デート・ア・ライブ 黄金の精霊   作:アテナ(紀野感無)

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祝(?)30話です。それと同時に一区切りもつきました。
いやぁ、良きかなよきかな(何がいいのかはよくわからない)


さて、神夏がいる関係上原作とは主人公達の知識の蓄えが少し早いですね。

そして神夏にも変化が…?

あとは書き方こんなんだっけ…?って感じで書き上げました。ちょっといつも以上に駄文かも…

それではどうぞ


神夏ギルの過去の物語
31話


「はっはっ…十香ー!神夏ー!」

 

耶倶矢と夕弦の説得がなんとかうまく行き、その途中に上空に現れた戦艦を2人が巨大な弓矢の天使で撃ち抜いてからようやく落ち着けたため、十香に頼んだ神夏を探しにきた。

 

だけど十香たちの方も戦闘が終わったのかもう静かになっており、どこにいるのかわからなかった。

どうやらあの2人と共に相当遠くへ来ていたらしい。

 

「ねえ、誰を探してんの?はやく霊力の封印して欲しいんだけど」

「同意。誰かを探す前に先に夕弦達をお願いします」

 

「い、いや…でも」

 

だけど、今この場で2人の機嫌を損ね、信用を失ってしまうと、嘘をついていたのかと思われてもダメなのでは、と思う。あれだけ頑張って、十香にも協力をしてもらっていたのに水の泡にするのも…

 

 

「シドー。どこにいるのだー」

 

 

「!十香!」

 

そう思っていると遠くの方から独特な名前の呼び方をしてる声が聞こえた。

そう、聞き間違えようもない。十香の声だ。

 

聞こえてきた方を凝視すると十香がいた。そして…背中に誰かを背負っている。

 

「ぬ…十香ではないか」

「確認。背負われているのは……あの黄金の精霊でしょうか」

 

「あ、シドー!よかったのだ!みんな無事だったんだな!」

 

十香がこちらを見つけ勢いよく駆けてくる。

背中には夕弦の言う通り神夏が背負われていた。怪我を…しているわけではなさそうだな。

 

「かか、当たり前よ。颶風の巫女にあの程度の障害など、障害になり得ないわ!」

「同意。十香もよく無事でした。あの時確認したそちらの精霊は相当な手練れでしたが」

 

「ま、まぁ剣を用いた勝負だったからな…。もしいつも通りの神夏ならば、流石に無事では…そうだ!シドー、神夏が目を覚まさないのだ!ど、どうすればいいのだ⁉︎」

 

「え⁉︎」

 

十香は涙目でそう言ってくる。てっきり気絶させたとかその辺だと思ったが……まさか十香がやったわけではなく、それでいてずっと目を覚まさないのか?

 

「と、とにかく落ち着こう。…そうだ!令音さんなら何か分かるかもしれないから令音さんのところへ連れて行こう!」

「う、うむ!わかったのだ!」

「耶倶矢。夕弦。霊力の封印な、ちょ、ちょっと準備があるから…明日でお願いできるか?絶対に嘘じゃないし、逃げもしないから」

 

「…まあ、しょうがないわね」

「許可。では今日はもう夜遅いですのでホテルで休むとしましょう」

 

そうして耶倶矢と夕弦は2人で手を繋いで帰っていった。

 

「それじゃあ俺たちは令音さんのところにいこう。俺たちだけじゃどうにもならないから」

「う、うむ。あ、そういえばシドー」

「?どうした?」

 

「そのだな…今は感じられないのだが、神夏ギルの中にいるナニカと私は会ったのだ」

 

「?」

 

「信じられないかもしれない。でも…注意しててくれ。神夏の中にいるナニカ。私や四糸乃、狂三や琴里とは()()()()()()()()()。そんな精霊だった」

 

「…?お、おう」

 

十香はやたらとそれを念押ししてくる。

いっている意味がよくわからなかったが、とりあえず頷く。

 

「(だが…今は全く感じない。なんなのだ…何なのだアレは…。金ピカよりも()()()()()()()())」

 

「(この神夏が…?それに真逆って…。一体、十香は何を見たんだ?)」

 

 

 

 

 

〜???〜

 

【あっははははは!滑稽だ!人類最古の王!いやぁ、打つ手がない人間というのはダメだとわかっていながらも手を出してはいけないものに手を出す。まさに滑稽の極みだ!あはははは!】

 

『それ以上減らず口を叩くな。この場で切り捨てても構わんのだぞ?』

 

【いいのかなぁ。私としては抵抗しないけれど、私を殺すということは君たちの力の大半を失うという事だよ?いやぁ、あの場面、あの状況で宿主である神夏ギルが死んでは私たちも消えてしまう。でも君は力の殆どを私と君の力を使わせないよう抑える為に回しているせいで表へ出れない。でも神夏ギルをあのまま放っておけば私たちは消滅していた。それを防ぐには私を表へ出すしかない。だけど表へ出すことにより神夏ギルの精神は確実に私側へ汚染された。

 

つまり、私の使える力がより強まった、ということになる。あの場で全て剣の精霊に任せればよかったものを。人類最古の王。君はいささか優しくなりすぎてるんじゃないのかい?】

 

『…どうやら、よほど我を怒らせたいようだな』

 

【…イタイイタイ。ごめんなさい調子乗りすぎました】

 

???では、ルシフェルとギルガメッシュが喋っていた。

途中、段々とルシフェルを縛る鎖が大きく、力強く縛っていたが。

 

【あはっ、だけど事実だ。ギルガメッシュ。君がかの大英雄ヘラクレスに『弱い』と言われた理由がよくわかった気がするよ。さて…ここから神夏ギルがどうなるか、見ものだねぇ?】

 

『…小癪だが、奴の魂の強さに賭けるしかないか。我らしくもない…な』

 

 

 

 

 

「……」

 

「神夏っ!」

「目を覚ました…!よかった…」

「神夏よかった…目を、覚ました…」

 

「…?」

 

修学旅行から帰ってきても、ずっとめをさまさなかった神夏が3日後にようやく目を覚ました。

それを令音さんから聞きつけて四糸乃と十香と共にフラクシナスに来ていた。

 

「…」

 

「え?」

「か、神夏さん?」

 

神夏は俺たちを見て微笑んだかと思うと四糸乃を引き寄せ、まるで人形を抱くかのように抱きしめた。

 

「か、神夏さん…?どう、したんですか」

 

「…」

 

四糸乃が戸惑いながら聞くも神夏は微笑んでるだけだ。

 

『ねえねえ神夏ちゃん。もしかしてこうしてたいの?』

 

「…(コク)」

 

四糸乃の腕についているうさぎのパペットのよしのんが聞くと静かに頷く。

 

「神夏、大丈夫か?どこも、怪我したりしてないか?」

 

「…」

 

「え?」

 

俺が確かめる為に近づこうとすると触られたくないかのように、近づかれたくないかのように体を後ろに退いてきた。

 

「れ、令音さん。これは…」

 

「ふむ…失声症や自閉症のような精神的な病が複数重なったような状況、と見るのが妥当だな。今グラフを見てる限り、この場では四糸乃にのみ心を許している、といったところかな」

 

「そ、それってどうすれば…」

 

「今はどうしようもないとしか言えないな。突然何かがきっかけで治るかもしれない。しばらくは安静にしておくべきだろう」

 

「そうですか…。でも、無事でよかった…」

 

でもとにかく神夏が無事なことに心から安堵した。

あの時の神夏は余りにも、心配だったから。

 

「あら士道。それに十香もいるわね。神夏…って何してんの」

 

「…っ!」

 

「え?なんでそんな怯えてるの?」

 

「…」

「神夏さん。大丈夫ですよ。怖くないですから」

 

「…」

 

琴里が神無月さん、中津川さんと共に現れると体を思い切り縮こませ四糸乃の後ろに隠れた。四糸乃に優しく諭され、怯える小動物のようにゆっくりと出てきた。

 

「どちらかというと私がこんな風になったかもしれないのよね…。まあいいわ。士道。十香。令音。悪いけれど付き合ってくれないかしら。話し合わなきゃいけないことがあるの」

 

「?あ、ああ」

「了解した」

「わかったのだ」

 

「代わりと言っちゃなんだけど、中津川を代わりに置いておくわ。間違っても神夏に手を出したりしないでしょう。四糸乃に手を出したその日には懲戒解雇だけじゃ済まないけどね」

「流石にそんなことはしませんよ」

「そうね。神無月より信用できるわ」

「いくら私でもそんなこと…ああ、でも司令に足蹴にされるかもしれないのならそれもまた一興…」

「フンッ!」

「はぐぅ⁉︎」

 

神無月さんが何かを言った瞬間に綺麗な蹴りが神無月さんの右足のスネに直撃した。はは、相変わらずというか……。

 

「それじゃあ中津川。頼んだわよ。くれぐれも注意してね」

「了解しました司令」

 

そう言って部屋を出る琴里へ俺と令音さん、十香でついていく。

なんの話し合いなんだろう。

 

 

 

 

 

〜会議室〜

 

「それじゃあ話し合いを始めるわ。議題は『神夏ギル』について」

 

「神夏について?どういうことだ?」

 

「そのままの意味よ士道。まずはこれを見てちょうだい」

 

そう言って琴里が出したのは1つのグラフだった。

何度も目にした精霊達の感情などののパラメータだった。

 

「これは神夏ギルのいつもの状態のものよ。まず聞くけど、士道。なんでこのパラメータ、()()()()()()()()()()()()()?」

 

「え?」

 

そういえば、確かにそうだ。

感情の起伏がないならゼロでいいし、俺たちにとってダメなパターン。つまりは怒りなどは別でちゃんと用意されている。

つまり、マイナスで示すものはないはずだ。でもそれなら…なんであるんだ?

 

「…マイナスじゃないと示せないものが、あるとしか思えない。でも…何がマイナスを…」

 

「それじゃあ次はこっちを見てちょうだい。これは神夏ギルの修学旅行の時のもの。これで特に注目して欲しいのは、ここ」

 

そう言って指したのは、霊力を示すパラメータだった。

数値を示す針が()()()()()()()()()()()。しかも振り切って測定不能となっている。

 

「士道。さっきあなたはマイナスじゃないと示せないものがあると言ったわね。その通りよ。霊力のみ、特定の条件下でのみマイナスを示す。しかもその特定の条件下というのは私たち『ラタトスク』にとって最もなってはならないもの。十香、あなたこの時の神夏ギルと直接会ってるのよね?そのとき感じたことをなんでもいいわ。もう一度教えてちょうだい」

 

「…あの時の神夏ギルは、そうだな。なんて言えばいいのか…。とにかく怖かった。心の底から早く離れたいと思った。表面上ではものすごい気さくな奴ではあったが…心の奥底はもっと違う。そんなものじゃない。とにかく怖かった。それに私や四糸乃、狂三に琴里、耶倶矢達とはまるで真逆のような、そんな存在だと、思った。精霊には違いないのだろうが……アレは、根本から私達と違う。そのようなものだった」

 

「ありがとう十香。まずは士道。結果だけ言っておくわ。霊力というのはね、正と負。2つの属性があるようなものと思ってちょうだい。いつもの精霊は正。だけどごくまれに、特定の条件下でのみ負の属性になってしまう時がある。その条件下ってのはね…

 

()()()()()()()()()()()()()()()

そうするとこの様なことになる。これを私たちは精霊の反転って言ってる。いい?この状態になったらもうやり直しなんて効かなくなると思いなさい。この状態になるイコールゲームオーバーよ」

 

「…」

 

それを聞いた俺は思考を整理できなかった。

あまりにも突飛すぎるから。

 

「いや、いやいやでも待ってくれ。今神夏はそんなことはないんだろ?なら…」

 

「そう、そこなのよ。修学旅行の時、神夏は確実に反転していた。でもいまは反転をしていない。そこがわからないのよ。何かをトリガーにして反転するのか、それとも…」

 

 

 

「大丈夫ですわよぉ。心配しなくても」

 

 

 

琴里の言葉を遮る様に妖艶な声が響く。

それと同時に俺たちの中央に狂三がどこからともなく現れた。

 

「ごきげんよう、ですわね。どうやらお困りのご様子でしたので本体であるわたくしからの命もありまして助言にきましたわ」

 

「…どういう風の吹き回しかしら。時崎狂三」

 

「どういうもなにも、元々わたくし達は神夏さんの味方ですのよ。あの方が反転したきっかけも全て知っておりますので」

 

「へぇ。じゃあついでに教えてくれないかしら?」

 

「うーん、貴女にはなんか教えたくないですわね。士道さんならやぶさかではないですが。食べさせてくれるなら、ですけれどねぇ」

 

「…断るよ。それなら自分で調べるさ」

 

狂三がまたもや妖艶な笑みと声でこちらを見てくるがなんとか断る。相変わらず、思わず応じてしまいそうな誘惑だ。

 

「そういうと思っておりましたわ。さて、あの方ですが、反転に関してはむしろ落ち着かれてる今の方が安全ですわ。むしろ精霊の力を扱う様な時が一番危うい、ともいえますわね」

 

「どういうことだ?」

 

「そのままの意味ですわよ。言い換えるのならば精霊の力がトリガーになっている可能性がありますわ。

数年前、神夏さんがまだイギリスにいた頃、わたくし達は神夏さんが反転する直接的なキッカケを目にし、それをわたくしの力で止めましたわ。けどあの方の精霊としての力はあまりにも強大なもので、うまくいかなかったのですわ。

その結果が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()宿()()()()()、ということですわ」

 

「はぁ⁉︎そ、そんなことできるわけ…」

 

「本当にそう思われますか?あの方の中には、英雄王がいらっしゃるのですよ?あの方、面白いことに『この世全ての悪』をその身に浴びたというのに反転しないどころかその三倍を持って来いとかいう規格外の方ですからね。だからこそ反転した力とそうでない力を2つ宿すことが可能となっているんでしょう。知ってます?あの方が反転しない前の力は皆さんの見たことある程度ではありませんわよ。砲門も余裕で数百を展開してきますわね」

 

「……なあ、狂三。1つ聞いてもいいか?」

 

「ええ、構いませんわよ」

 

狂三の言っていることの中で、ひとつだけ引っかかったことがあった。

引っかかった、というよりは気になった、の方が正しいだろうか。

 

「イギリスでの直接的な原因…それってもしかして、男か?」

 

それを聞くと琴里と令音は目を見開き、狂三は逆にクスクスと笑った。

 

「ええ、その通りですわ。よく知っていましたわね」

 

「…神夏が言ってたんだ。『これは私の悲願。達成すべきもの。だからこの男を殺す』って…。あの時色々なことが起こりすぎて頭がパンクしかけてたけど、確かにそう言っていた」

 

「ええ、そうですわよ。人の心というものは普通のモノとなんら変わりませんわ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

士道さん。貴女に想像ができますか?自らを救ってくれた男に、全てを裏切られ、殺されかけるというのが。唯一信用した人に、ですわよ。さて、わたくしが話すのはこの辺ですわね。英雄王さんがおられるから暫くはむしろ安全、というのも間違ってないですわよ。でも…その間にできることを、しっかりとやっておくように。これは忠告ですわ。もしあなたがたがしくじったのならば、この場の全員が死ぬではすみませんわよ?」




神夏の体内には『自身の精霊の力』と『反転した力』の2つが備わっています。まるで○○のようですが○○とは色々と根本的に違います。
○○には何が入るのか原作既読者ならばわかるでしょう。


ですがネタバレは控えます

狂三さんも神夏が絡む場合のみ積極的にラタトスクの皆さんに協力をするみたいですね。

士道視点で書いたけど士道さんがそんなに喋ってないのはご了承を。久々すぎて書き方を思い出せておりません


そろそろ過去編にしちゃおうか、と思います
過去編はストックがちょいちょいあるのですぐ投稿できるかもです。


読んでくださりありがとうございます

サブタイトルあったほうがいい?

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