支援を受けられる可能性があります

 

パーソナライズ、動作指示は明確に、利得は強調。

赤字で目立つ様に書いて、枠線で囲って。

俺も日々成長している。

数年前、五代さんに凄まじき戦士へのお誘いの手紙を送った時はスルーされてしまったからな。

あれは文章の中で説明するだけにとどめてしまったのが良くなかったところもある。

最初に何処を読んでほしいのか、それを意識して貰わなければならない。

督促状であっても読むのを面倒がりチラシと一緒に纏めて放置する人間すら居るのだ。

読め、というメッセージは強いに越したことはない。

 

中身を読めば如何なる要件であり、応答すればどれだけの得があるかハッキリする。

そして、書いていて気付いたのだが、企業を間に噛ませる事でわざわざ天道宅に足を運ばずとも要件を済ます事が可能であるという事実にも辿り着けた。

 

「でも郵便事故とかどうするカブ?」

 

「そのためにお前を作ったのだ」

 

「カブッ。頑張るカブ」

 

ググッと握り拳を作って意気込みを顕にするのは、赤い寸胴体型のカブトムシ型ロボット。

皆さんご存知ハイパーゼクターだ。

乾燥重量78キロ、各種安全装置と自律機能を組み込んだ結果の大型化だが、カブトムシの形を大まかになぞったデザインなので一目でハイパーゼクターとわかるだろう。

ウルトラなマンが人間より大きいのと同じく、ハイパーなゼクターなのだから普通ゼクターであるカブトゼクターよりも巨大なのは当たり前と言える。

 

背中にはジェラルミンケースを包んだ唐草模様の風呂敷。

ジェラルミンケースの中身はコピーした各種ゼクターを内蔵した為に大型化したパーフェクトゼクター。

これで天道総司の最終装備が揃うという寸法である。

何かあれば歴史改変し始めるようなナイーブな男が使う装備に、出処のわからないものを用意するつもりはない。

 

「最終確認をしよう。お前の使命は?」

 

「地球上からのワームとネイティブの根絶カブ!」

 

「方法は?」

 

「ソウジとその家族を守ることカブ!」

 

そう、ワームやネイティブの根絶には天道総司がやけにならない事が大切なのでその周辺を護らなければならない。

繁殖力が死んでるネイティブならともかく、ワームの根絶には時間がかかるためだ。

細々とした天道総司の身内の不幸の度に歴史改変をかまされたらその根絶は延々と遠のき続ける事になるだろう。

 

だから、先んじて奴の周りに護衛を貼り付けて、本人の装備も充実させておく。

日下部ひよりが残るのが難点だが、この形式のネイティブ亜種でも人間との繁殖が不可能なのは確認済み。

擬態解除時には全身を人工物の装甲で包むことになるのでワーム特有の単為生殖も起こり得ない。

日下部ひよりが寿命で、或いは何らかの病で死ぬのを待てば良い。

人間に擬態したままであれば、人間の病を患う事もあるだろうし、生命の危機を覚える間もない突発的な死亡事故にあう可能性もある。

そう長くは掛からない筈だ。

 

―――――――――――――――――――

 

「Bロボ?」

 

玄関先でチャイムを鳴らしていたハイパーゼクターをリビングに通した天道総司は、出されたお茶とお菓子を綺麗に平らげたハイパーゼクターの自己紹介をオウム返しにした。

 

「カブ。バイオ・エレメンタリー・エレクトリック&トランスフォーム・ロコモティブ・エキシビジョン・システムド・ロボット、日本語で言うと、生体核エレクトロニクス及び変形運動顕在化システム搭載ロボット、カブ」

 

「なるほどな、頭文字を繋げてビートルロボット、更に略してビーロボか。それでお前は」

 

「ハイパーゼクターカブ!」

 

「そうか。わざわざ遠くからすまなかったな。帰っていいぞ」

 

「わかったカブ」

 

素気なく追い返そうとする総司の言葉に、ハイパーゼクターはリビングから離れ、適当な柱にしがみついた。

 

「何をしている?」

 

「ハイパーゼクターはカブトゼクターの契約者の居るところが帰るところカブ。作られた時にそう教わったカブ。それに……」

 

「なんだ」

 

「ジュカちゃんの護衛も頼まれてるカブ。ソウジと違って、そばで見守ってられるカブよ?」

 

そう自信満々に柱の影から顔を出しながら告げるハイパーゼクターの姿を総司は半眼で上から下まで見渡す。

赤く、太い。

身長は樹花と同じくらい。

恐ろしく目立つし、当然学校の中にまでついていくことはできないだろう。

だが、一目で機械、ロボットとわかる見た目をしている。

よくよく見れば、手足や胴の隅に小さくブレインスクラッチのロゴが刻まれている。

 

「今なら便利なカタログギフトもついてくるカブ。一年間毎週大玉スイカが届くサービスとかオススメカブよ」

 

更に、人間との受け答えを成立させる高度な知能。

ゼクターと銘打たれてはいるが、持参した封筒から見てもブレインスクラッチの製品と見て間違いない。

言ってしまえば、巷で噂のブレインスクラッチ製品であるヘキサギアの類似品。

同じ会社が作っている新製品なのでその性能は保証されている、そう考えても良い筈だ。

ヘキサギアのオーナーは世界中で起きた先の大災害でも多くがその性能で難を逃れたという報告がある。

しかもそれがゼクターである、対ワームを想定して造られているというのなら、自分が居ない間の護衛としては申し分ないだろう。

 

「しかも季刊誌が無料で届けられるカブ。毎号付いてくる付録を集めると1年後にはブレインスクラッチの新製品、スウォームホッパーゼクターとベルトが完成するカブ。ゼクターなんて何個あってもいいからお得カブねぇ」

 

「いらないが……」

 

「組み立て説明書の他にハイパー解説DVDがついてくるから楽しくゼクターの仕組みが勉強できるカブ」

 

「いい、もういい。置いておいてやる」

 

「やったカブー! ソウジ、ありがとカブー!」

 

しがみついていた柱から離れ、天道に抱き着こうとするハイパーゼクターを片手で制する。

見た目に反して恐ろしく軽い、いや、見た目の緩さから考えれば相応しい軽さなのか。

本当に大丈夫なのか、とも思ったが、無いよりはマシなのだろう。

いざとなれば、自分が駆け付けるまで樹花の盾にでもなってくれればいい。

あの会社の製品なのだから、その程度の役には立つだろう。

総司のハイパーゼクターに対する評価はその程度のものだった。

 

部活を終えて帰ってきた樹花が陽気なハイパーゼクターを甚く気に入り、いざという時に盾代わりにできるか心配することになるのは、この時の天道総司はまだ知る由もない。

 

―――――――――――――――――――

 

真面目な話をすると、だ。

天道総司にハイパーゼクターは必須ではない。

ZECT製のライダーシステムは複数存在するが基本的に総合性能ではそう変わり無い。

マスクドフォームにおいては人権レベルの高火力を誇るガタックが飛び抜けて強いが、対ワームの主役はどうしてもクロックアップが発動できるライダーフォームになる。

そして、天道以外のライダーはその出番の最後までをハイパーゼクターによるテコ入れ無しで生き延びている。

 

ウカワームは死に、残る強敵はカッシスワーム。

ネイティブ側も強いネイティブを作ることは可能だが……まぁこれは置いておこう。

作中最強格と目されるカッシスワームだが、実のところを言うと、脅威レベルはそれほど高くない。

生き残るだけならば、ハイパーゼクター無し、ハイパーカブトにならなくともなんとかなるだろう。

 

カッシスワームは強い目的意識も無くウカワームからの繰り上がりでワームのトップに立てるだけの強さがある。

ハイパークロックアップをも凌駕する時間制御能力フリーズ。

ライダー、主にZECT製ライダーの必殺技をコピーしてそのまま跳ね返すカウンター能力。

そして極めつけは分裂だ。

だが、これらは全て別形態での能力であり、それこそがワームという生き物の限界である。

全ての手品に種があるのだ。

 

そもそもの話として、強敵として扱われるカッシスワームだが、ライダーを圧倒しながらも決定的な決着をつけることはなく、雑にライダーを撃退して去っていく場面が非常に多い。

話の都合と言ってしまえばそれまでだが、物語上で起きた出来事がそのまま現実に適用されるのであれば、そこには確実に理由が存在してくる。

 

カッシスワームの擬態(人間態の名前等はそもそも奴等が名乗って良いものではないので割愛する)がライダーを素手で圧倒してみせたところで、ライダーのボディアーマーを破壊できた訳でもない。

カッシスワームディミディウスは火力に欠ける。

半ば止まった時間の中で王のごとく振る舞いながら、こいつにできるのは素のネイティブを殺すか、ライダーを痛め付けるところまで。

無論、変身解除にまで追い込んでから生身のところを狙えば殺すことはできるだろうが、高い能力からくる傲慢さ故にそれをしない。

 

打って変わってカッシスワームグラディウスは単純な火力特化、に見えて、カウンター型だ。

コピー能力というよりも、ZECTライダー達が必殺技に用いるタキオン粒子変換機能を更に高度化したもので、流し込まれた破壊的タキオン粒子を再変換して一時的に溜め込み、同じ技として再発動できる。

つまり、ワームの生体機能を解析して作られた兵器であるZECTライダーの機能を再現できる個体というわけだ。

当然、ZECTライダーと同等の必殺技を自力発動可能で、なおかつ素の破壊力も高く明確にZECTライダーのヒヒイロカネ装甲を破壊する描写も存在する。

だが、タキオン粒子貯蔵回生量に限界があり、三体以上のライダーの必殺技は受けることすらできず、普通にダメージを受けるし、ダメージを受けた状態ならパーフェクトゼクターも普通に通る。

 

因みに、フリーズとカウンター、このどちらも通常ワームでは完全再現ができない事が判明している。

では何故数多くのワームの中でカッシスワームだけがワームの域を超えたタキオン粒子制御能力を備えるのか。

その答えは本編視聴済みであれば簡単にわかる。

カッシスワームがそもそも二体のワームが融合した状態で産まれたワームだからだ。

 

フリーズにカウンター、そのどちらもが、ワーム二体分のタキオン粒子制御臓器を一つの肉体内部で直結しなければ成立しないのである。

恐らくはワームにおける貴重な結合双生児、或いはパーツの揃った畸形嚢腫か。

機械として作られたハイパーゼクターやパーフェクトゼクターが同じようなことをしているが、天然で産まれてそれが成体になるまで無事に生きているのは生命の神秘と言っても過言ではない。

 

特にフリーズは恐ろしい。

カブティックゼクターで変身したライダーに装着されて機能するハイパーゼクターのハイパークロックアップをより先鋭化した能力だ。

ハイパーカブトと比べると、GNドライブのダブルドライブとツインドライブくらいに隔絶した性能になる。

 

が、実用的かどうかはまた別の話になる。

カッシスワームディミディウスは攻撃性能に欠ける。

つまり、フリーズを成立させるレベルでクロックアップの性能を高めようと思えば、それ以外の機能はかなり犠牲にしなければならないのである。

発動にも決まった動作が必要な為に、肉体の欠損にも弱い。

つまり、カッシスワームディミディウスは初手から相手を圧倒して反撃の機会を与えない立ち回りも必要になってくる。

 

さらに言うとフリーズにも当然時間制限があり、延々と発動させ続ける事もできない。

パーフェクトゼクターのエネルギー誘導弾で隙を突かれて攻略される事になる。

で、フリーズを使うためにリソースを喰われているディミディウスの肉体強度はそれ程でもないので……。

 

「いてて」

 

連続する小爆発の音を聞きながら、カッシスワームディミディウスに殴られたあとを擦る。

対時間停止の練習相手としてクロックアップ抜きで挑んでみたが、まだ素の速度でフリーズを使うカッシスワームの相手をするのは難しい。

ハイパークロックアップにアクセルフォームを重ねるか、オルフェノク研究で解析した超過速を重ねるかしてようやくトントンといったところか。

 

今、少し離れたところでカッシスワームが無数の虫型爆弾に群がられて絶え間無く爆発に巻き込まれている。

ゼクトマイザーから放たれるマイザーボマーだ。

最も、これは設計図を拝借して新造したコピー品だが。

 

ゼクトマイザー。

秘密結社ZECTがライダー用の装備として開発した携帯式の虫型榴弾射出装置である。

使用するライダーに合わせた見た目の小型虫型榴弾がこのゼクトマイザーの内部にジョウントで転送され、放たれた虫型榴弾マイザーボマーは使用者の指定した相手を追尾、着弾後の衝撃はワームを15メートル吹き飛ばす程。

肝はクロックアップにも対応しており、成虫化したワームの追尾も可能としている点だ。

これを雑に撃ってればライダーシステムが無くてもワームに勝てるよね?と言わしめた超兵器だ。

 

だが、この装備には欠点が二つほど存在する。

まずは火力。

ワームを吹き飛ばす程の威力だが、実はその程度の威力ではサナギくらいしか倒せないという点。

もう一つの欠点はコストである。

弾薬であるマイザーボマーは他の場所からジョウントにより転送されてくるため、コンパクトな見た目ながら装弾数実質無限、という売り文句なのだが……。

 

弾薬だってただじゃあない。

しかもマイザーボマーは使用者の脳波から標的を選択する脳波送受信機能、榴弾としての炸裂機能、クロックアップ中でも敵を追尾するためクロックアップシステムを搭載し、当然のように飛行能力を備える。

言うなれば、マイザーボマーはその一発一発が簡易ゼクターなのだ。

 

それがZECT側でもわかっているのか、作中でマイザーボマーが炸裂するシーンは存在しない。

基本的にワームに群がって体当たりを繰り返すだけであり、とどめを刺すのはライダーの仕事となっている。

とりあえずワームに囲まれたらこれを撃っておけ、くらいの人権装備なのに常用されなかったのは、一度使うとマイザーボマーの増産が済むまで虚空にジョイントを仕掛けてマイザーボマーのリロードに失敗し続ける虚しい機械になってしまうからだろう。

 

そして、設計図を元に再生産して改めてわかったことだが、サナギ数匹に成体ワーム一匹、これを相手にゼクトマイザーを打ちっぱなしてマイザーボマーを爆発させる設計者の想定通りの運用をした場合、三回目で全部載せパーフェクトゼクターの製造費用を越える弾薬費がかかることが判明した。

というか、マイザーボマーそのものがクロックアップシステムを搭載した設計なのだから、こんなものを作る暇があれば簡易ゼクターの一つも作ったほうが良い。

ホッパーゼクターが開発されたのもそれが判明したためだろう。

事実、既にZECTはマイザーボマーの生産を打ち切っている為に、ZECT製ゼクトマイザーはマイザーボマーをジョウントで呼び出すことができない。

 

だが、パーフェクトゼクターと異なり、これの運用にはハイパーゼクターにより強化されたライダーを必要としない。

マイザーボマーの呼び出し先を変更した自家製ゼクトマイザーを使えば、ハイパーゼクターやパーフェクトゼクター無しでのカッシスワームディミディウス攻略が可能なのである。

 

「パーフェクトゼクター使ったほうが速いわ」

 

フリーズが解除されるまでに放ったマイザーボマーの七割がカッシスワームによって破壊されてしまっている。

なんとも割に合わない。

パーフェクトゼクターの製造が間に合っているならわざわざゼクトマイザーなどという金食い虫を使うまでもないだろう。

この攻略法はあくまでもカッシスワームディミディウス登場までにハイパーゼクターもパーフェクトゼクターも手に入っていない時の保険と考えたほうが良い。

無論、時間停止能力者を相手にする場合、意表を突くという意味で備えておくのは悪く無いとは思うが。

 

指を鳴らす。

フリーズが解除され、クロックアップ状態の無数のマイザーボマーに群がられていたカッシスワームディミディウスが、身体に無数の小爆発を纏ったままの姿で停止する。

発動までに予備動作が必要、連続発動時間に制限がある、再発動までに間が必要。

そんな欠点だらけの生き物のために時は流れていないのだ。

 

複数体の特化型ワームを外科手術で接合して調整すれば同じことが出来るようになるが、ワーム1体分の容積に収まる形でフリーズを可能にする臓器には興味がある。

スコルピオワームの恋の成就の為に回収する訳にもいかないが、この場で少し丁寧に分解するくらいはいいだろう。

粉々の状態から再生する過程も観察しておきたい。

変身を解かないまま、取り出したメスをカッシスワームの身体に滑り込ませた。

 

 

 

 

 

 

 




あけましておめでとうございます
令和6年も平成を擦り倒しますのでどうぞよろしく

☆出処のはっきりしたパワーアップアイテム
開発者として名前と顔とデタラメな学歴だけが登録された非実在高円寺博士により作られた初のブレインスクラッチ製ハイパーゼクター
ノーマルモード時の全長は153cm、ハイパーモード時には手脚が伸展し222cmまで伸び、絶食させて体内のエネルギーや食物、冷却液やオイルなどを全て抜いた乾燥重量は78kg
同サイズの機械としては恐ろしく軽いが、擬態時に重量まで変化するワームの体組織構造を参考に作られたヒヒイロカネ発砲合金が採用されており、ダンプカーにはねられる程度なら目を回す程度のダメージですむ強度を誇る
オリジナルのハイパーゼクターの機能を内装と外装に2台分搭載しており、ハイパーチェンジの掛け声と共に身体を上下反転、変形とキャストオフを経てスリムなハイパーモードに変身する、制限時間は三分
天道兄妹に渡された有情コマンダーによる許可が無いと変身できないなどの制限はあるが、実質ハイパーフォームのライダーが二体居ることになるので便利
口から摂取した食べ物をエネルギーに変換する機能を備えており好物はスイカ
変な語尾をしているが過不足ない睡眠学習を済ませているため作中人物比較で言うと加賀美新よりも頭が良い
機体ベースは赤心寺で運用されている最新のロボタフであり、別に変身しないノーマルモードでも並の怪人を跳ね除ける程度の自力がある
なお、ハイパーゼクターであるためジョウントにより有情コマンダーの持ち主のもとに一瞬で駆け付ける事が可能であり、遠隔地のカブトにハイパーカブト用追加装甲だけ送り付けて本体は樹花の護衛をする、という真似もできる
原作ハイパーゼクターがやったことは時間移動以外全部可能なのでオプション無しで容赦なく空も飛ぶ
ガタック用の兄弟機が居るがガタックは別にハイパーゼクター無くてもなんとかなる為に赤心寺で雑用をこなしている
ゼクターは喋らないと思われているかもしれないが喋る世界線が公式で存在している為問題はない
まぁ所謂ハイパーバトル世界線なのだけど、冒頭から加賀美新の表情に気圧される天道総司が見れる
表情に気圧されるというか、天道にしかハイパーゼクターは使えない→じゃあ天道になる!という短絡ができる加賀美新の紙一重な天才描写

☆オフ会0人カッシスワーム
弾が全部奴の身体を突き抜けてしまうぞ!
みたいな肉体構造をしている
最終形態が二体のカッシスワーム、第二段階で受けられるライダーの必殺技は同時に二体まで、カブトゼクターで変身したカブトがハイパーゼクターで発動するハイパークロックアップなどの状況証拠から合わせて考えた結果
再生能力も卵の段階で二体分のボディがあって、一体のワームとして孵化、死ぬ度に成長という形で再生して最終的に正常な二匹のワームに分化して完成したものと思われる
そのへん少し解説してから次回はたぶんいい加減スコルピオワームくんが死ぬ話をやる

そんな訳で次回はたぶんスコルピオワームが死ぬまでの話
積み重ねが必要なんだ、とか思ってたけどミサキーヌの好感度以外は大体突発イベントだけで構成されてたからもう深く考えなくて良いでしょ、と
微調整とちゃんと神代剣の人格で動くかを確かめに行くのかもしれない
どういう話をするのか、そもそも会話するのか、まだなんも決まってないけど2024年もよろしくお願いします

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