IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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タブ開け!開けやがれこのぉ!(Wardから)文章引っこ抜いて投稿ページに送ってやるんでぇ・・・腹筋を壊せるようになぁ!


18話 これぞセシリアの真髄

 「・・・ねぇ、織斑君?」

 昼休憩になり、一夏とデュノアは昼食を摂りに向かっていた。

 「何だ?」

 「何で、僕たちは校舎の壁を上っているのかな?」

 僕たちと言っているが、シャルルは背負われているだけである。

 当然だが、一夏は素手で上っている。付け加えるなら、命綱も無しだ。

 「屋上で待ち合わせをしているからだ。」

 それ以外に理由はないだろと一夏は答える。

 「いや、だったら階段を使えば良いじゃん!」

 知らないから、そんなことが言えるのだ。

 「駄目だ。」

 「駄目ぇ!?」

 「あまり大きな声を出すな。野次馬と新聞部に見つかる。」

 わざわざ死角を突いているのだ。声を出されてその努力をフイにはしたくない。

 「そこ!?心配するところそこ!?」

 「あぁ、そうだ。明日の学内新聞のネタにされたくなかったら、黙ってろ。それから、包囲網を敷かれたら、流石の俺でも人を背負って階段を上りながら突破するのは厳しい。」

 「無理じゃないんだ・・・。だからって壁を選ぶのはどうなのかなぁ・・・。って言うか、僕を背負って壁を上ってる時点で十分おかしいよ?織斑君分かってる?」

 シャルルの友達にはいなかっただろうが、類は友を呼ぶ。

 「どうかな?俺の知り合いに、後3人、単独でならもう2人、出来る奴が居る。」

 「ご、5人も・・・。」

 一体どんな人脈があれば、そんな人達が集まるのかと目眩がする。

 「じゃなくて、何で命綱無いの!?落ちたらどうするの!?」

 「ISがあるだろ!」

 「」

 既に、そんな使い方しちゃ駄目だよと言うことすらバカらしく感じられてきた。

 「見ろ、現に一人来たぞ。」

 「え?あ、あれはラウラさん!?」

 彼女もまた、何の迷いもなく壁を上って来る。

 「大佐ぁ!待って下さい!」

 「先に行ってろ!」

 先にってどうやってと聞こうとした瞬間、シャルルの体を強烈なGが襲い、直後、宙に舞った。

 「・・・!?ふぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」

 何をされたのか、一瞬、理解が追いつかない。

 しかし、投げられたのだと分かると情けない声を出しながら、屋上目掛けて飛んでいく。そして、無事に到着した。

 その結果を見届けることなく、拳銃で威嚇射撃を行う一夏。

 「流石だ、ジョン!・・・いや、織斑一夏!やはり撃ってきたか。」

 ラウラが一夏をジョンと呼んでいるが、これは千冬姉がドイツ軍にいた頃、時々顔を出していた一夏がシュヴァルツェ・ハーゼでジョンと言う偽名を使っていたからである。

 威嚇射撃にもラウラは恐れることなく上り続けてくる。仕方なく、一夏は最終兵器を出す。

 ピュッ!【0/8000】

 「ウッ!」

 麻酔銃を放つ。見事、首筋に命中。ラウラは地面へと戻っていった。

 「これで片付いた。」

 

 

 

 その頃、IS学園の屋上では・・・。

 「!?」

 何かが落下した音にセシリアは驚き背筋がピーンとする。

 「・・・・・。」

 音をした方を見れば、放心状態のシャルルが座っていた。

 「デュノアが来たと言うことは、一夏もそこまで来ているな。」

 落ち着いた様子で、状況を整理する箒。そして、直ぐに一夏が現れる。

 「ほら、来た。」

 待たせたと言いながら、一夏はシャルルの調子を確かめる。

 「シャルル、大丈夫か?」

 「僕、死んでるんじゃないかな?」

 「大丈夫だ。生きてるよ。」

 その位じゃ死にゃしないと、バシバシ背中を叩く。

 「ね?言ったでしょ。織斑筋なら人っ子一人背負っても壁を上れるって。」

 「き、筋肉バカだとは思っていましたが・・・、まさかここまでするなんて・・・。っく、私としたことが・・・。」

 「・・・何を揉めているんだ?」

 シャルルを相手している間に、セシリアとシャルルが何かを話していた。

 「セシリアが、アンタが見当たらないって言うから、『校舎でも上ってるんじゃない?』って言ったら、信じなかったのよ。」

 「えぇ、そうですわ!普通でなくても上りませんわ!そうですわよね、デュノアさん!」

 「そうだよね・・・。僕も驚いたよ。織斑君が、食堂は混むから、秘密の場所に連れて行ってくれるってことで付いて来てみたら、まさか背負われて壁を登なんて・・・・・。最後は、投げるし。」

 全く信じられないと、ヨーロッパ組2人に妙な結束感が生まれた。

 「ってか、そろそろ食べない?授業に遅れると千冬さんに叩かれるわよ。」

 そう言いながら、カバンから布に包まれた弁当箱を取り出す凰。

 「そ、そうですわね。あの出席簿は喰らいたくありませんもの・・・。」

 「と言う訳で、はい。」

 セシリアの返事を待たずして、それを開け置いた。

 ドンッ!

 「・・・ドン?」

 弁当からそんなに重たい音がするの?といった顔でシャルルが見つめる中、一夏はいつものことのように話し始める。

 「酢豚か?」

 「そうよ!久しぶりでしょ?時間がなかったから、少ししか作れなかったけど。」

 少し、と言う言葉を聞き、シャルルは焦る。

 「少し!?これは少しじゃないよ!大量だよ!ドンって言ったよ!?タッパだし!」

 「タッパは少しよ。大量は、タライに作ってから言いなさい。」

 「」

 自分とは生きている次元が違う。

 「一夏、私も作ってきたぞ。唐揚げだ。」

 ドンッ!

 「で、白ご飯。炊きたての新米(6月)だ。檄旨だでぇ!」

 ドスンッ!と音を立て出てきたのは炊飯器。

 ところで、新米って何ヶ月まで新米?

 「・・・シャルル、どうした?」

 セシリアさんはと思ってそちらを見てみたが、彼女はどうもそっち側の人間になってしまっているらしく、ごく普通にしていた。

 「いや、僕がここにいて良いのかな・・・。」

 「それ、デュノア。」

 そんな心情を知ってか知らでか、箒はお皿とフォークを渡す。

 「あ、ありがとう・・・。」

 恐る恐るそれを受け取る。

 「「「いただきます。」」」

 全員が食器を持つと、合掌する。

 コツカツコツカツ・・・モグモグモグモグ!誰も話すことなく、食事・・・箸が進んでいく。

 「・・・何時もこんな感じなの?」

 某宣伝の◎鍋肉並感のコメントを残すシャルル。

 「いや、普段はもっとドンパチ、賑やかだ。」

 「」

 賑やかな食事ってどんなのと思うシャルルであった。

 

 「「「ごちそうさまでした」」」

 「す、凄い・・・。あんなにあったのに・・・。日本人って、みんな大食いなの?」

 あれだけあったのに残らず平らげた。それも、ほぼ一夏、箒、凰の3人で。

 「私、国籍は中国よ。」

 「実質日本人だろ。」

 一夏と凰が下らないコントをしていると、セシリアがバケットを取り出した。

 「んん、一夏さん。まだ足りないようでしたら、私、サンドイッチを作ってきましたわ。よかったらどうぞ。」

 蓋が開くと、そこには美しいサンドイッチが整然と並べられていた。

 「あぁ、いただこう。」

 食後のデザートだなと、一夏が一つを口に入れた瞬間!

 「!?!?!?」

 一瞬にして真っ青になる一夏の顔。

 「美味しそうね、私も――」

 その表情を見なかった凰が伸ばした手を、一夏は掴む。

 「セシリアは、サンドイッチだと言ったな。」

 「うん、そ、そうね。どう見ても、サンドイッチよ。」

 初めて真っ青になった顔の一夏を見た凰は、何があったのかと困惑する。

 「あれは嘘だ!」

 最後の力を振り絞り言い放った直後、一夏は倒れた。

 「一夏!繰り返します、一夏!!箒だ!返事をしろ!」

 慌てて声を掛けたが、反応はなかった。

 

 ダダダッダダダダダッシュ!

 もの凄い速さで廊下を駆ける箒と凰。彼女等は一夏を搬送していた。

 「見ろ、あの織斑君が倒れてるぞ。スクープだ!」

 写真部は急いでシャッターを切る。

 「(大佐)らしくもねぇです。サンドイッチを食ってから様子が変になった。」

 麻酔の眠りから覚めたラウラは、こっそりと情報を流す。

 「ふ~ん・・・。それどこで聞いたの眼帯さん?・・・あれ?眼帯さん・・・?」

 気が付けば、その姿は何処にもなかった。

 「黛、誰と話してんの?」

 友達は、誰かいたのと首を傾げる。

 「見ました。(眼帯した女子を)見たんです!」

 必死に訴えたその瞬間だった。

 「カカシには写らんぞ。」

 「「「!?」」」

 背後からの声に、皆が一斉に振り向いた瞬間、その女子は、目だけが・・・光っていなかった。

 ・・・原因?ラウラは銀髪+眼帯なもので。

 

 

 

 「ここは、保健室か・・・。」

 「残念だったな。クリニックだよ。」

 以前、無人機の時に運ばれたのは保健室だったため、今回もてっきりそうだと思ってしまった。

 「そうか・・・。」

 黄昏の病室。普段からは想像できないほど一夏の声は弱々しく、狭い部屋の中ですら響かない。

 「で、どんな味だったの?」

 腐っていても平気なアンタが倒れるってのはよっぽどの味だからと凰は尋ねる。

 「君は知らないほうがいい・・・。俺だって、出来ることなら忘れたい」

 「下らん、恐怖でおかしくなったか?相手は只のサンドイッチだ、どうってことはない。」

 「腐るよなぁ」

 「まったくですわ。サンドイッチ一つにこれじゃあ、大げさすぎます。」

 「大佐、何をビビってんだ。」

 いつの間にかいるラウラ。しかし、特に誰も興味を示さない。

 「試してみるか?俺が意識ほどを失うほどのサンドイッチだ。」

 大げさだの恐怖だの言うなら食べて見ろと言うが・・・。

 「いや、結構ね。遠慮させて貰うから。」

 にべもなく断られる。しかし、腐っても鯛。弱っても一夏。引き下がる訳がない。

 「・・・食えよ、鈴。怖いのか?」

 「食してやる。」

 「「えぇ!?」」

 「胃薬なんて必要ねぇ!あはははっ。腸薬にはもう用はねぇ!ふふふふっ・・・下剤も必要ねぇや、へへへへっ・・・。誰がサンドイッチなんか、サンドイッチなんか怖かねぇ!・・・野郎、セシリア製サンドイッチ持って来いやぁぁ!!!」

 すかさず手渡されたセシリア製サンドイッチを口に入れる凰。

 と、次の瞬間。

 「ウウウウウォォォ・・・オォォゥ・・・アァァ。」

 あまりに斬新で衝撃的な味に嘔吐する。

 「これで昼に食った飯も抜けるだろう。」

 「ウォエ***(自主規制)」

 「次は命がないぞ。」

 「こんなサンドイッチは、一度きりよぉォォォォ!!・・・オ**(自主規制)」

 既にまともな会話が出来ない。

 「セシリア、お前は!自分がしたことは何にも分かっていない!よくこんなサンドイッチを作ったな!」

 もう二度と料理何かするなと一夏は釘を刺す。が。

 「貴方が食べ(させ)たのですわよ!」

 「食わせたのは、手前だぜ・・・。・・・ウォ**(自主規制)」

 何故か喰わせた奴が悪いという結論に至り、一夏は立つ瀬がなかった。

 

 後日、凰鈴音は『普通の飯ってのはぁ、いいもんだよなぁ。・・・気をつけて食いなさいよ。いい飯をね。酒でも飲んで腹を消毒しな。衛生の面倒は私がしっかり見ててやるから』と語ったと言う。




「クソッ、(投稿まで)あと3時間だ」
「作Bに連絡をとってくれ。作Aと言えば分かる」
「ふへへっ、作Bだぁ? 寝言言ってんじゃねぇよ」
「ああ、眠いからな・・・もう何日もまともな睡眠取ってねえ、やってられっか!(やってるけどな!)」

MAD版18話の後書きを見返して、良く3時まで書いたもんですなぁと思う今日この頃。

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