ストライクウィザーズ ~第501統合戦闘航空団補助部隊~ 作:S'sran
時が経ち、基地周辺を周っていた赤松とオリッパは自室に戻っていた。
赤松は扶桑から持ってきた私物を整理に奮闘中。
持ってきた本を本棚にしまっているとノック音が。
「はーい」
作業を取りやめ、扉を開ける。
扉の前に立っていたのは芳佳だった。
「宮藤軍曹! 何か御用でしょうか?」
丁寧に一礼し、何用かを聞く。
「赤松少尉、お迎えに来ました」
「お迎え? どこにです?」
「いいからいいから、来てください!」
赤松は芳佳に半ば無理やり手を引っ張られて連れていかれることに。
「せめて行先だけでも教えてください!」
「内緒です!」
「なぜ!?」
「上官命令です!」
意味が解らないまま引っ張られること数分、ひとつの部屋の前で止まる。
「お、ようやく来たか」
そこには既にオリッパ、ダニー、カーチャが待機していた。
ダニーは早くに来たのか、待ちくたびれていたらしい。
「ここって、食堂? でも、入れないんじゃ?」
「大丈夫だよ! 僕たちが最初に来た時にあった看板がないもん!」
カーチャは自信満々に言う。
「それじゃあ、みなさんどうぞ」
芳佳に促され、赤松が扉開ける。
中はひと際明るく、豪華に装飾がなされており、テーブルに料理が並べられている。
そして、ウィッチのみならず整備兵の人や数人だが記者らしき人がいる。
奥の壁には『ようこそ、501へ』と書かれた横長の看板がかけられている。
呆気にとられる赤松、感嘆の声を上げるオリッパとダニー、はしゃぐカーチャ。
皆それぞれ反応をして中に入っていく。
すると隊長のミーナが寄ってくる。
「宮藤さん、ありがとう」
芳佳は軽く会釈してキッチンの方へ向かった。
「ウィザードの皆さん、改めてようこそ、501へ! ここにいる人々はあなたたちを歓迎します!」
ミーナに笑顔で握手を求められ、赤松はへこへこしながら手を握る。
「きょ、恐縮です!」
カメラのフラッシュがたかれ、眩しさに目を瞑りそうになるが耐える。
赤松に続き、オリッパも握手をする。
「キートス! 期待に応えられるよう頑張ります」
続いてダニー。
「手厚い歓迎、ありがとうございます」
最後にカーチャ。
「が、頑張らせていただきましゅ!」
噛んでしまったのを笑ってごまかす。
しかし、顔が赤く照れ隠しはできていない。
四人は事前に用意されていたであろう専用の席に座る。
ミーナを除くウィッチの方も既に席についているようだ。
ミーナはグラスを持つ。
「それじゃあ、今夜はここにいる皆さん全員楽しんでください!」
「「「カンパーイ!!」」」
ミーナの言葉に乗せて整備兵たちがジョッキを持って宣言する。
ここにいる全員が輝かしい笑顔で話し込む。
赤松は置かれていた料理をいただく。
シチューとパンのセットだ。
スプーンで掬い、ある程度冷ましてから口に運ぶ。
暖かく、そしてクリーミーな味が口の中に広がる。
「お口に合いますか?」
リーネが尋ねてくる。
「おいしいです! 体の芯から温まります!」
「よかった! おかわりもあるので遠慮なく言ってくださいね!」
「おかわりー!」
早くもおかわりと宣言したのはカーチャ。
皿の中はシチューが空になっている。
「はーい!」
リーネは早速よそいに行った。
「少しよろしいですか?」
そう聞いてきたのはカメラを提げ、メモ帳を持った記者らしい記者だ。
「はい、なんでしょう?」
「今の率直な気持ちは?」
記者は言うと同時にペンを構える。
「とてもうれしいです! ここまでしていただけるなんて思ってませんでした!」
「なるほど! それで、今後の意気込みは?」
「そうですね……迷惑にならないよう、一生懸命頑張ります!」
「ありがとうございました! では、まだ他の人にも聞くので私はこれで!」
そう言って、ウィッチがいる席へ向かって行った。
他のウィザードは色んな人と話し込んでいるらしい。
自分もある程度食事を頂いたら誰かとお話でもしようかなと考える。
しっかりと味わい、感謝しながらシチューを頂く。
(幸せだぁ……)
満足そうな笑みを浮かべる赤松だった。
ようやく歓迎会、長かったような気がします。
文字数にすれば少し早いくらいのペースかもしれないけどね。
さて、次からここでの各ウィザードと誰がお話しするのか。
まずは……ネタが浮かんだ人から。