オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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162 満ちる不穏

夏の残り香と秋の気配が排ガスの中に混じり合う穏やかな風。

その中を黒い塵が舞い、乾いた破裂音が連続して響く。

日も高い時間の高架下に似つかわしくない銃撃音。

警察の装甲服部隊の一人が、全身に呪いの文字列を刻んだ狐面の怪物、カシャを相手に戦っている。

 

何ら神秘的なエネルギーを纏わない自動小銃の弾丸はカシャに致命的なダメージを与える事はない。

しかし、魔化魍としての肉を得てしまった以上、その身体はある程度物理法則に縛られてしまう。

そしてカシャの持つ発火能力や物理的な打撃は、警察に正式採用された装甲服のグランメイルを貫く事はできない。

カシャの放つ火炎弾から頭部カメラアイを守るために片腕で頭部を庇ったまま、自動小銃でカシャへの射撃を繰り返す。

これでカシャの近くに民間人の一人も居れば銃を使用できずにナイフを使用した格闘戦へと移行する事になるのだが、片腕で顔を庇いながらも銃撃が止む事は無い。

甲高い音で一鳴きしたカシャは名の通りの炎の車輪へと姿を変え、装甲服から逃げるように走り去っていく。

 

「所定の位置へ追い込んだ」

 

油断なく自動小銃を構えたまま頭部に手を当て、通信機で本部へと状況を伝える。

間髪入れず返ってくるのは別の区域への応援要請。

了解の意を伝え、カシャの居た辺り、アスファルトの地面に残る黒い焦げを一瞥し、走り出す。

 

警察で正式に採用されている装甲服は常にその視界と周辺音声を記録し本部へと送信している。

この場に残らずとも、送信されたデータを元に現場検証が後に行われる。

カシャの逃げた方向は既に市民の避難が完了し、アギト部隊が待ち構えている。

 

「すまん」

 

走りながら、次の現場の情報を参照しながら。

装甲服の仮面の下、善良な警察官である彼は録音データにも残らない程にかすかな声で謝罪の言葉を漏らす。

無論、彼が謝らなければならない事など一つとして無い。

市民に害をなす未確認存在達を撃滅し、市民を守る。

まさにヒーローと言っても過言でないだけの仕事をしている。

既に死んでいた被害者に対してできることなど何も無い。

 

―――――――――――――――――――

 

善良な民間協力者達の力添えもあり、その日に確認されたカシャや他魔化魍による八件の殺人事件、及び他数件のオルフェノクによる火事場泥棒などは無事に鎮圧された。

これは警察で確認できた事件の件数であり、実際はこの数倍の魔化魍が市街地のみならずあちこちの山林の中、郊外の田園地帯などに至るまで発生している。

死者数に関しても、警察の側では両手の指で数えられる程度しか確認されていない。

被害者が出てから解決に動き出している事を考えれば驚異的な数だ。

 

猛士の人員だけで魔化魍退治が回りきらなくなり、打ち漏らしが警察によって処理される件数が増え始めて来たにも関わらず、警察と猛士の、というより、現場の装甲服部隊やアギト部隊、鬼達の関係は悪くはない。

魔化魍の出現頻度が上がり同時に出現するタイミングが増えている、という事は、現場で戦っている警察が遠からぬ場所で戦う鬼の姿を目撃する機会も増えている、という事。

未確認生命体による殺人ゲームの時の四号と警察程に連携が取れている訳では無いが、誤解から互いの仕事の邪魔をする様な事態は発生していない。

 

そして、そんな事をしている程の余裕は既に存在していなかった。

警察の装甲服部隊が警邏中に魔化魍と戦闘中の鬼と遭遇する、或いはその逆、もしくは戦闘中の複数の組織がかち合う。

そういう事は既に珍しい話ではなくなりつつある。

ここ数年で何度か起きた大襲撃とは異なり、数はそれほどでもなく、鎮圧までの時間もそれほど掛かっていない。

しかし、それはほぼ間違いなく毎日確実にニュースで耳にし、運が悪ければ事件そのものに遭遇する。

遠目に襲われている人を見た、戦っている警察の装甲服やアギトを見た、巨大生物と戦う謎の影を見た、などという目撃証言だけなら枚挙にいとまがない。

 

警察の中で、こういった事件に対処するのは基本的に装甲服部隊やアギト部隊になるが、通常の装備で仕事に当っている一般警察官もまた、少なからずこれらの仕事に関わる事になっていた。

魔化魍が現れれば市民を避難誘導し、或いは支給された拳銃一丁で果敢に魔化魍の気を引き市民を逃し、或いは武器すら失う中で命がけで市民を守り……。

 

最後の例はそれほど多くはない。

流石にそこまでの事ができる人間は少数派だ。

市民からしてもそこまでの事を警察に求めるものはそう多くない。

しかし、少なくない、というだけで居ない訳でもない。

それを咎める者も居るが、そういう声がある、という事実は消えない。

 

魔化魍の被害というのは極端なものだ。

最初に襲われて、生きたまま貪り食われるもの、そこから奇跡的に逃れたもの。

生き残ったものは肉体的に余裕を残しながら、身近で人が踊り食いされる様子を見た者も多く、精神的な余裕を失っている。

結果として、その中の幾らかは自らを助けたものへの感謝ではなく、自らを襲った相手への怨嗟でもなく、死んだ誰かを助けられなかったものを非難する。

 

心の底からそれを間違いであると思えるものも居る。

しかし、内心ではその声に同調してしまうものも居る。

不満、不信が人々の間で蓄積され、それは穢として渦巻き、新たな魔化魍を生み出す。

その空気に耐えながら、それでもと戦う人々も、徐々に調子を崩していく。

 

解決も破滅も無く、緩やかに続く魔化魍による襲撃。

それは確実に人々の日常を蝕んでいた。

 

―――――――――――――――――――

 

山林や海辺のみならず、市街での魔化魍の発生率が上がり、しかしそれでも社会は回らなければならない。

人々はいつ怪物が現れるかわからぬ道を今日も何ら武装する事無く歩き、時折見つかる焦げ跡、消しきれない血痕、現場検証の様子などを横目に会社へと向かう。

或いは会社を辞めて田舎に逃げる、という選択を取るものも居ないではない。

しかし、それらは情報収集ができていない一部の気が早いもの達だけだ。

被害の数、という意味で言えば都心だから多い、という話でもない。

地方都市、或いは都市とも言えぬ田舎に行ったとしても怪物出現のニュースはある、大々的に報道されない、というだけで。

 

安全は、どこに居ても保証される訳では無い。

或いは、それが知人友人隣人全てに適用される、というのであれば、人々の感覚は鈍っていったかもしれない。

どこに行っても、どこかのタイミングで怪物に殺されるかもしれないのは同じだ、と。

だが……。

 

単純に、ある条件を満たした人は、かなりの確率で魔化魍に襲われながらも生きながらえる事に成功していた。

『ブレインスクラッチ』から販売されている半自律式多脚車両『ヘキサギア』シリーズ。

普段は半自動運転程度の事しかできないこれらは、魔化魍の出現など、登録された所有者の生命安全の危機に対して極めて迅速に対応が可能である。

これを所持していれば助かる。

……と、いう訳でもなく、逃げ切れずに死ぬ、ヘキサギアが対応するよりも早く殺される、という場合もあるのだが、魔化魍に襲われた上で『これのお陰で助かった』と証言すれば、死人がやはりヘキサギアを所有していたとしても情報の拡散速度は大きく異なる。

死人に口はないし、九死に一生を得た人はストレスからよく口が回る。

 

一般車両程に普及している訳でもないが、街に出ればそれなりの数を見る。

しかし、それでも護身の為に即座に購入できるか、と言えば難しい。

普通に暮らす人々は、護身のためとはいえ、普通自動車相当の金を即座に出す事が出来る訳では無い。

 

何もしなければ、なにかあった時に死んでしまう。

しかし、助かるかもしれない手段はある。

平等ではない。

自分は死ぬかもしれないが、あいつは生き残るかもしれない。

或いはその逆。

文字通り生死を分ける状況は、死への不安を鈍化させること無く、新鮮な不安だけを生み出していく。

 

そんな日常の中で、明確に変化があったのは学校だろう。

ネットワークの発展具合からリモートワークなどが現実的ではない為に職場に出向かなければならない社会人と異なり、学生はとりあえず自宅学習である程度は済ませる事ができる。

特に、都内の学校においては無期限の休校、というところも増えつつあった。

 

そして、それは学業と仕事を並行して行っていた猛士の見習いにとっても大きな変化を与えていた。

特に、鬼、『角』の見習いである『と』の中で学生であった者たち。

威吹鬼の弟子であるあきらなどは特に顕著で、最低限の自主学習をこなしつつ、活動時間のほぼ全てを猛士としての活動にあてていた。

 

無論、それは師である威吹鬼としても喜ばしいと言い切れる話ではないのだが、事情が事情であり、事態が事態だ。

家族を魔化魍に殺された復讐心を原点として猛士で鬼を目指して修行していたあきらが、修行の中でその原点に疑問を感じる場面は多くあった、思い悩むだけの時間的余裕があった頃には。

猛士ではない少女としての日常とも言える学校生活すら魔化魍達の躍動により途絶え、ただの少女として街を歩く中ですら、魔化魍による被害を見続ける日々。

悩む時間はあまりにも少ない。

 

『まずは繁忙期を抜けてから考えましょう。死んでしまえば悩みも何もありませんし、それは魔化魍の被害者も同じですよ?』

 

猛士でなく、しかし、魔化魍退治に係わる外部の人。

その言葉の全てに納得した訳では無いが、頷けるところもあった。

今、自分は未熟ながらも戦う事が、道具の力を借りれば魔化魍を倒す事すらできる。

それをせず、思い悩む間にも自分と同じ被害者が生まれて、自分と同じ苦しみや悲しみ、憎しみを背負う人間を増やす事は正しくない。

 

悩みは解決していない。

未だ、鬼の道を進むことへの迷いはある。

しかし、あきらは鬼の道への迷いを残したまま棚上げし、守るために戦う事への迷いを捨てた。

心に棚を作った、後回しにした。

言い方はどうでもいい。

鬼へと至る一歩前にして、天美あきらは戦う道を選び取ったのだ。

 

一方で、未だ、選択肢を選ぶ段階に至らない者達も居る。

 

息も荒く、神社の長い階段の下で座り込む二人の少年。

先日、晴れて猛士の鬼である響鬼への弟子入り志願が受け入れられた者達である。

彼らの師は今この場に居ない。

修行をつけている最中に魔化魍出現の知らせを受け、修行の内容だけを告げて離れていった。

師の監視の目や教導が無くとも、二人の弟子は忠実に師の与えた修行をこなし続けている。

ほんのすこし前であれば、弟子の片割れが体力作りの為の修行に不満を覚えて文句を言うなりサボるなりしていたところだろう。

だが、既に意識改革が成されている。

 

以前に体力作りの修行をさせている最中に、こんなくだらない事じゃなくて、戦う為の方法を教えてください、と、口調だけ丁寧でありつつ立場を弁えない発言があった。

これが、もう少し魔化魍の出現率が低く余裕のある時期であればじっくりと諭す、という道もあっただろう。

だが、既に街にも野山にもぽつぽつと魔化魍が溢れ続ける様な状況で、なおかつ、最低限、弟子の身の安全を保証するだけの装備が存在してしまっていた。

充実した器具の存在により、猛士の鬼はやろうと思えばかなりの促成栽培が可能なのだ。

 

『じゃ、やってみるか? 魔化魍退治』

 

詳細を省いて言えば、弟子は身をもって魔化魍の恐ろしさを体験した。

体力作りが必要かどうかはともかく、今の自分が戦う力だけを手に入れても、魔化魍を相手に一歩も動くことはできず、腰を抜かしてへたり込むしかできず、背を向けて逃げる事すらできない。

自らを殺そうとする、暴力に一切の躊躇いのない敵を相手にして、まともに身体を動かす事は、命をかけた争いごとと無縁の生き方をしてきた人間には難しい。

武器があれば、力があれば戦える、という訳では無い。

そんな事実を再確認させられ、今は身体を動かす為の訓練中だ。

 

同じく見習いである筈のあきらが鬼としてではないにしても、魔化魍と戦うためにあちこちを飛び回っている間に、自分たちは地道に基礎体力を身に着けるための反復練習。

不満は無い。

あきらは既に修業を二年積んだ、見習いである『と』の中でも序の六段という位階にある。

鬼の鎧をはじめとした装備類が無くともディスクアニマルなどを利用して師のサポートをする段階にある。

 

実の所を言えば、二年前から修行を始めた、という点だけで見れば先日鬼としてデビューした轟鬼とほぼ同期であり、今、あきらが鬼として独立していないのは年齢によるものが大きい。

高校ぐらいは卒業しておこう、学生としての人生経験をつんでおこう、という勧めがあったからであり、或いはこんな状況になる前の鬼になる事への迷いなども原因にある。

同じ見習いの『と』ではあるが、スタート位置に着く準備をしている者と、あと一歩でゴールするもの、それくらいには差があるのだ。

なんとなれば、護身用としてではあるが、二人にも既にあきらにも支給されて実際に対魔化魍で使用しているUギアが与えられているし、それは悪用でなければ私的な時間に使用する事も許されている。

だが、それで弟子二人がなにか出来る、という訳では無い。

できない、という事を理解する段階までは修行が進んだ、とも言える。

それができる人間との違いも、二人には理解できてしまうのだ。

同じ見習いなのに、などという勘違いなど間違っても出よう筈がない。

 

二人が抱えている気持ちは不満ではない。

無力感だ。

 

魔化魍出現の知らせを受けて修行の継続を指示したまま出発した響鬼。

変身して、ギアを装着して手伝いを、とまではいかなくとも、ディスクアニマルの一つでも使えればサポートもできただろうか。

そんな事を考えられない程に、自分達が未熟である、という自覚を得てしまった。

自分達が、それこそ単純な憧れから弟子入り志願した人が守るものの多さ、巨大さを目の当たりにする日々の中で、その弟子でありながら無力である事への不甲斐なさ、そして、未だ無力でありながら自分達の命を守る手段を与えられた事への後ろめたさ。

そういうものが、彼らの中に産まれつつあった。

 

疲れ果て、石段に座りながらスポーツドリンクを融通しあう二人の弟子。

元々、それほど相性が良くなかった二人ではあるが、啀み合う様子はない。

そんな事をしようと考えられる程の体力が残っていないのだ。

二人が共に未来の鬼になるかどうかは未知数ながら、その道行で力を合わせる事ができる程度には、関係は改善されつつあった。

 

―――――――――――――――――――

 

龍の目覚めは近い。

魔化魍の大量発生は当然その前兆だ。

既存のシステムが限界を迎えつつある証拠と言っても良い。

 

だが、それは決定的な破滅の訪れではない。

或いは魔化魍の大量発生をオロチ現象、と呼ぶのであれば既に事は起きているのかもしれないが、犠牲者は少数で済んでいる。

魔化魍はまだギリギリで清め切れる程度の数しか出ていない。

都市が一つ消えた、とか、そういうレベルの話にまではなっていない。

破綻寸前のシステムではあるが破綻していない。

無論、それは爆発寸前の圧力鍋の様なもので、既に安全とはいえない状態にある。

そして、その空気に便乗する者達も。

 

既に市街地で魔化魍の目撃者が後を絶たず、毎日少なからぬ被害者が計上されているからこそ、死亡が確認されていない者達の異変に関しては問題視され難くなっている。

単純に増えつつある行方不明者。

毎日それなりの数の死亡者が居る、という意識は広まりつつある一方で、行方不明者、失踪者に関しては意識の外にある。

特異な空間に獲物を引きずり込むタイプの魔化魍の増加がわかりやすい原因の一つだろう。

新発見されたウラセカイのみならず、古文書に情報が見られるコダマの森の発生が()()()確認されている。

 

被害者が死んだ、という情報は当然ながら遺族や友人知人には伝わらない。

神隠しにあった、別世界に迷い込んだ、どうせ夜逃げだ。

様々な噂が飛び交うが、それらはまだ好意的に受け止められた。

知らぬ場所で怪物の餌になっているのだ、という考えよりは希望が持てる為だ。

遺族の多くはそうであってほしい、と、そう願う。

その願いを、思考の逃避を穢として、獲物を食らう異界が現れる。

 

或いは、そこまでわかりやすいものだけならばよかったかもしれない。

ウラセカイは条件が合えば猛士にも発見でき、コダマの森は既に数度の撃破が確認され清める方法が確立された。

だが、被害が発覚しない異変も同時に起きつつある。

 

前の日まで暗い顔をしていた人が、それこそ文字通り人が変わったかの様に明るくなったり、職場を辞めたり、生活スタイルを変え始める。

それは辛い職場から抜け出す踏ん切りをつけてリフレッシュできた、程度の話として大凡が受け入れられている。

しかし、元の生活から離れた、人が変わったかのようと言われた人達は、多くの場合ある共通の活動を始める。

 

大目的の為に、人知れず、軍団を構成する兵士の様に、働きアリの如く無心に、以前の面影をそのまま残しながら、一つの目的の為に。

気付いた人は言う、あれはドッペルゲンガーに入れ替わられたのだ、異世界の本人と入れ替わったのだ、なにか怪しい宗教に洗脳されてしまったのだ。

 

怪しいゴシップと一昔前ならば切り捨てられただろう。

だが、既に人々は知っている。

人が人ならざるものに変わる事を。

人を食らう怪物の実在を。

事実がどうあれ、正常な人間としての生活の一部として生活を切り替えた人すらそう見られ始める。

隣に住まう人々に疑いの目を向けてしまう事を、責められる人は既に居ない。

 

 

 

 

 

 

 

 




短めなのは長めに書いてぶった切って二話分に分けたからなんや
響鬼編のラストスパートやからな



☆すっかり都市出現型の魔化魍への対処も手慣れてきてしまった一般モブ装甲服部隊員さん
焼け跡しか残されなかった被害者をそのままおいて次の現場に向かわないといけないくらい忙しいけど、それに罪悪感を抱く事ができる程度には精神が摩耗していない
慣れ過ぎると焦げ跡とか食われた破片とか見ても現場検証大変だろうなくらいしか感じなくなるからかなり情に厚い人と思われる
なお現場検証中に襲われる可能性もあるので現場検証にすら護衛が必要という地獄
こんな日本に誰がした
全て私のせいだハハハハハ!
みたいな事を言う人は居ないけど、誰がした、と言われてもしかしてあれも原因の一つかなぁ……みたいに考えるやつは実は複数居る
なんなら管理しきれなかった猛士の上の組織とかはそういう連中抱えてるだろうし

☆格差があれば不満が生まれるのは当たり前だしそれは当然不和を生むよね?
自衛戦力としての実績がついたお陰でヘキサギア馬鹿売れでウッハウハで株価激アツ
需要に供給がおいつきませーん
持ってる人は持ってない人から睨まれるけど物理的になにか害そうとするとヘキサギアが防ぐので不満ばかりがたまるね
介護の為に老人ホームとかに送られたものを孫とか子供がねだりに行くタイプの地獄もあるぞ!
お爺さん/おばあさんはこの施設の中なら安全だし、外は今危ないから外出も控えるだろうしこれは私達が引き取っていくわね?
安全な場所?
どこ?
まぁ増やそうと思えば資源を削って(モーフィングパワー)増やせるけど……
俺が行き渡らせたい場所には行き渡ってるから、そこまでする必要は……無いかな!
みたいな事を考えてるんだぜこれの製造会社の社長はよー!許せねーよなー!
という客の愚痴をそっすねと素知らぬ顔で聞き流すレンタル業者の代表とかも居る
このお客さんは人の心がわかるんだなぁと関心しきり
このヘキサギアってのを作って販売してる会社の社長さんは大変だなぁ
まぁヘキサギアの増産とかは良いから気にせずガスを圧縮してリキッドにしたりする研究頑張ってね!
外の事は全て些事と思ってくれれば良いからね!

☆猛士に所属する鬼達のシフト?
馬鹿め、やつは死んだわ!
現在すぅんごくやんわりとした半休憩と出勤が入り乱れた総動員状態で稼働中
休みがいつか? 仕事の合間に時間を見つけて各自臨機応変にお願いします! 助け合いの精神で行きましょう!
響鬼世界において鬼は仮面ライダーなので実質仮面ライダーBLACK
全員が全員ギリギリのラインで活動しているお陰で逆に普段の忙しい時のシフトよりもみんなしっかり休める時に休むようになっている
今休憩不足で最適なスペックを発揮できないと死ぬからね仕方ないね
つまり、普段は休みの日も助け合いの精神で勝手に働いているハチャメチャに肉体を鍛えた鬼連中も『お、そろそろ休まないと死ぬな?』と明確に自覚ができる程度に回復が追いついていない

☆響鬼さんの弟子の片割れKくん(仮名)
関東支部に配備されたはいいけど実働で使われずに余っていた最新式の鬼の鎧を着せられて予め響鬼さんが弱らせておいた魔化魍の前に放り出された
弟子はUギアの方が機動力あって良いし、持ち運びを考えると鬼の鎧はあんまりねぇって感じで供給に比べて需要があんまり
じゃあ弟子の修行に使っていい?と聞かれりゃ良いよと言われるくらいの扱いだった
もっとね、余裕のある時期だったら鍛え方とかあったんすけどね……
あったけどこの世界では素人を魔化魍の前にぽんと置いて様子見しても少しの間なら安全を確保できるくらいに性能の良い備品が揃っているからまぁどこかのタイミングで対魔化魍戦を弟子だけでやってみるパートは挟まった
魔化魍を前にして自分はやれる動けると思いこんでいる未熟者とか、いつ勝手に装備を持ち出して勝手に死ぬかわからんからね
いつやるかわからんしそれを止めるのも難しいなら先に自分の監督下でやっておくのが一番安全でわかりやすい成長を見込めるのだ
鬼は鬼であっても鬼であってはならないんじゃなかったんですかぁー!?
でも時には心を鬼にする必要もあるししっかり安全を確保するためにこの忙しい中で監督してくれてるんだから鬼どころか仏まである
吉野が頑張ったお陰で安全性はすごい装備でもあるし……
幸いにしてしばらく修行を見て弟子を片方に絞ります、みたいな話は出てない
弟子志願者が二人も!? 良かったじゃないか響鬼くん!
みたいな感じでめっちゃ歓迎されたし、響鬼さんも現状を鑑みて弟子はしっかり育ててやらないとなーって思ってる
貧すれば鈍するみたいな話ではたぶんないんじゃないすかね
鬼の鎧を着せられた状態で弱った魔化魍を相手に赤ん坊の様な格好で身を守る姿を見られた&見た事で弟子Kと弟子Aの間はなんとも言えない生ぬるい連帯感が育まれつつあるかもしれない

☆迷いを乗り越えた天美あきらちゃんはもう殆ど鬼
鬼になる為には自らの鬼を云々という話に至る前に、街中でもう日中平気で魔化魍が現れてバチバチに人間を喰らっていく様子とかを見て守りたい、守るために戦いたい、という気持ちが出てきたからもう彼女は実質仮面ライダーなのだ
悪い謎の外部協力者大学生に唆されて精神的な変化を迎えるとか考えようによっては脳破壊的な展開が想像される
まぁ相談された方も戦うべきか戦わざるべきか、くらいまで悩みの内容が進んでるなら戦えるじゃろ、くらいの気軽さで背中を押したと思われる
戦える人間が戦おうかなって考えてるなら戦えや、みたいな
未成年の学生の未来ある女の子?
それと戦える人間である事になにか矛盾が?
戦ってこの危機を乗り越えて留年しても学校卒業してその内に幸せなり自由なり自分で見つけりゃあ良いんだよ!戦って生き残れ!

☆本当に安全な田舎
そういう場所は一種の聖地みたいなものなので本物の情報は他所に回らないのだ
ゴルゴムの聖地とかな
それとは関係ないけど家族が死ぬ描写は悲しいから実家周りの土地は無事だぞ!
家族が死ぬと悲しいから周囲の土地は無事……誰視点の話なんだ……

☆魔化魍の関係で行方不明かと思えばそうでもなかったし戻ってきたらなんか別人の如く精力的に何かを始めた人たち
他勢力の動きに便乗するのはフラグ管理が面倒なのでこれくらい
これも他勢力に便乗っていうか自然現象に便乗してるだけとも言える
こうでもしないと猛士の力がそげずに警視庁のトップに下僕を潜り込ませられないからね
実際平成一期の中でオルフェノクを除くとこの勢力が一番組織だって動いて社会に食い込んでて厄介
なんならファンガイアも会社持ってるけどその程度の話でしかないし
治安維持組織に食い込まれてるのは本当に怖い
でもそういう動きがある、という事は補足できているのでこの世界では完全野放しという訳でもない

☆そういえば猫たちはどうしてんの脳改造肉体改造されたやつら
魔化魍ってね……人間しか意図して食わんのですよ……
だから何かできても基本的にすげー絆で結ばれてるとかで無ければ静観してるんじゃないすかね



今期もそろそろ日本を引き裂く季節になってきたから不穏の種を撒いておく
次の話で発芽してって考えると響鬼編は後片手で数えられるくらいの話しで終わる筈
そろそろ響鬼編ラスボスが何かわかってきた人も居るのではないだろうか
わかっていてもわかっていなくても、次回には登場させられるので感想など気軽に書きつつ気長にお待ち下さい

次回
『龍の目覚め』
お楽しみに

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