カール王国。アバン、ロカを輩出したカール騎士団を有する彼らを担当するのは、魔影参謀ミストバーン。配下のモンスターと自身の暗黒闘気で攻めたてる。
魔影軍団最強の兵士、デッドアーマーすら投入し、一気呵成に王都へ攻め込むミストバーン。カール騎士団員でも特に腕利きな者に対しては暗黒闘気で縛り上げ、部下に抹殺させる。
「我が分身シャドーよ、カール女王は何処だ?」
「発見しましたが…近衛兵が妨害を」
その返答に対し、ミストバーンはデッドアーマーを三騎差し向ける、が。
「させるかぁ!」
大槍がデッドアーマーの一体を大破する。
それをやってのけた騎士にミストバーンは目を向ける。
「フローラ様には指一本触れさせぬ!このカール騎士団団長、レイガンスが相手だ!」
大槍を構える、長身で均整の取れた体格の騎士にミストバーンは眼光を光らせ、剣を取り出して構える。
「ははっ、槍に剣が敵うか!所詮魔物だな!」
カール王国騎士団長を名乗るだけの事はあり、レイガンスの槍捌きはミストバーンの剣術と互角だ。
だが
「ぐっ、こいつ出来る!」
「…カール王国騎士団長よ、確かにお前は腕が立つのだろう…だが、お前では私に勝てぬ。」
「だとしても!」
ガギン、と槍と剣がぶつかり合う。
「フローラ様の命は、全てに優先する!」
「?!」
信念と共に突き出されたレイガンスの一撃は重く、ミストバーンをじりじりと押す、
このまま体勢を崩させようとするレイガンスに対し、ミストバーンの眼光が鋭くなる。
「…バーン様のお言葉は、全てに優先する!」
「ぐっ?!」
力負けしたのはレイガンスの方だ。ミストバーンは剣を構え、レイガンスを睨む。
「ぬぅっ!」
十合、二十合と槍と剣がぶつかり合う!
永遠に続きそうな戦いだったが
四十合を超えた所でバキン、という音と共に武器が砕け散る。武器の方が先に限界を迎えたのだ。
砕け散った武器は、剣!
「この機は逃さん!」
レイガンスの一撃がミストバーンを襲い、
それに対しミストバーンは片手に暗黒闘気を収束し、迎撃する!
本当の切り札を使う訳には行かない、それは最後の手段。
「闘魔最終掌!」
「?!」
愛用の得物が先端から粉砕されていく様を、信じられないという表情で見ていたレイガンス。そしてその掌は彼自身を襲う!
「がはっ……ふ、フローラ様…不甲斐ない私をお許し下さい……」
ドサリ、と倒れ伏すカール王国騎士団長をミストバーンは見下ろす。
「シャドー、報告を」
「…ミストバーン様。カール女王は逃げおおせました…」
「……」
その報告を聞き、改めて敵の騎士団長を見つめるミストバーン。
彼は敗れたが、使命を果たした。
右手に握っていた剣の残骸を見ていたミストバーンだったが、魔影軍団に命じ、カール王都を完全に破壊する。
原作でロカが何時死亡したのか謎です。アバン一行の戦士を討ち取った、と聞いたら当時のハドラーは酒宴を開きそう。