IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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「おーい!投稿してくれ!ちょっとー!おーい、早くしてくれ!」
カタカタカタ!!!ポチッとな。
「・・・失踪するかと思ったよ」
「とんでもねえ、作Aも学校が始まったんだ。」

「只の・A・カカシです!?学校が始まったんじゃ・・・。」
「残念だったなぁ、書き溜だよ。・・・学校が始まる前に、全部書き上げておいた。ようやく原作2巻終了の話、一歩手前までやってきた。長かったぜ。」


23話 弾けろ筋肉、飛び散れIS

 6月も最終週に入り、ようやく学年別トーナメント当日がやって来た。

 ラウラとセシリア&凰の決闘後、クラスの空気は険悪・・・になることもなく、いつも通り賑やかなままであった。それ以前に、凰とラウラが織斑筋の素晴らしさについて厚く語り合っている時点でお察しである。

 

 

 

 「失礼します。トーナメントが完成したので、渡しに来ました。」

 朝、ピットで作業をしていた山田先生の下に、生徒会がトーナメント表を渡しに来た。

 「はい、ありがとうございます。」

 山田先生は、内容を見ないままにそれを受け取る。

 「失礼しました。」

 と言うのも、生徒会は校内にトーナメント表を貼って回らないといけないため、ここで『よぉ、待ちなよ。』して貼るのが遅れでもすれば学校中の人に影響が出る。

 「・・・って、えぇ!?何ですかこの組み合わせは!」

 急いで呼び止めようとする。しかし、生徒会は走り去った後で、自動ドアの閉まる音だけが虚しく室内に木霊した。

 しまったという顔で呆然とドアを見ていると、10秒と経たない内に再びドアが開いた。

 「お、トーナメントが来たか。見せてくれ・・・おい、山田先生!」

 「は、はい!何でしょう織斑先生・・・。」

 ふと我に返り、そこで初めて織斑先生が入室して入ることに気が付く。

 さっさと見せろと、織斑千冬はトーナメント表を破れない程度にひったくる。そして、それを見るなり一言。

 「このトーナメントはどういうことだ!?」

 「し、知りません!私だって、今渡されたんですから!」

 とぼけるなと言おうとした瞬間、自動ドアが強引にこじ開けられ、その反動ですぐに閉まる。

 「おい、千冬姉!このトーナメントはどういうことだ!?」

 その一瞬の間に部屋へと入り、何時になく険しい顔で一夏は迫る。

 その前に、そのトーナメント表は何処から持ってきたんですか?

 「私に聞くな!」

 ふざけやがってぇ!と一夏が飛びかかろうとした正にそのとき、光の速さでドアが開閉する。

 「おい、一夏!この組み合わせは何だ!」

 現れたのは箒。一番ドアに近かったと言うだけで、一夏は標的に据えられる。やはりその手にはトーナメント表があった。

 「知るか!!俺に聞くな!」

 なら仕方ないかと、引き下がろうとしたその瞬間、最早ドアから入る意味はねえと、(眼)タイを付けたウサギが天井から舞い降りた。

 「おい、剣道娘!貴様がペアとは、どういうつもりだ!!」

 ドアの前にいたという理由で、箒に八つ当たりをするラウラ。コイツだけはトーナメント表を持ってきていない。流石、軍の人間だ。

 「知るか眼帯ウサギ!」

 織斑組合員集結に、1人震える山田先生。一触即発の空気の中、ドアがノックされる。

 全員が互いの顔を見合わし、他に誰かいたかと首を傾げる。

 「失礼します。」

 「誰だ!!」

 「私です、先生・・・。」

 ご丁寧に挨拶をし入室したのは、生徒会。

 「トーナメントに誤りがあったので修正しました!」

 申し訳なさそうに新しいトーナメント表を差し出す。

 「あぁ、そうか。ご苦労。」

 やはり手違いだったかと、その場の全員が胸をなで下ろした。

 ・・・のも束の間。全員が一斉にそれを見た瞬間、部屋の空気が一変した。

 「「「・・・おい!」」」

 何時になくドスの利いた声。

 「は、はい、何でしょう・・・。」

 怯える生徒会員にの織斑組合員一度が声を合わせ叫んだ。

 「「「一番大事なところが直ってねぇじゃねえか!!」」」

 「ひぇ!?」

 チュドォォォォォォォォォォォォン!っと、モーニングショットが炸裂し、建物の天井をぶち抜いた。

 

 

 

 開始直前、観客席は毎度の如く凄まじい賑わいを見せていた。

 『さぁ、注目の第一試合!』

 その賑わいに乗せられるように、アナウンサーのテンションが高くなる。

 『まず入ってきたのは――』

 しかし、そのテンションは一時途切れる。その原因は、威圧感を放ちながら入場してきた2人だ。

 『・・・篠ノ之箒さんと、ラウラ・ボーデヴィッヒさんです・・・。つ、続いて入場してきたのは、シャルル・デュノア君と、我らが筋肉、織斑一夏君です・・・。』

 やや震え気味な声で、放送は続く。

 「・・・ねぇ、一夏。何か空気重くない?」

 その雰囲気に、押され気味なシャルル。

 「あぁ、・・・そうだな。」

 校旗掲揚でも賑やかな観客席が、柄にもなくシンっと静まりかえる、

 「・・・終わり!?」

 「その通り!」

 しかし、一夏はこの空気を打開するときを見計らっていた。

 デェェェェェェェェェェン!【99999/99999】

 『『『イエェェェェェェエイ!』』』

 これがなければ見る意味がないと、観客のボルテージが一転、最高潮に達する。

 「大佐!ご苦労様です!」

 そして、それはラウラにも。

 「・・・。」『シャルル、事前の打ち合わせ通りだ。』

 もし、何か不審な装備があればと警戒していたが見たところ無さそうなので、個人間秘匿通信でシャルルにそう告げる。

 『ラウラを抑えられるとでも?』

 『お前なら出来る。』

 『・・・やってみる。』

 ここまで来たら自分を信じてくそ度胸だけで当たるしかないと、シャルルは腹をくくる。

 試合開始のブザーが鳴る。

 「「じゃまだ!!」」

 その瞬間、威勢の良い声と共に、互いが互いのペアの首根っこを掴み投げ捨てる。

 「「ぐぇっ。」」

 シャルルとラウラは、思わぬ衝撃に情けない声が出る。

 シャルルに至っては、くくったのは腹ではなく、首(物理)であった。

 そうこうしている内に、一夏と箒は凄まじい殺陣を繰り広げる。

 「ぐぁっ!・・・な、大佐!」

 何故相手をしてくれないのだと、一夏に食い下がるラウラ。

 「ゲホ、ゲホ・・・。僕が相手だよ!!」

 咳き込みながら、ラウラに肉薄する。

 「カカシは引っ込んでろ!」

 レールガンを放つ。それを、シャルルは華麗に躱してみせる。

 

 「ぬぅぅぅぅぅぅぅ・・・!」

 「ふんぅぅぅぅぅあぁぁ!」

 その頃、一夏と箒は顔芸しながら鍔迫り合いをしていた。

 

 「えぇい、邪魔だ!」

 撃っても撃っても、近付いたり遠ざかったりして掴みにくいと、ラウラは苛立つ。

 「行かせないよ!」

 遠ざかったところを狙い戦線を離脱しようとすると、ライフルで撃ってくる。

 

 「うをぉぉっぉぉらぁ!」

 「キェェェッェエェェイイイイ!」

 最早、人知を(2重の意味で)越えた一夏と箒の戦い。

 効果音を付けるなら、シャルル対ラウラが『バン、バン!ガッ!』なのに対し、一夏対箒は『ドゴーォン!チュドォォォン!バキィ!デェェェェェェェン!』っと言った感じである。

 

 「か、体が動かない!?」

 戦闘が始まって数分が経ち、一夏の様子を見た一瞬の隙を突かれ、シャルルはAICで拘束されてしまう。

 「フハハハハハ!AICの威力をとくと味――」

 このままではレールガンの餌食になるだけだと思ったとき、上空で金属の折れた音がした。

 直後、一夏の叫んだ声が響く。

 「ラウラ!避けろ!」

 「大佐!?」

 サクッ!【20014/24000】

 「い、痛ぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇ!?」

 しかし、回避が間に合わず、折れたブレードがラウラの脳天に刺さった。

 「貰ったよぉぉぉ!!」

 同時にAICが解除され、自由を取り戻したシャルル。

 ズズズカンッ!・・・ズドォォォォン!チュドォォォォォン!!【1/24000】

 一夏もビックリな速さで、盾殺し×2&ロケットランチャー&クレイモアの4Hit!を決め、ラウラを撃沈して見せた。

 「ウォォォウウウ・・・。オウウォォゥ・・・アァァァ。」

 うめきながらグラウンドに倒れ伏すラウラ。

 「隙だらけだぞ!一夏ぁ!!」

 その様子を見ていた一夏に、箒は不意を突いて倒しちゃ勿体ないと敢えて大声で叫びながら突っ込む。

 「やってみろ!!」

 一夏もそれに答えるように叫び、そして。

 バベキョシィッ!!【9999/9999】

          【2000/2000】

 斬り合いの衝撃により絶対防御が働き、シールドエネルギーが空になる。高さ30mの高所で2人同時にISが解除される。

 とんでもない高さからの落下だが、当然この2人なので、NO Damage!

 『決まったァァァァッァ!勝者は織斑一夏&シャルルペア!しかしぃ、流石はタフネス設計の人間隕石とぉ、竹刀でレールガンを撃ち返す強靱な肉体を持った剣道少女!30mの高さなんかでは、ビクともしなぁぁぁい!』

 『『『ワァァァ――!!!』』』

 歓声の渦が沸き起こる。

 「・・・よくやった、シャルル。」

 未だに緊張しているシャルルに、一夏は優しく声を掛ける。

 「はぁ、はぁ・・・。それにしても、あの高さから落ちてよく平気だね・・・。」

 「「清水の舞台に比べればまだまだ。」」

 などと筋肉2人はほざいていますが、30メートルは、清水のそれより2.5倍高いです。

 「へぇ、そうなんだ・・・?」

 まだ、日本に来て日が浅いシャルルは、今ひとつピンと来ないようだ。

 

 

 

 〈・・・こんな、こんな無様な負け姿を、大佐と、・・・教官に見せる訳には、見せるわけにはいかん!!〉

 そんな中放置されていたラウラは、頭の中、更に言えば無意識に近い領域で悔しがっていた。

 『子ウサギよ。力が欲しいか?・・・今ならPON☆とくれてやるぞ?』

 そのとき、何処からともなく甘い声を掛けられ、ラウラは迷うことなく答えた。

 〈!!カモォォォォォォォォォォン!(・・・ん?)〉

 英国の某自動車番組司会者みたいに叫ぶ。

 〈!?〉

 

 

 

 突如、シュヴァルツェア・レーゲンに電気のようなものが走った。

 「アァァァァァァァイ!」

 断じて、某球審じゃないです。

 「な、何あれ!?」

 シャルルは、溶けていくシュヴァルツェア・レーゲンを見て思わず声が出る。

 「液体ISだ。」

 見た目てきには間違ってませんが、VTシステムです。

 「見ろ!一夏!あの姿、千冬さんにそっくりだ。」

 あの箒が驚いてやがる。まあ、変形したのだから無理もない。

 「・・・来るぞ!伏せろ!」

 1人冷静に見ていた一夏は、ラウラがこちらに向かって突っ込んできたことに俊敏に反応する。

 「無茶だよ!ISに当たり勝ちしようなんて!!」

 体当たりを敢行したが、僅かに起動を逸らす程度に留まった。

 「一夏、私も――」

 「待て、これは俺の問題だ。一人でさせてくれ。」

 箒の申し出を断る。

 「・・・了解した。」

 「い、一夏。僕のリヴァイヴからコア・バイパスでエネルギーを――」

 「必要ない。」

 なら少しでも手助けをというシャルルの申し出さえも断り、あくまでも1人で行くと譲らない。

 「えぇ!?でも――」

 「動け!動けってんだ、このポンコツが!」

 困惑するシャルルの前で、一夏は待機状態に戻った白式を叩く。

 バシバシ!・・・デェェェン!【10000/10000】

 展開するにはした。しょっぱいことに雪片だけだが。

 「うそぉん・・・。」

 そんな無茶苦茶が何で出来るのと、シャルルは困惑の目を向ける。

 「行くぞラウラァァァァァァァァァァァ!」

 だからどうしたと、一夏は威勢良く特攻する。

 しかし。

 シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・【9999/9999】

 瞬く間にエネルギー切れとなり、雪片は収納される。

 「!!ウラァ!」

 ドベキシ!「オフィ・・・」【1/44000】

 それが使えるなら、体当たりなんて間抜けなことしてないでやればいいのに。

 「これで腐ったシステムも抜けるだろう。」

 粉々に砕け散ったISを見ながら、一夏はそう呟いた。

 「めちゃくちゃだぁ・・・。」

 一夏は素手でもISと戦うと聞いていたシャルルだったが、まさかねじ伏せるとは毛ほども思っていなかったようで、大層驚いている。

 「どこのバカだ、VTシステム積んだのは。」

 箒がやれやれといった顔で、ラウラを見下ろす。

 「そんなこと逝ってる場合か!医務室に運ぶぞ。」

 もしもし、一夏君?逝ってるんなら医務室ではなく葬儀屋では?

 「安心しろ、(まだ)生きてるよ。・・・チョチョッと手先を動かすだけで、壊れちまったISと死に損ないのクソシステムがパパーッと入れ替わる。」

 シュヴァルツェア・レーゲンを直しといてやりなよと、箒は一夏に言った。

 

 

 

 その日の夕方、校内放送がかかった。

 『トーナメントは事故により中止とします。OK?』

 「「「OK!」」」

 ズドドドドドドドォォォォォォォン!【1107/5000】

 せっかく派手なショーが見られると思っていた生徒たちは、放送室に向けありとあらゆるものを投げ込み抗議する。

 先生も、ここで死んで堪るものかと必殺の一言を出す。

 『・・・理事長が私達位優しかったら明日は開講休業ね。』

 「「「イェェェェェェェェェェイイ!」」」

 勝手に盛り上がっているところ失礼ですが、休みになりませんよ?




しばし小説化ペースが遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です!

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