オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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二人で突き抜けるノンストップ!仮面ライダーSPIRITS その七

この世界……に限らず、集団が常識から外れた相手へ対処しようとすると非常に足並みが揃わず対処が鈍重になりがちだ。

無理からぬ事ではあると思う。

社会の影に潜み着々と既存の兵器を相手にしても勝ちうる能力を備えた改造人間などを製造し続けた組織に対して、表の社会に存在する装備で対抗する事は難しい。

厳密に言えば、軍隊レベルの戦力があれば、怪人を撃破する事自体は難しくない。

改造人間は戦車くらいであればどうにかできる頑丈さ、俊敏さを持っている、というが、アウトレンジから戦車砲で狙い打たれてしまえば結構な割合で死ぬし、爆撃に対処できる改造人間というのはそう多くない。

飛行能力を備える怪人だって居るには居るが、割と戦闘機レベルの速度で飛行できるものは少ない。

なんとなれば、それらを無視して他の怪人を爆撃なりミサイルなりで撃破されてしまえば、あとはジリー・プアーというものだ。

無論、民間人や周辺施設への被害の一切を考慮しなければ、という前提ありきではあるが。

 

非常に勘違いされやすい事ではあるが、改造人間というものは万能兵器、という訳ではない。

いや万能と言えば万能ではあるのだが、強みと弱みははっきりと別れていて、それを理解して適切に対処すれば殺す事は不可能ではない。

言ってしまえば万能ねぎとか万能包丁くらいの万能さはある。

しかし、万能ねぎに確定申告を任せる事はできないし、万能包丁にタイムトラベル能力は備わっていない。

 

そういう意味で言えば。

ヘルダイバーに乗った無数のコマンドロイドでまず世界中の軍事基地を破壊したバダンの戦略は非常に正しい。

持つ戦力の尽くが怪人、つまり、JUDOのボディの試作品や試験機でしかない偏った戦力の過去組織にとって、事をスムーズに進める上で軍隊という連中は非常に厄介な相手だったのだ。

コマンドロイドの多くが初期の軍事施設襲撃以降では影が薄くなっているのも、恐らくは画面外で相当数のコマンドロイドが撃破されてしまったからだろう。

無論、仮面ライダー達の尽力もあるのだろうが、総数で十人に過ぎないライダー全員で、世界中の軍隊を壊滅せしめる程の数のコマンドロイドを殺し尽くしたとは考えにくい。

というか、それができるならその後の旧組織の再生怪人軍団の処理も迅速に行えている筈だ。

当たりどころが悪く、或いは当たりどころが良く、軍隊によって撃破された個体もそれなりに存在したか。

 

性能面で言えば量産型のゼクロスである以上、決して並の怪人に大きく劣るものではない。

これが増産されずに、後には過去組織を復活させて再生怪人を戦力化したのは、龍の燃料である人間を無駄に殺さない為と見るか……。

その割には再生怪人たちは軽々にバダンシンドロームで無力化された人間を殺して回っているので混乱する。

或いはコマンドロイド自体が長期戦に向いていない、という可能性すらある。

量産型ゼクロスとも呼べるようなボディだ。

ゼクロス程に適合確率が低くなくとも、長期運用に生身の脳が耐えきれないのかもしれない。

 

デルザー軍団以外の組織の幹部が何の説明も無くライダーとの因縁を語り恨み節らしきものを口にしている辺り、過去組織幹部の復活の精度からしてまちまちである可能性すらある。

昭和ライダーそれぞれの敵も画面に写したいというメタ的な理由を除外して考えた場合、手間を省くために下請けを作ってそこに必要な作業を丸投げしたと考えるべきかもしれないが、その作った下請けの仕事が雑だ。

JUDOは大物ぶってはいるが、行動言動の端々に人間臭さというか、そういうものが見て取れる。

不要な面倒は嫌うだろうし、作戦は決して綿密であると言い難い。

 

そして、それだけ適当な動きをしていても、最終的に目的を達成できるだけの力もある。

力があるからこその油断、余裕というものだろう。

反面教師としてこれ以上は無いものだと思う。

無論、そういう性格付けがされていない限り、格下である人類に対抗手段が無い、という事情はあるのだろうが。

 

そしてそれは、格下である筈の人類側にも存在する。

誇り、矜持、或いは彼等の言うところの人間の魂とやら。

言い換えてしまえば、()()()()であり、()()()()()

それが、バダンと人類の戦いの決着を致命的に遠ざけている悪因である。

 

彼等の境遇は同情するにあまりあるものであると思う。

彼等の戦績、功績は尊敬すべきものであると思う。

そして恐らく、彼等の言う矜持や誇り、魂というものは素晴らしい……と、されるべきなのだとも。

なら、彼等はそれで良い。

彼等自信が苦悩の果てに辿り着いた結論を否定する事は誰にもできないだろう。

 

しかし、それに付き合うには、生身の人間の肉体と精神は脆い。

彼等の胸に秘めた輝き、巨大な背。

それを全うに追い求めた場合、生身の人間の大半に齎される結末は酷く酷く酷く残酷なものとなる。

魂だけでも、という、悪運に塗れた戦士の言葉に付き従った戦士達は、極短い時間でその大半が部隊名と同じ存在へと変わってしまった。

 

元の世界ではどうだったか。

旧グロンギによるゲゲルの中で、適切な装備を早急に用意できなかった警察官達はその多くが無残にもその生命を奪われていった。

ゲリザギバスゲゲルまで行けば、警察官の被害自体は減ったが、それを遥かに上回る量の民間人の命が奪われた。

それを責める事は誰にもできない。

いや、戦力を秘匿していた一部組織に関しては責める事もできたかもしれないが、少なくとも警察という組織はあの時点で最善を尽くしていた、と言って過言ではない。

事実として、一年という期間を掛けて警察は対抗可能な戦力を整えてみせた。

今、旧グロンギが何かのきっかけで復活してゲゲルを再開したとしても、被害は最小限に留められるだろう。

或いは、一条さんの存在を考えれば、ダグバに対してすら……。

 

人には倫理観というものが備わっている。

だから、全てに際して最高の効率で最善の手を打てとは言えない。

 

言えないが。

言えないが。

 

言いたいこと、という意味では、山程ある。

言っても仕方がないので、行動を持って示す事になるが。

 

―――――――――――――――――――

 

さて……。

所変わって石川県金沢市。

クロックアップマシントルネイダーによる超加速により、どうにかこうにか間に合ったようで、荒れ果てた市街地の中をジュニアライダー隊が何故か彷徨いているのを発見できた。

如何にも狙って下さいと言わんばかりの奇妙な形のヘルメットの子供集団は、それなりに広い金沢市で、ロボットスーパー1を探すのには欠かせない目印だ。

 

「なんか……色々チグハグだな。人間を燃料にしたいんだろ?」

 

くるりと市街を見渡したジルが首を傾げる。

 

「最悪、魂の状態になっていてもいいのかもな」

 

市街地は重度のバダンシンドロームの患者で溢れており、同時に街に点々と放たれた怪人達が同居する、奇妙な状態にあった。

時折怪人が人間を殺す事もあるが、生き残りの人間を片っ端から殺して回っている、という訳でもない。

また、重度のバダンシンドローム患者の状態も考えてみれば不思議なもので、明らかに生きる気力を失っているにも関わらず、彼等は最低限の生命維持活動は続けている様子なのだ。

軽度のバダンシンドローム患者は家族で心中など試みたりするようなのだが、街で無精ひげを生やして白目向いてる様な連中は明らかに脱水症状などには掛かっておらず、また、立ち上がり人に掴みかかる、暴力的行為を行おうとするなど変なところで活動的になったりする。

神経を経由して人間の脳に作用する対種族思考誘導とも言えるこの不可思議な技術は、先んじて視覚毒、或いは洗脳能力を獲得してしまった俺からすると興味深い技術ではある。

魂の改造ではなく神経……物理的な部位、翻って遺伝子改造による洗脳は忠実な兵士の大量生産を行う上で役立ちそうではないか。

この世界の人類の死体をもっと集めて研究すれば解析できるだろうか。

 

「じゃ、私はあっちで」

 

「うん、任せた」

 

「任された」

 

光学迷彩と消音装置を起動してグジルが遠ざかる。

この世界からJUDOを抹殺して帰還するまでに絶対に揃えておきたいものの一つを確実に手に入れる為だ。

今、少し離れた所ではジュニアライダー隊が凶暴化したバダンシンドローム患者に襲いかかられ、仮面ライダーX……神敬介によって助けられている。

距離を取っている為にあちらからこちらの事は把握できていない様に見える。

変身態でない為に諸々のセンサー類が機能していない……というか、元より地上での探知能力にはそれほど秀でていないのだろう。

そもそもが完全戦闘用のボディではない、深海開発用の改造人間に地上でフルスペックを期待する方がおかしい。

神敬介の登場に合わせるように民間人を殺しながら現れたドグマ、ジンドグマの怪人達への反応も鈍い。

或いは整備不良があるのかもしれない。

 

「お、大変身」

 

変身プロセスを後に再確認する為に記録していく。

資料はいくらあっても良い。

ライドルを器用に使いこなし、怪人達を蹴散らしていく様は正に歴戦の戦士。

しかし、バダンシンドロームによって不可解な行動を繰り返す人間に纏わり付かれ、動きが鈍る。

Xがあそこで拘束されて、ライダー隊があそこに居て……。

居た。

 

―――――――――――――――――――

 

ビルの屋上で腰を低く下ろしたブラックイクサが静かに腰のイクサカリバーをガンモードで起動。

イクサカリバーはそのまま紫電を纏い、水に溶けた絵の具の様にその姿を蕩けさせて変形を果たす。

モーフィングパワーによる変形。

しかし、銃を元に作り変えられたそれはペガサスボウガンとは似ても似つかない異形の銃へと変じていた。

長大な銃身、いや、砲身だろうか。

リボルビングバスターキャノン。

重い金属音と共に最後部のカバーが外れ、イクサナックルが接続される。

 

『EXCEED CHARGE』

 

イクサベルトに内蔵された変換器を通し、膨大なフォトンブラッドが、そして、封印エネルギーが弾倉にチャージされ……。

 

―――――――――――――――――――

 

バダンシンドローム患者に襲われるジュニアライダー隊の、そして、それを助けようと駆け寄る仮面ライダーXの耳に、まず届いたのは知己の声であった。

 

「待て!!」

 

ビルの屋上、ドグマ怪人の首を小脇に抱え颯爽と現れたのは、九人目の戦士、仮面ライダースーパー1。

赤心少林拳を操り、かつてドグマ、ジンドグマと戦っていた時の様に、今また、少年たちの目の前に現れ、その危機を救わんとしているのだろう。

スーパー1は彼等に助けの手を差し伸べる為か、まずは小脇に抱えたドグマ怪人の首をへし折らんと、ギリギリと力を込め……。

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

抱えていたドグマ怪人は首をもぎ取られるどころか、首から上が圧搾されバラバラの機械部品へと変わり果てながら飛び散っている。

それは、スーパー1が咄嗟に飛来する何かを迎撃しようと腕を動かした結果、衝撃を殺しきれずにへし折れた腕と胴体の間に挟み込まれてしまった為だろう。

腕、そしてドグマ怪人の頭部という二つのクッションを挟み、威力を僅かに軽減した為か、胴体は衝撃でくの字に折れ曲がりながらも未だ原型を保っている。

息を吸う音がXの耳に届いた。

ジュニアライダー隊の面々のものか。

彼等にとってのヒーローが、憧れの人が、突如として致命的な攻撃を受け吹き飛んだのだ。

一瞬後には悲鳴が上がるのだろう。

 

咄嗟に、Xは助けに行くべきか、と考えたが、彼の抱いた違和感がそれを邪魔した。

先に掛けられたスーパー1の声。

それは既知の沖一也の声に寄せてはいるが、改造人間の耳であれば聞き取れる程度の劣化(ノイズ)が混じっていた。

偽物……という可能性が高い。

あのタイミングで現れたというのも明らかにおかしい。

近くまで来ていたというのなら、合流する為の通信の一つも入れる事ができる筈だ。

だがどちらも仮面ライダー、改造人間であれば連続戦闘による機能の破損、という理屈も付く。

本物、と思えないのは半ば直感の様なものに過ぎない。

これで、あのスーパー1の戦いぶりが僅かにでも見れれば確信が持てたのだが……。

 

迷いから、僅かに遅れた跳躍。

本物か偽物かはまず助けて判断するべきか、吹き飛ぶスーパー1を捉えようとライドルを伸長させ、しかし、スーパー1の間近に迫ったライドルの先端が壁に遮られる。

壁、いや、それは投擲された看板だ。

ビルの屋上に備え付けられていた金融会社の巨大な看板が投擲されてきたのである。

 

その一瞬、ジュニアライダー隊の面々の視界から看板によりスーパー1の姿が隠され、ライドルにより突き破られた看板の隙間からXの視界にのみスーパー1の姿が見えたのは、完全な偶然だったのだろう。

Xの視界の先、吹き飛ぶスーパー1の体に次々と眩く輝く砲弾が突き刺さり、手足が拉げていく。

着弾点は綺麗に、狙いすました様に手足の関節部に突き刺さり、最後にはその胴体を貫き、大穴を開ける。

奇妙なのは、着弾点に輝く紋章の様なものが刻まれ、全身に広がっていく光が人型を保ちきれていないスーパー1の体をギチギチと音を立てながら丸め込んでいく事だろう。

奇妙な能力を備える怪人と戦う事の多いライダー達にとっても未知の現象だ。

 

「黒沼流」

 

そして。

砲弾と異なり、飛んできた、と、知覚する間すら無く、それはXの視界に現れた。

 

「鉄指嘴」

 

黒塗りの全身装甲。

その肘から先がぶれる。

スーパー1の脳天に、その指先が突き刺さった。

 

―――――――――――――――――――

 

通信装置破壊。

自爆回路遮断。

機能停止確認。

 

指を突き刺したスーパー1……ならぬ、ロボットスーパー1の頭部を持ち上げ、少し通電してみる。

電子機器の行う挙動を手動で動かすのはコツが要るのだ。

関節部が全て破損している為、胴体部分が僅かに痙攣する。

次いで、ファイブハンド。

ちょろちょろと火が、電気が、冷気が漏れ出す。

パンチ力はどうか?

両足が残っているから重力制御装置も無事とは思うが、そこまで精密な操作は……まぁ、後で検証すれば良い。

設計図の所在も明らかになるんだし。

胴体に開けた風穴から、念の為に自爆装置の残骸を引きずり出し、粉々に分解する。

フォトンブラッド砲弾で分解した上で封印エネルギーで分解後の分子を封印してあるが、昭和組織の技術力だ、油断はできない。

 

「────っ、いやぁぁぁぁぁ!!」

 

絹を裂く様な悲鳴が聞こえる。

うるさいね。

ともあれ、ロボットスーパー1、回収完了。

やったね。

反対側に回らせたグジルのインターセプトも見事だった。

向かいからレッドイクサに変身したグジルが片手を上げて駆け寄ってくる。

 

「いえーい」

 

「いえーい」

 

ハイタッチ。

元の世界では連携して戦うなんて場面はそう無いのだけど、実際やってみれば上手くいくものだ。

これで、この世界で手に入れられたらいいなと思った技術はほぼ回収し終えたと言っても良い。

できればチェックマシンも解析したいところではあるのだが、今から取りに行くのも難しいから、移送先にお邪魔するのが一番かもしれない。

龍の実体化も確認したいし。

 

「なぁ」

 

次にどうするか、と、予定を考えていると、声が掛けられた。

手にライドルを下げたままのXライダーさんだ。

俗に言う敵意とでも言うべきものは感じられない。

しかし、警戒も解いていない、という感じ。

鉄仮面に覆われた顔から視線が何処を向いているかを察する事は難しいだろう。

まぁ彼の視線は直せる程度にスクラップにしたロボットスーパー1に向いているのだけれども。

 

「あげませんよ」

 

背後にロボットスーパー1の残骸を隠す。

 

「いや、そうではなくて」

 

ライドルを持っていない手を向けて否定するXさん。

別に欲しがっている訳ではないだろう事はわかる。

恐らく、それが何なのかわかって攻撃したのか、という事を問いたいのだろう。

 

「大体、お仲間なら動きで偽物だって一瞬で見抜いて下さいよ」

 

「そこまで長い付き合いってわけでも無くてな」

 

「なら覚えておくと良いですが……赤心少林拳の拳士なら、あの程度の砲撃は不意打ちであっても受け流せます。まして、玄海流ならなおさらね。生身でも受け流せるんじゃないですか?」

 

奥義である梅花の型を習得した玄海流の戦士ならその程度はできるべきだろう。

戦闘員の放つ弓矢で射殺された戦士?

うーん、まぁ、未熟なところを狙われたらそれは死ぬよね。

ある程度の習熟までに自分を殺す事が可能な敵と出会ってしまうかどうかは結局最終的には運が絡んでくるし。

未熟なうちに殺された戦士は惜しいとは思うが、運の無さはそのまま戦士としての素質の低さの一部と言っても良いし、仕方のない事なのだ。

最終的に死ににくい肉体を手に入れた戦士が玄海流の殆ど全てを記憶して生き残っているのだからヨシとしよう。

 

彼が居る限り何処かのタイミングで玄海流は復興可能なのだ。

玄海流、という名前も、宇宙という玄い海へ旅立つスーパー1には相応しい。

きっと最終的にスペース玄海流として、宇宙開発用サイボーグへの肉体改造を前提とした対敵性宇宙人殺害用拳法とかになって復活するのかもしれない。

黒沼流アクガタの親戚が生まれるというのならめでたい話ではないか。

 

「玄海流?」

 

「スーパー1の習得している流派なんですけど、知りません?」

 

「いや、赤心少林拳を使うとは聞いているが」

 

「後ろめたさもあるかもだけど、無かったことにしちゃいかんと思うけどなー。この現代で殺人拳とか鍛えちゃう人らだけど悪い人らじゃないよ」

 

「ライダーの人らってコミュニティの繋がり強いって聞いてたんですけど、河原に集まってバーベキューしたり焚き火囲んでギター弾いてフォークソング歌いながら自分の身の上話とか将来の夢とか語り合ったりしないんです?」

 

まぁ昭和に限らずライダーの身の上とか将来とか隙間のない地雷原みたいなもんなのかもだけど。

どいつもこいつもろくに家族が残っちゃいないし……。

怖い話だ。

験担ぎの意味も込めて、今後も間違ってもライダーを名乗らない様にしよう。

父さん母さんに何かあったら大変だ。

 

「色々と聞きたい事はあるが……」

 

Xさんの言葉に頷く。

周囲にドグマ怪人やジンドグマ怪人が近寄ってきた。

リボルビングバスターキャノンはロボットスーパー1を捕獲するのに使ったあとは解体してしまったが、これなら先んじて怪人どもを狙撃で仕留めてからにすれば良かったか。

他所に行くにも、これを放置してとんずらしたらXさん及びそこから情報が行くライダーの方々の心象が悪くなってしまう。

見てみたところ、周囲の怪人ども、性能的には然程のものでもない。

さっぱりさせてから、次の目的地へと……。

 

「いて」

 

かんかんかん、と、イクサの装甲に弾丸が数発直撃する。

空から近づいてきていたヘリからの機銃掃射。

間違いなく誤射ではない。

見事なヘッドショット、次いでスーパー1を持った腕へ。

良い狙いだと思う。

ブラックイクサの装甲か念動力バリアか生身部分の改造か気の循環か、そのどれ一つとして存在していない生身の人間だったなら怪我をしたかもしれない。

危ない連中だ。

でもちょっと懐かしい感じ。

 

「草。この対応久しぶりじゃね?」

 

「最近は警察ともまぁまぁ上手くやれてたからなぁ」

 

「そのセリフ、メカクウガの人とかアギト部隊の連中とかに聴かせたらどんな顔するかわかってる?」

 

「言ってみなけりゃわからんだろ」

 

「大丈夫なのか……?」

 

「ああいえ、不幸な行き違いなので」

 

防衛本能が強いというのは良い事だ。

今後の生き残りに繋がるか、というのはともかくとして。

銃を構え、ジュニアライダー隊をかばう様にこちらを警戒する連中を横目に見ながら、ロボットスーパー1を担ぎ直す。

背後ではジルがマシントルネイダーを呼び寄せてくれている。

 

「彼等には貴方から説明しておいて下さいな」

 

「お前たちはどうする、いや、そもそもお前たちは何者なんだ」

 

カンカンと着弾音がうるさいので、バリアの厚みを変えて着弾前に消滅するように調整。

マシントルネイダーに跨り、上昇。

機銃掃射は続いているが最早俺たちに届くものではない。

 

「敵ではありませんので、お構いなく!」

 

援軍が駆けつけた以上、有象無象の後始末の為に残る必要もあるまい。

さぁ、次は宇宙を航る龍を見に行こう。

 

 

 

 

 

 

 





ちょっと響鬼編の前の最後の幕間の前にスピリッツ編を
多分本編に合流するとしたらディケイド編の後か前くらい?
でもなるべく本編でまだ出してない技術に関してはお出ししない形で
つまり今後現地猫は改造手術の標的
お、あの黒猫狩猟本能高そうで改造したらええ戦士になりそうやんけ!
みたいな事があるかもしれんけどこっちもライブ感全開でやってるからどうなるかは知らん

☆唐突に現れてまだロボット疑惑しかなかったスーパー1っぽいものを無残なスクラップにした挙げ句に特に素性も明かさずその場を立ち去った不審な全身装甲服の二人組
すっとぼけた会話してる最中も顔面に指ぶっさした状態でロボットスーパー1のスクラップを下げてるし颯爽とマシントルネイダーで退場した後にはビルの下でライダー隊のガキとかハルミちゃんらが号泣してた
でもまぁ……こいつらにとってジュニアライダー隊って危害を加えなければまぁいいかな、なんで居るかはわからんでもないけど自分らには関係ないし誰が守るって言ったらライダーとかスピリッツの人らが守るんでしょ?
くらいにしか考えてない
なお後にXからスーパー1でなくロボットだったという説明を受けるのでどうにか持ち直す
悲鳴が聞こえた?
もう他の市民が死んでるのに悲鳴くらい気にしてられないと思うんですけど!(名推理)
割と普通の一般市民が死ぬ事に関してはリアクション見る限り感情麻痺してる人多いよね
本編と合流したら、という仮定の話ではあるが、恐らく近い時間軸では警察から積極的に攻撃行動を受けたことが殆ど無い
なお、警察と二十二号として接する機会自体が近い時間軸で存在しない場合もまぁまぁ上手くやれてる判定に含まれる

☆村枝賢一先生の描く女の子の表情はエッチ
お前のとーちゃんの首のへし折れる音は枯れ木みたいやったで……ニチャァ
↑初期JUDOさんの小物ポイント
或いはずっと牢獄の中で裏切り者だけと一緒だったからそれ以外の存在の出す音とか諸々が全部新鮮だったのかもしれない
さもなければ彼もまた村枝先生の描く女の子の絶望顔はかわいいと思いませんか勢であった可能性もある
人類を生み出して支配して生贄にしようとした真の理由が明らかになってしまったな
きっと全ての龍が実体化するとこれまで渡ってきた星で収集した村枝賢一先生の描く美少女が生体エネルギーを抽出して死ぬ直前の絶望顔フォルダが顕現するんだ
画像ファイルだけでペタとか行きそう
まぁともかく絶望顔やら恐怖顔良いよね……
ピクシブのタグ検索してしまうくらいには良いよね……
だからまずは何の説明も無く目の前で助けに来てくれたスーパー1を装っていたロボットスーパー1にはスクラップになってもらいハルミちゃん(原作に比べて明らかにロリめのデザインに改変されてる気がする)には大ゴマで泣き叫んでもらわないといけない
というわけではなく、タイミング的にもオリジナルスーパー1ロールプレイで油断を誘おうとしていた場面が一番狙いやすい為にこういう形になった
ロボットスーパー1と周辺のドグマ怪人がグルって考えるとあのビルの屋上に颯爽と現れる場面の直前とか結構ドッキリの仕掛け人側みたいで面白そうではある
あと復活怪人に魂は無いやでとか言ってる癖にこの時期になると普通に過去の因縁とか持ち出すしめっちゃ感情豊かに会話イベント挟んできたりする
長期連載だから仕方ないよね……
あと五年十年くらいは決着引き伸ばされそうではあるし

☆恐らくライダー間でキャンプイベントとかパーティーとか焚き火囲んだりはしてないXライダー
交流がどうこう、って話以前の問題なんだけど
この漫画って微妙に時系列が謎
そもそも原作がスーパー1まで終わっているのに結城丈二はプルトンロケットと共に爆発した割と直後っぽい描写で記憶喪失なんだけど、それだと他ライダー達のシナリオでの客演回とかどうなってたん?
あの話だけ実は本編より何年も前、ってなるとアイタペアペアなんでもないさが不自然な会話になるし……
あと多分このSSと違って一シリーズ一年、というか原作の時間経過にはとらわれずに短いスパンで話が進んでいた可能性は高いかも
まぁ一部打ち切りとかでそもそも一年無いとかあるから平成とは諸々勝手がちがうのだけど

☆ロボットスーパー1
コマサンダーの為の高級サンドバック
まぁでもコマサンダーを回収して戦力化するか?っていわれたらこっちを回収するわってなる
製造コストを気にしなくて良い勢力からすると垂涎の一品、と思えるかもだが、赤心少林拳も習得させてある、みたいな記述が無い為に恐らく戦闘AIがカスだったのだろうと想像できる
パンチ力とか重力制御とか色々あるけど強さの要はなんだかんだ赤心少林拳だからね
今も昔も戦士はカラテを極めたヤツが上を行くと相場が決まっている
だから鍛えて強くなれるタイプの肉体に改造した上で諸々の科学技術を習得しつつ肉体を使った戦闘技術も磨き続けましょうねぇ
それをできないただのロボットなどどれだけスペックが高くとも宝の持ち腐れなのだ
だからロボットの兵士にも魂を実装しましょうねぇ
そうして元の世界の義経師範の元には魂実装済みスペシャルロボタフの新型が届けられるのだ


たぶん次回もスピリッツ?
どうなるかは明日のぐにょりに聞いてくれ
明日くらいのぐにょりだとまだなにも思いついていないだろうけど
だからこの予告も無視して普通に本編更新もありえる
そんな場当たり的なSSでもよろしければ次回も気長にお待ち下さい

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