ROAD toRURI外伝ROAD toSanctuary   作:のうち

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仕組まれた対決、敵は切り捨てた自分、ヴァルゴ対ヴァルゴダーク

ヴァルゴがエルスに取り憑かれたピスケスを救い出した。

 

ヴァルゴ「ふー、なんとかなったか。」

 

ヴァイス「本当、最初はどうなるかと思っちゃったわ。この辺の敵は一掃したみたいだし、私たちは他を手伝って来るわね。グレちゃん、行くわよ。」

グレン「はい!」とグレンとヴァイスは他の場所に向かう。

 

ピスケス「最悪だよ。ヴァルゴ」と涙を流す。

 

ヴァルゴ「それは私もだ、お前の異変に気付いていながらも敵を炙り出す為に何もせずに手をこまねいていたのだからな。それに私もベルファストの折に何かをされている。解呪をしようにも自分の中に決定的な何かが足りなくてな。」

 

ピスケス「そっかでも、それを取り戻す機会は必ず、ブリタニアで戦い続ける限り、巡って来るはずだから」

 

ヴァルゴ「そうだな。さて、そろそろ私達も戦線に復帰するとしよう。」

 

ディバイン「いえ、その必要はありませんよ。」

その声とともにヴァルゴとピスケスの周りを囲み、別の世界のように変わる。

ヴァルゴ「貴様はディバイン!」

 

ディバイン「ようこそ。時空の狭間へ、12闘士の御二方」

 

ヴァルゴ「それで何か、用か、私達はこれから仲間のもとへ急がねばならない。要件があるなら早めに行ってくれると助かるのだがな。」

 

 

ディバイン「私としては前々から申し上げているとおり、私に協力してくださいませんか。」

 

ヴァルゴ「断る。貴様がそのような考えを持つ限り、いや、悔い改め、考えを改めたとしても私は貴様につく気はない。」

ディバイン「そうですか、では先日、ラドスを通してあなたからお借りしていたものを返しましょう。」パチッ!と指を鳴らすと

 

空間が歪み、1人のプリキュアが現れた。

 

ヴァルゴ・ピスケス「なっ⁉︎」ヴァルゴとピスケスは驚いた。なにせ、現れたのはそこには所々に黒い装飾が追加され、輝きを失ったくすんだ金の鎧を身につけたキュアヴァルゴであったからだ。

 

ヴァルゴ「私だと!」

 

ディバイン「彼女はヴァルゴダーク、貴女が修行時代に切り捨てた貴女の弱い部分、貴女自身の手で心の奥底に閉じ込めた、いや切り捨てた。かつての自分」

 

ヴァルゴD「私は貴女を倒す。倒して私は私に戻る。」

ヴァルゴ「何を言っている。私は、私が変わった、あれが本来の私、なら私は一体誰なんだ。」

ヴァルゴはヴァルゴダークに攻撃を受けっぱなしになる。

 

ヴァルゴはディバインとヴァルゴダークを見てどうかしていた。たしかにディバインの言うことは的を得ていた発言だったからだ。マルス軍との最初の戦い、もっとも多くの死者を出したのはヴァルゴが率いていた部隊だった。幹部クラス2人に自分達を上回る軍勢に不利な状況であったため、英里はそれを悔やむことはないと言った。

だが、ヴァルゴはそうすることはできなかった。ヴァルゴは自分の至らなさ、そして己の精神的弱さにやるせなさを感じた。心を休める暇もなく、自分が死なせてしまった兵士たちの遺族に謝りに行った、気にすることはないとヴァルゴに言うものもいたが、現実とは非常であるのが摂理だ。大半の遺族からは罵倒の嵐だった。それが当時16歳の

女の子には大変こたえた、その時を境にヴァルゴは自分の弱さをなくす為、一掃修行に打ち込んでいった。いつの日か、ヴァルゴは敵に情けをかけることなく、敵と割り切ったものは全て容赦せずに倒していった時には散りすらこの世に残すことはなかったほどにこの四年間はヴァルゴを変えたのだ。そして変わったヴァルゴの目の前に現れたのがヴァルゴダークだった。

 

ヴァルゴD「痛いよね。うんわかるよ。私も貴女だから」とヴァルゴを殴りながらいうヴァルゴD

 

ヴァルゴD「でもね。私はもっと痛かったんだよ。やるせない気持ちで貴女という側面をつくって、そして捨てられた私の自業自得だったのかもしれない。でも辛かった私は貴女を生み出したことを後悔した。だからこそ貴女をここで消滅させて私がもとに戻る。ディバインもその後に私が倒すから安心してね。」ヴァルゴDは小宇宙を収束させてヴァルゴを貫こうとした時。

 

ピスケス「ダメ!」とピスケスがヴァルゴをとっさに押し飛ばして、ヴァルゴDの前に割って入る。ピスケスはもろに腹に攻撃を受ける。

ヴァルゴDの攻撃はピスケスの鎧と体を貫通した。

 

ピスケス「がはっ!」ピスケスはその衝撃に吐血した。

 

ヴァルゴD「いちご、なんで邪魔したの。あと少しでまた昔一緒に笑えるはずなのになんで⁉︎」

 

ピスケス「そんなこと言っちゃ、だめだよ。ヴァルゴD(貴女)も恵なんだから、だめだよ。」と泣きながら言う

 

ヴァルゴD「なんで、そんなこと言うの、いちごは私が作り出した偽物なんかをかばうのそんなの、・・・・そっか、いちごもあいつに毒されちゃってるんだ。この分だと他のみんなも、ディバインが正しかったのかもね。ディバインの言う通り、また最初からやり直したほうがいいんだよ。そのためにはまずはいちごや他のみんなをもとに戻すために一回殺してリセットしてなきゃね。」とヴァルゴDは焦点の合っていない目で言うと、貫いた穴から臓器を取り出す。そしてそれをほうばる。

 

ヴァルゴD「ん、貴女の肉は私の一部になる。大丈夫、今の貴女が死んでもディバインの作り出す新たな世界でまた会えるからだから安心して」と言い、ピスケスは倒れる。

 

ヴァルゴ「ピスケス!」ヴァルゴはピスケスに駆け寄る。

 

ピスケス「ごめんね、ヴァルゴ、説得失敗しちゃった。」

 

ヴァルゴ「もういい、喋るな今すぐ、手当てを」

 

 

ピスケス「いいの。さっきので結構良いところ持ってかれたみたいだし、ヴァルゴ、お願いがあるんだけど」

 

ヴァルゴ「そんなこと、聴きたくない。」

 

ピスケス「良いから聞いて!、私はもうそんなに長くない。だから私の心臓食べて」

 

ヴァルゴ「なにを言ってるんだ。そんなことしたら」

 

ピスケス「心臓にはわたしの最後の小宇宙が溜め込稀てる。それを取り込むことで一時的に小宇宙を融合させることができる。でも毒血の入った私の心臓だからもしかしたら毒に適応できなくて死んでしまうなんてこともありえる。でもヴァルゴなら出来るって信じてるからだから」ピスケスは穴の空いた体に手を突っ込み、心臓を引きちぎって取り出す。

 

ピスケス「お願い、あの子も恵なの、神に1番近いとされる乙女座のプリキュアなら、自分くらい救ってみせてよ。お・ね・・・が・い・・・」とピスケスは事切れて、変身が解ける。

 

ヴァルゴ「いちご、いちご!!!!!」ヴァルゴはしばらく泣き、そして泣き止むといちごの残してくれた小宇宙によって動き続ける心臓を口に入れ咀嚼し、飲み込んだ。

 

ヴァルゴ「ん!」とヴァルゴは苦しみだす。魚座の毒血に含まれた毒が急激にヴァルゴの体を蝕んだからだ。それでもヴァルゴはその苦しみに耐えて立ち上がろうとする。

 

ディバイン「無駄です。ただでさえ勝ち目がないのに、毒の塊であるピスケスの心臓を食べたのた。すぐさま身体中に毒が周り、貴女は死ぬのです。」とディバインが言う。

 

ヴァルゴ「・・・確かに、今にも体は燃えているほどに熱くなり、痛みを感じ、喉を掻き毟りたくなるほどだ。だがこんな私でもわかることが1つある。」

 

ヴァルゴ「ヴァルゴD、貴様は私ではない。いくら敵に非常になろうとも私は友を傷つけ、あまつさえ殺そうしたりはしない。だからこそ私は私と名乗った貴様を倒す。」とヴァルゴのその一言がきっかけになり、ヴァルゴの小宇宙にもう1つの小宇宙が重なり、そして混ざる。ヴァルゴの目の前にピスケスの指輪が現れ、そしてヴァルゴとピスケスの指輪が融合した。そしてピスケスとヴァルゴの鎧が融合した姿になる。

 

ヴァルゴが右手ふるうと地面から大量の棘のついた薔薇の花をつけた蔓が生えてきた。そして、それらは混ざり、龍の形になる。

 

ヴァルゴ「ブラッディローズドラゴン、私に貴様の主人の敵討ち付き合わせてくれ!行くぞ!、プリキュアフローリアンアフロディーテ!」紅い薔薇に宿った4人の魂がヴァルゴに重なる。

 

ヴァルゴD「なにこれ、私が知らない力が、なんでピスケスの血なら体に取り込んだのになんで」

 

ヴァルゴ「悲しみと後悔にくれ、友にまで手をかける貴様にはわかるまい、この私を通して出る力が!」

 

 

ブラッディローズドラゴンも小宇宙を溜めるそして

 

ディバイン「これは!?」とディバインには薔薇の蔓で拘束し、ヴァルゴDを抱きしめる形でヴァルゴと一緒に薔薇の蔓に縛った。

 

ヴァルゴ「ヴァルゴD、お前は私が切り捨ててしまったがためにこんな哀れな姿になってしまった。ある意味で私の成れの果てなのかもしれない、だからこそ、私は私の命をかけてお前を倒す。それが私とお前()のけじめなんだ!、やれ、ブラッディローズドラゴン!、私ごと焼き払え!」

 

 

ブラッディローズドラゴンは命令のままにブレスを放つ。だが感情のないはずの彼の目にはまるで涙のように誰かの血が流れていた。

 

ブラッディローズドラゴンのブレスを受けたヴァルゴは最後の締めと言わんばかりに体にはたまる小宇宙を爆発させ、時空の狭間に巨大な爆発を起こした。

 

そして夜空に二つの星が流れ星となって降り注いだ。

 

ジェミニ(双葉)「えっ!?」

 

また別の戦場では

 

アリエス「なんだと、まさかあの2人が⁉︎」

 

そしてギリシャの聖域では

 

英里「馬鹿者が、年寄りより、早くいってしまう奴があるか!」と涙を流し、キュアアテナもまた世界を守る為に戦った12闘士の死に涙をした。

 

そしてまた別の空間では

 

ディバイン「危なかった。あともう少し、ブレイクスペルが遅ければ、私は今頃、だなしかし、向こうは最高戦力の2人を失った。これで私の計画に邪魔なものの1つが消えた、あっはっはっは!!!」

 

?「お兄様ったら、そんなに笑ってらして何かあったの。」

 

ディバイン「エルスか、いや、想定外なことがあったとはいえ、私の計画に邪魔な奴らのうちの2人が消えた。こんなに面白おかしくて、最高なことはあるまい。」

 

エルス「それそれは、よかったですわね。お兄様。」

 

ディバイン「全ては私の崇高なる計画のために!」

 

 

 

 

 

 




感想ダメだしよろしくお願いします。
これからのヴァルゴとピスケスの扱いについてはトップシークレットで救済があるかどうかはこの作品の最終回にてアプス打倒後明らかになるかも

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