グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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Extra life03 魔王集結

「「………で?」」

 

じゃれあいを終えた俺は、義姉(ねえ)さんと共に兄さんとセラに正座をさせていた。

義姉さんが二人を厳しく睨みながら言う。

 

「サーゼクス、今日は会議があったはずでしょう?抜け出してきたのかしら?」

 

「ハハハ!僕もここから会議に参加しようと思ってね。僕とセラの映像をリアルタイムに送れば問題━━」

 

スパンッ!

 

義姉さんが取り出したハリセンが兄さんの脳天を捉えた。だが、兄さんは特に気にすることなく続けた。

 

「━━ないだろう?現にそろそろ………」

 

兄さんが言うやいなや、テーブルの上に小さい魔方陣が二つ展開された。映像と一緒に音声を飛ばすタイプのものだ。

その魔方陣から二人の男性の姿が映しだされた。一人は妖しい雰囲気の男性。もう一人はやる気のなさそうな男性だ。

 

『サーゼクス、セラフォルー、聞こえているか?』

 

「ああ、聞こえている。問題ないよ、アジュカ」

 

兄さんが仕事モードの口調で返事をした。だが正座は崩さない、義姉さんが崩させない。

アジュカ様はそれが見えていたのか苦笑する。

 

『まったく、俺は会議室でやると言ったんだがな』

 

「すいません、自由な兄と恋人で………」

 

俺は頭を下げながらアジュカ様に謝る。義姉さんの手前、ここはしっかりやっておかなければいけない。

俺の謝罪を受けたアジュカ様は気にした様子もなく笑む。

 

『いいや、キミが気にすることではないさ。サーゼクスのそれはもはや癖のようなものだろう?』

 

「アジュカはよく知っているな」

 

義姉さんに頬を引っ張られながら言う兄さん。目にはうっすらと涙が溜まっている。

アジュカ様はそれを見ながら再び苦笑すると、リアスや一誠たちに目を向けて挨拶をした。

 

『初めまして、アジュカ・ベルゼブブだ。諸々の技術開発の最高顧問をしている。よろしく頼む』

 

アジュカ様の挨拶に、リアスたちは少し緊張気味になっていた。

アジュカ様は続ける。

 

『そして、この面倒くさそうにしているのがファルビウム・アスモデウス。軍事担当だ』

 

『……どうも』

 

見た目のやる気のなさと同じように覇気のない声だ。俺も面倒は嫌いだが、ここまでではない。

 

『ごきげんよう、ベルゼブブ様、アスモデウス様』

 

俺たちも改めて挨拶をした。

 

「ちょっと、ファルビー!リアスちゃんの眷族の皆さんとロイが相手なんだから、きちんと挨拶しないとダメなのよ!」

 

後ろからセラの声が飛ぶ。ノリが軽いのにそこんところ厳しいからな。自分には甘いのに。本当、自分には甘いのにな…………。

大事なことだから二回言わせてもらったが、ファルビウム様は相変わらずこんな感じなんだな。

 

「ファルビウム様は眷族探しにやる気を出しすぎて燃え尽きた。ようは生き急ぎすぎた悪魔の典型的な例だ。おまえはそうならないように気を付けろよ?俺も気を付けてるからな」

 

俺は少し心配そうにしている一誠に小声でそう伝えた。一誠は小さく頷きながら苦笑する。

 

「それと、あんな感じだが、セラは外交担当だったりする」

 

「ブイ!各国への交渉は私に任せてね☆」

 

俺の言葉が聞こえていたのか、セラは横チョキしながら言ってきた。かわいいのはいいが、こいつ、時々ぶっ飛んだことを言い出すからな、心配だ。

まぁ、ほとんど兄さんが一人で頑張ってくれているから、今のところは問題ないがな。

 

『それでサーゼクス。何が起こるんだ?』

 

アジュカ様が興味深そうに兄さんに訊く。兄さんは微笑みながら立ち上がり、リアスと一誠の前に少し足を引きずるように移動した。そして口を開く。

 

「実はリアスにグレモリー家の例の儀式をあの遺跡で受けてもらおうと思っていてね。グレイフィアがここに訪れたのもそれが目的でもある」

 

「「『『おおっ』』」」

 

俺とセラ、アジュカ様、ファルビウム様が同時に笑んだ。義姉さんがに来ることは聞いていたが、なるほど、あれをやることを伝えに来たんだな。

勝手に安心していた俺たちに、リアスは不満そうに片眉を上げる。

 

「ルシファー様、それはどういうことなのでしょうか?遺跡とは先祖代々重要としてきたあの場所でしょうか?」

 

リアスの問いに兄さんは頷く。

 

「うむ。グレモリーの者はある程度の年に達するとその遺跡にて、通過儀礼をおこなうのだ。━━親愛なる者と共に。意味はわかるね、リアス?」

 

その言葉を受けたリアスは顔を真っ赤にしていた。セラはむしろドンとこい!と言わんばかりだったな。

 

「あの遺跡、懐かしいな。兄さんたち以来か?」

 

「そうだね。ロイとセラフォルーが先だったから」

 

「本当。あの時は、久しぶりにお義母(かあ)様を怖いと思ったわ………」

 

「それは同感ね………」

 

俺たち経験者組が懐かしんでいると、アジュカ様が言う。

 

『確かに、それは会議より重大だな』

 

『おめでとー、先に祝っておくよ』

 

ファルビウム様はやる気のない声援を送る。この人、もっとシャキッとしてもらいたいな。

何事かよくわかっていない一誠と、顔を真っ赤にしているリアスに、義姉さんが改めて言う。

 

「そういうことなのです、リアス。これが言付けなのよ。私たちを安心させて欲しいというのは儀式をおこなってもらうことなのです。拒否は認めません。それぐらいの安堵を私たちに与えてくれないといけないわ。━━うちの人とセラフォルーが余計な方々まで引き寄せてしまったけれど。サーゼクス、わかっているわよね?帰ったら、再教育ですよ?」

 

「ついでにセラもお願いします。ロイ分?とかいうのは後で補給させておきますので」

 

「わかりました。では、サーゼクス、セラフォルー、行くわよ?」

 

義姉さんに襟首を捕まれて退場していく二人。しばらくは大丈夫だろう。

 

「まあ、なんだ。そういうことだから、リアス、一誠、頑張れよ!」

 

「お、俺が参加するんですか?その大事そうな儀式に?」

 

「ああ。だって、おまえ。リアスの親愛━━」

 

「お兄様!言わないでください!」

 

大事なことを伝えようとしたらリアスに口を塞がれる。まあ、これはリアス自身が伝えることだな。悪いことをした。

それにしても、義姉さんだけじゃなく魔王様全員が来たり、リアスに儀式の通達をしたり、今日は退屈しないな、本当。

俺が溜め息を吐くと、

 

「見てください!細かな生活用品は全部百均で揃えたんです!日本には百円均一のお店があって、素晴らしい限りです!安いって最高ですね!」

 

魔王様全員が去った矢先に買い物を終えたロスヴァイセが帰って来た。買い物は百均で済ませたようだ。まあ、節約は大事だからな。

 

 

 

 

 

 




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