IS《ISの帝王:小説版》 作:只の・A・カカシです
腹筋は鈍っているんじゃないか!今年もシゴキまくるぞ!嫌ってほど腹筋を鍛えてやる!読者諸君、覚悟はいいか?それでは読んで頂こう!只の・A・カカシですのワークアウトだ!
「随分早かったな。もう選んだのか?」
別れてから5分後。シャルロットが一夏を呼びに来た。その選択の速さに、女性(千冬除く)の買い物は長いと思っていた一夏は驚く。
「あ、いや、ちょっと・・・一夏に選んで欲しいなーって・・・。」
モジモジしながら、おまけに頬を赤らめ目を泳がせながらそう言うシャルロット。
一夏は断る理由はないため、「すぐに行く。」っと言ったときだった。
「ちょっと、そこのあなた。」
「んん?(キョロキョロ)」
突然、見知らぬ人からの横暴な呼びかけ。辺りを見回してみるも、運の悪いことにシャルは少し離れた位置におり、彼しかいない。
「手前しかいねえだろがよ、このタコ!そこの水着、片付けときな。」
見ず知らずの人へ、罵倒してからの命令。普段から人を顎で使っているのだろう。
当然、一夏がそれを聞き逃してやるわけはない。
「へっ、お断りだね。」
「ふぅ~ん。・・・君は、自分の置かれた立場が全く理解できていないようね。」
「それがどうした?」
全く諂う素振りがないことに、その女性はストレスが溜まる。
「一々むかつく奴ね。まあ、いいわ。私心が広いから。そこの水着、片付けたら許しても良いわよ。」
普通の人間なら、ここで拳の一発や二発飛んでもおかしくないところだが、シャルロットを待たせていることが、気が気ではない一夏は必殺の一言を放つ。
「お前の試着物だ。そんなことまで人任せにして、(嫁に行き)遅れても知らんぞ。」
「何ですってぇ!?ちょっと警備員さぁぁぁん!そこに緑のシャツを着た大男がいるんだけど、彼マトモじゃないわ。暴言を吐かれたの、助けて下さい。」
一夏は優しさから、敢えて何をと言わなかったが、その部分をしっかりと穴埋めできる程度の知能はあるらしい。
「何!?・・・君、何処かで見たことあるぞ。・・・ああそうか、はははっ、テレビに出てたアホだろ。」
女性の助け(?)を求める声に何処からとなく現れた警備員は、一夏を見るなりそう言った。
「俺もアンタに同じことを言おうと思ってた。(・・・ん?)」
「おいおい、冗談はよしてくれ。」
「何言ってんだ?さっき監視カメラに映ってたぞ。」
「テレビだぁ?寝言言ってんじゃねえよ。」
「面白い奴だな、気に入った。起こすのは最後にしてやろう。」
「・・・ちょっと、警備員さん?」
つい、ノリの良い警備員だったために話し込んでしまった一夏。
「・・・んん!カッコいいところ見せましょう。・・・全警備員へ、3階で非常事態発生!容疑者は男性、180cm、髪は紺、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ。」
面白いものが見られるぞと言いたげな口調で、無線で応援を呼ぶ警備員。
「くそっ!厄介な。」
「おい、一緒に来い。・・・うおっ!?」
ベキッ!【10/250】←警備員
「今の内に逃げ――!」
ようとすると・・・。
「いたぞ!あそこだ!」
階段から、エスカレーターから、続々と集まってくる警備員。
「チィッ!クソッタレがぁ!」
ドコッ!ベキッ!グシャッ!「「「うおぉ!?」」」【【【10/250】】】
しかし、レゾナンスの警備員が束になって掛かったところで、一夏に歯が立つわけがない。
「えいもう!その銃貸しなさい!」
何で警備員が持っているのかはさておき、警備員から奪った銃を一夏に向けて撃つ女性。
「ぬおぉっ・・・!?ふざけやがってぇ!」
だが、素人の撃った弾が一夏を捉えられる筈もなく弾倉が尽きる。
それを待ってから一夏は女性に近付くと、ガシッと右肩を掴み持ち上げる。
「きゃあ!?」
女性を持ち上げたまま窓を開けると、その窓から外へと女性を出す。
「空飛ぶか?そらっ!」
ギャグのようなことを言いながら、女性をリリースする。
「あばよ!」
「キャァァァァァァァァァァァ!!!」
悲鳴を上げながら5階の高さから落下していった女性は、下に用意してあったトランポリンで跳ね返る。
「・・・(あばら骨が)逝ったかと思ったよ。」
「とんでもねえ。手加減したんだ。・・・迫真の演技だったな。」
それを見届けることもなく、さっさと窓を閉め、先程の警備員達と話を始める。
「君もな。無駄にしたかねえだろ。さっさと行け。」
「ああ、助かった。また会おう。」
「・・・ニュースでな。」
「お帰り一夏。・・・あれ大丈夫なの?」
水着売り場へと戻ってきた一夏に、シャルロットは試着室から顔だけを覗かせ心配そうに話し掛ける。
「心配するな。ただのアトラクションだよ。」
「あ、そう・・・。」
いつも通りの一夏に、安心したシャルロット。
「じゃあ、えっと・・・水着・・・見てくれるかな?」
「OK!」
そう言いながら、カーテンを思いっきり開ける一夏。
「うわぁ!?」
「何だ、まだ着替えて無いじゃないか。」
だが、シャルロットはまだ上着すら脱いでおらず、水着はハンガーに掛かったまま。
と、そこで、シャルロットは近づいてくる見覚えのある2人、織斑先生と山田先生を見つける。
「!!」
「じゃあ、外で――」
待っていると言おうとした一夏を強引に試着室へと引き込む。
「こっちに!!」
「うおっ!?」
まさか引っ張られると思っていなかった一夏は、バランスを崩し試着室へと引き込まれる。
「何しやがる!!」
「だ、大丈夫!手間は取らせないから・・・。」
そういいながら服を脱ぎ始めるシャルロット。
「急げ、奴らが来た。」
無論、一夏は2人の接近を知っていたし、隠れるつもりもなかった。
だが、こうなってしまった以上、一刻でも早くここから出る手段を執るのが得策。
「ま、まって。・・・いいよ!」
言い終わると同時に、一夏は振り向く。但し、首から上だけ。
「・・・いいじゃないか、似合ってるぞ。」
「ホント!!実は、もう一つあってね!」
一夏に褒められ、シャルロットは嬉しそうにそう告げ、ハンガーに掛かった水着をもう一つ取り出す。
しかし・・・。
「すまん、シャル。もう限界だ・・・。」
「え//」
限界だと言うのを何という意味に捉えたのかは敢えて触れないでおく。
一夏は、スーッと息を吸い込むと・・・。
「ムン!」
バッキャーン!!【0/500】
思いっきり全身に力を入れた。
筋肉が盛り上がったことにより、試着室は四方へと吹っ飛んでいく。
そして、シャルロットは気まずそうに目が合った人物の名前を言った。
「お、織斑先生・・・。」
「良い水着だな、デュノア。」
オロオロするシャルロットとは対称に、全くやましいことがなかったと確信している織斑千冬は、センスがあるなと褒める。
「・・・お、織斑君、何をしてたんですか!?」
もっとも、見た目からいかがわしいこの先生は、二人が試着室で楽しんでいたと考えていたようだった。
「山田君。今度、店の中で騒いでみろ。口を縫い合わすぞ。」
「で、ですが――」
ドベキシッ!「オフゥイ・・・」【0/3000】
反論しようとした瞬間、山田先生は後ろから意識を刈り取られる。
グッタリとした山田先生を抱えながら、シャルロットにお願いをする一夏。
「悪いがコイツが起きないように見張っていてくれ。」
「い、いいけど、・・・山田先生コイツ呼ばわりするのは・・・・・。」
「ゴミよりマシさ。」
投げ捨てるように山田先生を降ろすと、一夏は歩き始める。
「ゴミって・・・。何処に行くの?」
「千冬姉の水着を選びに行く。おっと、更衣室を直さなきゃ。」
バァンッ!【450/500】
「これで良し。」
と言っても、壊れたものを立てただけなので・・・。
「よくは・・・ないかな?」
良識のあるシャルロットを納得させるには至らなかった。
「じゃあ、行ってくる。」
と言っても、此処も水着売り場なので目と鼻の先。
「一夏、この色なんてどうかな?」
千冬が最初に選んできた水着は金色。
「百式か?」
「・・・採点してくれ。」
「安心しろ、文句なしの0点だ。」
キッパリと言い切られ、絶句する千冬。
「じゃ、じゃあ、この色なんてどうかな?」
金色の水着を棚に戻すと、直ぐに次の水着を手にする。
「色が変わるのか!まるでカメレオンだな。」
「何点だ?」
「馬鹿には見えない
メキッ!【18999/20000】
「イダダダダダダダ!悪かった!!」
裸の大様の要領で、何も掛かっていないハンガーを自分の体に当て一夏を騙そうと試みたが、そんな冗談が通るわけもなくヘッドロックでしばかれる。
「千冬姉には、この色がお似合いだよ。」
そう言って手にしたのは黒色の水着。
「採点して欲しいか?」
「是非ともお願いしよう。」
「百点だ。それも、植木鉢付きの花丸のな。」
なら最初からこの色を選べと、思った一夏だったが敢えて言わないでおいた。
「待たせた。シャル、悪かったな。」
「ううん、別に大丈――!?一夏!?そんなに水着買うの!?」
と言うのも、一夏が押すカートには、山積みの水着、要は海パン。
「水着は道具さ。それも使い捨てのな。」
「普通は、2・3年は使える物じゃない!?」
驚きを隠せないシャルロットに本当だと分からせるため、一夏は天井に呼びかける。
「どうかな?・・・おい、鈴。いるだろ?出てこい。」
「何?呼んだ?」
すると、本当にガタッと天井板を外して現れた。
「ふぁ、ファー!?凰さん!?何処から出てきてるの!?」
「?こういうときって、普通は天井から登場するものでしょ?」
何を驚いているのかしらと、凰は首を傾げた。
「いや、出ないよ!!っていうか、どこから入ったの!?」
「換気口からよ。」
「凰だけにってか?」
突然、一夏の口から親父ギャグが飛び出す。
だが、それは盛大に滑った。
「一夏、寒いわよ。あと、寒い。」
「鈴。降りてこい。俺の筋肉で暖めてやる。遠慮するな。」
「いや、結構。遠慮させてもらうぜ。」
「怖いのか、鈴?どうした、降りて来いよ。」
そう言い、天井板を元に戻そうとする凰を煽る一夏。
「誰が、筋肉なんか、筋肉なんか怖くねえ!・・・野郎、ブッ――」
「ねえ、凰さん!一夏って、そんなに水着破れるの?」
折角の見せ場にも拘わらず、さらっと割り込んできたシャルロットに、一夏は苦言を呈する。
「・・・シャル、空気を読んでくれ。」
「ごめん一夏。死ぬほど水着の話が本当か聞きたかったんだ。」
「―コロッシャァァァァァァァァァァ!!!」
と、呑気に話しているように見えるが、実は途切れることなく続けられている。
「ふんっ!」
メギッ!【1000/1600】
「ウォォ・・・。」
飛び降りてきたところで、キッチリと凰は絞められた。
「これで、腐った冷気も抜けただろう。」
「うっさいわよ!」
ベキッ!【9998/9999】
「む、やったな!」
ベキッ、ドゴッ、メシッ!【10/1600】【5000/9999】
「貴様らいい加減にしろ!」
ドゴォォォォォォォォォォォン!!!【0/1600】【1000/9999】
ガチの戦闘を始めた一夏と凰に、千冬から珍しくまともな鉄拳が飛んだ。
「おい一夏、早く金を払ってこい。君達は騒ぎすぎた。」
と言っても、これはあることを誤魔化すために行ったこと。
「・・・あのー、私の疑問は・・・?」
そう、シャルロットの疑問、海パンのことである。
とは言え、何故海パンのことに拘るのか。
「なんでしょう聞こえませんが・・・磁気嵐のようですなあ、場所を変える。行くぞ。」
何とか諦めて貰おうと、すっとぼける三人。
「エエェェェェェェェェェェェェェェ!?!?!?」
「うるさい黙れ!」
ドベキシッ!「オフィッ」【0/1800】
まんまと誘導に乗ってしまったシャルロットは、千冬によって睡眠させられてしまった。
お久しぶりです。『只の・A・カカシです』です。
オリジナル書いていたのと他のことが忙しかったのとで、MAD版に少々(二ヶ月)遅れてしまいました。
書き溜めしているので、30話まで毎日投稿します。