デート・ア・ライブ 黄金の精霊   作:アテナ(紀野感無)

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戦闘描写むずすぎません?

頑張って色んな人のギル登場作品とか、型月作品読んだりして頑張りましたが、拙いかもしれません
そこはご了承を


後やっぱり書いてて思うのは……この作品の英雄王様、かなり優しくなってる…


あと先に言っておきます。
今回の戦闘で代表的な攻撃手段である天の鎖が出てきますが、効果が微妙に変わっております。その辺を嫌悪される方はブラウザバック推奨です。もしくは戦闘描写すっ飛ばすか。

まあ、物語の進行上仕方ないと言うか、それしか思いつかなかったんです。


それではどうぞ。




24話

「ふむ…やる気は十分、と言ったところか。良いぞ、せいぜい我を愉しませよ。期待外れだった場合は容赦せんがな」

 

「琴里…。体は大丈夫か?」

「ええ、やっと治ったわ。十香は…霊力は完全には戻ってないけれど…大丈夫?」

「ああ、奴の技は前に一度体験している。少なくとも前のようにはならない…と思う」

 

「話し合いは終わりか?では、始めるぞ」

 

神夏ギル…もとい、ギルガメッシュは右腕を掲げた。

すると王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の砲門が数十個開く。

砲門からは、宝具と呼ばれる古今東西の()()()()()が顔を覗かせていた。

 

それをみた十香は剣---塵殺公(サンダルフォン)を構え、琴里は戦斧---灼爛殲鬼(カマエル)を構えた。

 

「琴里、私があの武具から琴里を守る。琴里は隙を見つけて攻撃してくれ」

「ええ…わかったわ」

 

「では…開戦といこうか」

 

ギルガメッシュが右腕を振り下ろすと、宝具が連射された。が、その全てが琴里と十香を狙っているわけではなく、雨のように降らせているのに近い。

 

それがわかったからこそ、十香は宝具の全てをなぎ払おうとせず必要最低限の分のみをなぎ払い続けた。が、全てを防ぎ切れているわけではなく琴里も対処していた。

 

「ふむ…中々良い連携だ。では、これならばどうだ?」

 

「それも前に一度体験したぞ、神夏ギル!塵殺公(サンダルフォン)!」

「薙ぎ払え!灼爛殲鬼(カマエル)!」

 

周囲に展開されたが、琴里と十香は一斉に武器を振り回して対処した。

 

「良い、良いな。セイバー程ではないが、良い腕だ」

 

ギルガメッシュは、記憶にあった殺し合いの中出会った騎士王と名乗る人間を思い出し、笑っていた。しかし、その間も宝具の連射は1秒たりとも緩んではいなかった。

 

十香と琴里に、縦横無尽に宝具の雨が降り注いで行く。

 

「むぅ…!このっ!」

「埒があかないわね!十香、強引に突破するわ!サポートお願い!」

「わかった!」

 

「…」

 

未だ闘志が尽きていない2人を見て、ギルガメッシュは不敵に笑い、宝具の連射速度を上げた。

 

2人は少しずつ、少しずつ距離を詰めていった。

 

「うがぁ!」

 

十香は、力任せに剣を振るい、衝撃波を飛ばした。

衝撃波で飛んでくる宝具を一直線のみなぎ払った。

 

「ナイス!」

 

それによりできた僅かな隙と雨の隙間を、多少の怪我と引き換えに琴里は突き進んだ。

 

そして灼爛殲鬼(カマエル)を勢いよく振りかぶって、ギルガメッシュに向かって振り下ろした。

 

「っ…次から次へと……なんでもありすぎじゃない…!」

 

「そう睨むな、中々良い余興であった。だが…雑種は雑種らしく、弁えるべきだったな」

 

灼爛殲鬼(カマエル)は、ギルガメッシュにあたる直前で止まった。

いや、止められた。王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)より出されていた鎖によって。

 

琴里は身体中に鎖が巻きついていて、灼爛殲鬼(カマエル)も同様に絡みついていた。

 

「琴里!」「琴里!大丈夫…」

 

「さて。次は貴様だな」

 

「!」

 

十香の周りに砲門が開いたかと思うと、琴里と同じように鎖が発射された。

 

「このっ!」

「そら、足掻くが良い」

 

鎖がまるで生きているかのように縦横無尽に動か周り、十香は塵殺公(サンダルフォン)で弾くがそれでも鎖は十香を追う。

 

「っ⁉︎ぐっ…!」

 

「終わりだ」

 

鎖が追ってきている中、さらに宝具を撃ち込まれ、態勢が崩れたところを鎖によって動きを封じられた。

 

「こんの…」

「なんなのだこの鎖…」

 

「『天の鎖』というものでな、本来は神の力を持つ者の動きのみを封じるものだが…この世界に顕現されたせいか少し特性が変わっていてな。神の力だけでなく、霊力が高ければ高いほどこの鎖の拘束力は増す。つまりは…精霊の力が高ければ高いほど貴様らの動きを封じる力が強まるわけだ(パチン)」

 

「「⁉︎」」

 

そしてギルガメッシュが指をパチンと鳴らすと上空で拘束されていた2人は勢いよく振り上げられたかと思うと屋上に向かって叩きつけられた。そして床に縫い付けられるようにして拘束された。、

 

「しかも面白いことに、拘束した輩の精霊としての力を封じる能力もある。なかなかに面白いが…我が友を改変したようなものだ。到底気分は悪いが…今はどうでもいい。ま、力づくで拘束を解く輩もいるがな。さて…そろそろ時間切れだな」

 

「え、英雄王様!」

 

時間切れ、という言葉を聞いて士道は焦ったのか、囲まれていた盾の中から出てきた。

 

「なんだ道化。わざわざ飛び火せぬよう盾で囲っておいてやったというに、わざわざ出てくるとは死にたいということか?」

 

「い、いえ!違います!十香と琴里を…」

 

「雑種どもがどうした?」

 

「そ、その…」

 

士道は言葉を選びながら十香と琴里を許してもらえるよう言おうとしていたが、言葉が見つからないのか口籠っていた。

 

「なんだ、何もないならその場で見ておれ、雑種どもの処刑をな」

 

ギルガメッシュはそう言い砲門を琴里と十香の首元に出す。

 

「ま、待ってくれ!お願いします!2人を…」

 

「ぐ…」「このっ…なんで、天使がつかえないのよ…!」

 

「では、さらばだ」

 

士道は十香達の所へ走り出していたが、もう遅かった。

 

 

砲門からのぞいていた宝具は、寸分たがわず2人の首に向かって、発射された。

 

 

 

 

 

 

 

「十香っ!琴里っ!」

 

神夏(?)が黄金の波紋から武器を琴里と十香の首に目掛けて発射した。凄まじい音と共に粉塵が捲き上る。

 

「英雄王様!なんで…!」

 

「む…もう限界か。このまま男のままいるのもまた一興…ええい、わかっておる。ジョークだ。AUOジョークだ。さて…道化よ。ひとまずは終わりだ。次会うときには()()()()()は躾けておけよ」

 

不敵に笑いながら男になっていた神夏は黄金の波紋の中から薬のようなものを取り出して飲んでいた。そして俺にそう言ってきた…って、え?

 

「何をとぼけた顔をしている。貴様らの願い通り、殺さず無力化したのだぞ。ふむ…砂煙が邪魔だな」

 

そう言いながら今度は突風を神夏は起こした。すると先ほどまで十香達が縛り付けられていた場所がはっきりと見えた。

 

そこには、本当に首の皮一枚切れたか切れてないか、の位置に武器が突き刺さっていた2人がいた。

 

「十香!琴里!」

 

「ほ、本当に死ぬかと思ったじゃない!」

「ぐっ…ここまで弄ばれていたのか…」

 

「元より殺すつもりなどないわ戯けが。王として交わした約束を破るわけがなかろうが。ま、少し灸を据えるつもりはあったがな」

 

神夏が琴里の方を笑いながら見ると、一瞬だがビクッと体を震わせたように見えた。

 

「…む、狂三のやつはもう消えたか。相変わらず逃げ足だけは早いものだ」

 

「え…?あ!」

 

盾が消えて、さっきまで狂三がいた場所を見るとそこには何もなかった。

逃げた…のだろう。

 

「む…女に戻るまでは姿を維持できんか。まあ仕方あるまい。少しばかり霊力を使いすぎたな。さてと…二度と我を見下すなどしないことだ。雑種。精々次までにその力の制御を完璧にしておけ。そうすれば…多少は認めてやらんこともないぞ?

……ああ、言い忘れていたな。道化からの頼み事を聞き届けた後に、そこの小娘2人を殺さず無力化、なんぞ面倒なことを我にしつこく頼んだのは、神夏のやつだ」

 

「…!」

 

そう神夏は笑いながら、神夏のすがたは、変わっていった。

 

 

いつもの、あの神夏の姿に。

 

 

 

「……ふぅ…疲れた…」

 

「神夏!大丈夫か⁉︎」

 

「あ、ちょ待ち五河君。近づかないで」

 

「え?」

 

いつもの神夏に戻ったかと思うと、その場に膝をついて四つん這いになったから心配になって駆けつけようとしたら、片手で制された。

 

「な、なあ…顔赤いぞ?大丈夫…」

 

「大丈夫大丈夫、ちょっとね、ドキドキが止まらないだけだから。ヤッベ鼻血出そう…」

 

「か、神夏…?」

 

「ちょっと私のことは放っておいて、今私の中で反芻してるから」

 

「は?」

 

「い、いいから、私のことは、放っておいて……グフッ……」

 

「え?ちょ!鼻血出て……」

 

『待ちたまえ、シン』

『士道くん、ストップです!』

 

「え?」

 

急に、インカムから令音さんと中津川さんから止められた。

 

「ど、どうしたんですか?」

 

『シン、今の彼女には触れないほうがいい。シンに話しかけられた時だけ、異常な怒りを検出した。それについては中津川がわかるらしいが……』

『はい、えー士道くん。今彼女は、とてつもない幸福を感じています。それはもう、誰にも邪魔されたくないほどに」

 

「え?それはどういう……」

 

『そうですね。例えるならば……とても大好きなアーティストや、俳優、女優がいたとします。そしてその人と奇跡的に出会えました。それはもうこの上ない幸福ですよね?』

 

「え、ええ。けど、それとこれがどう……」

 

『まあ聞いてください。そしてそんな幸福な空間に、無作法にも土足で入り込んできた人がいたとしたら、不快でしかありませんよね?つまりは、そういうことです』

 

「?」

 

『うーん、分かりづらいですかね?ならば…士道くんは料理が好きですよね?』

 

「え、ええ」

 

『その料理をしている最中に、しかも新作を作ってるところを想像してください。そして新作が、ようやく、ようやく出来そうなところで邪魔されてみてください。どう思いますか?』

 

「最悪ですね」

 

『はい、つまりはそういうことです。シチュエーションは先ほどの例とは違えど、今絶賛その状態なんです。なのでそっとしておいてあげてください。おそらく、気づいたら冷静になっているでしょうから』

 

「え?は、はい。わかりました?」

 

中津川さんの例えがわかりやすかったのもあるが、それがどう繋がるのか理解する前に、なんと言うか気迫がすごくて言われるまま納得してしまった。

 

『しかし…このまま居座るのも得策じゃない。すまないが鳶一折紙を除く全員をフラクシナスで回収させてもらう。言い方は悪いが、鳶一折紙はちょうどよく気絶しているしね。ああ、彼女は心配しなくても大丈夫だ。ASTが来て回収してくれるだろうからね。ギルガメッシュに付けられた傷もすぐ治るさ。では…回収するぞ』

 

 

 

 

 

 

「ゲホッ…霊力を限界まで使いすぎたな…。もう少し節約していかないと……」

『この程度で弱音を吐くとはな。もう少しばかり努力をせい』

「はっ。でも…霊力を上げるための努力…って何すればいいんだろ」

『さあな。そこは貴様自身で考えろ。ふぁあ…我は暫く寝る。天の鎖などは聞かれるだろうが其方で答えておけ』

「承知しました」

 

フラクシナスの医療室で横になりながらぶつくさと言うが、英雄王さまに一喝された。

うーむ…

 

 

いや、それよりかは今日男の方の英雄王様と一つになれたんだよ⁉︎

何この幸福!代わりに自分自身も男になっちゃったけどそこは結果オーライ!

 

もうこれだけで数十年寿命伸びた気がする。

 

 

 

「もう煩いわね。少しくらい静かにできないの?」

 

「無理」

 

「即答すんじゃないわよ!」

 

ベットの中で悶えてたら隣から五河妹さんからそう言われたが即答してやった。

 

何人たりとも今の私を止めることはできない。

 

「それにしても神夏ギル。この鎖って何よ。精霊の力を押さえ込んでくれてるから助かってるけど…」

 

「んー?」

 

そう言いながら五河妹さんは自身の手首に巻きつかれている金色の鎖をこっちに見せてきた。

 

「英雄王様が仰ってたでしょ?五河妹さん。『天の鎖』。本来は対象の動きを封じるもの。しかも神の力が高ければ高いほど鎖の力は増して、拘束力を強くする。この鎖に捕らわれた輩は、例え神だろうと逃すことはない。いや、むしろ絞め殺せるだけの力になる。けど…性質が変わっているらしくてね、神の力だけでなく、精霊としての力が高くても、この鎖は拘束力を増す。しかも精霊の力を、完全じゃないとはいえ抑え込む、いうのも備わってるから、この鎖に拘束されるということは無防備な人間に近くなる。精霊の絶対的な力の象徴である天使ですら例外じゃない。それは身を以て体験したでしょ?…まあ、性質が変わった事(そのこと)を英雄王様は酷く怒ってたけどね」

 

いやぁ…初めて精霊に対して使った時はまだ私の謎なりきりだと思ってたけど、地球ぶっ壊すんじゃないかってくらい怒ってたからね…。

 

「ふーん…まあ、私としてはありがたい限りだわ。これから薬漬けと自分の中の破壊衝動との格闘の日々になると覚悟してたから。これのおかげで、幾分かマシだわ」

 

「英雄王様曰く、『それは我なりの慈悲だ。精霊の力を宿す器を見誤った()の責任でもあるからな。その責任の全てを貴様が負うのは酷であろう。だが…次そのような見苦しい様で我と対峙した時は容赦せん』…だってさ」

 

そう言うと五河妹さんは思い出しちゃったのかゾクッと体を震わせた。

 

相当トラウマになったみたい。

 

「ああ、言っておくけどこの後にやるべき事を成すまで、だよ。けど、それも期限は一週間後まで。それまでにできなかったらその枷は外す。その後君がどうなろうが私は知ったことじゃない。ふぁ…それじゃ寝るから。おやすみ〜」

 

そう言いながらベットに潜る。あー、フカフカ。気持ちイィ…

 

「…ありがとう。神夏」

 

「さあねー。私は何もしてない。してくれたのは英雄王様。そこ間違えないで。だから、私にお礼を言うのはお門違い」

 

「ええ、わかってるわ。でも…ありがとう。神夏ギル」

 

珍しく、五河妹さんの弱々しい声?を聞いた気がする。

てか、お礼されるようなこと、私はしてないってーの。

 

でもまあ、どうでもいいや。とりあえず寝よ。

 

 

 

 

しかし、令音だけはこの時神夏ギルの顔が赤くなっていて、照れていると言うのをしっかりと確認していた。




さてさて、四巻目に突入

ですが…話の関係上ほぼ吹っ飛ばすかも。

そしてあらかじめ言っておきましたがもう一度。天の鎖の効果の変化などに嫌悪感抱く方はブラウザバック推奨です。

それでもいいと言う方は楽しんでくれたら幸いです


読んでくださりありがとうございます

サブタイトルあったほうがいい?

  • あったほうがいい
  • 無くてもいい

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