デート・ア・ライブ 黄金の精霊   作:アテナ(紀野感無)

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はい、4話目です。
今回で原作1巻目は終わりですね。

それはそうと、FGOみなさんやってますか?自分はやってるんですがイベントの超高難易度に絶望してます。


はい、無駄話はやめておきますね。
それではどうぞ


4話

無数の武器が飛び交い、たった一本の、10メートルはある巨大すぎる剣がそれを薙ぎ払う。

 

漫画やアニメでしかありそうにない光景が、今現実に起こっている。

 

「ふははははっ!」

「あああああっ!」

 

そして、戦っている2人は、片方は高らかに笑い、片方は怒りに身を任せて叫んでいる。

 

周りの人間は、化け物、など叫びながら止めようとしているが触れるどころか近づくことさえ叶わない。

 

「が…っ」

 

「ん?どうした?これくらいで朽ち果ててくれるなよ?小娘。貴様のその剣が個の究極だとするならば我の宝物庫は()()()()()()()の究極だ。この通り最上位の武具は有り余っている。貴様の本気を出さねば、死ぬことになるぞ」

 

その均衡を破ったのは、黄金の少女だった。

ドレスを纏った少女の左腕が血に染まる。

 

「我が許すまで死ぬことは許さんぞ。精々その足掻きで我を愉しませよ」

 

「う…がああああああっ!!!」

 

そして、再度2人の少女はぶつかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜フラクシナス内部 司令室〜

 

「司令……っ!」

「わかってるわよ、騒がないでちょうだい。発情期の猿じゃあるまいし」

 

フラクシナスの司令官である五河琴里は、つい今しがた自分の兄が死に、状況が絶望的になったにも関わらず

 

()()()()()()()()()()

 

状況は、圧倒的に、絶望的に、破滅的に、絶望的だった。

ようやく空間震警報が鳴り始めたが、避難などほとんど済んでいない。

 

そんな中、2人の精霊による戦闘が始まった。

 

初めは人のいない開発地で救い…と思ったが、そんな部下たちの楽観をたやすく打ち砕いた。

 

今までの十香が可愛く見えるほどの超越的な破壊力。

 

今までの【アロガン】は全く実力を出していないかと思えるほどの殲滅力。

 

数分も経たないうちに広大な開発地は更地と化した。

原型など残っているわけがない。

 

周りにいるASTは、まるで塵のように余波のみで吹き飛ばされている。

 

「……っ!司令!」

 

「わぁお、あの十香相手に傷をつけるなんてね。さすがは【アロガン】」

 

ほんのわずかな間、戦闘がやんだかと思うと、十香の左腕に傷がついていた。

 

「ま、とにかく士道がヘナチョコじゃなくてよかったわ。ちょっと優雅さが足りないけど騎士(ナイト)としては及第点かしらね。アレでお姫様がやられてたら目も当てられなかったわ」

 

だが、琴里はさほど深刻そうな調子も見せずに言う。

 

「みんな、そんな戦慄したような目でこっちを見ないでちょうだい。心配せずに自分の作業を続けなさい。士道が、これで終わりなわけないでしょう?」

 

そう、ここからが士道の本当の仕事ということを琴里、令音、神無月は知っている。

 

「し、司令っ!あれは…!」

「きたわね」

 

すると、艦橋下段の部下が画面左端-----運良く開発地と離れている公園に映っているものを見ながら驚愕に満ちた声を発した。

 

横たわって、制服の上着をかけられていた士道の体が、突如()()()()()

 

上にかけてあった制服が燃え、ずり落ち綺麗に刳り貫かれた体が露わになる。

 

「き、傷が…」

 

そう、燃えていたのは士道の制服ではなく、()()が燃えている。

 

そして、炎の勢いが弱まる頃には、完全に再生された士道の体が存在していた。

 

「さ、すぐに回収しなさい。彼女たちを止められるのは士道だけよ」

 

 

 

「さてと、お姫様の呪いを士道に解いてもらわなきゃね」

 

 

そう言い、琴里はくわえていたキャンディに口付けた。

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、なかなか楽しめたぞ。これほど楽しめたのは久方ぶりだ。だが、もう飽きた。終わりだ、小娘」

 

「…………」

 

2人の精霊の戦闘は、神夏ギルは無傷、十香は左腕のみの負傷で一旦止まった。だが、終わったわけではない。

 

互いに、『最強の一撃』を放とうとしていた。

 

「……終われ」

 

「褒美として、貴様に天の理を示してやろう」

 

十香は剣を振り上げ、そこで止めた。

ギルは、鍵のような剣をゲートから出し握り締める。

 

すると、十香の剣には周りから黒い輝きを放つ光の粒のようなものがいくつも生まれ、それらが収束していく。

 

ギルは、手にあった『鍵』の剣を回すとさらにゲートが開いた。

そこから出てきたのは、赤い光を放つ紋様のある筒を三つ重ねたような、ランスのような剣。

 

十香の剣は闇色の輝きを帯びた。

ギルの剣は巨大な空気の歪みを生み出し、その全てを剣の元に圧縮した。

 

2人の精霊の、剣を握る力が強まる。

 

そして、互いに振り下ろ----

 

 

 

十ぉぉぉ香ぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!

 

 

 

互いに、振り下ろされようとした瞬間、空から、浮かんでいた精霊たちよりもっと上から

 

2人にとって()()()()()()()声が聞こえてきた。

 

十香もギルも、その声に気づいたのか剣を振りかぶったまま顔を上に向ける。

 

「シ……ドー?」

「ほぅ、生きていたか」

 

 

 

 

 

 

 

俺は、死んだはずなのによくわからないまま『フラクシナス』に回収され、よくわからないまま現状を見せられ、よくわからないまま解決方法を言い渡され、よくわからないまま()()()()()()()

 

そして、十香達を視界に捉え、大声をあげた。

 

頰と鼻の頭は真っ赤で、目はぐしゃぐしゃ。なんともまあ、みっともない有様の十香と目が合う。

 

俺は、そんな十香の両肩に手をかけた。

『フラクシナス』による重力緩和のため落下速度がとても緩やかになった。

 

「よ、よう……十香」

 

「シドー……ほ、本物、か……?」

 

「ああ、一応、本物だと思う」

 

俺がそう言うと十香は唇をフルフルと震わせた。

 

「シドー、シドーシドー……っ!」

「ああ、なん----」

 

と、答えかけたところで視界の端に凄まじい光が満ちた。

 

十香の振りかぶったまま空中で静止させていた剣が、あたりを夜闇に変えんばかりに真っ黒な輝きを放っている。

 

「な、なんだこりゃ…」

 

「っ、しまった……!力を…制御を誤った!どこかに放出するしかない……!」

 

「ど、どこかってどこだ⁉︎」

 

「-----」

 

十香は、無言で精霊となっている神夏の方を見た。

神夏はと言うと、モニターで見たときのような周りを崩壊させるような空間の歪みを発生させていた剣はもう持っていなかった。

 

ただ、こちらを見ていただけだった。

 

「……っ!十香、おまえ……っ!だ、駄目だぞ、あっちに撃っちゃ!」

 

「で、ではどうしろと言うのだ!もう臨界状態なのだぞ!」

 

そう言っている間にも、十香の剣はあたりに黒い雷を散らしていた。

 

---十香を止め、その力をも封印する唯一の方法。

 

「……十香、あのだな、落ち着いて聞いてくれ。それを、なんとかできる…かもしれない可能性が……ある!」

 

「なんだと⁉︎一体どうするのだ⁉︎」

 

「あ、ああ。その……」

 

と、すぐには口に出せなかった。

だって、琴里が言った方法は、あまりに支離滅裂で根拠に乏しくて脈絡がなく…

 

「早くしろっ!」

「……っ!」

 

けど、そうも言ってられず、腹をくくる。

 

「そ、その、あれだ…っ!十香!俺と、キッ、()()()しよう……っ!」

 

「何⁉︎」

 

すると、十香は眉根を寄せた。

それもそうだ。この非常時に何をふざけているのかと取られても仕方ない。

 

「す、すまん、忘れてくれ。やっぱり他に方法を……」

 

「キスとはなんだ⁉︎」

 

「は……?」

 

「早く教えろ!」

 

「……っ、き、キスってのは、こう、唇と唇を合わせ……」

 

と、言葉の途中で、十香はなんの躊躇いもなく、唇を、士道の唇に

 

押し付けてきた。

 

 

 

 

 

 

 

「………うーわ、本当にしちゃったよ」

 

十香との戦いが上から降って……いや、堕ちてきた五河君により中断され、ずっと話していたかと思うと、なんかキスをしようだ、あーだこうだ言ってて、結局した。

 

 

……一応、全国の非リアの声を代表して言っとこう。

リア充爆ぜろ!

 

 

にしても、さすがに『乖離剣エア』を使うようになるとは想定外。いや、まあギル様の気分次第だから予測なんてできないけどさ。

 

……いえ、すいません。天の理をーーあたりから予測はしてました。

 

…ん?五河くん達?

キスした後、十香の服がボロボロに崩れて半裸状態になった後地面に落ちていったよ。

で、霊力を見てたら驚いたことに、十香から霊力が()()()()()()()

 

「さて、めんどくさくなる前に消えますか」

 

今回はなんとかなったから良かったものの、もう少し長引いてたら文字通りこの辺一帯が消滅してた。

 

けど、正直そんなことよりは……

 

 

 

「よかった、誰も殺してなくて」

 

 

 

そっちの方が、100倍嬉しかった。

あ、でもASTは許さん。あれは死んでもよかったかな?

 

私は、あくまでも関係ない人を殺すのが嫌なだけなのです。

自分で手を下すのはどちらだろうと嫌だけどさ。

と、話が長くなりそうだからさっさと身を潜めよう。

 

 

「じゃあね、五河士道君。あと1回だけ、会いに行くよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜土日を挟み、月曜日〜

 

「……」

 

やっばい、超眠い。

 

土日徹夜でアニメ見るとかアホなことしたな……。

いやー、前期と今期は豊作豊作。

 

けど、言った通り徹夜したから超眠い。

でもやることがあったのでそれを我慢して必死に足を進める。

 

十分も経つと学校に着いた。

 

教室の中は、ざわついていた。

何事かと思うと、鳶一折紙が包帯だらけでいたからだった。

 

いや、まあどうでもいいけどさ。

 

それより、目的の人物の前に私は行く。

 

「五河君」

 

「……!お、おう、神夏。おまえ、無事で……」

 

と、何かを言いかけてたが、それを無視して、私はカバンをすぐそばに放り投げた。

 

そして、床に膝をつき、勢いよく床に頭を叩きつけた。

俗に言う、土下座だ。

 

 

…あ、ちなみに超痛いですよ?

 

 

「か、神夏⁉︎」

 

「五河く…いや、五河士道君。本当にごめんなさい。謝って済む問題ではないのはわかってる。でも、本当にごめんなさい」

 

周りに超見られてるのも気にせず、私は誠心誠意、謝った。これで許されるなんて思ってない。

 

「い、いいから、とりあえず頭を上げてくれ…」

 

「いや、これだけだと私の気が済まない。なんなら、一日中土下座しておく」

 

「それはいろんな意味でやめて⁉︎」

 

「じゃあ、何か一つなんでも言うことを聞く」

 

「いや、だからそんなことは……」

 

と、そこまで言いかけると、五河君は少し考えて声を発してきた。

 

「じゃ、じゃあ、こんど付き合ってくれねえか?簡単なことでいいから」

 

「はい、どんなことでも………って、はい?」

 

ん?このかた、今なんつったの?

聞き間違いじゃなかったらいろんな意味でボコるよ?

 

「ねえ、五河君、もう一回言って?」

 

「え?あ、ああ。えーとだな、少しだけ、付き合ってほしいことがある」

 

「それはいわゆるデートとか言うやつで?」

 

「いやいや!違う違う!秋葉に行きたいけど勇気が出なくてだな!それに行くのに本当に少し付き合ってほしいだけだ!だからそんな真っ黒なオーラを出さないで⁉︎」

 

あ、なんだ。それならいいわ。

むしろ秋葉なら遠慮なく言ってあげるわ。

 

でも、もしあの超絶美人の十香ちゃんという恋人がいながら私をデートに誘おうものなら刺してたかも♪

 

 

 

 

 

そんなこんなで、私の『日常』は、『非日常』に成り果てた。

 

おっかしーなー。私、五河君に謝ったら狙われまくるの覚悟でイギリスに帰ろうとか思ってたのに。帰るタイミング見失っちゃった。

 

その後、鳶一折紙と険悪な雰囲気になったり、十香ちゃんが転校してきて、一触即発な雰囲気になったりと、まあ、ぼっちには結構辛い場面になりましたよ。




はい、どうでしょうか?

余談ですが、精霊化した神夏に『乖離剣エア』を放たせたのは2人しかいません。

今回の神夏vs十香ですが、Fateでいうギルvsヘラクレス戦を参考にしました。

今の十香との力関係でいうならば、神夏が上です。
まあ、十香がほんらい……いえ、何も言わないでおきます。

感想とか何気に待ってたりしますモチベ上がるので

読んでくださりありがとうございます

サブタイトルあったほうがいい?

  • あったほうがいい
  • 無くてもいい

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