IS Avenger's Story -復讐が渦巻く世界-   作:陽夜

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後日談というか日常パート的なのです
あっさりと短めに


第十一話 クラス代表決定戦〜その後〜

 

 

 

 時間はセシリア、楯無との話を終え、陽が沈む少し前。

 やっと部屋に戻ってきた一夏。

 

 

「ただいま、箒。戻ったぞ」

 

 

「!?い、一夏か。お、おかえり。それで、試合はどうだったのだ?」

 

 

「一応、勝ったぞ」

 

 

 あまり嬉しそうにはしない一夏。

 

 

「?一応とはどういう意味だ」

 

 

「あはは……ちょっと色々あってな、普通の試合にならなかったんだ。勝敗はついたけどな」

 

 

「色々って、お前……まさか」

 

 

 何かを勘付いたように一夏をジト目で見る箒。

 

 

「うっ、いやー、その、な?まぁ、仕方なかったんだよ。オルコットさんにも、色々あったらしいからさぁ………」

 

 

「……私には言ってはくれないのに、オルコットには言ったのか。そうかそうか。ふーん」

 

 

「ほ、箒?」

 

 

「……………」

 

 

 だんまりを決め込む箒。拗ねている。

 自分にはいつか話すと先延ばしにされたのに、ぽっと出のクラスメイトに復讐とやらのことを話したというのだ、拗ねるのも無理はない。

 

 

 ーークラス代表を決めるだけの戦いで何があったのか、箒には知る由もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「昨日行われた織斑君とオルコットさんの試合ですが、織斑君が勝ちました。なのでクラス代表は織斑君で決定します。問題ないですね?」

 

 

「はい」

 

 

 時間は、代表決定戦翌日の朝のSHR。

 副担任の山田先生より、一夏がクラス代表になったことが伝えられた。

 

 

「よし、これでSHRを終わりにする。

 次の授業開始は10分後だ。それまでに教材の用意をして席についておけよ」

 

 

「「「はい!!!」」」

 

 

 だが、一夏は気が気でなかった。

 昨日箒を怒らせたままずっと口を利いてくれなかったのである。

 

 

「(箒は一回怒ると長引くタイプだったからなぁ。なんとかして許して貰えればいいけど……」

 

 

 そもそも言えない過去などがある時点でどうかと思うのだが、この男は他の女にその過去を言ってしまっている。

 一応、千冬の公認(?)ということでセシリアに話す許可はあったのだが、一夏はそれを知らない。

 

 

 と、そんな一夏にクラスメイトが駆け寄ってくる。

 

 

「ねぇねぇ織斑君!オルコットさんに勝ったのって本当なの?」

 

 

「ん?ああ、一応勝ったけど」

 

 

「すごいね織斑君!」

「代表候補生に勝っちゃうなんてやるー!」

「もしかしたらクラス対抗戦も余裕だったりしてー?」

 

 

「い、いや、オルコットさんに勝てたのも結構まぐれというか運が良かったというk「あら、織斑さん。だいぶ余裕を持たれてわたくしに勝っていらしたではないですか。随分謙遜なさるのですね?」か……って、え?」

 

 

 セシリアが割り込んできた。

 しかも一夏の強さを助長する様な発言をする。

 

 

「えーー!ほんとに!?オルコットさんに圧勝したの!?」

「すごーい!代表候補生相手に余裕持ってた、なんて!」

「さすがは千冬様の弟だねー!」

 

 

「俺は圧勝なんてしてな………って、この子たち話聞いてないし(どういうつもりだよ!?オルコットさんんん!?)」

 

 

 女子生徒達は余計に盛り上がってしまい、一夏の話も耳に入ってこないようだ。

 

 

 一方、セシリアはというと、

 

 

「(ふふふ……わたくしに変わってクラス代表になるのですわ。半端な戦いをするようでは許しませんわよ)」

 

 

 ーーこの女、なかなかに鬼畜である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すると、クラス内のまた別のところで話している人達の会話を、一夏が耳に入れた。

 

 

「ねぇねぇ、2組にさ、新しい転入生が来るらしいよー」

 

 

「どんな子なの?知ってる?」

 

 

「なんでも中国から来るって、しかも代表候補生だとか!」

 

 

「中国の代表候補生って、ちょっと前に中国で話題になったスーパールーキー!?」

 

 

「かもしれないよ!」

「大丈夫かな……織斑君」

「織斑君ならやってくれるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………おいおい、中国からの転入生で『スーパールーキー』ってまさか、《あいつ》じゃないよなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ある国の空港では、

 

 

「それでは、お気をつけて行ってらっしゃいませ、『凰鈴音』様」

 

 

「はいはい、行ってくるわよ」

 

 

 飛行機に乗る少女が一人。

 

 

 向かう先は、日本。

 

 

「さて、一夏………待ってなさいよ」

 

 

 思わぬビッグニュース《男性操縦者発見》により、自分もIS学園へ行くことを決めた少女がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーあんたがどれくらいぬるま湯に浸かってるか、確かめてあげる」

 

 

 

 ーーー物語は、ここから動き始める。

 

 


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