デート・ア・ライブ 黄金の精霊   作:アテナ(紀野感無)

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おひーさしーぶりです。失踪はしてません。本当です。
遅くなってる理由としては最近PS4買って色んなゲームやってるせいですね
モンハンとAPEXとFortniteとデアラ。楽しいですほんと。

けど放置は良くないのはわかってるのでちゃんと書いていきます。

それではどうぞ


39話

「疲れた…」

「…ダイ、ジョーブ?」

「ああ、大丈夫…」

 

時刻は19時半。数の暴力とはすごいもので、神夏のことを説明しても天央菜実行委員の任命からは逃れられなかった。

 

夕飯も買わなきゃいけないため、商店街を通ったのだがその際に顔なじみのおばちゃん達に神夏との関係を色々言われつつお祝いされたりもした。

 

すごい心が痛い。

 

そして帰路の最中に四糸乃とよしのんが迎えにきてくれて、更に腕が重くなったりした。

本当なら、そのまま琴里希望のハンバーグを作る…ところだったんだが…

 

 

 

 

 

 

「チッ…聞いてないワヨ!コイツが近くにイるなんテ!」

 

「ふはははは!誰かと思えばメイザースと共にいた雑種ではないか!今一度我に処刑されにきたのか。努力もしない、上の者に媚びるだけの醜悪な雑種風情が、我を討ち取ると?面白い冗談だ。だが…今の我は貴様に構っている暇などない。…神夏よ、好きに使え。道化、神夏の近くにいたほうが良いぞ?ま、中のあやつが出てきたら保証はせんがな」

 

 

今俺がいるのはドーム球場。そのほぼど真ん中に神夏と共にきていた。

精霊が出現し、その解決へ向かうことになったが神夏は離れようとはしなかった。でも二人でいるのを見たら機嫌が悪くなるかも、ということで神夏だけ迷彩をフラクシナスから施してもらっていた。

 

しかし、現れた精霊『ディーヴァ』への接触はなぜか選択肢を言うよりも前に失敗も同然の数値を叩き出していたらしい。

何かを言うたびに好感度が下がり、終いには終始暴言の嵐だった。

 

その最中、いつも通りASTが現れたのだが…外国人?のような隊員がこちらを見た際に()()()()()()()()()()攻撃してきたのだ。

 

それを神夏がすんでのところで武器を射出し止めてくれたのだが…

 

「…シドウ、Don't leave me(私から離れないで)」

「あ、ああ…イェス」

「殺し…嫌、でも、シドウ…傷つける、許さない」

 

神夏は右手を伸ばした。

すると現れるはドームの天井を全て覆い尽くすかのような量の黄金の波紋。その全てから武器が顔を覗かせる。逃さないためなのか、壁にも波紋が現れている。

 

「…Die(死ね)」

 

その声と同時に、その場は阿鼻叫喚だった。

今までの、英雄王ギルガメッシュがやるような、無造作に攻撃の雨を降らすような攻撃方法じゃない。

 

確実に、殺すためのやり方。

 

 

「あーん!いいですよぉ!ねえ貴女!私と一緒に来ませんか!」

 

「…No」

 

「あーんいけずぅ!でもぜっったいに連れて行きますよ!」

 

 

そんな中、精霊『ディーヴァ』が、神夏に近づき話しかけていた。

ものすごく嫌な予感がし、神夏の腕を持ち引っ張って寄せてしまった。

 

「琴里!回収できるか!」

『今やるわよ!』

「?Kill、違う?」

「殺しちゃダメだ!」

 

 

 

 

〜ラタトスクの一室〜

 

「ねえ、シドウ。なんで、Kill bad?」

 

「神夏、お願いだ。殺そうとするのは…やめてくれ」

 

「What?アイツラ、私達、殺す。なら、私達、アイツラ殺さないと。でないと、私達、死ぬ」

 

「それでも…ダメだ。神夏、頼む。これから、殺すのはやめてくれ。神夏のことは絶対に俺が守るから。正直、俺のワガママなのは分かってる。でも、俺は神夏にもう…

 

辛い思いをしてほしくない」

 

あの時の神夏は、ずっと無表情だった。人を殺そうとすることへ対して、何も感情が湧いていなかったようにみえる。

 

性格が記憶を無くす前とほぼ真逆なことは分かっていた。

でも、まさかここまでだとは思っていなかった。

 

人を殺すことへ対しての考え方。

 

今までの神夏は殺すこと自体が嫌で、戦うにしても必ず撤退させていた。

けど今の神夏は違う。

 

殺すことを嫌ってはいるが、その行為自体にためらいが一切無い。

 

「…Ok.でも、シドウや四糸乃が危ない、その時は、Kill、する。シドウ、四糸乃、死なせない」

 

「あ、ああ…わかった。でも心配しないでくれ。絶対にそんなことにはさせないから」

 

「…わかっタ。信用、スル」

 

神夏は心底納得できないと言う顔ながらも、了承してくれた。

よかった。ひとまずは安心だ。

 

「終わった?なら作戦会議するわよ士道。…ねぇ、神夏。そろそろ慣れてくれない?これでも貴女に相当優しくしてるんだけど」

 

「…なんカ、怖イ」

 

「なんでよっ!」

 

琴里が現れた瞬間に神夏は俺の後ろに隠れた。はは…相変わらずと言うか、この光景にもう慣れてしまっている。

 

「はぁ…まあ、いいわ。作戦会議と言っても大方の方針は決まったわ。ディーヴァを見て、ピンと来た船員(クルー)がいてね。姿がアイドルの誘宵美九(いざよいみく)だっていうのよ」

 

「誘宵美九?」

 

誰だろう。アイドル?…いや、そういえば最近その名前を聞いたような…。確か、殿町が何か…。

 

「あ、そうだ!竜胆寺高校に編入生が入ったって聞いた!確かそれの名前が誘宵美九!」

 

「なんですって?…わかったわ。調べてみる。でもまぁ、誘宵美九で確定ではないのだけれどね。その可能性がとても高いわ。で、それなら士道が一気に好感度下がった理由も納得できるのよ」

 

「どういうことだ?」

 

「それはね、『誘宵美九は大の男嫌い。触るどころか見ることすらダメ。代わりに女の子は大好き。シークレットライブは女性限定。しかもお気に入りの子を持ち帰りしている』っていう噂があるらしいのよ。それが本当だとして、誘宵美九が精霊だったなら…納得はできるじゃない?」

 

「なっ…」

 

琴里の言葉に絶句した。

それが確かならば、もう打つ手がない。もう高校生だし他人の嗜好にとやかく言うつもりはない。だが、それはもう行く手を塞がれたも同然だった。

嫌悪感程度ならなんとかなるかもしれないが、生物学的な隔たりがあるのはどうしようもない。

 

「まあ確定じゃないって言ったでしょ?もしかしたら激似の人かもしれない。だから確定するまでは待っててちょうだい」

 

「あ、ああ…。…もしそれが本当ならどうすれば…」

 

「あら、何を言ってるの?打つ手はあるわよ?まあ、使わないに越したことはないけどね。それじゃあ、しばらく動きがあるまではいつも通り神夏と過ごしててちょうだい。神夏、士道にセクハラされたらすぐ呼ぶのよ?コテンパンにしてあげるから」

 

「セク…ハラ?」

「しねえよ!」

 

神夏もそんな真顔でこっちを見ないでくれ⁉︎そこまで落ちぶれてはないぞ⁉︎

 

 

 

 

〜数日後〜

 

結論から述べると、精霊『ディーヴァ』は誘宵美九だった。

 

一番のきっかけは彼女が天央祭の実行委員にいたことだった。

ラタトスクから観測をしてもらい、改めて彼女が精霊であると言うことを確定した。

 

ただ、それは精霊とのコミュニケーションが絶望的であることを示していた。

なんせ彼女は大の男嫌いなのだから。

 

「どうすれば…」

 

「あら、言わなかったかしら?打つ手はあるわよ」

 

「へ?」

 

そういえば、そんなことを言っていた気がする。

 

「打つ手って?」

 

「それはね…これよ」

 

そう言って琴里が取り出したのは俺の通っている来禅高校の制服。

ただし()()()の。しかもサイズが大きい。

そう、まるで()()()()()()()()()()()()()()()ぴったりに見える。

 

「ええと…」

 

それをみて、とても不安な気持ちになり思わず後ずさった。

だが、クルーである川越さん、幹本さんに両腕をがっちりと拘束された。

 

「ちょ…何をしてるんですか?離してくださいよ…?」

 

冷や汗を垂らしながら抗議すると、今度は女性クルーの椎崎さん、箕輪さんが大量の化粧用具を持って現れた。

 

「な、なんですかそれっ!」

「大丈夫、怖くありません。最初は少し足元がスースーするかもしれませんが、大丈夫ですよ。なんせ、今から()()()()()なるのですから」

「何にですかっ⁉︎」

 

そして最後に中津川さんが。その手には…薬?あれ、でも見たことあるような…。

 

「あ、あの…それは?」

 

「おや?覚えてませんか?英雄ギルガメッシュ王が使用した妙薬です。()()()()()妙薬ですよ。昨日お願いしたら面白そうだから、とくださいました。感謝をしてくださいね?」

 

「神夏ぁぁぁ⁉︎」

 

いや、この場合はギルガメッシュ王の方だろう。面白そうだからってなんです⁉︎

 

「こ、琴里…?」

 

もうなんでもいい。命乞いをするように琴里に助けを求める目で見る。が…琴里は愛らしい笑みを浮かべ、

 

「グッドラック。---()()()()()()

 

なんの躊躇いも無く死刑宣告を下し、ぴっと親指を立ててきた。

 

 

 

 

「……誰だこいつ」

「…シドウ、beautiful」

「やめてくれ…そんな純粋な目で俺を見ないでくれ…」

 

姿見に写っているのは青い髪が背をくすぐる程度まで長く伸ばされ、可愛らしい髪飾りをつけていて、顔にはファンデーション、マスカラ、ビューラーでメイクが施され、桜色に塗られた唇も相まって、もはやお前誰だよ状態だ。

胸に関しては、今は()()()()()()()()()ため、違和感ありまくりだが膨らみがあり、ブラジャーも装着。そして男のアレも無くなっている。手足は産毛に至るまで完璧に脱毛。ツルツル美肌になっていた。

女の子としては長身だが、それでもいつもの中性的な顔のせいで(というより女顔のせいで)元が男とか言われても絶対にバレないと言う自信がなぜか湧く。

 

…なんだこれ、なんの羞恥プレイ?

 

「ひゅう、存外似合ってるじゃないの」

 

琴里は心底意外と言う顔で言ってくる。

 

「…てめえ、覚えてろよ」

「女の子はそんな言葉遣いしちゃダメ。まあ何はともあれ上出来よ。これなら少なくとも一発で士道を男だと思う人はそういないでしょう。まあ、実際今は女なんだけどね」

「まさか本当に性転換するとは思ってもいなかったよ…」

 

 

ちなみに妙薬を渡した張本人ともう一人は神夏の中で爆笑していた。

初めて意見が一致した最初で最後の瞬間である。

 

男性クルーの数人から息子の嫁に欲しい、五万円でどう、いいお店を紹介…などと言われたが全て無視させてもらった。最後の二つを言った二人はどこかへ連行されていったが。

 

「そこまで出来るなら十分よ。それで、次美九に会えるのはいつ?」

 

「え?ああ…確か次の月曜日から、放課後に設営準備始まるはずだから、その時には多分…」

 

「そ、ふむ…あんまり猶予がないけど仕方ないわね。明日1日で士道は一人で女の子モードに変身できるように訓練なさい!椎崎と箕輪は化粧を教えてあげて。それと女の子らしい仕草も学ぶこと!妙薬は中津川曰く、ギルガメッシュ王の気前のおかげでまだまだあるらしいけど万が一があるからね。月曜の放課後から本格的な攻略に入るわ!」

 

そう高らかに琴里は宣言する。

大きなため息をつきながらも、了解と返すしかなかった。




今回はキリがいいところだったので短めです。
さて、士織ちゃんが出てきましたね。本編では女装ですが今回は英雄王の粋な計らいにより妙薬で性転換。

つまり胸とか色々…マジです。

想像しちゃダメですよ?わたしはしてしまいましたがね!


読んでくださりありがとうございます

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