IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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「読者に(評価を)いくらもらった」
「10点PON☆とくれたぜ。・・・だけどな読者、お前の腹筋をぶち殺せと言われたら、タダでも喜んでやるぜ」
「!!必ず(読みに)戻ってくるぞ!」
「楽しみに待ってるぜ。」


10話 潜入ミッション(段ボールじゃないよ!)

 「おはよー、織斑君!」

 次の朝、織斑と篠ノ之は何事もなく登校してきた。

 「あ、織斑君達来た。」

 「ほら、だから言ったじゃん。」

 流石のクレイモアも彼(女)等のタフネス筋肉の前には、常人に対する爆竹以下でしかなかったのだ。

 「転校生が来るらしいんだけど知ってる?」

 特に彼らの身を心配することもなく、いつも通りに話し掛ける。

 「転校生?誰が来るんです?」

 こんな時期にと、一夏はいぶかしげな表情になる。

 「IS学園は世界中から生徒を集めているからな。転校生は大韓民国か朝○民主主義共和国か、それとも日本海を越えてやってくるか・・・。」

 暗に中華人民共和国と言っている。一体その情報は、何処から仕入れてきたのか・・・。

 「入試が終わって直ぐのはずだが。」

 あまりに時季外れなそれに、一夏は余計に混乱する。

 「代表候補生は別らしいんだ。」

 「全くお笑いだよね。私らは入学するのにえらく苦労したのに。」

 実は、目の前にその例外がいまして・・・。

 「・・・(事実上の)入試免除で入ってすまないと思ってる。」

 「「「あっ・・・。」」」

 『やっちゃたZE!』と言う表情には到底なっていない。流石に、その程度の分別は付く。

 「・・・と、ところで一夏さん、来月のクラス対抗戦は大丈夫でして?」

 中々会話に入られないでいたセシリアは、ここぞとばかりに口を開く。

 「まぁな。」

 「そうですか・・・。どのような戦法で行くのですか?」

 「君は知らない方が良い・・・。俺だって、出来ることなら思い出したくない。」

 私の時のような戦い方は許しませんわと言いたげな表情に、何やらやばそうな戦法を錬っていると思わせる作戦に出る。

 「何をする気!?織斑君!?」

 しかし、思いの外、外野が食いついてきた。

 「安心しろ、未来の話だ。俺にとって今が全てだ。」

 そして、それまでにまともな作戦を思いつくだろうと付け加えた。

 「まぁ、織斑君がそう言うなら。がんばってね!」

 「フリーパスのためにも!」

 「強靱な肉体とISを持った人間\デェェェェェェェン!/の織斑君なら、優勝間違いなし!」

 所々、私利私欲が混ざっていたが、特に気にすることでもないので放っておいた。

 「自称情報通のトーシローばかりよく集めた物だわ。全くお笑いね。」

 そこに、突如として現れたのは・・・

 「鈴・・・?お前、中国に帰ったんじゃ・・・。」

 突然現れた旧友に、一夏は言葉を失う。

 「残念だったなぁ。事実よ。親に日本から連れ出されてからずーっと来日を想い続けてきた。よぉやくその日がやって来た・・・長かったぜ!」

 「一夏、コイツは?」

 また賑やかなのが来たなと、箒は指を指す。

 「凰鈴音。箒の転校と入れ違いで転入してきた。」

 「2組も代表候補生の私がクラス代表になったから、その挨拶よ。」

 一夏の説明が終わるのを待ち、凰は満足げに答えた。

 「見上げた宣戦布告だ、鈴。だがな、手前ぇの命を張るほどの値打ちのあることか?」

 「何が言いたい訳?」

 この時、直ぐにでも一夏の視線の先を見るべきであった。

 「ドアを塞ぐとは、面白い奴だ。気に障った。叩くのは一度にしてやろう。」

 ドゴッ!【1000/1600】

 毎度お馴染み、あの人の登場である。

 「ち、千冬さん!?」

 突如現れた天敵に、凰は体を震え上がらせるのが精一杯。

 「織斑先生だ。・・・叩くのは一度と言ったな。」

 「そ、そうだ・・・。」

 「あれは、嘘だ。」

 ドベキシッ「オフゥィ・・・・・」【1/1600】

 織斑先生と呼ばなかったことに対してのモーニングショットお代わりである。

 「織斑、コイツを2組に持って行け。」

 教科書を机の上に投げるように凰を一夏の前に投げる。

 「気絶させたのは手前ぇだ!」

 優しく捕体し、ゆっくりと床に寝かす。

 「(筋肉モリモリの)お前が適任だ!」

 「・・・ふざけやがってぇ!」

 バババキィ!【18000/20000】

 目の覚めるような一夏の3Hit!

 「ウォォ・・・。フンッ!」

 ビシッ!【9951/9999】

 織斑千冬も、渾身の出席簿フルスイングで答える。

 「2人ともやり過ぎだ!」

 バシィンッ!バシィンッ!【17893/20000】

             【8897/9999】

 仲裁に入ったのは、箒。

 「次暴れたら、廊下に立たせるぞ。」

 「「」」

 この一言で2人を黙らせた。

 〈〈〈篠ノ之さん、スゲー・・・。〉〉〉

 クラスメイトからは、尊敬と畏怖の眼差しを向けられることになった。

 

 ・・・え?鈴?廊下に出しておいたら、2組の担任が回収していきました。

 (出前の食器返却か?)

 

 

 

 昼休み。食堂の入り口で一夏達を待っていたのは

 「待ったわよ、一夏。」

 凰だった。

 ドベキシッ「オフゥィ・・・・・」【1/1600】

 「食券購入の邪魔だ。脇へどきな。」

 容赦なく凰を絞める箒。それでも凰は、ラーメンをしっかり保持していた。

 「分かってるわよ。・・・それにしても、久しぶりね。直接合うのは、1年ぶりでさぁ。」

 織斑千冬にしばかれ一夏と賑やかに暴れ回っていた凰は、直ぐさま立ち直る。

 「元気にしていたか。」

 一夏は券売機に向きながら尋ねる。答えが返ってくるよりも早く、券売機が(プラスチック製の食券を吐き出す。

 「元気にしていたわよ。あんたこs・・・、その筋肉だと元気だったみたいね。」

 「当然ですわ!一夏さんが体を壊すことなど、あり得ませんから!」

 何故か割り込んでくる口先だけは達者な金髪ドリル。

 「・・・アンタ誰?」

 目に見えて不機嫌になる凰。

 「な、このわたくs「トーシローに負けた金髪クルクルの変態だ。」一夏サァァァァン!?」

 自分の経歴を自慢しようとするも、一夏により自分の経歴(黒)を暴露される。

 「セシリア、そのライフルは仕舞ってろ。ビットも戻しとけ。」

 怒りにまかせ展開したものの、相手にとって不足はないどころかオーバーキルされる未来しか見えないため、大人しく従う。

 「っく・・・。篠ノ之さんが、そう仰るなら・・・。」

 「ところで、鈴。そのラーメンは伸びてないのか?」

 セシリアが大人しくなったところで、一夏は再び凰と話し始める。

 「タフネス調理の麺とスープを使ってあるらしいわよ。何を使ってるのかしら。」

 「知らない方が良いわ。」

 「「「・・・。」」」

 献立表や成分表示を制作する気はないのだろうか、この学園の厨房は。まあ、知らない方がと言っている時点で、既にお察しなのだが。

 「はい、Cランチ3つおまちどう。」

 「あぁ、どうも。」

 3人は頼んだものを受け取ると、席へと向かう。

 「さあ、頂きましょう。」

 「・・・あぁ。」

 一同は、いただきますと言ってから箸を取る。

 「ところで一夏、クラス代表なんだって?」

 まるで他の2人に興味はないと言わんばかりに一夏へと話し掛ける凰。

 「・・・何処で聞いた。」

 「事務室。」

 「成る程。」

 周知されていることではあるが、まだ来て直ぐの凰が2組の生徒から聞いたとも考えづらかったため一応聞いて見ただけである。

 「・・・あ、あのさ、ISの操縦見てあげようか?」

 急にモジモジし出したため、何を言い出すのかと思っていればこれである。

 「「いや、結構だ(ですわ)。」」

 例にならって、外野の反応が一番早い。

 「私は一夏に聞いてんの。部外者は黙ってて。で、どうなの一夏?」

 将を射んとせばまず馬を射よ。この発言を、凰は悔やむこととなる。

 「・・・鈴、クレイモアの使い方は知ってるか?」

 「く、クレイ何?」

 代表候補生とて、一般人。されど、軍での訓練も受けている。兵器についてある程度の知識は持ち合わせているが、一夏には遠く及ばない。

 「(説明書を)見てこいカルロ()。」

 「」

 返す言葉もなく、凰はただ呆然と一夏を見る。

 凰の意識を現実に引き戻したのは『ごちそうさまでした』の一言。

 「早!?」

 驚くのも無理はない。いつもより速く咀嚼していたのだから。

 「「当然だぜ、ムネッペタ。元(現)剣道部に咬合力で勝てるもんか。(・・・ん?)」」

 「試してみる?私だってもと中華料りょ――何言わしとんじゃぁー!誰がまな板だァ!?」

 乗りの良さに定評のある凰。しかし。

 ゴンッ!【1421/1600】

 「食事は、静かに、迅速に摂れ。OK?」

 それが仇となり、良くおもちゃにされる。

 「ち、千冬さn」

 バゴンッ!【1323/1600】

 ランチ特打。おまけ付き。そら(返事がなけりゃ)そう(なる)よ。

 「織斑先生だ!」

 「「先に行くぞ!」」

 かつては何時ものことだったので、一夏はさっさと食器の返却に向かう。

 「ちょ、篠ノ之さん!?抜け駆けは駄目ですわ!」

 「ちょ、一夏!待ちなさいよ!にゃー!!」

 次の授業、海外組代表候補生の姿を見た物はいないという。

 

 

 

 さっさと食堂を後にした一夏と箒。

 「何処へ行く気だ?」

 しかし一夏は、教室とは真逆の方に向かっていた。

 「生徒の胃袋を捕えている場所だ。」

 そう言うと一夏は立ち止まり、辺りを見回し換気口を空けた。

 「・・・箒、ここを見張っていてくれ。」

 何となく意図を察した箒は、頷く。

 「分かった。気をつけて。」

 一夏は、ダス○ン(ほふく前進)しながら屋根裏を進んでいく。もう、何度この学園の屋根裏に忍び込んだことか。

 そのお陰で、屋根裏はあまり埃が溜まっていない。

 〈これは・・・・・。〉

 とても厨房とは思えない光景に、衝撃を受ける。

 一夏は直ぐさま、箒のいるところまで戻った。

 

 「早かったな。どうだった?」

 「料理道具から調味料までそろっているが、材料がどこにもない。」

 換気口を閉め、服に付いた埃を払いながら質問に答える。

 「それで料理の秘密は?」

 「エプロンも調理師もいない。よそで作っているんだ。」

 捜し物がない以上、推測すら不可能。

 「手がかりは?」

 「この近くだと、・・・第3アリーナだ。よーし、この写真と照らし合わせて・・・と、第3アリーナの北にある家庭科室に印がつけてある。調理場はきっとこの部屋だ。」

 スマートホンで撮った、厨房のホワイトボードの写真を箒に見せる。

 「見ろ。あの車。校内作業車だ。」

 学校裏に止められているそれを指さす。

 何故、学校裏が見えるのか。それは、彼らが校舎の壁に張り付いているからだ。

 「家庭科室からの運搬に使ってるんだ。・・・シッ。」

 「はい。さっきの明日の伝票を――」

 「搬入は明日の早朝。今夜中に調理させろ。」

 2人は息を殺し、室内の会話を漏れなく聞き取る。

 「・・・やっぱり。さっき拾ったこのマニュアルは作業車用よ。25.0リットルといえば、この作業車で家庭科室までの一週間分の往復にぴったりの量だわ。」

 さっき風で飛んできたと見せられる。

 「しかしここにはないぞ。中は全部見たんだ」

 「燃料の補給は教員駐車場で受けてる。前に見た。」

 なぜ、調理室で給油する必要があるのかとお思いのことだろう。

 だが残念。この学園の伝統、無駄にハイテクのDNAを受け継いでおり、天ぷら油等の廃油が燃料であるのだ。

 「家庭科室まで、時間にしてどのくらいだ?」

 「約2分だな。今からいくのか?」

 「いや、まだだ。」

 一夏は時計を見ている。

 「じゃあ、壊物か?」

 思いつくのはそれしかないと思っていたが。

 「いや、授業だ。」

 「!!むう、こんな時間だったか・・・・・。」

 一夏に時計を見せられ、箒は納得した。

 「行こう。千冬姉が帰ってくる。」

 遺体で済む・・・失礼、これでは死んでるな。

 痛いで済むが、出来ればあの出席簿は喰らいたくない。彼らは密かに去っていった。




私を覚えてるかね読者。
誰が忘れるものか、只の・A・カカシです。すっとぼけた顔みたいな名前を使いやがって。

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