オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)   作:ぐにょり

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102 備えあればこそ

幾らかの研究及びテオスと戦った後に得た直感的なもので、オルフェノクという存在を定義するとするなら。

それは異種族だろうか、人間の進化系だろうか。

厳密に言えば、彼らを生物の一種と定義するのは間違いだろう。

彼らは死した人間から生まれ、記憶と自我と人間としての姿を引き継ぐ。

だが、彼らの身体を動かすのは天使の力、マラークの力だ。

意思すら形成する事のない微かなマラークの力が、人間を殺して同類を増やすという本能によって、遠からぬ未来で人類を根絶やしにする。

人類への憎しみを懐き、ただ殺すのみに飽き足らなかったマラークの残した呪いか。

或いは、それを見逃したテオスもまた、人類を滅ぼす事でアギトを根絶やしにしようという考えを最初から持っていたのか。

 

ともかく、オルフェノクという存在は尋常の生物のそれではない。

人間と通常の繁殖行為をした際に、オルフェノクではない新たなる存在を生み出すのは、遥か昔に火のエルが人間と交尾してネフィリムを生み出した時の再現だろうか。

火のエルどころか並のマラークと比べてなお脆弱なオルフェノクの力だからこそ、一度の人間との交わりで不備のない新たな超生命体を生み出すに至る。

今は見つけ次第潰す方針で接しているが、全てのオルフェノクがいにゅいの様に人に害を成さない優しい存在であれたなら、それは結局は人間の進化を促し、結果的にその存続に一役買う事になるだろう。

 

だが、そのたった一世代分の優しい交流が、この上なく難しい。

人間と交尾して新世代が生まれれば話は変わるが、オルフェノクにはオルフェノクの増え方がある。

使徒再生こそがまさにそれであり、そして、生まれた全てのオルフェノクが持つ短命という欠点は、王の手により祓う事ができる。

そしてそれは、人間としての身体機能を全て捨て去る事であり、人間との交わりという可能性を断つ禊でもある。

不死を得たオルフェノクは最早使徒再生以外での増殖をせず、人間に新たな可能性を齎す事はなくなる。

 

作中において、ロブスターオルフェノクがアークオルフェノクに抱き寄せられて嬌声を発するシーンが存在する。

脚本家や監督から明言されている設定ではなく、ファンによる推測ではあるのだが、あの腰を押し付ける行為は、体内に残されていた生殖に関する器官を破壊しているのではないか、という話がある。

心臓をオルフェノクエネルギーで破壊された際に人間からオルフェノクに変化する様に、完全なるオルフェノクになる際には、生殖器を破壊される事で人間としての次代へ繋ぐ要素が奪われ、不死なる存在、天使の紛い物である完全なるオルフェノクへと生まれ変わる。

人間からオルフェノクに生まれ変わる際には心臓、命を奪われ、完全なオルフェノクになる際には生殖器、新たな生命を作り出す能力を奪われる。

王まで含めたオルフェノクという種族は最初から最後まで、人間にこの呪いを残した何者かが設計したかの様に、人間に利する要素が削ぎ落とされる様にして作られているのだ。

 

まぁ、幾ら主が絶対の存在だからといって、それの写し身に過ぎない人間が、自分たちの写し身を好き勝手に殺して食らっていたなら、憎しみの(たぐい)もつのるだろうとは思うのだが。

それを抜きにして考えてみても、オルフェノクというシステムは人間への悪意と害意に満ちている。

先日に五代さんの旅先で見かけた子供のオルフェノクなどもそうだろう。

オルフェノクとして覚醒しやすい死因が餓死、というのも嫌らしい。

人を襲う怪物が、元を正せば人間社会から溢れて救われなかった被害者である、というのは、駆除する側の人間からしても気分が悪い筈だ。

そう考えると、オルフェノクは最初から人間と敵対するということすら織り込み済みの様に思えてくる。

 

そんな存在が、たかが一度オルフェノクの王を封じられただけで封殺できる、というのは、些か考えが甘かったと言わざるを得ない。

現に、一度何処かのタイミングで殺された筈のオルフェノクの王は、この時代に再び現れた。

古株のオルフェノクですらその存在を伝承からしか知ることが出来ない、というのも恐ろしい。

恐らく、オルフェノクの王が強大な敵として退治された後、再び現れる様な類のものであると思われない為に、一度殺された場合、連続して発生しない様なしくみなのだろう。

そうして、人間側の伝承が薄れて記憶から消えた頃、再びオルフェノクの総数を増やす為に、王が発生する。

 

では、仮に。

王を殺さずに隔離しておいた場合はどうだろうか。

俺は、王が死なない限り、再発生する事もなく、不死のオルフェノクが増える事もなくなるだろう、と、最初はそう考えていた。

だが、考えてみて欲しい。

前節の、王が一度殺された場合に、人間側の記録が薄れるまで王が再発生しないようになる仕組みが実際に存在した場合。

王の生死は何らかの手段で、オルフェノク全体に、いやさ、()()()()()()()()()()()()()()()()の間で共有されていなければおかしいのだ。

 

繭の様に、棺の様に、オルフェノクの王、アークオルフェノクを包み込んでいた、契約済みアーメタルの拘束具。

専用の暗号を入力し、何段階かに分けて装着していた拘束デッキを解除して、中身を確認する。

中には死にかけのまま、しかし死ぬことの無い様に延命処置の施されたアークオルフェノクが。

しかし、その姿は以前見た時に比べ、些か色あせている様にも見える。

彩度が下がっているというか、黒みが増しているというか。

相変異だ。

群生相でない事を祈りたいが。

残念な事に、この世界で祈ると碌でもない相手にしか繋がらないので望み薄だろう。

 

弱々しく、しかし、一般の怪人のそれと比べればなお強大な力の迸り。

封を開けられた事に気がついたアークオルフェノクの決死の一撃だ。

最高密度に達したフォトンブラッドの光弾。

素晴らしい一撃だと思う。

命の煌きすら感じる。

今はそんなものに付き合っていられないのが残念だ。

ユナイトした事で口腔部に出現したクラッシャーを開き、吸い込む。

ひゅる、と、フォトンブラッドの光弾を体内に取り込む。

薄い。

何の足しにもならない。

カスめ。

 

拳を振り上げ、下ろす。

頭部を少し潰した。

人間なら死んでいる程度の損傷だが、オルフェノクの肉体ならまだ植物状態になるかどうか、という程度の破損だ。

手足を念動力でねじ切り、ねじ切った患部をそのままの形で塞ぐ。

首を掴み、実験室から地上へ転移。

 

八甲田山の青々とした木々を下に臨む景色。

電波を遮断している地下秘密基地と違い、ここなら何一つ遮るものは無い。

首を締める。

手足を失い芋虫と化したアークオルフェノクがそれでも藻掻いてみせるが、抵抗としては些細だ。

ぐしゃり、と、首を握りつぶす。

人間で言う脊椎の方を握りつぶした。

枯れ木を折る様な、というよりは、新鮮な野菜を握りつぶした様な感触。

即死だろうか。

残された肉体が僅かに痙攣している。

ざらざらと、死体が灰に代わりつつある。

それを更に燃やす。

灰一つ残さない。

 

とりあえずはこれで良し。

今期のオルフェノクの王が死んだ、という情報は、オルフェノクの記号なりを通じて広まるだろう。

問題は、既にオルフェノク達の性質に僅かながら変化が起き始めている事か。

数ヶ月前から、海外の餓死者が多く出る地域ではオルフェノク化の確率が跳ね上がっている。

これは、五代さんを預けて別れるまでの時間でゼクロスさんから聞いた、現地で増え始めた白い怪物という情報からの類推にしか過ぎないが……。

 

女王蜂が死んだ蜂の巣の様な、王を失った群れで暮らす生物の様な、そんな変化が起き始めている。

不完全な王が増加するのか?

別の方法で王が新生するのか?

餓死者の少ない日本ならそれほど……いや、違うな。

 

「何かあったか」

 

耳元、ではなく、少し離れた位置、赤心寺の見晴らしの良い廊下から、こちらを見上げる義経師範。

叫ぶでなく落ち着いた声での発言は、俺があそこに居るみんなのつぶやき一つ漏らさず聞こえる事を理解しての事だろう。

赤心寺に降り立ち、周囲を見渡す。

 

「武装をお渡しします」

 

「我らは五体を武器とする、赤心少林拳の使い手ぞ」

 

俺の言葉に、片目が潰れた古傷のある兄弟子達の一人が反駁の声を上げた。

決まりきった答え。

だが、本気で反対したものでも、侮辱されたと感じて怒るものでもない。

続く言葉の前置きか。

 

「その我らにも、鎧が必要な事態か?」

 

頷く。

地下秘密基地の武器庫から、事前に用意していた改造デッキを収めたアタッシュケースを転移させる。

 

「裏に名前が彫ってあります。得手不得手を考えてのカスタマイズがありますので、取り違えのありません様に」

 

兄弟子達が頷く。

変身方法の説明は無しだ。

デッキを使っての変身に関しては、以前に短期修行のある夜、般若湯を皆で飲んで過ごした時に、一発芸として何度もせがまれて披露しているし、後に鏡の前で思い思いのポージングを考えている兄弟子の姿を何度も見ている。

 

「もしかすれば、麓の街で、或いは、全国で、大規模な災害が発生するかもしれません。異変が起きれば、黒沼外鬼総帥の像の眼がビープ音と共に赤く輝きますので、できれば、救出に向かって頂ければ」

 

「飛び跳ねて行けと言うのか?」

 

「変身後であれば一人一匹乗り物が出ますのでそれでよろしければ」

 

「それほどの事態か」

 

「ついに恐れていた事態が起きてしまった、という事だな」

 

「ああ、俺たちも恐れていた、断固として恐れていた事態が……!」

 

恐れていたなら口元のニヤつきは抑えてください兄弟子達。

対し、義経師範はじっと、据わった眼でこちらを見つめてくる。

何が言いたいかはわからないでもない。

首を振る。

それを見て、師範は眼を瞑り頷く。

恐らく、明確な前兆のある日本の危機ではあるが、沖一也は来れないだろう。

麓の街、日本全国などと言ったが、あれは比喩表現に過ぎない。

スマートブレインの情報網が全世界に及んでいたと仮定した場合、オルフェノクの王は区域ごとでなく、地球規模での群れを纏めるものだ。

日本だけが危険、という話ではない。

そして、更に一つ問題がある。

 

「師範にはこれを」

 

師範に対して送るデッキは、スペシャル仕様だ。

デザインとしては俺の最初期の疑似デッキの元、オルタナティブのそれに似たデザイン。

銀のフレーム、横倒しの楕円の膨らみ、中心に黒い円の刻まれた特別製だ。

師範が沖一也の変身後の、スーパー1の姿を知らないという可能性を信じておこう。

性能はともかく、変身後のデザインはちょっと、冗談のつもりで、悪戯心でやってしまったところがある。

だが、蜂をモチーフにしたデザインというのは、すべてを貫く必殺の一撃を奥義に構える黒沼流にこそ相応しいと、そう思ってしまうのだから仕方がない。

決して、沖一也が戻ってきた時にミラーマッチに出来たら絶対見応えあるだろうなぁなどという邪な考えからのものではない。

 

スペシャルデッキを受け取った師範がじろりと睨みつけてきた。

 

「全て終わったなら、総帥の像は元に戻しておけ」

 

「わかりました、すべてが終わったら必ず」

 

それが何時になるかは俺も知らないのだけれど。

そんな未来の話よりも、次だ次。

 

―――――――――――――――――――

 

一度基地に戻りユナイトを解除し、二十二号に変身し直して警視庁へ。

周囲の視線を念動力で切りながらずんずんと目的の場所へと。

 

「西多摩署奇跡の生還者様の所在はこちらでよろしいか!」

 

室内の視線が一斉にこちらに集まる。

がた、と、立ち上がると共に姿を変じさせる者、それを抑えるもの、椅子に座ったまま静観するもの、何処かに連絡を入れようとするもの。

変身しかけているものの姿を見ればわかるだろう。

警視庁の鼻つまみ者集団……というのは語弊があるが、扱いに困りつつも運用されている使徒再生アギト部隊だ。

大体が元装甲服部隊である為、全員ががっつりとした体育会系な体躯をしている。

そんな中、比較的細めというか、並の警察官と言った風貌の男が一人。

ワンテンポ遅れての反応、こちらを見て目を見開いている。

 

「ここは関係者以外立ち入り禁止だぜ?」

 

二メートルはありそうな体躯のアギトが肩を掴もうと手を伸ばしてくる。

ここで武器を取り出して攻撃されない辺り、本当にまずは忠告からというか、本格的に捕獲命令が出ている、とかではないのだろう。

不法侵入というのも事実である為なにも言い返す事ができない。

下手に振り払って怪我をさせてしまうのも申し訳ない。

 

「申し訳ないが緊急事態なので」

 

少しだけ時間を止め、掴もうとする手から逃れながら噂の奇跡の生還者さんの元へ歩み寄る。

周囲からは瞬間移動でもしたかの様に見えただろうか。

生還者さん……ガドルのゲゲルの唯一の生き残りの人。

彼の前に立ち、手の中にアギトの力を一人分取り出す。

ここで危機感を本格的に覚えたのか、彼の顔に黒いラインが浮かび、全身が白と黒、灰の体色を持つ異形へと変化した。

奇しくもガドルと同じカブトムシモチーフの怪人態、オルフェノクだ。

アギトの力を手にした腕を払い除けようと腕が振るわれる。

力も強い。

きっと良い戦士になるだろう。

失うには惜しい逸材だ。

 

払い除けようと振るわれた腕にアギトの力を押し付ける。

アギトの力は腕の中を伝い寸分たがわず彼の中のオルフェノクの記号へと辿り着き、彼のオルフェノクの力にアギトの力を上書きする。

ぶっ倒れて蹲っているのは、全身を作り変えられる激痛からだろう。

変身を解除して、全身から滝のような汗を流しながら、叫ぶ事も出来ずに喉元、胸元をかきむしりながらその場で蹲って苦しげに藻掻いている。

今にも何らかの発作から死にそうな動きだが、死ぬようなことではない為許して欲しい。

 

「これでヨシ」

 

「何がヨシだ!」

 

周囲から無数のアギトによる攻撃が迫る。

さっきアギトに変身していた同僚を止めていた隊員も変身し、攻撃に加わっている。

噂通りの仲間内の結束の強い良い部隊だ。

でも殴られるいわれも特に無いし、すべてを説明すると害悪なオルフェノクの駆除もやりにくくなるので、説明するわけにもいかない。

 

「待ってくれ、投降する」

 

両手を広げて降参をアピール。

それに反応してか、攻撃の手が届く前に手が止まる。

同時、掲げていた両腕の装甲から特殊な発光パターンを照射!

周囲のアギトの半分ほどがパタパタとその場に倒れ込む。

これぞ、人間とそれ以外の種族を見分ける為の技術の基礎理論を応用して作り上げた光学兵器、視覚毒だ。

 

人間の脳であればほぼ確実に一時的な光てんかんに近い症状を引き起こす事のできるこの発光パターンは、事前知識が無ければ防ぎようも無い不意打ちになる。

アギトにも通用するようで安心した。

むしろ超越感覚を持つアギトであればより症状は深刻になるかもしれないが……。

手近な倒れ込んだ人を少し確認する。

……まぁ、たぶん大丈夫だろう。

理論上、後遺症は残らない、筈だ。

残ったら後日治しにいけば良しとしよう。

倒れずともフラフラとよろめいている残りのアギトに対し、片手を上げて別れの挨拶を送る。

 

「申し訳ないけれど投降は嘘です。今回の事で何か後遺症が出たら改めて治療に伺うので許していただきたい。繰り返しになるけれど、彼にはこの処置が必要だったので。ではごきげんよう」

 

―――――――――――――――――――

 

窓から脱出し、壁をカサカサと這い登り、誰も使用していない部屋に入り込んだ上で適当なところに転移。

追手が来ない事を確認し、再び別の場所へ。

先日、目覚めたばかりのホースオルフェノクくんの所へ。

変身していない状態で遠目に確認する。

 

先日行方不明になった一家の残した家で優雅に暮らしているホースオルフェノク人間態君は、一見して何事も無さそうではある。

ふむ……。

やはり、問題になるのは年齢だろうか。

王の資質を備えて居ないオルフェノクであれば、生きている筈の王の不在は影響を及ぼさないのか。

劇場版で言われていた王の資質に関しても、彼に関しては肉体が頑丈という、ただそれだけを見ての話だったのかもしれない。

それこそ、彼は王の器になるには人間として積み重ねてきた記憶が多すぎるのか。

餌用のオルフェノクとは異なる、人間態を残しつつ問題なく生活しているオルフェノクのサンプルとして生かしておいたのは正解だった。

 

或いは、彼の元にも、()()()()()()()()()()が現れるかもしれないが。

どれほどの騒ぎになるかは未知数だ。

少し監視を多めにしておこう。

 

―――――――――――――――――――

 

例えば。

女王蜂と働き蜂、これらは卵の時点では殆ど変わりなく、生まれた場所と与えられた餌の違いによって成長が分岐する。

そして働き蜂は女王蜂が生きている間はフェロモンにより生殖能力を抑えられている為に産卵をせず、交尾の経験も無い為、後に卵を生んでもそれは無精卵なのだという。

 

オルフェノクの王を育てる環境は既に無い。

同じ世代に王が二匹、という可能性も薄いだろう。

だが、王が何らかの理由で囚われた時の為の保険が無いとも限らない。

では、他の王の候補がこれからオルフェノクの王の代わりになろうとした場合、何をするだろうか。

可能な限り、王の成長の道筋を辿る筈。

それも、王を殺さずに囚えておける敵対者が居る状態で、となれば、常の王と同じ方法で悠長に成長しようとはしないだろう。

 

考えすぎ、というのなら、それで問題は無い。

所謂、病気の子供なんて居なかったんだね、という話だ。

杞憂で済むなら良し。

だが俺の知る限り、この世界で『杞憂であれば良いが……』などと口にしたが最後、そして口にしなくとも、大体現実で予想の斜め下の方向性で発生する。

 

スマートブレインは滅ぼした。

これは間違いなく、人類が絶滅寸前にまで追い込まれる未来を作れるバラのオルフェノクに関しては念入りに細分化し、コアパーツとなる部位はアギト化された上で限界までアギトの力を絞り出すのに使用して死滅させた。

或いは小規模であれ人間に害為す仕事をしていた連中も残らず排除した。

彼らが今後の世界で人類に害をなすのは不可能だろう。

禍根は断った。

 

だが。

最初の年。

旧グロンギのゲゲルに介入した年だ。

幾らかのムセギジャジャを倒して自己を強化しつつ、最終的に五代さんとのダブルアルティメットフォームでダグバを囲んで棒で叩いて殺す計画は、ダグバの開催した敗者復活戦によって五代さんが足止めされるという形で阻止され、結局はダグバと正当なザギバスゲゲルを行う羽目になった(それ自体は今となっては良い経験だと思うが)。

次の年。

順調にマラークを刈り取り続け、自衛隊に提供されていたスマブレの技術など吸収しつつ、テオスの説得に関しては人間力の高い津上翔一に丸投げするという計画があった。

しかし、テオスが何故かあいつにとっては塵芥同然のマラークを狩っていただけの俺に目をつけ、部下を囮にしつつ不意打ちを噛ましてくるという冗談のような事態が発生。

結果として、俺は光の巨人と化して巨大化したテオスとウルトラなファイトを演じる羽目になった(これも実際は歴代ンや魔石の戦士の開祖にとっての悲願であったので仕方が無いし、テオスの力の断片も手に入ったので良しとするが)。

そして去年。

ループの中でテオスの力を制御する練習を重ねつつ、世紀の大天才神崎士郎の技術を吸収しつつ、彼の頭脳を有効活用する為にまずは対話という事でその他のライダーバトル参加者を地道に倒しながら、あと一人、というところまで勝ち抜くルートを構築してみせた。

が、時間も平行世界の壁も乗り越える奇跡のホ……予知能力者がオーディンのデッキを掠め取り、予期せぬ反撃を食らってしまったり(余計な事とは思うけど有益な情報でもあったし悪いやつではないと思う)。

 

もう大丈夫、という確信こそが、予期せぬ不意打ちの合図なのだ。

基本の基本を忘れていた。

危険な出来事は、得てして気が緩んだ瞬間にやってくる。

オルフェノクに対して、仲間を装い気を緩めさせてから殺していた、ひりつくような感覚を思い出そう。

この悪い予感は当たる。

 

まだ、少なくとも国内において事態は表面化していない。

まだ先なのか、すぐなのか。

どちらでも良い、とは言わない。

どちらにしても、やることは一つも変わりはしない。

 

どれほど綿密に、人類を滅ぼす為の呪いを仕掛けたかは知らない。

そこにどれほどの怨嗟があったかもわからない。

だが、いつかに存在した筈のオルフェノクというシステムの仕掛け人に、万全の備えというものを見せつけてやる。

 

 

 

 

 

 





次回にちょっとモンスター・パニックをやって終わりかなぁ555編
という準備回

☆殺処分されたアークオルフェノク
がしゃーん、がしゃーん
頭蓋骨陥没の後に手足をもがれて電波の通りが良さそうな高所でトドメに首の骨を折られたアークオルフェノクだよ
殺されないけど仕事しない、というだけで既に人類を滅ぼす系の仕事をこなしていた凄いやつだよ
生きていても死んでいても人類に害をなす凄いやつだよ
当然許されなかったし人類の作り上げた快適なインフラとかを守るために最後っ屁の如くオルフェノク全体に撒き散らした悪影響は次回にきっちり対処されるよ

☆赤心少林拳黒沼流スマッシュブラザーズwith特別なスーツでおめかしをする義経師範
なぜなら彼女も、特別な存在だからです
どういう特別なスーツ……いやさドレスになるかはたぶん次回
バトルドレスという胸に刺さる響鬼
書く時忘れてたら忘れてるから出ないかもしれないけどその時は許して
指摘されたら何なら番外編とかで出すから

☆むくつけき使徒再生アギトチームwith見た目は並の警官だけど生身で唯一怪力とか使える謎の白いやつ
かれもまた奇跡の人なのだ
しかしオルフェノクは生身でも怪力とかオルフェノクパワー使えるけど使徒再生アギトになると生身の戦闘力はどうなるのだろうか
まぁ鍛えていけば鬼になれる世界(特殊な技術の習得は必須)だから最終的なステは変わらんから誤差だよ誤差!

☆壁を這って別の部屋まで移動する様子を外から撮影される分には別に構わない二十二号
転移する瞬間を超感覚持ちに見られたくないというだけなので、壁をカサカサと這う二十二号の写真などは何の問題にもならないのだ
二度あることは三度あったので四度目を防ぐために何事か起きるものと考えて準備中
積み重ねた三年とループ時間の力が火を吹くぞ!

☆ドゲンジャーズ
春スタートの作品の中では最高の一作だったと思う
一クールにぎゅっと詰まったヒーロー性
新人ヒーローの成長と先輩ヒーローの成長
かっこいい主題歌
素晴らしい挿入歌
心にいつもやくいく手帳
そして最終回一話前まで貯めに溜めた個別連続名乗り!
正直完璧な構成だったのではないかなと思いました
緊急事態宣言時点で既に全話収録済みだったってのも強いね……

☆かくしごと
春スタートの作品の中では最高の一作だったと思う
久米田先生の作家人生が総て詰まった一本というか
アニメも良いけど原作全巻通して読んでるとアニメ最終話の感動もひとしおなのでみんな原作も買おうね
最終巻でどんな別EDがあるかと思うと怖いところもあるけれど……



毎年恒例だったキラーユニットが思いつかなかったので今年は派手にみんなでお祭りをして〆にしようと思います
次回でいにゅい周りの話も回収できたらなとおもうけど
できなければ少しだけ話を進めてブレイドの話に巻き込めばいいかなって思います
そんな訳で次回
『生まれ損ない』
を、気長にお待ち下さい

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