オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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173 ワームの交配

知っての通り、ワームという生き物は胎生でなく卵生、つまり卵を産んで繁殖する。

知っての通りと言いつつ作中でワームの卵が出てくる回数は恐ろしく少ない上に掘り下げられる事も一切無い。

作中のライダーが一部例外を除きワームを殲滅する!みたいな考えで動いている割には、ワームがどうやって増えるか、という点には皆それほど注意を払わないのだ。

イザナギとイザナミの如く、どれだけ殺そうともそれを上回る数だけ増えれば決して滅ぼす事はできないのに、だ。

 

作中で登場したワームの卵はかなり巨大で、おそらくは孵化直後からサナギ体として必要十分な性能を発揮できるまで卵の中で成長するのだろうと思われる。

では、その卵は何が産んでいるのか。

ワームクイーンとでも言うべきものが存在して一度に大量のワームの卵を産んでいる、なんて事は無い。

 

無数にバリエーションが存在するワームにおいて、幾つか共通の特徴が存在する。

サナギ体から成体へと変態する、変態後はクロックアップが可能になる、節足動物やその他外骨格持ちの地球産生物に似た特徴を備える、他の生き物に擬態する、そして、どれも人間と大差ないサイズである。

ワームには超大型個体というものが存在しない。

オルフェノクや魔化魍、或いは一部のファンガイアとは異なる、という訳だ。

 

無論、それが何かおかしい、という訳では無い。

女王蜂やら女王蟻という大型個体に繁殖を任せる、というものの方が例外的なのだ。

節足動物は総じて大量の卵を産むが、卵や幼虫がかなり小型である為に通常の体躯でも問題なく産卵が可能となっている。

ワームが出産に特化した個体を発生させないというのはごく普通の話なのだ。

 

ワームの産卵、それはほぼ間違い無く一匹につき一つの卵という形で行われる。

卵の中で双子が作られる、という事はあるだろうが、基本的には変わりはない。

生き物というものは弱ければ弱いほど大量の子供を産むことで最終的な生存数を稼ぐ訳だから、ワーム程度の生存能力があればこの繁殖力の低さも納得できる。

件の数少ないワームの卵登場回にしても、ワームの卵の他に無数のワームが登場していた。

正確な数が確認できるわけでもないが、有性生殖にせよ単為生殖にせよ不都合ない程度の数が居た筈だ。

 

卵を見つけ次第潰す、卵を産みそうな個体も潰す、勿論そうでない個体も潰す、という形で、ワームの繁殖は抑えることができる。

懸念点が一つある。

ワーム同士でない繁殖は可能なのか、という話だ。

仮に、ワームが雌雄同体でなおかつ単為生殖が可能であるとした場合は最大でもワーム一匹につき一つの卵が不定期或いは定期的に生み出される程度で済む。

しかし、仮に似た体格の生き物……それこそ、擬態可能な生物を相手に繁殖活動が可能なのだとしたらとてもやっかいな事になる。

 

人間の女性に擬態して人間の男の子供を妊む、というのならまだ良い。

精々がワームと人間のハーフという救われぬ命が産まれる程度の話でしかない。

この場合も先の例と同じく母体ごと潰してしまえばなにも問題にはならないだろう。

産まれてきた個体が卵であれば潰すし、ワームと人間のモザイクなら怪物扱いで潰しても問題はあるまい。

しかし、逆ならどうか。

なんの罪もなく、なんの事情も知らない人間に、侵略生物の子供が宿る。

子供は兎も角として、親を殺すことは倫理的にも法的にも問題が大きい。

ワームが人間に托卵できるとなれば、母体となった人間を人質にして孵化までの安全を確保できてしまうのだ。

なんとなれば、お腹を痛めて産んだという事実と産後の錯乱が合わさり、ワームとのハーフを庇う親御さんも出てきてしまうかもしれない。

そして、ワームに比べて人間の数は圧倒的、苗床として利用できるとなれば、増えるのにそれを使わない理由もない。

 

何の変哲もない一般人女性に擬態した個体が、本人の振りをして恋人とデートに行こうとした、という事例がある。

これはこの女性に対する擬態自体が突発的なものだった為に計画的な行動ではないと思われるが……。

デートの中で、この恋人の男に改めて擬態する、という事は可能だったろう。

そして、何食わぬ顔で人間の男の振りをして新たに他の人間の女性と性行為に及ぶ事も可能な筈だ。

 

更に言えば、人間の女性を母体とするパターンの場合、実は人間との交配が可能であるか、という問題は場合によっては無視できる可能性すらある。

ある種の虫がそうするように、人間の胎内に卵を産み付けて赤子の様に育てさせる、ということも可能かもしれない。

或いは、妊婦に卵を植え付ける事で、卵の中のワームの幼体が胎児に擬態して成り代わるということもあるのではないか。

 

が、これらを実証する方法は今のところ存在しない。

実験しようにも危険度の高い人間女性を母体としたワームとの交配実験など非人道的にも程がある。

そんな真似をすればマッドサイエンティストとして世間から爪弾きにされてしまう。

 

実際、式神化したワームの繁殖実験自体は行っている為、恐らく、人間の胎内に卵を植え付けてそこで育つという機能がワームの卵に無いだろう、という予測はできている。

これは式神ワーム同士の交配を繰り返し、産まれてきた卵を相手に幾度となく実験を行った結果として、そういった構造は見受けられなかった為だ。

だが異種交配実験は難しい。

人間と体格や遺伝子構造が近い生き物として猿を何種か連れて来て交配させてみたが、結局は人間に近い動物での実験に過ぎない。

後は、ワームの種で人間の卵子が受精しない、或いはその逆が証明されれば、ひとまず人間の生殖能力を利用したワームの繁殖を恐れる事は無くなるはずなのだが……。

悍ましい事に、或いは、予測して然るべきことだったのかもしれないが、ワームはその数々の特異な生態と、人間とは掛け離れた見た目とは裏腹に、生殖関連の機能は昆虫よりも人間のそれに近い。

これが偶然なのか、それとも地球に降りてから起きた変化なのか、はたまた……。

ともかく、ワームと同サイズまで巨大化させた昆虫よりは、人間相手の方が何かの間違いで混血が産まれる可能性は高い。

 

人間の卵子にワームの精子、という組み合わせは難しいが、逆はできる。

倫理的な問題を無視すれば、そこらの適当な人間からすっと抜き出す事は可能だ。

心霊医療のちょっとした応用である。

モーフィングパワーで肉体を切開せずに開いて中身を取り出すというだけの話なのだが。

事情を説明せずに人様の精液を盗むなどというサキュバス行為はできるだけ避けたいし、人類を害する敵対的宇宙人との交配実験に利用するので貴方の精液を提供してください、と言われて了解する人もそう居ない。

 

そうなるともう自己生産した精子を自己責任の下でワームの卵子にねじこむしかないのだ。

当然ながら体外受精。

流石の俺も地球外生命体を相手にファックする度胸は無い。

幸いにして、ニャンニャンアーミーを始めとしたアニソルジャーの製造の過程で幾度となく動物の人工授精はやってきたので手慣れたものなのだが……受精しない。

そして、だ。

これが単純に人類とワームは交配できない、という話なのか、動物実験は所詮動物実験という事なのか、判別できない。

ものは試しで人間の精子と卵子で人工授精やって成功するか、なんてのも少し違う。

流石に実験でやるようなことでもない。

 

つまり。

生殖機能を完全な形で有していると証明済みのワームに、同種であるワームの仔を着床したのと同じ条件下で、人間の精子を叩き込むしか、完全な証明には辿り着けない、という事になる。

ロシア名物宇宙人きぐるみファックAVも驚きのリアル異星生命体相手の異種交配だ。

ワクワクするな!(自己暗示)

 

言うまでもない事だが意図的にヤケクソになっているだけである。

一種の安全確認というか、既に人工授精では受精しない事が確認できているのだから、通常の交合でも受精はしない、筈だ。

地球外獣姦であると考えれば、少し人生経験が豊富になる程度。

万が一受精してしまったら、産まれてきたハーフで実験を繰り返し、ワームと人間のハーフだけを殺すような薬なりを開発する必要も出てくる。

人間の親とその親の愛を利用して殺処分を回避してワームと人間の混血種が増える危険性を考えれば避けることはできない道だ。

 

何を隠そう、俺は魔石の戦士なので自らの肉体を髪の毛一本の先端に至るまで自由自在に操作できる。

当然、この緑色のずんぐりむっくりしたワームサナギ体を相手に勃起する事も可能だ。

可能だからどうした。

魔石の戦士は感情のないマシーンじゃあないんだよ。

これにちんこ突っ込んで妊娠するかしないかわかるまで射精を繰り返せと言われてそのまま素直にできると思っているのか。

 

まぁ、そういう問題は擬態能力で解決できる。

超越感覚のお陰でどうしても違和感は出てくるだろうが、生ワームのままよりは百倍マシだ。

ここで問題が出てくるのはどんな人間に擬態させるか。

まず、普段から身体を重ねている相手は除外したい。

今後の行為中に相手の姿にワームサナギ体がダブって見えてしまうようになる可能性は残したくない。

そもそもそういう関係にある相手の大半がアギトの力やギルスの力を持っているか、擬態した瞬間に発狂したりするタイプの人ばかりだ。

逆に、そういう関係に無い顔見知り程度の相手に擬態させて、というのも、その後に顔を合わせた時に気まずくなってしまう。

いっそ顔見知りですらない適当な相手をその辺の道端で見繕って、というのは、いきなり知らん人相手に勃起して種付するというちょい高めのハードルになる。

 

焦るんじゃない。

異種交配実験の相手に被せるきぐるみを見繕ってる程度の話ではないか。

条件を纏めよう。

今後、擬態先の本人と性交する予定がなく。

擬態を阻む特殊な力や術や記憶を持たず。

日常的に顔を合わせる程に活動範囲が被っていない。

しかしまったくの見ず知らずの相手という訳でもない。

 

高校時代の同級生とか?

地元に残ってない、なおかつ上京してもいない、他の県に進学したり就職したりした連中を当たってみるか?

でもなぁ。

あんまり連絡取ってないんだよな。

物理的距離が遠くなると自然と疎遠になる。

無事か無事でないか、くらいの事は護衛つけてるからわかるのだけども。

 

「むむむ」

 

あてどなく街を彷徨う。

……今更な話ではあるが、ワームとの異種交配実験の志願者、女性にしろ男性にしろ、探そうと思えば探せない事もない。

大量生産されて一気に普及した倍力服やヘキサギア等のお陰で焼けたり崩れたりした街並みは軒並み元通り。

なんなら新築の建物が増えて清潔感すらあり、日本全国住み良い理想都市!みたいな面をしている。

しかし、直ったのは施設だけ、街並みだけ、とも言える。

親しい人を無くして心に傷を負った人、死ぬことは無かったけれど大怪我を負った人、そんなのはまぁ、探すまでもなく沢山居るわけだ。

 

幸いにして、被災者への支援はそれなりに充実しているため、傷病者が傷もそのままに道端で物乞いをしている、なんて事は無い。

逆に、生きる気力もないので働く事もないけど、支援のお陰で死なないので生きている、という人は少なくない。

昔の友人は大体難を逃れたが、友人の友人とか知り合いとかの中にはそうなってしまった、という人も居るらしい。

そういう、精神的に弱っている人間の思考を誘導するのは、特殊な能力を使うまでもなく容易い。

俺は今でも赤心寺を経由して臨獣殿に辿り着いた復讐者タイプを言い包めて思考を前向きな形に偏向させ続けている。

相手を選べば自分から人体改造くらいは志願させる事ができるレベルなのだ。

精神の弱った人間を説き伏せて、自分から望んで異種交配実験に協力を申し出た、そう思い込んでもらう事は難しくもない。

 

立ち止まり、振り返る。

大都会東京は渋谷の一角。

渋谷隕石で一部封鎖こそされていたが……少し前までなら昼夜問わず人混みがあった。

しかし一瞬、ミラーワールドにうっかり入り込んでしまったかと思うほどに人が居ない。

まぁ先の災害では動きが鈍い人ほど逃げ遅れたので、巣鴨などの方が人の減りは激しいのだけども。

 

街の形は戻りはした。

だが街中を、自分を守るものの無い場所をブラブラと歩ける程には、安心出来ていない。

外を歩く人々は見てわかるほどに早足で、兎に角頑丈な建物から頑丈な建物へ、という動きが良く見える。

 

皆、疲弊している。

当然の話で、去年のヤマタノオロチの件の前に、近年だけで考えても幾度となく日常が破壊されているのだ。

疲弊している中で、それでもと頑張って前を向いて歩いているし、後ろを向いて立ち止まっても、生きている人はまだ人生を全て投げようとはしていない。

今、家に籠もって無気力に死んでいないというだけの人も、何時か立ち上がりゆっくりとでも歩き出すかもしれない。

 

俺は魔石の力と超能力とその他諸々の方法で肉体と精神を常に安定させているが、心がない、という訳では無い。

無改造でそうやって頑張っている人、いつか頑張れる様になる人を、操る事が出来るからと都合よく実験台にしようとは、そんなに頻繁には思わないのだ。

下手にうろちょろしない分、ワームの被害にも合わないだろうし、面倒が少なくて助かっている部分もある。

 

繰り返しになるが、俺は何も、親しい人達が無事ならその他はなんでもいい、という訳では無い。

親しい人達にはなるべく楽しく元気に健康的に過ごしていて欲しい。

その方が俺も気分良く生活ができる。

なので、全体的な環境が良いに越したことはない。

俺の知らない、そして、もしかすれば俺の親しい人の友人かもしれない、或いは彼等彼女等がその安否を気にするかもしれない人達にも、多少なりとも心配りをしている。

肉体的に精神的に余裕がない他人と、まだ余裕のある自分、どちらかがやる必要があるというのなら、無闇に押し付けない程度の良識はある。

 

勿論、俺の代わりにワームと交尾してくれる心の余裕のある奴が居るならそれはそれで押し付けたいという気持ちだってある。

しかし、ダメ元でそれなりに親交があり事情を知っている今精神的に余裕ありそうな男性には、ワームサナギ体の写真を見せた上で、これ人間に擬態できる能力を持ってる生き物なんだけど、適当な女性の姿を擬態させた上でこれと交尾してくれたりしない?と確認を取っているのだ。

猛士のメンバーで特定の恋人の居ない男性陣とか、中村くんとか、嶋さんとか、素晴らしき青空の会の後輩とか、剣崎とか……。

 

でも全員に断られた。

理由を説明した上で、だ。

彼等は基本的に人類の自由と平和のために日々戦っているだけあり、そこらの人と比べて間違い無く善人だ。

そんな彼等に断られたのなら、もう自己解決しか道はない。

道はないのだが、それでもなんか無いかと足掻いている最中なのである。

毎年毎日頑張っている俺ではあるが、今の頑張りも中々ギリギリまで頑張ってギリギリまで踏ん張っているのだから、そろそろ時空の壁を越えてウルトラマン辺りが助けに来てくれないか。

ウルトラマンなら人間そのものの肉体に擬態して繁殖とかできるだろう。

古くはダンとアンヌとかを見る限り、彼らも異種姦適性がそれなりにあると思われるし……。

 

「センパイ?」

 

何時までも侵略生物を殲滅しに来てくれないし異種交配しにも来ない光の巨人に思いを馳せていると、やけにはっきりと声が響いた。

街が静かな為にはっきりとした発音の声は酷く大きく響いてしまうのだ。

因みに今の声が俺に向けられたものでない事は確かだ。

 

東京で出来た知り合いで年下の連中となると大学の連中だが、俺を先輩と呼ぶような殊勝な人材は全て俺の周りからは消えて行った。

運動系サークルに戦士にできそうな見どころがある人材を探しにちょくちょく顔を出している内に、人材が厳選されてしまったのだ。

心折れた負け犬の尽くが去り、残ったのは青空の会の新人と同様、勝ちに飢えてギラついた闘志を燃やす野犬のような連中のみ。

多くの運動系サークルは上の学年を相手に師父と表向きは仰ぎながら、内心では虎視眈々と下剋上を狙い喰らい合う蠱毒の壺と化してしまった。

絵柄としては漫画版柳生十兵衛死すくらいの連中しか居ない。

 

まったく都会の大学とは真に恐ろしいところだ。

俺がもっと力で積極的に平定していればあの学び舎も平和だったのだろうか。

そうなると運動系サークルは全て潰して赤心少林拳サークルに統合することになったろうが。

難波さんは今でも偶に飲み会とかで楽しくやっているので色んな文化が入り乱れているだけなのかもしれない。

 

「あの、小春センパイ、ッスよね?」

 

「む」

 

馴染みのない、しかし、何処か懐かしい響きの呼び名。

親しい友人の一部を除いて、俺を名字で呼ぶ者は少ない。

高校時代は変なあだ名が早々に定着してしまった、というのもあるが、音と文字の響きが妙に可愛らしく似付かわしくない、という意見を聞いた事もある。

 

なんとも心外な話だ。

俺もその気になれば美少女に化ける程度の擬態能力は備えているというのに。

しかもコツカケの応用で棒と玉を体内に収納するから女物のパンツも違和感なく履けるので脱衣麻雀や野球拳に駆り出されても残り1枚までバレない精度だ。

胸は肋骨と胸筋を変形させて作ると良い(豆知識)。

ホルモンバランスを意図的に調整することで性別特有の体臭も誤魔化せるので、女しか襲わないタイプの魔化魍を誘き寄せるのも難しくない。

なんなら変装しなくても声だけ美少女にもできる。

 

はい、小春ほにゃららです!(cv青山吉能)

こっちの熊(ベアファイター)はラキストン!(cv青山吉能)

 

変声のコツはこち亀で学んだ。

その過程で喉仏も引っ込められるようになった。

こち亀読者は全員同じ事ができる。

まぁ重心が変わるから戦闘力が少し落ちるので理由もなく女性の体に擬態したりはしないが。

 

ともかく、この呼び名には少しだけ覚えがある。

声の方を振り向く。

 

見覚えのない女性だ。

ギリギリ成人してるかしてないか、程度だろうか。

それ程筋肉の付いていない、肉付きの良くない身体を、梅雨も近い時期から考えれば厚着にも見えるゆったりとした服装で隠している。

だが、立ち姿は鍛えていない人間のそれではなく、恐らく過去に武道の経験があったのかもと想像させる。

長年鍛えて、その上で武の道から遠ざかり、健康維持で少し身体を動かしている、くらいのものか。

 

理由は、恐らく身体の欠損。

脚、違うな、腕……?そう、腕が片方義手になっている。

機械式ではない、少なくともG3に応用されていたような義体技術は使われてない。

機械式の義体は今の日本でもまぁまぁ珍しい。

身体を欠損させるような攻撃ができる間合いに入ったら躊躇いなく殺しに来るような奴らしか居ないためだ。

お陰で義体技術はそれ程普及していない。

作ろうと思えば闇のイージスみたいな腕くらいは余裕で作る技術力はあると思うが……。

 

顔に関しては、前髪の片側を伸ばして顔を隠している。

匂いからして火傷、これは治療は済んだが痕が残ったのか。

今どき全国に幾らも居る怪我人だ。

先のヤマタノオロチの一件の被害者なら、出歩けてる分治療は早く済んだ方だろう。

前髪で顔を隠していて、やや猫背気味であるために顔は確認しにくいが、浮かべた笑顔は何処か仔犬を連想させ、全体的に丸くて可愛らしい顔付きをしている。

こういう顔で、街で出合ってわざわざ声を掛けてくるような後輩が居たら覚えていそうなものだが……。

 

「覚えて、無いっ、すよね、やっぱ……」

 

自然な笑みは緩々と解け、卑屈そうな、自分を卑下するようなものに変わっていく。

俺は別にフェミニスト、という訳でもないが、誤解で人の心を傷付けてもいいとは思っていない。

覚えはあるのだ。

 

「剣道部の後輩ちゃんでしょ?中学の卒業式ぶりだから、6年ぶりかな」

 

「6年と、2ヶ月と……いや、お久しぶりっす、センパイ」

 

記憶の隅に残っていた当時とは掛け離れた姿の後輩は、泣き笑いの様な顔でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 




異種交配の話が感想にあって
ワームが人間のオスに化けて人間のメス孕ませて大量のワームと人間のハーフとか作ったら
絶対ワームからしたら差別階級の奴隷戦士扱いだよなぁ
まぁ原作で居なかったからできないんだろうけど
原作の人間とこのSSの人間ってはっきり言って別種族だからなんの保証にもならないよね?
という話を今回と次回で決着つける
ついでに主人公が周囲の親しい人に護衛つけたり強化してったりで描写をそんなにしてこなかって運悪く被害に合いつつも生き残ってしまった人の話とかも次回の話でやる

☆ワームにちんこをつっこむ決意を固めながら町中で都合よくそれ以外の方法を探し歩いてただけの男
実際、元人間で普段は人間態で過ごしてるオルフェノクとか、力を抜き取られるとほぼ人間になるファンガイアとかとと比べてワームの擬態は本気でただの擬態なので異種交配はかなりハードルが高いので躊躇いがち
高校時代の友人には大体護衛をつけてるけど中学時代は現世の状況を把握した直後なので余裕もなく周囲への親しみとかも吹き飛んでた
中学時代後半はアギトの力でブーストしたグローイングフォームで野良オルフェノク相手に不意打ちで刹那の見切りみたいな殺ししかしてなかったので余裕が無かったのだ
作者側は話に上げることもあったけど、主人公的には中学時代の知り合いとか大体遠い記憶の彼方
思い出せるけど思い出すきっかけもそんな無いなくらいの位置

☆異種交配実験の話に突如として現れる中学時代の後輩ちゃん
つまり交配ちゃんってわけ
感想でワームと人間の交配について話してたのは恐らく後輩ちゃんを出せという「メッセージ」なのではないかと推察した
ワームと人間の繁殖、つまり交配、こうはい、後輩?
という連想ゲームが恐らく感想欄で起きていたのではないだろうかとぐにょりは想像するのでした
イフ話でオルフェノクに目覚めて悲恋して死ぬみたいなのをどこかで話したけど、大体の人間は命の危機とか死ぬ体験とかを経ても怪我したりそのまま死んだりするだけなのでオルフェノクにはならずに済んだ
代わりに片腕欠損と少なくとも髪で隠したいくらいの顔面への火傷と梅雨時期でも長袖着て隠したくなるくらいの何らかの怪我が残ったけど
大したこたぁねぇだろー!
オルフェノクになっていたら、本能で周囲の人間も殺してたかもしれねぇ……
それに比べれば軽く済む!
語尾っす族を出したい、あわよくばエロシーンを書きたいという思い
しかしそれも次回の話を書いてる間に再びエロシーン書きたいモチベが湧き上がったらの話
本来はこの話の中で全部纏めて書いてエロシーン切り離してもう一つの方に投下する予定だったけど
まぁまぁ切りがよくなったのでここで一旦切ることに
なおエロシーンはワームの擬態でやるので今更ヒロインが増える訳では無い
ライダー特有のゲストキャラみたいなもん
それ言ったらこのSS大体のヒロインがゲストキャラくらいの出番しかないけどね
エロシーン書くモチベが継続されなかったら力なき一般人で剣道部のエースくらいの人が怪人に遭遇して被害を受けたらどうなるのっていうあんまり描写してこなかった部分がピックアップされると思う
確かに斬り落とされてしまった腕はあまり正確に動かない義手にするしか無かった……だが今は違う!(ギュッ)
みたいな展開を本人は受けるしその後は何事もなく帰ると思われる
腕から濃硫酸のプールに落とされた訳では無い
無いけど本編で書いた通り腕を欠損させられる間合いで殺しにかからない怪人とかあんま居ないんだよな……まぁこのSS中に下手人は既に居るんだけど

話が原作に絡んでいかないし前にも進まないけどそんなのは何時ものことな上にカブトは原作からして展開の足踏み多かったからままエアロって感じです
黒包丁回とかもあるしね
黒包丁回までにワームの識別法を完成させてればうるせーしね!で終わる話だし
きっとこのSSは原作を振り返りながら無意識に口から破壊光線とか垂れ流してるんではないかなと思いますが、それでもよろしければ次回も気長にお待ち下さい

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