IS《ISの帝王:小説版》 作:只の・A・カカシです
腹筋だけです。大丈夫・・・ブフーッ!
寝るだけ腹筋アンダー核をとって来なきゃ・・・
通販で安売りしてるらしいので、買ってこいカルロ
「織斑!そのままISに乗ってろ!」
試合後、ピットに戻った一夏に掛けられたのは、ねぎらいの言葉ではなかった。
「何故です?」
意味が分からず、聞き返す。
「白式ですが、フォーマットとフィッティングがまだです。もうじき完了するので、待っていて下さい。」
「必要ない。」
そう言い、白式から降りようとする。
「んんん!!駄目ですよォ!専用機は身につけていないと馴染みません!!」
山田先生は、力の限り一夏を押し返す。
「だったら、背負えばいいだろ!」
「無茶です!!」
因みにだが、前回の話で一夏の背負っていた武器の総重量は白式の重量を越えている。
「錘は俺の大好物。筋トレに丁度良いぜ。トレーニング量も減ってるしな!」
遂に山田先生の体力が限界を迎えようとした時だった。
「何を下らないこと言っている!大人しくフォーマットとフィッティングをしろ。OK?」
鶴の一声。
「OK!」
バコーンッ!【99000/99999】
ほぼ条件反射で出席簿が振るわれた。
「返事は『はい』だ!」
「・・・はい。」
一夏は、大人しく白式のフォーマットとフィッティングを完了させた。
「皆さんご存じの通り、1年1組の代表は織斑一夏君に決定しました!」
翌日のHR。山田先生による発表の後、スクリーン(=黒板)にクラス代表・織斑一夏という文字が写る。
「あぁ、どうも・・・。」
一夏の表情は、かなり渋い物だった。
「マッ○ーと紙を貰えるか?」
「はい。・・・どうぞ。」
何の疑いもなく、山田先生は教卓から○ッキーと紙と取り出し、一夏に手渡す。
「「「イエェーーーイ!!」」」
一夏の心情を知ってか知らでか、盛り上がるクラスメイト達。
「一つ聞きたいんだが・・・。」
書く手を休めず質問をする。・・・人に尋ねるのに、それは失礼じゃないか?
「何でしょう、織斑君。」
しかし、山田先生はそれを気にしない。
「勝った方が、辞退することは可能か?」
「そ、それは――」
「「「駄目だ!!」」」
「!?」【9988/9999】
口ごもる山田先生に代わり、クラスメイト達が声を揃え反対する。
まさかの反応に、心の準備が出来ていなかった一夏は鼓膜をやられた。
「ま、まぁ、皆さんもそう言っていますし、何より・・・」
「私が辞退したからですわ!」
申し訳なさそうに話す山田先生とは対照的な態度(お馴染みのあれ)で言い切ったセシリア。
「何で自薦に辞退の権限があるんだ?他薦が辞退できればスッキリするのに。」
不満げな一夏。
「勝ったのは、貴方ですわ!」
それに対し彼女は、負けたというのに非常に嬉しそうである。
「・・・くたばりやがれ。」
一夏の呟きも、ハイテンションの女子達には、それを更に加速させる言葉にしかならない。
「そ、それに、ですわ。私のように華奢な体つきよりも、一夏さんのような筋肉モリモリマッチョマンの変t・・・紳士の方が相応しいのは決定的ですから!」
顔を赤らめながら言っても、全く持って説得力がない。
「(一夏を)変態だというのは、酷いんじゃないか?」
反論に出たのは箒。でも、彼女こそそれを一番言っている気が・・・。
「変態だと思っているのは私ではなく、貴方ではないのですか?篠ノ之箒。貴方こそ、一夏さんをマッチョマンの変態だと思っているのですわ。」
「勿論です。幼馴染みですから。」
徐々にヒートアップしていく言い合い。
「見上げた度胸だ馬鹿者共。だがな、手前ぇらの命を張るほどの値打ちのある会話か?」
最早手遅れかと思った時、遅れて教室に入ってきた鬼神・・・もとい織斑先生。
「「ア、アアァァァ・・・・・!!」」
恐怖に駆られた2人は、携帯のバイブのように震え出す。
「(出席簿を)持ってんのは右手だ。かつて世界を取った手だぜ?」
「「せ、先生、頼む、見逃してく――」」
ズバァンッ!【1603/2000】
【4/1500】
衝撃と爆音。それだけの強さで叩かれても、箒は頭をさする程度。しかし、セシリアは倒れた。
「セシリア、大丈夫か?」
一夏は、上半身を少し起こしてやる。
「一夏さんが話し掛けてくれるなんて・・・。死んでいるのではないのでしょうか?」
「生きてるよ。」
一夏の手が一瞬ぶれた。しかし、それを目で追えた物はいない。
ただ2人を除いて。
けれど2人に、それを咎める気は毛頭なかった。
「勝手に立ち歩くたぁ良い度胸だ、織斑!」
ズバァンッ!【9980/9999】
再び、出席簿が振るわれた。
授業が終わり、休憩時間。
〈あぁ、一夏さんが私に・・・//〉
先程のことを思い出し、両手を顔に当てスキップで廊下を進むセシリア。
「「「クスクスクス」」」
その姿を見た生徒達は、皆吹き出すのを堪えるので必死だ。
〈日本は何て良い国なのでしょう!皆が笑顔ですわ!〉
だが、当の本人は自分が笑われてると気付いてないのであった。
「今日も一夏さんは素敵でしたわ!」
放課後、セシリアは自分の部屋でルームメイトに今日の出来事を話す。
「あっそう。」
素っ気ない返事。しかし、自慢話を延々と続けられては誰だってそうなる。
と、そこで、彼女の目はセシリアの背中でなびく何かを捉える。
「・・・背中に何付けてんの?」
「背中?・・・ん?」
手探りでそれを掴み剥がす。付けられていたのは紙。そこに書いてあったのは・・・。
『私は、トーシローに負けた金髪クルクルの変態です。』
セシリアは、金髪クルクルの変態が自分のことを指していると一瞬で理解した。
「い、一夏サァァァァァン!?!?」
そう叫びながらドアを蹴破り、セシリアは廊下へと飛び出していった。
「何か廊下が騒がしいな・・・。見てこい一夏。」
「駄目だ!」
それまで筋トレを行っていた一夏が、表情を変え身支度を始める。
「何z「一夏サァァァン?」・・・セシリアか。」
廊下から聞こえてきた声で、箒はそれに納得する。
「メッセージは知っているか?」
「寮長室、織斑先生、階・号室、施設だな。OK。」
「奴が俺を見つけるまでは、内線を使うな。」
話ながらも、身支度の手は休めない。
「どうしてそれと分かる?」
当然だが、透視能力などない。
「アリーナがドンパチ賑やかになるからだ。」
支度を終えた一夏は、ゆっくりと大きな声で伝えた。
「気を付けろ。」
「ありがとう。」
そう言うと、窓から飛び出していった。10階の窓からの跳躍だが、この程度の高さではビクともしないのは、言うまでもないだろう。
その頃、セシリアは一夏を探し、寮を走り回っていた。
「そこの貴方!一夏サァァァァァンの部屋はどこかご存じぃ?」
片手で掴み上げられた生徒は、堪らず知っている情報を話す。
「し、知りません!・・・や、山田先生が知っている。」
「どうもですわ!」
そう言い残し、生徒を放りなげ再び駆け出した。
ただし、片手と言ってもISを部分展開していたと付け加えておく。
「一夏サァァァァァンを見ませんでしたか?」
手当たり次第に、見つけた生徒を尋問する。
「さ、さっきアリーナの方に・・・、散歩だって。」
「!!」
遂に有力な情報を得た。『ありがとう』も言わず放すと、セシリアはアリーナの方へと駆けた。
「見つけましたわ!・・・よくも、よくもこの私、セシリア・オルコットに恥を掻かせてくれましたわね!」
ビシューン!!【0/10】
観客席に座りボーッとする一夏。しかし、セシリアは返事を言う間を与えずmk-Ⅲの引き金を引く。
が、ビームに撃たれたのは一夏ではなくその
「一夏め!くそぉ、逃げたか!・・・ウォォ!」
バチィ!【0/5000】
怒りに身を任せ、アリーナのシールドに体当たりを決める。渾身の一撃でそれを突破し、遂にグラウンドへと降り立つ。
「随分と探しましたわ!一夏さん!貴方に恥を掻かされてからずーっと復讐を想い続けてきました。よぉやくその時がやって来ました。・・・長かった――」
ザバァァァァァァァァァァン!
「ゴバァ!?」
何処に仕込まれていたのか、大量の水にセシリアは押し流される。グラウンドにいたため、大人しく復讐されてくれると思い込んでいたセシリアは、まんまと一夏からの先制
その頃、1025号室では。
「寮長室。繰り返します、寮長室。・・・こちらは10階の1025号室。織斑先生に緊急のメッセージがあります、どうぞ。繰り返す、織斑先生です、どうぞ。」
アリーナからお祭り騒ぎの音を聞いた箒が、連絡を入れていた。
「ウィー。何だ?・・・何!?すぐに行く!」
電話に出た織斑千冬は酒に酔っていたが、連絡を受けた途端に酔いが覚め、急いで一斗瓶片手に部屋を飛び出して行った。
「フー、フー・・・ゲホッ。」【1499/1500】
息が上がり、体はずぶ濡れ。それでも膝を地面に付け起き上がっているのは代表候補生の意地。だたし、ダメージは皆無だ。
「どうした、疲れたのか?」【9999/9999】
対する一夏は、疲れどころか寧ろ楽しそうに指を動かし、『来い』のサインを出す。
「こ、この程度で・・・。この程度で倒れる訳がありませんわ!!ヤァァァロォォォォ、ォブッコロッシャァァァァァァァァ!」
そこで一夏は、彼女の後ろから近付いてきた人物を一瞥して一言。
「そうか。じゃ、千冬姉後は任せた。」
「!?」
驚き、振り向く。もしこれを言ったのが、彼以外で、尚且つ名前が織斑千冬以外であったなら信じなかっただろう。
「一夏を、い、イジェルッラァ、ほ、ほっほこのひょいつだぁ?」
(訳:一夏を虐めるのはどこのドイツだ。)
やはり現れたのは織斑千冬。
「「???」」
しかし、あまりの酔いっぷりに話を振った一夏ですら困惑する始末。あまりの酒臭さに、セシリアは思わず鼻をつまむ。
「ふぉふぁへかはぁ!」
(訳:お前か。)
ろれつは回らないわ、足は千鳥だわ、ブリュンヒルデどうこう以前に人間としての価値が皆無な織斑先生。
「な、お、織斑先生ちょっと・・・。く!幾らブリュンヒルデと言えど、今となってはただの酔いどれですわ!」
あの恐れられていたセシリアにすらこの言われよう。
だが。
「ウィィ~♪」
ベキャ!【-1/15000】
ふざけたように振り下ろした酒瓶で、グラウンドにクレーターをチャチャッと作る。
「ひっ!?こ、こんなのガラスじゃありませんわ!透けて向こうの見える隕石ですわ!」
顔面蒼白で目の前のクレーター製造人を凝視するセシリア。
「ひははははははァァァ!」
「キャァァァァァァァ!」
完全に酔っている織斑千冬は、酒瓶片手にセシリアと追い駆けっこを始める。
「一夏さん!許しますからお助けを!!・・・一夏さん?」
しかし、既に一夏の姿は何処にもなかった。
「ヒィィィッヒィッヒィイ!!」
満面の笑みでセシリアを追う織斑千冬。セシリアはと言うと、当然のことながら逃げるのに精一杯。
途中、(一夏が捨てた)ロケットランチャーを見つけたセシリアが反撃に出たものの、鉄骨教師に通用するはずもなく、結局このこのドンパチ騒ぎは翌朝まで続いたとか続かなかったとか・・・。
え?セシリア?大丈夫ですよ、明日(目が覚めたら)は日曜日ですから。
作品を書いていると、妙に飛ぶスピードの速い虫(主にヨコバイ)が画面の前をうろうろしてイライラする、今日この頃。
*それを捕まえようとして、液晶を殴りそうになり焦る。