オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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153 追い抜く怪

首都高を駆ける黒塗りのトレーラーを追いかけるように、人型の実体が走る。

老婆だ。

だが、一見して車と並走するだけの老婆にしか見えないそれに注視すれば、違和感に気付くだろう。

ピントが合わない。

顔を見れば老婆だろうとわかるが、それが如何なる顔つきの老婆であるか、と、詳しく描写する事は難しいだろう。

全身の衣服にしてもそうだ。

老婆が着ていそうな服、色合い、要所要所の意匠などを見て取る事はできるが、その服装を正確に絵に残すことは難しい。

 

如何なる呪術によるものか。

違う。

それは紛れもなく不鮮明な形でしか存在していない。

魔化魍・ターボババア。

都市伝説を核として発生した未だその性質をはっきりと定めていない新種の魔化魍だ。

 

ターボババアの速度が上がる。

その速度には上限が無い。

ターボババアを始めとする高速移動型都市伝説魔化魍の多くは、人を驚かせる、餌食にする際に追い抜くという伝承を持って語られている。

陸上を走る乗り物を追いかける際、その速度は確実に標的の速度を上回る事が約束されているのだ。

 

だが、それ故の制約がある。

如何なる速度であっても追い抜く事ができるが、乗り物に乗る人間から目視できない程の速度を出す事はできない。

ターボババアは運転手によって発見されなければならない為だ。

発見、目撃され、驚かせ、或いはその首の動きを固定し、追い抜く。

 

結果として、実際の速度とは裏腹に、観測側から見た相対速度はそう早いものではない。

そして都市伝説のそれと異なり、魔化魍である為にこのターボババアは人を食らう。

それは如何なる挙動で行われるのか?

追い抜かれた被害者は不明な手段によりその目線、或いは姿勢を固定され、追い越していったターボババアから視線を外せなくなる。

その上で、()()()()()()()()()()()()は都市伝説ならぬ人食いの怪物、魔化魍としての正体を表し、頭部を醜く変形させ、車両の一部ごと人を喰らうのだ。

跡に残るのは、高速走行中に運転手と一部部品を失い正常な走行が不可能になった車両のみ。

 

これによる巻き込み事故も多大な被害を齎すが、その事実は多くの場合隠蔽されてきた。

被害に合うのは必ずしも一台だけではない。

複数車両が纏まって走っていた場合、それらの車両は纏めてターボババアの餌食となる。

巨大な噛み跡と、齧り取られた様な人間の残骸が残された複数の事故車両!

謎の人食い巨大生物(マッドアーク)の群れが日本中を恐怖に陥れてから早一年。

仮初でも落ち着きを取り戻しつつある中でこれをうかつに公表する事は市民に混乱を招きかねない。

原因も何もが不明であった為に箝口令が敷かれ、長らく調査は難航していた。

 

ターボババアが加速する。

嬲るようなじわじわとした加速。

だが、()()()()()()

加速するだけでは追い抜く事はできない。

目撃されなければいけない以上、どれだけ速度が上がっても、追い抜くべき車両の真後ろに居ては追い抜けないのだ。

或いは噂の変化によりそういった性質が変化する事もありえたかもしれないが……。

 

このターボババアはそうではない。

真横から幅寄せしてくる、追い越さんとするトレーラーと同色のバイク。

更に隙間を埋める様に幅寄せしてくる同色のトラック。

如何なる神業か、車両間の隙間は人間大の魔化魍が通り抜けられない程に詰められている。

 

追い抜くこともできず挟まれたターボババア。

だが、幅寄せしているバイクが後部から突き上げられた。

通行を規制され、存在しない筈の一般車両。

それを運転するのはターボババアの童子と姫。

運転席と助手席の童子と姫が怪童子と妖姫へと変じると共に、一般車両と思しきそれも禍々しく姿を変える。

これこそ、ターボババアの童子と姫の特徴だ。

一台から二台程度の車両。

これこそがターボババアの食事が邪魔されない為に形成された肉体の一部!

 

ターボババアの様な速度制限も無い、遠慮の無い、殺すつもりの追突。

しかし、追突された(カマを掘られた)バイクは著しくバランスを崩し、その場を激しくスピンしながら転倒する事も無い。

アスファルトをタイヤが切りつける音にもかき消されない破裂音、いや、発砲音。

それは、激しくスピンするバイク、ラピッドレイダーに乗る()()の纏う制式採用型装甲服に備え付けられた自動小銃、GM01スコーピオンの発展型が銃撃を行った事を表す。

 

怪童子と妖姫の脳天が撃ち抜かれ、しかし、通常弾頭である為に即死には至らない。

だが、一瞬だけ意識が飛び、車の操作が乱れる。

立て直しが出来ずにスピンを続けるラピッドレイダーを避ける事ができない。

巻き込み事故を起こし、怪童子と妖姫の車がターボババアから引き剥がされる。

装甲服の警官は寸でのところで跳躍し、空中から飛来した巨大な機械の鳥、スニークサイトに肩を掴まれ脱出。

 

スニークサイトに運ばれながら怪童子と妖姫の車両に銃撃を続ける警官を尻目に、バイク一台分の隙間を縫って追い抜かんとするターボババア。

だが、残ったトラック──コンバートキャリアーが、ダメ押しとばかりに幅寄せ。

標的の車両を外壁手前の緩衝材に押し付ける。

既に標的の両脇に道は無い。

しかし、それは通常の高速道路であれば、の話だ。

首都高の外壁は低い。

手前の緩衝材ともなればなおさらだ。

ターボババアは人間に似た姿こそしているがその本性は魔化魍であり、子供の背丈程も無い緩衝材程度であれば速度を殺さずに乗り上げる事ができる。

 

だが。

そこを道であるとターボババアが認識するよりも、それが現れるのは早かった。

標的の後部、キャリアー部分が花開くように展開し、緩衝材の向こうにある外壁を削り火花を散らす。

火花に包まれながら現れたのは、腰だめに構えた龍の戦士。

既に頭部のクロスホーンは展開し、足元にはキャリアーの外壁を突き抜ける様に紋章が展開されている。

龍の戦士──警察所属のアギトが跳躍。

 

「っっつあああぁぁぁぁぁ!!」

 

絶叫。

文字通りの死闘の果てにアギトとして立ち上がり、それからも数々の未確認生命体と激闘を繰り広げ、しかし、時速百キロを超える車両から飛び降りながらのキックというのは未知のものだ。

だが、そんな恐怖に震え踏み出せない者は、今日の作戦に一人たりとも参加していない。

ここで、徹底的に叩かなければならない。

己を鼓舞する叫びと共に、漲る使命感が込められたライダーキック。

眩いばかりの輝きを灯したその蹴り足が、ターボババアの頭部を貫いた。

 

―――――――――――――――――――

 

正式な記録の上では恐らく史上初である、警視庁と猛士の合同作戦である。

実のところを言えば記録が残るのは警視庁側のみであり、猛士側はあくまでも非番中の鬼の一人が偶発的に遭遇した魔化魍に対処したという形で記録が残される事になるのだが、それはまぁ些細な事だ。

ついでに言えば警察側も魔化魍の詳しい生態、発生条件を記録し広く流布する事はできない。

 

魔化魍の性質的に、対処する人員は必要だが、詳細を知る人間が増えれば増えるほど不測の事態を招きかねない、もっと言えば状況を悪化させかねない為だ。

この判断は警察などよりも、或いは現行政府などよりももっと高いところに居る連中の意思であるようだ。

おのれゴルゴム……とはならない、正直妥当な判断だ。

人間の恐怖等の意識を汲み取って発生する妖怪的な何か、などという存在が白日のもとに晒されでもしたら、インターネットが既にかなりの割合で普及しているこの時代、何が起こるかわかったものではない。

コイルや五条さんのノリで新種の魔化魍を発生させられてはたまらない。

 

なので警察側には、RRKKがブレインスクラッチから許諾を得て警視庁に各種装備をレンタルし、派遣されたアドバイザーを伴っての採用試験中に偶発的に新種の未確認生命体と遭遇、これに対処した際の事件記録、という形で記録が残るはずだ。

未確認生命体の一種で通常攻撃では殲滅できない種類が居るよ、その対処法と諸々の推測などを残しておくからこういう形で対処してね、という形だ。

こういう形でも情報を残せる様になったのは、対グロンギ、アンノウン、オルフェノクなどを経て警察にも一定の戦力が配備され、ノウハウが蓄積されたお陰だろう。

或いは野望のために情報を統制する天王寺の様な連中が減ってきているからか、幾らかの進化によって人類に施されていたある種の保護が無くなりつつあるからか、或いは単純に隠しきれる状況では無くなりつつあるからか……。

ヴェールが剥がされた、とか、幼年期の終わり、とか、そういう詩的な言い換えもできるかもしれない。

 

「各車配置に付いたとの事ですので、改めて説明させて頂きます」

 

今回の作戦の舞台は首都高を含む幾らかの道路に通行規制を行った上での、高速走行型都市伝説魔化魍の討伐だ。

猛士に伝わる古地図と当時の魔化魍発生分布、昨年度の魔化魍発生分布、跡地含む地下水脈などを基に、最新の地脈予想図を制作。

警察側からは市民提供の情報含む高速移動型の未確認生命体の目撃証言を纏めてもらい、これをかけ合わせ、恐らく近い内にそれらが出現するであろう場所を割り出している。

割り出した、などと言うが、出現範囲が広く、地脈予想図と出現地点の道路が交差する場所だけをピックアップしても結構膨大な数になる。

 

「今回提供させて頂いた車両ですが、ヘキサギアシリーズと同等のAIを搭載させていただいておりますので万が一運転手が行動不能になったとしても事故を起こす事はそうありません」

 

「その上で、一定範囲の対象に機体を寄せる場合は人間側が任意で操作を行う必要があります。今回は幅寄せで進行方向を狭める必要があるので、運転手がリタイアした場合は助手席の方がハンドル操作を引き継いで下さい。キャリアー同士がぶつかっても最低限五体満足での生存は保証します」

 

「次いで、標的に関わる情報を確認します。車両に乗った取り巻きは通常の火器で撃退が可能ですが、本体は多少の銃撃などならば回避する運動性、ないし耐える程度の強度はありますが、それに伴う減速が一定以上に達した場合は消失し、今回の作戦は失敗となります」

 

「そして、今回の作戦が失敗し取り逃がした場合、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、というのが専門家の方々の見解である、という情報をお預かりしております。以上を踏まえ、作戦遂行の程よろしくお願いします」

 

―――――――――――――――――――

 

夏の魔化魍、というジャンル分けがある。

これは通常の魔化魍と比べて体躯が小さく、何かしらの条件で子実体を放出しそれを成長させることで自らの分身を作り出す、夏の間にのみ発生する特殊な魔化魍だ。

それ故に、斬撃、銃撃など、魔化魍の体細胞を周囲に撒き散らしやすい攻撃は基本禁じ手と成り、普段は弦の鬼、管の鬼として活動する鬼であってもこの時期ばかりは音撃棒に持ち替えて戦う事となる。

下手な攻撃で魔化魍の破片を散らしてしまえば、魔化魍を増やす結果になってしまうからだ。

 

夏は怪談の季節、などというのは、古い時代においてはこの時期に魔化魍の遭遇率が極めて高くなっていた為、とも言われている。

魔化魍を殺す事は通常兵器ではできないが、物理的肉体を多少なり破損させる事自体はできてしまう為、腕自慢の武者などがこれと偶発的に遭遇し撃退、後に増えた魔化魍に逆襲された、という話が怪談話などに変じて残されていたりする。

無論、通常の魔化魍が夏の魔化魍に変じるという事はないのだが、都市伝説型の魔化魍はその存在が不安定である為に夏の魔化魍に変ずる場合があるのだ。

 

古い時代に大流行した怪談話の中にはこの現象によってパンデミックの如く広まったものも多く存在する。

一時期のジンメンケンやクチサケオンナなどがこれにあたるそうだ。

幸いにして、明確に人を傷付ける要素が無い為に戦闘力がそれほどでもない、或いは明確に弱点とされるものが存在した為に対策が容易、なおかつ定着せずに噂として霧散してしまった為に被害はそれほどでも無かったというが……。

(なお、一時期のポピュラーな都市伝説型の中では凶悪な部類のアカマントは元々戦前から発生していたが、第二次大戦を経て猛士が国家から表向き切り離されて規模縮小するまでは言論統制なども含めて比較的容易に対処できていたという話もある)

 

今は時代が悪い。

テレビやラジオ、新聞や人から人の口伝でしか情報が伝わらなかった時代ではなく、既にある程度容易に個人個人が情報を広く発信できるインターネットや携帯電話という媒体が存在してしまっているのだ。

仮に、高速移動型の魔化魍による被害が広がった場合、その情報は報道規制を敷いても容易く人々の間に広まって、魔化魍の存在感を強いものとしてしまう。

まして、それが群体となっていたなら、目撃者は劇的に増え、証拠となる映像なども流布されてしまうだろう。

すると、その情報を元に、最初から群体で活動するターボババア類、しいて予想するならターボ老人会などが噂として流れ始めてしまう危険性すらある。

 

警察の方々への通信を切り、猛士出向組のブッキーへの通信を開く。

ブッキーには鬼に変身しても破損しない骨伝導式の通信機を装備し、助手ちゃんは量産型のUギアで既に変身済み。

指揮系統としてはブッキーから助手ちゃんに命令が行くので話はブッキーにだけ伝えれば良い。

彼らは既にニーくんの操縦するコンバートキャリアーの背部コンテナに乗り込み、ターボババアの出現を待っている。

 

「警察の方々にはああ言ったけど、当然ながら大本命はブッキーだかんね」

 

「わかっています。でも、本当に来るんですか? 出現地点の予測なんて……」

 

「そこは任せてよ。……運を天に」

 

「えっ?」

 

「気負わずにってこと。助手ちゃんにも伝わっちゃうよ?」

 

「あ」

 

「警察との協力ったって、やる事は変わらんのだから」

 

「そうかな……」

 

「そうだよ。目の前に現れた魔化魍を倒す。簡単ではないけど、何時もの仕事だ」

 

「……そうですね、いつもの魔化魍退治か」

 

「そうそう。じゃあ、俺はデータ取りがあるから」

 

「はい、それでは。……ありが」

 

通信を切る。

通信機越しなので声色しかわからないが、緊張の糸はほぐれた様に思う。

ここで緊張が解けていなければ少しルートを変えるつもりだったが。

アドバイザーとしての仕事なんて、現場で動かす段階ではもう殆ど無いし、何かあれば警察から貸し出された無線からヘルプが来る筈だ。

当然、データ取りの為に現場に張り付く、なんて事もしない。

 

コンビニに停めたハイエースに乗り込み待機する場所は、首都高を横切る細やかな地脈の根本に当たる箇所だ。

周囲は一般道であるため速度もそう出ない場所である為にターボババアが出現する事は無いが……。

 

懐から取り出した懐中時計のガラス蓋、レンズを開く。

レンズ越しに見た地面、地脈と思しき力の流れに揺らぎがある。

これ単独でこの場に魔化魍を形成する程のものではないが、首都高を走るドライバーの思念を拾い、実体化するのだろう。

このままでは、魔化魍が実体化するのはゆらぎの具合と今首都高を走る警官達含むドライバーの皆さんのバイオリズム次第であり、どこに発生するか、というのは計り知れない。

魔化魍の発生条件というのは未知に溢れているのだ。

だが。

 

「出てこい膿ども、突っ走れ」

 

懐中時計にメダルをセット。

セットしたメダルが高速回転する時計の針に削られて形を失っていく。

メダルに封じられた元魔化魍──変異し煮込まれたスープの如くグズグズに崩れた地脈エネルギーが溢れ、車をすり抜け、地面に、地脈に流れ込む。

他所で発生していた魔化魍から抽出した地脈エネルギーだ。

これをするとどうなるか、と言えば……。

 

『緊急連絡!三号車、目標を確認! 老婆の形をして、情報通り! これより対処に当たる!』

 

『六号車、目標と接敵、見た目は老爺のものだが、情報と変わらず、これより迎撃する』

 

『二号車同じく! スキップする白いブラウスの少女、速度は80!』

 

『五号車より! 赤子が! 赤子がハイハイで……!』

 

『狼狽えるな! 全て事前に受けた情報と変わらん! ホッピングするもの、ミサイル状の飛翔体に乗るもの、ボールをぶつけてくるものに気をつけ、予定の通り対処せよ!』

 

借り受けた無線から次々と報告があがる。

特定の誰かに、というよりも、作戦に当たる人員に向けた報告だ。

当然、複数箇所同時に出現する可能性がある事も、今日がその危険性が極めて高い日取りである事も伝えているので現場に混乱は無い。

 

何処に魔化魍を発生させるかを決める技術は無い。

しかし、人員を動員する事はできる。

そして、一度魔化魍を清める事ができれば、しばし同じ場所に魔化魍が発生する危険性は低くなる。

 

つまり。

警察の力で一般車両を追い出し、魔化魍を撃破できるアギト部隊を巻き込んだ大規模作戦で、ターボババアが発生する可能性のある場所全てに高速移動系魔化魍を発生させればいい。

これで、今年いっぱいはターボババアに首都圏で悩まされる事はないだろう。

オロチ現象の時は、出現法則を無視して現れるから、それほど問題にならない。

増殖し、無尽蔵に被害を出すよりは。

あとは、警察とブッキーに頑張ってもらうだけ。

 

という訳にもいかん。

事情を説明する訳にはいかないにしても、事情を説明せずに便利使いしているだけの迷惑をかけているのだ。

多少なり手伝っていこう。

 

「クロ、あそこのコンビニでのんびり買い物してろ。シロ、店員から見えやすい様に助手席で待っとれ」

 

作戦準備で警察やブッキー達と別れてから拾った二人に指示を出し、

 

「お財布持ってきて無いんだけどぉ」

 

「お父様ぁ、この車ちょっと猫の毛多すぎなぁい? お洋服が毛だらけだわぁ」

 

手のひらを上にして催促するクロに財布を、スカートを嫌そうに掴んでパタつかせるシロにコロコロを投げ渡し、運転席から降りる。

 

「ロードインパルス」

 

ハイエースの上で寝転んでいたロードインパルスが降りて、僅かに車体が揺れる。

屈んだその背の座席に乗り込み、いざ。

 

「父さんの活躍でも見に行くか」

 

装甲服の性能も悪くない。

キャリアーとレイダーのオートバランサーと自動操縦なら事故もそうそう無い。

が、万が一という事もあるからな。

依怙贔屓をさせてもらおう。

 

 

 

 

 

 

 

 





冒頭の戦闘シーンは時系列的には最後の方です
解説から入ると堅苦しいかなって思って

☆前年度まではどうやって対処してたの?
オロチ現象が近くなかったのでシフトを調整して早い段階で管の鬼を大量動員して倒していた
今年まで運良く夏以外の発生だったが、トリガーとなったバダーのゲゲルが9月頭とかいうギリギリ夏真っ盛りだった為に徐々に発生時期が夏に近づいてきている
今年は早い段階で発生したから対処できたけど基本魔化魍退治は対症療法でしかないので夏真っ盛りに夏の魔化魍として出現したら破片が散る前に一撃で倒さないといけない危険物になる
まぁ警察アギトが高速車両からのダイブキックに慣れれば問題は無くなる
魔化魍としてはっきりした特性を得ればまた対処法は変わっていくから今回はこういう形、としか言えないのだ
夏以外の魔化魍として定着すればそれが一番良いけどどうかな……
カバーストーリーとしては道路工事とかそういう話になるのだろうけど、今回の規模の封鎖を行うのは警察であっても難しい
なんでこの世界滅んでないの?
という疑問を持たれるかもしれないが、それはこの世界が滅びへ向かう只中にあるからだよと言われてしまえばそれまでなのである
頑張って先延ばししないとね……だからみんなで頑張ろう! 警察にも猛士にも詳しい作戦内容は説明しないけど!
説明したが最後年代的にマシュマロマンとか思い浮かべる人も居るだろうからね……

☆勇敢な装甲服部隊とアギト部隊とそれ以外の警察の方々
全員装甲服とアギトで揃える事は難しいのでコンバートキャリアーの運転手は簡易装甲服
一番危険なのはラピッドレイダーに乗ってクラッシュ覚悟で童子と姫に対応する人だからちゃんとした制式装甲服はそっちが装着するのだ
なんで標的以外に見えるの、と聞かれれば、標的にされたコンバートキャリアーの運転手が無線で後方に待機していたキャリアーとレイダーの運転手に大体の位置を伝えているから
なのでキャリアーとレイダーの人は大体このへんだろう、というあたりを付けてざっくり幅寄せしてババアの進路を塞いでいるという勇者
なお童子と姫は車一体型で高速移動するという特徴を備えるが普通に見える
ジョジョ第三部のホイールオブフォーチュンみたいなスカム殺人車でしかないのだ

☆明らかに命がけの作戦に息子の手によって陥れられたパッパ
警察制式採用装甲服の性能と父さんの身体能力と提供した車両の性能を考えれば、今後偶発的に道路でターボババアと遭遇するよりは全然安全だから大丈夫という判定
駄目だった場合?
ハイエースを降りた瞬間に目の前に現れた創世王にシロクロごとぶった斬られてた
なんでやろなぁ……?
因果関係は知らぬがこの作戦が遂行された以上はパッパはおおよそ安全だろう、という判定なのだ
冷静に考えたら未確認の時も何も無かったからそうそう横やりは無い
なんでパッパが危険だと古参組織の長から横槍が入る事前提なのかは知らん
一つ言えるのは今回説明されなかった意図的な魔化魍の同時多発の仕組みを説明されても警察は作戦を遂行した、って事
市民の安全を護るために体を張るお仕事だからね

☆ウォッチ
変身アイテムではない
霊的物質の研究の果てに生まれた生命力知覚装置などを含む多機能デバイス
装填された魔化魍メダルを摩り下ろして地脈に流し込み、その地脈知覚で発生しそうだった魔化魍の発生確率を上げる
魔化魍メダルは封印エネルギーの習熟率の関係で元の魔化魍の特徴を残したままの封印ができていない為、現状では魔化魍になるような穢れたエネルギーの集合体でしかない為、人格が宿っていたり特定の魔化魍の形を成したりはできない、言わば魔化魍の細胞の寄せ集めの様なメダル
頑張れば魔化魍のコアとなる様なものも生成できるかもしれないし、ウォッチに装填して出てこい膿ども、ディケイドも倒せそうなバケガニ!とかできるかもしれない
人間に投与するとどうなるかは懸命な読者諸兄ならば何故か知っているものと思われる



戦う力のない一般市民はともかく、戦う意志と力を持つ戦士はいくら巻き込んでも良い
そういうスタンスのお話なのだ
それでもよろしければ次回を気長にお待ち下さい

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